多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ警視庁メールマガジン目次→警視庁メールマガジン


※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
メールマガジンに戻る][ご意見募集][トップページ

警視庁メールマガジン第27号

==警視庁メールマガジン第27号==
                                   発行日:02/07/05



目次
[〜お知らせ〜警察庁広報課より]
●日韓共催ワールドカップ無事終了御礼
●交通事故多発警報発令

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●今でも謎に包まれている下山事件

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●あの気迫は見習いたいなぁ

[防犯ミニ知識]
●夏です!こんな家はご注意を
●知っていますか、おもいやり信号

[ほんの一口〜読者の声]
●警官なのに道が分からない…?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●道に迷っても困らない!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜総務部広報課より]


●日韓共催ワールドカップ無事終了御礼

 月が変わると同時にワールドカップも終了し、何となく気が抜けてしまった方も多いかもしれませんね。強豪対決の決勝戦にあたる日曜日は、普段人通りが多い場所からも人が消えたほどでした。世界中にも中継されましたから、何億という人達と時間を共有したことになりますね。とても素晴らしいことだと思います。
 さてそのワールドカップ開催中に当たりましては、自治体やボランティアの方々、サポーターの皆様にも警備にあたり多大なるご協力とご理解をいただきまして誠にありがとうございました。これまでの大会で懸念されてきたフーリガンの暴動も未然に防ぐことが出来たのは、ホスト国として皆さんが暖かくチームや外国人サポーターを受け入れたためであります。
 開催国としてハイレベルの受け入れ態勢を作れたことをとても誇りに思います。これからもホスト経験国として相応しい、マナーある態度を心がけていきましょう。


●交通事故多発警報発令

 このところ全国で、交通死亡事故が多発しています。中でも65歳以上の高齢者の死亡事故は、6月30日現在前年比+44人となっています。その殆どが歩行中に発生しています。
 そこで、高齢者の方に以下のことを注意していただきますようお願い致します。
 外出する時はなるべく明るい色の服を着て、夜間の外出にあたっては反射材を活用してください。反射材は、服の袖に取り付ける、たすきタイプのものを使用する、杖などにも取り付けるなど、分かりやすい工夫をお願い致します。これらは日用品店で購入することが出来ます。
 また、歩行者信号が点滅している状態での無理な横断や、信号の無いところでの横断は大変危険ですのでやめましょう。
 ドライバーの皆さんは、次のことを注意して下さい。
 高齢者のそばを通過する時には速度を落とし、十分な間をあけてください。突然道路に下りてきたことによる接触事故なども多く発生しています。
 また、信号機の無い横断歩道を高齢者の方が渡っている時は必ず停止線で停車し、「渡りきるから大丈夫」と無理に通過しようとしないで下さい。安心して横断できる状況作りにご協力下さい。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●今でも謎に包まれている下山事件

 多分お年を召された方であれば、「下山事件」と言うだけですぐに思い出されることと思います。戦後日本で起きた迷宮入り事件として有名な下山事件は、1949年旧国鉄(現JR)の初代総裁下山氏が、都内足立区の常磐線で列車にひかれた遺体で発見されたことに端を発します。様々な角度から調査、捜査が行われましたが自殺なのか他殺なのかわからず、社会的背景もあり、それぞれを支持した有名大学研究室同士の対立にまで至りながら結局、GHQによって自殺という判定がなされ決着を見ました。
 今でも法医学者の中では資料をもとに考察が行われていますが結論が出ずにいます。
 ちょっとこういった話が苦手な方には申し訳ありませんが、電車にひかれるとその衝突エネルギーにより一瞬にして切断されることが多いため、切断部分に「生活反応」が見られないことがあります。生活反応とは、生きている時に切断されたということを示す反応のことです。
 例えば、体のどこかを切られて亡くなった人の場合、生活反応を見ることによってどれが致命傷なのかを判断することが出来ます。しかし電車にひかれて体が切断された場合は生活反応が出ないので、ひかれた時に生きていたのか死んでいたのか分からないのです。(ただし、ホームやカーブなどでかなりスピードを落としている場合や、ひかれた状況によっては生活反応が出ます)
 幸い今では、生活反応以外に調べる方法はいくらでもありますが、下山事件が発生した当時は法医学なども十分発達しておらず、そのため生活反応をめぐって他殺か自殺か紛糾したというわけです。
 しかし最近になって下山事件の手がかりを示す捜査ファイルが、当時担当していた捜査員の遺品から見つかったという情報がもたらされ、戦後史を研究している人が注目しています。
 ひょっとしたらそう遠くない将来に、この迷宮入り事件はようやく日の目を見ることが出来るのかもしれません。


 


[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●あの気迫は見習いたいなぁ

 いやー、6月は世界中が熱かったな。俺もテレビで試合見ててんけど、やっぱりスポーツはええな。なんやあれで影響受けたらしい、サッカー部入部希望者がこのところ増えてるみたいやけどな。どうでもええけど、サッカーに感動したからっちゅーても途中で所属していた部を退部してまでサッカーに乗り換えるのはどうかと思うで。
 それはそうと、ベッカムが帰国してからにわかに注目されだしたドイツのオリバー・カーンやけど、あの誰にもゴールを譲らん気迫はホンマすごいもんやったな。テレビで見てても1対1になった選手が、シュートのタイミングを計れずあからさまに気後れしてるのがわかるくらいや。あの気迫は親父とどっこいどっこいくらいかな。俺の親父もまだ刑事やっとった時は、よく気迫で容疑者を自供に追い込んどったらしいし。何も言わず黙って犯人睨みつけとるとな、どんな奴でも根負けしてしゃべり始めるらしいで。まあおかんには頭上がらんけど。あ、これは内緒にしといてな。
 それにしても、1対1っちゅー圧倒的に有利な状況で、ようシュートが打てんほどの気迫っちゅーのはどんなもんやろな。俺も犯人を追い詰める際にそんな気迫があれば、推理を突きつけて追い詰めんでも、犯人が「すいませんでした!」ちゅーてすぐに解決するんちゃうかな。推理がめんどくさいワケやのーて、悪あがきする犯人にイライラしてるだけやねンけど。
 犯罪を犯しておいてのらりくらり逃げようとする犯人に、カーンの一睨み!これはごっつ効果あるやろなー…。俺もちょっと鏡見て練習しよかな。




[防犯ミニ知識]


●夏です!こんな家はご注意を〜広島県警地域課より〜

 今年は早くも5月から、初夏のような気温になったり、そうかと思えば突然冷え込んだりと何かと体調を崩しがちな毎日が続きますね。
 さて、夏といえば風通しをよくするために網戸にしたり、窓を開ける家庭も多いでしょう。しかしそういった家庭を狙っての押し込み強盗や窃盗が増える時期です。いくら施錠をしていても、窓が開いているのでは意味がありませんしまた、窃盗だけでなく性犯罪目的で忍び込む者もいます。
 ホームセンターなどで販売している、開けた窓がこれ以上開かないようにするロックを購入し、窓に取り付けるようにしましょう。風の通り道用に窓を少し開けた状態で固定すれば、これ以上開くことはありません。
 また、マンションやアパートなどで2階以上に住んでいる人も、同じような処置をされることをお勧めします。
 逆に窓を開けるのは無用心だからといってクーラーをつけっぱなしで寝たりしますと、体に悪いばかりか、体温調節をすることが出来なくなり病気にもつながります。
 健康的に、かつ安全に夏をすごすために、窓の防犯も怠らないようにしましょう。


●知っていますか、おもいやり信号〜熊本県警交通課より〜
 
 皆さんの住んでいる町で、ここ最近信号機の工事をしていたなーと思ったら、何時の間にか信号のシステムが変わっていた、などということはありませんでしたか?歩行者が渡っている間車はひとつも動いていない交差点。そこに気がついたあなたは、日頃からよく町の様子を観察している人ですね。
 このシステムはおもいやり信号(正式名称「歩車分離式信号機」)といって、右左折する車両と歩行者の事故を防ぐことを目的に全国各地で試験採用され、交差点を横断する歩行者と車両が直接交錯しないように、信号機により双方の通行に時間差を設けたり、 進行方向を制限して運用するものです(歩行者用信号が青の間は並行する車線からの車両の右左折を禁止するため、歩行者や自転車の巻き込みの心配がない、など)。また、スクランブル式といって完全に歩行者と車両の通行を分離するシステムもあります。
 これらには渋滞が酷くなったり、歩行者の待ち時間が長くなるなどのデメリットがある為、採用場所は制限されてしまいますが、歩行者と車両の接触事故を防ぐシステムとしては最も効果があり、モデル運用ののち正式に採用されてきています。
 この方式採用の裏には、1992年12月に起きた痛ましい事件が関係しています。横断歩道を渡っていた小学生が左折中のダンプカーに巻き込まれ死亡した事件です。この交差点では分離式システムをとっていなかったため、歩行者用、車両用共に信号は青であり、それが元で交通事故が発生したと、ご両親が都を相手取り裁判を起こしました。その結果が国を動かすこととなりました。
 実際に、このシステムを採用した交差点では、交通事故発生量が減少しているという結果も出てきています。
 おもいやり信号運用により、車の混雑や渋滞の増加が予想されますが、 歩行者の保護という観点からご理解とご協力をお願い申し上げます。 




[ほんの一口〜読者の声]

 
●警官なのに道が分からない…?
「ワールドカップの試合観戦で横浜に行ったんですけど、途中で飲み物とかを買おうと思い警備していた警察官に近くのコンビニを尋ねたら、自分では分からないと言われました。無線でいろいろ連絡をとってもらってやっと教えてもらいましたけど、警察官なのにどうして?」

 警察庁総務部からお答えします。
「警備につきましては、全国都道府県警察から応援を呼んでいるため、試合場から最寄の駅までの道順については各自指導しておりますが、どうしても近くのお店や宿泊場所については確認が行き渡りません。そのため、地元警察に所属していない警官ではそういった情報をお伝えすることが出来ませんでした。申し訳ありません。何卒こういった事情ですのでご理解下さい」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●道に迷っても困らない!

 こんにちは!交通課の由美ですvvワールドカップ終わって、全部の国の選手が帰国しちゃったねー。私はチームが滞在していたトコの知り合いに連絡とって、どんな様子だったかとか聞いて回ってます。日本の文化にはじめて触れておっかなびっくり、な話がいっぱいだったよ!
 さてさて今日は、これから夏休みに向けて東京とか大阪に遊びに行く人のための裏ワザ。道に迷った時もなんとなーく方向が分かるというもの。
 東京にはご存知東京タワーというものがあるけど、実は都内の家に取り付けられたテレビのアンテナはすべて、東京タワーの方向を向いて取り付けられているのです。これは名古屋のテレビ塔、大阪の通天閣でも同じこと。だから、方向が分からなくなったら屋根を見て、アンテナの向いている方が東京タワーって覚えておけば、目的地と照らし合わせてどっちの方角にいかなきゃならないかって分かるでしょ?(ただし地図とかがないと比較できないけど…)
 だけど、山の中とかだと、届きにくい電波を中継する基地局があって、アンテナはそちらを向いていることがあるから、山中ではアンテナの向きは信用できないわ。
 それと、衛星放送を受信するためのパラボラアンテナは全部、衛星が浮いている南西方向を向いているから、これでも方法が分かるよね。
 これでも本当に、自分が今どこにいるか分からなかったら素直に交番へどうぞ!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 あるキャンペーン参加告知のポスターを手がけていたHさん。会議で決まったキャッチフレーズを入れて、試作品が出来上がってきました。
 自信満々で皆の前に広げられたそのポスターは、「明るい未来へあなたも失踪してみませんか!」と書いてありました。
 皆黙って立ち去りました。




[あとがき]

 早いもので、今年も折り返し地点にきました。何だか年賀状を受け取ったのがつい昨日のことのように思えます。
 店先には旬の果物に混じってお中元コーナーが設置され、ああ夏だなーと感じる毎日です。自分達は公務員であるため、お中元などを受け取ることは出来ません。しかし、捜査に関わった人や地域の人達からお礼にと、ちょっとしたものをいただくことはあります(これは許されています)。手作りのお菓子だったり、子供さんが頑張って書いてくれた似顔絵など、心が暖かくなるものばかりです。
 今世間を騒がせているのは暗いニュースばかりですが、せめて思いやりの心は忘れずに過ごしていきたいものです。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
転載を希望する場合はご連絡下さい。


バックナンバー ご意見募集 トップページ

※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。