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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第73号

==警視庁メールマガジン第73号==
                                   発行日:04/04/09



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●鉄道に対する警戒強化についてのお知らせ

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●相談雑学

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●狂言誘拐

[防犯ミニ知識]
●盗難に遭いやすい車両とは

[ほんの一口〜読者の声]
●架空請求かどうかわからない

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●盗難から貴重品を守ろう!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●鉄道に対する警戒強化についてのお知らせ

 3月11日に発生したスペイン・マドリードの列車同時爆破テロは皆さんのご記憶に新しいことと思います。また、ここ1ヶ月の間に駅からゴミ箱が撤去される、新幹線各駅での警備強化など、鉄道を利用される上での変化に気がついた方も沢山おられるでしょう。
 政府からの要請を受け警察庁では鉄道に対する警戒警備の徹底について、都道府県警察に指示しました。
 新幹線を始めとする鉄道駅における警戒の強化、列車内における警戒の強化、沿線、重要施設の警戒強化など、地域課員、鉄道警察隊員による巡回を行っています。また必要により機動隊員や警察犬を運用しています。
 また、テロに便乗した、駅トイレに不審物を置いたり、異臭を発生させるなど悪質ないたずらも相次いでおり、これらも取り締まる方針です。
 ポスター、車内放送などでも周知に努めてまいりますので、ご理解ご協力をお願い致します。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●相談雑学

 今回は少し趣向を変えて、警察へ相談にこられる方へのアドバイスもこめてお話をさせていただこうと思います。
 身近なトラブルや犯罪被害などでまず相談に行かれるとすれば、最寄の警察署ではないかと思います。(あまり、突然警視庁に相談にこられるケースは聞きません)
 そういったことでよく耳にするのが、「警察では相手にしてもらえなかった」という苦情です。私も現場にいたわけではありませんから、どういう状況だったかは推測するしかないのですが、多くは、情報が足りなくて警察が動けないものだったのではないでしょうか。
 何でも相談すればあとは警察が動いて捜査してくれるものだ、という認識があるかも知れませんが、残念ながらそう簡単にはいきません。警察は捜査、逮捕という、ある意味基本的人権を損害しかねない特権を持っているわけですから、証拠もないのに相談にこられた方の「怪しい」「何とかしてくれ」という証言だけで動くことは出来ないのです。
 もちろん誰の目から見ても明らかな事件が発生しており、その目撃証言なら話は別ですが、誰にも認知されていない状態では「では逮捕して調べましょう」というわけにはいきません。
 ではどうすればいいのかというと、とにかく証拠を持ってきていただくことです。脅迫状を受け取ったというのならそれを、執拗な嫌がらせを受けているというのであれば着信履歴、内容、日時をメモしたものなど、とにかく第三者が見てもハッキリ被害があると認識できる証拠があれば警察も動くことが出来ます。
 「そこまでしなければダメなのか」というお叱りの声が聞こえてきそうですが、人権を侵害する可能性があるということは本当に重要なことなのです。確かに調べてみて「何もなかった、良かったですね」となればそれに越したことはないのですが、調べられた相手はそれではすみません。
 私も警察の人間ですから、「警察は何もしてくれない」と言われると心が痛みます。しかし、いきなり「この人を何とかして欲しい」と言われても人権が存在する以上、「ちょっと署まで来てください」はできません。ご理解いただければと思います。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●狂言誘拐

 こないだの、どこぞの市長長女の失踪事件、あれホンマ勘弁してくれ思たわ。悩んでたんは分かるけども、どこか旅をしたい気分やったんなら静かに行ってくれ。なんでわざわざ靴や財布落としたりするんや。どんだけの人間が必死になって探した思てんねん。
 金を下ろしたんが新大阪駅っちゅーことで一時は大阪府警も捜査に加わったし、俺も要請あって手がかり探したんやで。自分が捜査に加わったから言うわけではないけど、ええ大人なんやからもう少しうまいこと、問題とは折り合いつけるべきやったな。
 ただ、精神的に不安定やったらなんちゅーの、周囲の人の愛情を試したくなるというのはあるんやろな。子供が誘拐されたという依頼を受けて、依頼人の家で犯人からの電話を受けたら様子がおかしいんで、調べて見たら狂言やったというのは何回かあった。友達に頼んで電話をかけてもらってたりとか、本人がボイスチェンジャーで声変えてたりとかな。
 まあそんでも、そうやって試さないと確認できない愛情っちゅーのも悲しいもんやし、試された家族の方もえらいショックやろな。大体そういうのは親が忙しくて子供にあまり構ってやれない、どちらかというと親の勤め先が大企業とかいうのに多いけども。親は子供にいい暮らしをさしてやろ、思て一生懸命働くんやろうけど、それがきっちり伝わってないとどうしても「愛されてないかもしれん」ちゅーことになるんだろうと思うで。何不自由なく暮らしていると逆にそれのありがたみっちゅーのはわからんもんやしな。
 過保護な親や、教育熱心すぎる親もウンザリやけど、金があれば幸せになれると勘違いしてる親も困りモンや。何事も程ほどが一番。近すぎず離れすぎず、適度な距離が一番いいんや。
 俺のおとんなんか、事件解決のために俺を囮につこたくらいやで。後でおかんにえらい怒られたらしいけどな。それかて俺を信用してるからこそであって、危ないからととめるばかりが親でもないと思うんや。
 狂言誘拐の根底にあるのは、子供からの救援信号やで。




[防犯ミニ知識]


●盗難に遭いやすい車両とは

 自動車窃盗のニュースはここ最近あまり報道されなくなりましたが、実際に件数が減っているわけではありません。日々起こるニュースに埋もれて報道されていないだけです。
 窃盗・いたずら防止用の防犯システムなどを搭載した車も見かけますが、まだまだ人事といった感があるのも現実です。
 被害に遭いやすいのは、転売時に高い値がつきやすい高級車、窃盗などの足として使われやすい軽自動車という結果が出ています(販売数の関係上、必ずしも盗難に遭いやすいというわけではありません)。また、ナンバープレートだけが盗難に遭うというケースも最近続発しています。これは特に3ナンバーが多くまた、4桁揃っているよりも(「××-××」)3桁以下(「・・・×」「・・××」など)のものが変造しやすいため、狙われる傾向にあります。
 盗難に遭わない対策としてはやはり、防犯システムを搭載する、ハンドルロック補助錠を設置するといったことも大切ですが、一番基本的な対策として、ちょっとだからと鍵をつけたまま車を離れないということです。意外に思われるかもしれませんが、自動車盗難のうち全国平均で約30%近くが、鍵をつけたまま車を離れたことにより被害に遭っています。ある県ではこの、鍵を抜かなかったことによる盗難が、全車両盗難の70%をも占めています。
 また、ナンバープレートの盗難に遭わないようにするには、留めネジを業者に確認してもらったり、駐車場の防犯対策を確実にすることが重要です。盗難に遭った場合もちろんプレート無しで走行することは出来ません。
 持ち主が盗難に対し防止策を施している車ほど、窃盗犯からは敬遠されやすくなります。対策をしておいて損はありません。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●架空請求かどうかわからない
「お恥ずかしい相談なのですが、先日携帯電話の方に、架空請求であると思われる、料金振込み請求のメールが届きました。ただ言われているようなサイトを利用していないかと言われると断定も出来ず困っています。相手に確認するのも危ない気がするので、何か相談せずに確認できる方法はないのでしょうか」

 生活指導課からお答えします。
「架空請求詐欺は、ご相談のように「利用したかもしれない」という錯覚につけこんで行われるものです。また、本当の請求はメールなどでは行われず、一般的に文書で届くのが常であり、何月何日にどこで何を利用したかが詳細に記入されています。ですから心配であれば払わずに様子を見る方が得策でしょう。また、法務省及び江戸川区消費者センターにて架空請求業者の名前が公開されていますので、ご確認下さい。
http://www.moj.go.jp/KANBOU/HOUSEI/chousa19-1.html(法務省)
http://www.city.edogawa.tokyo.jp/consumer/f/futou_list.html(江戸川区消費者センター)」

 


[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●盗難から貴重品を守ろう!

 こんにちは!交通課の由美ですvv我が交通課にも新人が配属されてきました!私が先輩としてあれこれ指導しています。優秀なルーキーにしちゃうわよ!
 さて今回ご紹介するのは、空き巣に入られても貴重品を盗まれないようにする裏ワザです。特にこの時期は大学生や新社会人など1人暮らしをする人が増えるため、そういったところが狙われやすい傾向にあるようです。
 一般的に空き巣は、侵入して5分以内に仕事を終えて切り上げます。ですから、その5分間の間に貴重品を見つけることが出来なければ盗まれることはない、ということになりますね(絶対というわけではありません)。
 つまり、印鑑と通帳が別々の場所においてあって、それが見つかりにくければ何もとらないで退散する可能性が高いということ。現金を置いておく必要がある時も分散しておくといいですね。
 さてその隠す場所ですが、本人にとっては意外なところに隠したつもりでも、空き巣は見つけるプロですからあっさり見つけてしまいます。人間の心理として、自分の目線もしくは目線以上のところに隠しがちなので、もっと低いところに視点を置いて、隠せるところはないか探してみましょう。
 貴重品の隠し場所でよくありがちなのは、タンスの奥、冷蔵庫、トイレ、食器棚の引き出し、居間の戸棚、寝室などなど。逆に言えばこの定番をうまく避けて隠し場所をいくつか見つければ被害に遭いにくくなります。侵入されないための防犯も大切ですが、された後のディフェンスもしっかりと!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。


 防犯のため、愛車にイモビライザー(不正に作られた合鍵を使った場合エンジン始動をできなくするもの)を導入してウキウキだったS課長。
 ある日珍しく電車通勤だったので愛車を車検にでも入れたのかと思っていたら、イモビライザー故障で車が動かないらしい。
 便利なのもこまったものだ。




[あとがき]

 イラクで日本人3人が武装グループに拘束されたとの情報が入ってきました。日本国内でのテロに対し警戒が高まっていた中で、意外な盲点を突かれたという気がします。何とか無事に解決してもらいたいものです。
 さて少し前までは満開だった桜が次々と散り始めています。毎年のこととはいえ名残惜しいですね。来年もまた課の人間とで花見に行きたいものです。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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