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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第118号

==警視庁メールマガジン第118号==
                                   発行日:05/12/30



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●雑踏事故を防止しよう

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●2006年の犯罪予測

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●アレ?どっかで見たことあるような…

[防犯ミニ知識]
●冬のレジャーはここに注意

[ほんの一口〜読者の声]
●乗車率200%

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●急性アルコール中毒、とっさの手当て

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]

●雑踏事故を防止しよう

 お正月といえば初詣。初詣といえば満員電車のような混み具合で毎年ヘトヘトに疲れた記憶しかない、という方もおられるかも知れませんね。
 毎年この時期には雑踏での犯罪注意を呼びかけてまいりましたが、今回は雑踏での事故防止の点から注意を呼びかけたいと思います。
 まず、お年寄りや子供連れの方は出来るだけ混雑する時間帯や場所を避けて行動しましょう。子供さんは必ず手をつなぎ、目を離さないようにしましょう。深夜子供連れでの外出は、防犯上からも子供さんの健康上からもあまりお勧めできません。
 混雑している場所では心にゆとりを持ち、譲り合う気持ちで行動しましょう。自分が自分がでは、押し合い、転倒のもとです。
 また、この時期は足場が悪いところもあります。すべりにくい靴を履き、出来るだけ飲酒を控えて外出するようにしましょう。
 催事会場、付近では誘導する警察官、交通整理員などの指示に従って動いてください。
 年の初めから事故、犯罪に合わないために、ルールを守って行動しましょう。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●2006年の犯罪予測

 メールマガジンの発行は2週間に1度のペースなのですが、これが日常職務をこなしていると案外すぐに次の締切がやってくるものです。それをやっているうちに気がつけば今年ももう終わり。新しい年が迫ってきています。早いものですね。
 さて2006年はどうなるという予想の前に、軽く2005年の犯罪傾向についてお話したいと思います。といっても、下半期のデータはまだ出ていませんので、上半期のみのデータで話をさせていただきますと、全体的に犯罪は減少傾向にあったといえます。「えっ、あれだけ毎日事件が起きているのにそれはおかしいんじゃないか」と、思われるかも知れません。しかし、新しい手口の事件、大きな事故は連日報道されるなど、取り上げられる確率も高くなるので結果的に印象に残りやすく、「今年は事件事故が多かった」というイメージが出来上がってしまいます。
 減ったといってももちろん、前年に大きく差をつけているわけではありませんが、窃盗犯などは約15%の減少とかなり大きな変化があったといえます。
 ただし、手放しで喜ぶわけにもいきません。この一方で知能犯、つまり詐欺は大幅に増加しており、約10%増加しているからです。いかに詐欺が横行したかよくわかりますね。
 それから皆さんが気になっているであろう検挙率ですが、全体としては28.4%と上昇しています。付け加えておけば、殺人事件の検挙率は96.5%、殺人、強盗、放火などを包括して呼ぶ重要犯罪全体では検挙率は54.2%、前年同期から4%上昇しています。
 さて2006年がどうなるかという予測ですが、私個人の考えとしては、個人情報を使った犯罪が増えるのではないかと思います。考えてもみてください。振り込め詐欺にあれだけの人がひっかかったのです。詐欺師達が味を占めていないわけはありません。今後ますます手口は巧妙化することでしょう。
 現金の振込みを要求する電話は、相手がどんな肩書きを名乗ったとしても用心する必要があります。また、いつも買い物をしている通販サイト、取引している証券会社からアカウント、カード情報などに関する問い合わせのメール連絡があったりしても、メールに書かれているURLをクリックする前に、「ブックマーク」からサイトに飛び、連絡事項を確認するという作業が必要であるといえるでしょう。これらはほんの少しの手間を惜しまなければ防げる犯罪です。逆に言えば、それを面倒くさがってしまったために大金を盗まれてしまったということになります。
 急がば回れ、という昔の言葉を忘れずに、防犯対策をしっかり行っていただきたいと思います。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●アレ?どっかで見たことあるような…
 
 毎日寒いけど皆元気にしとるかー?12月はえらい冷え込んでびっくりしたわ。大阪でこんだけ雪が積もったんも久しぶりやで。インフルエンザも流行っとるようやし、皆気ぃつけや。
 今年もいろいろな事件が紙面をにぎわしたけども、過去解決した事件で、印象に残っとる一つを今日はさせてもらうで。
 あれは秋から冬にさしかかろうかという頃やったなぁ。いくつかの殺人事件が起きて、その容疑者につながる手がかりなしっちゅーことで連日報道されとった。その頃他にめぼしい事件もなかったんやろな、一週間くらいはやれ犯罪の専門家だの、心理学者だのがとっかえひっかえ引っ張り出されてニュースでコメントしとったで。
 俺は自分なりに「こうやないか?」と仮説を立てとったんやけどな、テレビでコメントしとる人らとはまったく違う犯人像やってん。ま、それは情報量の違いもあるし、しゃーないんやけど、なんかその時に違和感があったんやな。その違和感をどう説明したらええんかわからんけども、「あれ…この犯人、なんかの推理小説に似とるな」という感じ。
 推理小説言うてもまさに星の数あるわけやし、その「似とる」だけで記憶の中から探すのは骨折れたで。数日悩んだけど結局分からんで、おとんに相談したんや。
 したらおとんもしばらく考えこんでな。「2人の記憶にない、ということはお前だけが見たものの中にある可能性が高いで」とか言い出すわけや。そっからまたしばらく自分の記憶と格闘や。
 その時にな、何の気なしに見とったテレビで誰かが、「あの工藤優作氏なら犯人を当てられるかも」みたいなこと言うたんや。それでパッとひらめいた。
 俺が記憶で探しとったんは「本」の形で読んだ推理小説だけやってん。これまでに、俺が探偵しとるということで「このトリックはどうか」と持ち込んでくる奴とか結構いてたんやけど、そっちの方を確認してなかったんや。あれや、服部平次に解けないトリックで推理小説書いたら売れるんちゃうか、というやつやな。大半はすぐその場で解いたったけど。
 ま、そっからの行動は皆想像しとるとおり。そういうモンを放り込んどった倉庫から、半日かかってそれを見つけ出したんや。この事件の犯人が持ち込んだ、数年前の紙切れをな。
 犯人も随分ナメてくれたというか、俺がそないなもんまだ保管しとるとか、まだ記憶の隅に持っとるとか思ってなかったんやろな。もちろん書いた住所は架空のやったけども、殺人事件が起きた周辺やらその他あれこれ、俺の記憶にある手がかりをもとに探せば障害にもならへん。
 ま、あれこれ省いたけどこうして、警察をてこずらせた事件は解決したわけや。なるほど、既にトリックを聞いとったなら犯人像も限りなく正解に近いもんが浮かぶわな。気がつかんかった俺もアホや思うけど、わざわざ探偵使ってトリックが見抜けないかどうか確認してくれた犯人も相当のドアホや。
 当時の俺が解けんかったとしても1年も2年もそのレベルに満足しとるわけないやろ。日々精進、やで。




[防犯ミニ知識]


●冬のレジャーはここに注意

 12月から例年になく日本全国で降雪、積雪が相次いでいますが、冬のレジャーを楽しむ人にとっては待ちに待った時期ともいえるでしょう。
 ところが毎年スキーやスノーボードの転倒、衝突事故で毎年何人かの方が亡くなっています。レジャーを楽しむためにも、各施設の注意事項、案内などを確認し、従うようにして下さい。
 滑る前には道具の点検を行い、体調が悪い時や飲酒した状態で滑ることのないようにしましょう。
 滑り始める時は周囲をよく確認し、人とぶつからないように気をつけましょう。また、圧雪車やスノーモービルと出会った時は隅に寄り、通り過ぎるのを待ってください。
 警告板、係員の指示には従うようにし、立ち入り禁止区域に入らないようにしましょう。天候が悪くなった時は遊びを中止し、ロッジやホテルに戻りましょう。
 団体で行動する場合は常に、全員いるか確認しながらの移動を行うようにして下さい。家族連れ、友達同士の場合も、出来る限りあまり離れないようにしましょう。一人が衝突事故を起こし、受傷後かなりの時間が経過してから発見されたというようなケースもあります。定期的に集合場所を決め、連絡を取り合うようにすると良いでしょう。
 宿泊先では必ず部屋に施錠をし、外出時の貴重品はフロント等に預けるようにして下さい。また、駐車場での車上荒らしなども増えています。ご注意下さい。

 


[ほんの一口〜読者の声]

 
●乗車率200%
「車に定員を超えて乗っていると、つかまった時に切符切られたりしますよね。なのに、電車とか新幹線とかは盆とか年末年始に乗車率200%とかなってるのに問題になっていません。これはどうしてですか?」

 交通課からお答えします。
「新幹線などは、どれだけ混雑しても、乗客数の制限に関する法律上の処罰規定がないからです。
 といっても安全性を無視しているわけではなく、こういった乗車率200%という状態がお盆や暮れの帰省ラッシュ、Uターンラッシュ時といった限られた時期に起きる現象であり、それ以外の機関にこういった事態となることは殆どありません。そのため、自転車や自動車の場合と異なる対策、措置が講じられています」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●急性アルコール中毒、とっさの手当て

 こんにちは!交通課の由美ですvv年越しの準備はいかがですか?私は来年の福袋購入情報を友達と交換してバッチリ対策中です!
 さて今回の裏ワザは、年末年始お酒の席でいつ起きるとも限らない、急逝アルコール中毒の対処法についてです。万が一のためにもしっかり覚えておきましょう。
 まず基本の基本として、盛り上がったからといってお酒の一気飲みをしないこと!これにつきます。誰かがやろうとしていても止めることです。
 そして宴会中などに、飲んでいた人の様子がおかしくなったら意識がしっかりしているかどうかを見極めましょう。脈や呼吸に異常がないようであれば、横にして楽な姿勢をとらせ、顔は必ず横向きにします。そしてお茶や果物をとらせてあげましょう。毛布をかけて体の保温もしっかりして下さい。
 ネクタイやボタンを外しておくことも忘れずに。
 もし呼びかけても意識がはっきりしない、顔面が蒼白、呼吸が浅くなるなどの症状が出たら即救急車を。「盛り上がっているのに恥ずかしい」「こんなことで」とためらっていると、それがもとで命を落とすこともありえます。また、外を歩いていて眠り込んでしまった人を放置すると凍死の危険性があります。絶対やっちゃダメ!
 おめでたい席で大変な事態を招かないためにも、お酒の強要はやめましょう。それ自体犯罪にもなります。
 お酒は楽しく、ゆっくり、少量で!
 それでは良いお年をv



[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 相談に来ていたある人の対応をしていたHさん。「法律が施行されてこれまでとは360度違ってきましたからねぇ…」と話していた。
 それ、元に戻ってるから。


 


[あとがき]

 昨年末は災害が「去る」ことを願って挨拶の締めくくりとしましたが、来年は干支が戌に変わることから、災厄が「去ぬ(行く)」としたいものです。
 ところで我が家では番犬として犬を飼っていますが、2006年の主役とあってか餌を正月だけは良いものにするかどうか家族会議中です。当然その分の跳ね返りはこちらのお小遣いに…厳しい世の中です。
 それではどうぞ良いお年を。

[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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