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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第123号

==警視庁メールマガジン第123号==
                                   発行日:06/03/10



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●住民基本台帳、営業目的の閲覧禁止へ

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●ここは誰の結婚式?

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●ストーカーを追い払え

[防犯ミニ知識]
●老人を狙う犯罪対策

[ほんの一口〜読者の声]
●勧誘を何とか断りたい

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●敷金ちゃんと取り戻そう

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]

●住民基本台帳、営業目的の閲覧禁止へ

 住民基本台帳を元に、親と2人暮らしの少女のリストを作り親の不在時を狙って暴行を繰り返していた男が逮捕され、懲役17年の有罪判決が出ました。
 個人情報保護法が施行されるような現状の中、すべての家庭の個人情報が簡単に閲覧できる状況であり、悪用も可能な状態になっていることに衝撃を受けた方も多いでしょう。
 これまでの住民基本台帳をめぐるトラブルに対し、政府もようやく重い腰をあげ、閲覧できる場合を限定する住民基本台帳法改正案を提案しました。
 改正案では閲覧できるケースを限定し、統計調査・学術研究など公益性の高いもの、公共的団体の活動などで、市町村長が相当と認める場合に限られます。
 また、閲覧内容の目的外の利用、第三者への提供を禁止、市町村長は少なくとも年1回は閲覧者の氏名や利用目的の概要などを公表する、とされています。
 成立すれば年内には施行され、今後ダイレクトメール送付や営業目的での閲覧はできなくなります。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●ここは誰の結婚式?

  3月に入り日に日に暖かくなってきました。せっかくですから今回は、本当にあったとんでもない事件をひとつ、お話しすることにしましょう。
 丁度今の時期のような、暖かい日のことでした。あるホテルにおいて華やかな結婚式、披露宴が催されていました。新郎、新婦ともに列席者は多く、大変に盛り上がっていたようです。
 さてそんな中、一息つこうと廊下に出て雑談していた新郎の友人達が、忙しそうに仕事をこなすホテル側の人間や、同じように休憩に出てきた人達に混じって、キョロキョロと落ち着かない動きをしている人間が一人いるのに気がつきました。
 パーティ用の衣装を着ていますから恐らく、今日同じように催されている結婚式かパーティの参加者なのでしょう。しかし、ここの階はこの結婚式で貸切になっており、列席者にはその人はいなかったと記憶しています。
 一人気づき、二人、三人と気づいた者が増えるに従い自然雑談は止み、友人達はいつしか黙ってその動向を気づかれないように見守っていました。
 不審者はホテルの人間に声をかけ、受付を代わると、なんとその台においてあった、ご祝儀の入った金庫をそのまま持って出て行こうとしたのです。
 もちろんこれを黙って見ている友人達ではありません。すぐに不審者に追いつき、逃げようと走り出したのを飛びついて取り押さえました。
 何事かとビックリして飛んできたホテル従業員たちに彼らは落ち着いて「警察です。窃盗の現行犯を逮捕しました」と告げたそうです。
 結婚式やお葬式の場に関係者風の格好をして忍び込み、ご祝儀や香典を盗む窃盗犯がいますが、なんともマヌケなことにこの窃盗犯は、警察官同士の結婚式に忍び込んでしまったわけです。当初別のところにする予定だったようですが、何度かいったりきたりして観察していると、いかにも裕福そうな夫婦がご祝儀を渡していたり、列席者が多く、これは額も相当あるに違いないと思ったそうです。
 ま、彼の着眼点は素晴らしいとは思いますが、犯罪のプロである警察官の前で逃げおおせるはずがないんですけどね。
 逮捕劇のために一時披露宴は中断しましたが、「本当にいい思い出になった」と更に盛り上がったようです。今でもこの話は、関係者が集まって飲み会となるたびに話題になっているとのことです。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●ストーカーを追い払え
 
 探偵とストーカー(の技術)は紙一重と言われるけども、俺とこに来る相談で絶えることがないんがやっぱりストーカーの相談やな。しつこく付きまとわれて困っとるけど、警察が動いてくれん、というやつや。
 何度も言うてきたけど、「家の前に誰かがいるような気がする」「無言電話がある」だけでは警察かて動きようないねや。例えば無言電話がもう1ヶ月も続いて困っている、記録もとってある、だとか、「不審者が夜家の前にずっと立っている。周囲の目撃情報もある」というレベルになってくるとまだ動けるんやけどな。
 で、「警察に相談したいからストーカーの証拠をつかんで欲しい」と、こういう依頼であれば探偵もやりやすい。ストーカーの手の内っちゅーのは探偵にも通じとるしな。
 まあその前に誰でも出来るストーカー追っ払い方法をおさらいしとこ。初期段階のストーカーやったら大抵なんとかなる。
 基本は毎日のスケジュールを一定にせんこと。社会人でも出勤時間その気になったらあれこれずらせるやろ。5分10分では意味ないけど、もっと大きくずらすことが出来れば、それだけで待つ方は消耗するからな。探偵の張り込みでも、ターゲットがいつ出てくるかまったくわからんというのはかなりしんどいし。
 帰宅も徒歩は危険やから、自転車・バス・タクシー・友人の車という風にランダムに変えてやることやな。もちろん時間もやで。
 これで大抵のストーカーは家の前での待ち伏せを諦めるはずや。
 次にゴミ。今は個人情報なんたら言うてシュレッダーが流行っとるけども、クロスカッタータイプがお勧めや。通常のシュレッダーの場合は縦に裁断するからやろうと思えばつなぎ合わせられる。「他のものとかき混ぜてから捨てれば大丈夫」?、それ、毎日するの結構つらいで。それよりは縦と横で裁断してくれるもの買った方が楽やろ。
 意外に忘れがちなんが郵便物。ポストから電話料金の通知を抜き取って電話番号を調べたりする奴もおるしな。これは住んどる場所によって対処も異なってくるから一概には言われへんけど、不審な電話がかかってくるようになったら、携帯電話ならさっさと番号を変えて、郵便物の送付先とかは実家にするか、届く日を確認してチェックしておく、家の電話に不審な電話がくるならナンバーディスプレイや番号通知サービスを導入するなどして、早めに叩くことやな。
 自意識過剰になりすぎてもあかんけど、変だなと思ったらサクッと対処やで。
 ほな、春からの一人暮らし頑張りや。




[防犯ミニ知識]


●老人を狙う犯罪対策

 少子化が進み、2015年には国民の4人に1人が老人となる。そんな社会がやってきます。
 それにつれて増えるのが、老人を対象とした悪質訪問詐欺の類です。「自分はまだまだ老人と言われる年齢ではない」という方もどうか知識として学んでおいて下さい。

 対象となりやすいのは、独居老人や老夫婦です。最近では子供と同居しないケースが増えているため、情報も入りにくく、常に話し手を欲しがっています。また、「うちにはとられるものがない」という無防備な面も要注意です。
 最近急増中なのが「悪質リフォーム詐欺」。ある日「地域一帯無料で屋根や床下を点検してまわっています」という業者がきたのでお願いしたら、「これはひどい」「今すぐ直さないと大変なことになる」と脅され、あわてて契約してしまうというケースです。
 こういった業者があちらこちら点検して回ることはありません。中には、承諾していなくても勝手に点検を始めて、検査費用という名目で高額の料金を請求する悪質業者もいます。
 頼んでもいないのに点検としてやってきた場合、応じる必要はありません。泥まみれの服で「別の家でも作業してきました」と言って騙すケースもありますので絶対に信用しないことです。市役所やその他行政機関の名前を挙げて「委託されて点検している」と言われた場合でも必ず「先に確認する」ということをしましょう。
 口だけでうまく断ろうとしても相手も営業のプロです。巧みに個人情報を聞き出したケースもあります。もし断っているのにも関わらず、勝手に屋根へ上がったり床下へ入るようであれば警察へ通報してください。
 「警察に通報するのは恥ずかしい」「近所に知られる」と警察への通報をためらう必要はありません。
 リフォームを頼む時は複数の会社に見積もりを取り、業者にもそれを伝えることです。また、一人ですぐに契約してしまわず、周囲の人にも相談しましょう。もしもおかしいと思ったら契約を破棄することが出来ます。(8日以内)
 契約内容と違う工事であった場合などは日数に関わらず消費者の意志で契約破棄が出来ますから、消費者センターへ相談して下さい。
 また最近では、「年金詐欺」も被害が発生しています。既存の団体に似せた団体名を名乗り、「途中国民年金を払っていない期間があることが分かった。このままでは支給を継続できないので下記まで振り込んで欲しい」「年金を過払いしていることが分かった。過払い分を返金するように」といった通知を出し、多額のお金を支払わせるものです。もしもこういった事態が発生した場合はハガキ1枚で済ませるようなことはありませんし、直接窓口に出向いての手続きなどが必要となります。騙されないようご注意下さい。

 いずれも、犯罪被害者とならないためには、「用心」「警戒」「確認」が大切です。あわてて決めてしまわないこと、周囲からの情報を求めることが大切でしょう。

 


[ほんの一口〜読者の声]

 
●勧誘を何とか断りたい
「この春から一人暮らしします。一人暮らしをしているとしつこい勧誘とかが心配です。気が小さいので断りづらく、何とかしたいと思っているのですが、効果的な方法はありませんか。」

 生活安全課からお答えします。
「一番簡単なのは、誰かが尋ねてきても応じないことです。大家さんや管理会社であれば電話番号は知っていますからそちらで事前に連絡してくるでしょう。また、宅配便なども不在票をおいていくので、改めて希望の時刻に配達してもらえばいいだけです。
 そのためにはインターフォンを必ず使うか、なければあける前にドア越しに声をかけるクセをつけることです。そうすれば「興味がありません」「いりません」で断れます。中にはドアを開けさせようと「集金にきました」「市役所のほうからきました」と言う人間もいるので注意が必要です。
 断りにくければ最初から出ないこと、これが最大の対策ですね」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●敷金ちゃんと取り戻そう

 こんにちは!交通課の由美ですvvあちらこちらに引越しトラックを見かけるようになりました。それはいいけど中には明らかに駐停車してはいけない場所へ停めているトラックも…?いくら引越しとはいえ、事故を誘発するような場所へ停めてはダメですヨ!
 さて今回は引越しにまつわる裏ワザ。
 引越しのトラブルは数々あるけど一番多いのは敷金が返ってこないというケース。引越しなんてあまりするものじゃないから、「部屋の清掃代として敷金を充てます」と言われると「そんなものなのかな?」と思う人も多いとか。
 それは大きな間違いなのです。
 借りた人は原状回復の義務がありますが、借りたときのままに戻すという意味ではありません。普通に暮らしていて磨耗した部分などについて回復させる義務は大家さんや貸した側に生じます。借りた人が払う義務を負うのは例えば、過失で傷つけた壁とか、タバコの焼け焦げを作った、というような場合。
 退去時に敷金から引かれた費用があるならばそれの明細を出してもらうことです。クリーニング代の内訳や作業人数など。
 覚えのない請求がある場合は必ず抗議すること。それでも不当に請求されるのであれば消費者センターなどへ相談を。
 また、これから入居する人は家具を配置する前に細かく写真をとっておくのも手。退去時に覚えのない傷・汚れについて請求されなくて済みますよ。
 敷金は返ってくるもの。これを忘れずに!
 



[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 ラーメン屋でご飯を済ませ出ようとしていたKさん。入れ違いに入ってきた顔見知りの人に、「あっどうも!」と軽く会釈をしたはいいが、帰ってからも誰だったか思い出せない。
 「警察官として俺は失格だ」と悩んでいたそうだが数日後テレビを見ていてあっさり判明。
 相手はテレビによく出る芸能人だった。


 


[あとがき]

 近所の木が小さなツボミをつけていました。植物の名前に疎いもので、どういうものか分かりませんが、咲くのが楽しみです。春はそこまで来ているんですね。
 同時にマスクをつけて出勤してくる人もちらほら。花粉症の季節のようです。春だからと手放しで喜んでもいられませんね。桜の下での花見も厳重装備でといった感じになりそうです。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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