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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第139号

==警視庁メールマガジン第139号==
                                   発行日:06/10/20



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●新たな振り込め詐欺の手口は…

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●いじめを隠したがる学校

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●強盗を撃退した人たち

[防犯ミニ知識]
●スズメバチに気をつけよう

[ほんの一口〜読者の声]
●遭難対策は?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●この野菜、水からゆでる?湯からゆでる?

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]

●新たな振り込め詐欺の手口は…

 次から次へと発生する振り込め詐欺の手口。よくもまあこんなに考え付くものだと思いますが、それだけ、一つの手口がすぐに認知され広まりやすくなったためであると思います。皆さんも手口を覚えて、絶対に騙されないようにしましょう。
 最近新たに増えてきているのは、「携帯電話の番号を新しくかえた」と先に別の番号を知らせておき、それから改めてお金の工面を要請するものです。
 もしも家族や友人から「携帯電話の番号を変えた」という連絡がきても、簡単にその番号を登録してしまわず、まずは前の番号にかけて確認をとることが大切です。
 また、銀行などで振り込め詐欺ではないかと疑われ、とめられないようにするために、振り込む金額を低く設定し、数日後「足りないのでもう●●万円振り込んで」と分けて振込みをさせる手口もあります。あるいは「郵送」「宅配便で」と指定してくるケースもあります。
 いずれにせよ、「急なお金の振込みを依頼」「とにかく急かせる」「直接会って依頼してこない」というような場合は振り込め詐欺を疑ってください。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●いじめを隠したがる学校

 福岡の生徒がいじめで自殺した事件において、警察と政府が「いじめが原因で自殺した児童・生徒」として把握していた数字にかなりの開きがあることがわかりました。警察が具体的な数字を示す一方で、文科省では「ゼロ」と発表。どう考えても不自然です。報告の過程で意図的に隠蔽されたか、現場がいじめをまったく認識していないか、私は恐らく両方の可能性があるのではないかと思っています。
 いじめがあるということが明るみになると、その学校の評価が下がります。「あんな学校には通わせられない」という結果を防ぐために、問題を公表しないようにし、それが児童や生徒達に跳ね返ってきてしまうのでしょう。子供を守るべき場所がその実は教師達の評価を守る場所になっている、そういった現状は一刻も早く改善されるべきでしょう。
 学校側の意識も問題であると思います。よく我々も殺人事件の聞き込みなどで「被害者にも落ち度があるのでは?」「襲われる方も悪かったのでは」という言葉を耳にします。
 例えばケンカなどで被害者が加害者を挑発し、それによって殺人に至ったケースでは確かに、被害者にも非はあるでしょう。しかし何といっても犯罪を起こすほうが悪いのは明白です。
 いじめも同じです。「いじめられる方にも責任がある」というのは、立場が強い人間の勝手な言い分です。そんなことを言われれば被害者は、誰にも相談できず我慢するしかなくなってしまいます。学校側がそのような、追い詰めることを言うべきではありません。むしろそのような言葉を言う人間は教育者として問題があるといえます。
 こういう事件があるたびに「いじめをなくすことを徹底したい」という会見が開かれます。しかしそれは逆効果ではないかと思います。
 警察においてももちろん事件事故は少ないに越したことはありません。ですが、「今月は殺人事件を無くそう」という目標を作れば、殺人事件を無くそうとするために上へ報告をあげないという事態が発生します。(もちろんそんなことはありえませんが)
 そのため警察では「殺人事件をなくすために見回りを徹底する」「不審な動きがあれば報告してもらう」というような、積極的な事件の芽発見に目標をシフトしているのです。
 このように、学校でも「いじめをなくそう」とすれば報告が上がらなくなるだけです。そうではなく、「いじめを見たら報告して」「何かあれば常に上へ知らせる」という、逆方向の対策が必要なのではないかと思います。
 いつまでもテンプレートの会見を繰り返すのではなく、本当に問題をなくすにはどうすべきなのかを真剣に考えていただければと思っています。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●強盗を撃退した人たち
 
 タイトルにもある通り今回は、俺がいろんな人から聞いた、強盗撃退の話をするで。まあそう言うても普通の人は危険やから、絶対マネしようとか思わんでな。

ケース1 Aさんの話やで。
 ある店を経営しとるAさん。家で奥さんと食事中にたまたま窓から侵入していた強盗と遭遇。とっさに奥さんを守らなあかんと思い、強盗を投げ飛ばした。それがまた運の悪いことにその強盗、窓から転落しよってん。さらに運の悪いことにそこ、2階やってん。強盗は重傷を負いながらも逃げたけど、通報によって駆けつけた警察官に取り押さえられ、逮捕。
 このAさんは様々な格闘技大会で優勝しとる人やってんな。もちろんそれで自信があったわけやないけども、遭遇した瞬間は奥さんを守ることしか頭になかったそうや。
 強盗も「ナイフを持っていたのに向かってきた。運が悪かった」とガックリしとったそうやったで。

ケース2 Bさんの場合
 銀行からお金を下ろしたばかりのBさん。いつもなら用心しとるんやけど、たまたま携帯電話に電話がかかってきて油断したんやな。ちょっとバッグを下において携帯をゴソゴソ探しとる間にひったくりにおうた。Bさん慌てて犯人を追いかけるが犯人はバイクということもあって追いつけない。ダメかと思った瞬間、角を曲がったところですごい音がして、何とか駆けつけてみると犯人の乗ったバイクが倒れとる。丁度車が通路をふさぐ形で止まっとったんや。
 その車の持ち主はさっきまで電話しとった相手。電話でひったくりに遭ったと知ってその道へ先回りしたんやな。電話は待ち合わせ場所を確認するためのもので、その場所も偶然犯人が逃げ込んだ場所近く。悪いことは出来んもんやな。

ケース3 Cさんのケース
 Cさんは一人暮らしのばあさんや。
 ある時Cさんが夜戸締りをしようと庭にでてゴソゴソしとると、垣根を挟んだ路地に一人の男が立っとるのが見えた。こんな時間にどうしたんだろうと思ったCさんは「どうしたの?道に迷った?」と声をかけたんやな。
 男は無言でその場を立ち去ったんで、Cさんはそのまま戸締りをして家の中に入った。
 ところが夜中に、昼間干しておいた靴を出しっぱなしやったのに気がついて庭へ出るとなんとその男が庭の中に入ってきていた。
 ふつうやったら大声出すところやけど、Cさんは静かに「どうしたの?おなかがすいてるの?」と声をかけ、男を部屋の中へ入れておにぎりを作ってやったらしいねん。そんでCさんは、数年前に連れ合いをなくしてから一人暮らしであること、子供も滅多にこなくて寂しいから珍しい訪問者が嬉しかったと一人で話しとった。
 したら男がいきなりボロボロと泣き始めて、金も仕事もなくて困っていた、強盗に入ろうと包丁を隠し持っていたと話したんやな。
 Cさんはそれでも驚かずに一晩男を泊めてやり、風呂にも入れて弁当と実家に帰る交通費を持たせて帰したんやと。ホンマなら警察に届けるべきなんやろけどな。
 半年くらいしてその男がパリッとしたスーツで現れて、実家の方でそれなりの企業に就職が決まったと報告してきたそうや。そんでちゃんと借りた金と、郷土土産を置いていったらしいで。その男からは今でも季節の変わり目の挨拶状やら年賀状やらが届くて、Cさんえらい喜んどったわ。

 まあ世の中いろいろあるけども、犯罪に走らせるのも思いとどまるのも人の心ひとつ、というところやな。




[防犯ミニ知識]


●スズメバチに気をつけよう

 秋の遠足やキノコ狩り、山菜取りなどの旬なニュースとともに報道が増えてくるのが、スズメバチに刺される事故です。夏から秋にかけてスズメバチの行動が活発になり、生息地域に踏み込んで刺されるケースが多いといえます。
 このスズメバチに刺されないようにするためにはどうしたらいいか、一番簡単なのは山の中へ入らないことです。
 しかしここ最近街中でも巣を作るケースが増えてきており、山に入らなければいい、で済まされない問題になってきています。
 もし家や近所の道など、生活範囲内にスズメバチが巣を作った場合は市町村役場へ連絡し、すぐに撤去を行うようにしましょう。子供がいたずらをして巣をつついたり、何かのはずみで巣が落ちる、振動するというようなことがあれば、無差別に攻撃を受ける恐れがあります。
 次に、スズメバチに刺されないためのおおまかな対策法です。

・白い服を身につける
 よく知られるようになってきましたね。スズメバチは色を判別することが出来ないため、見える世界は白か黒しかありません。そのため黒色や濃い色に非常に良く反応します。

・香水等の匂いをつけない
 山へ入るのに香水は必要ないと思いますが、もし街中でスズメバチの巣があるようなところを通るのであれば、香水はつけないほうが良いでしょう。また、お菓子の食べ歩きなども、匂いにつられてやってくる可能性があるので注意してください。
 
・ハチが周囲を飛び始めたらすぐに逃げる
 歩いていると急に、スズメバチが数匹あたりを飛び回り始めた、というような場合は近くに巣があることが多く、偵察行動をとっていると考えられます。すぐに姿勢を低くし、ゆっくりとその場を離れましょう。追い払うように腕を振り回したり、殺虫剤をスプレーしたりするとハチを刺激することになり、興奮したハチに襲われることがあります。

 「巣に近づかなければ襲われない」「ハチに刺されたらアンモニアを塗ればいい」というのは根拠のない言い伝えです。そのほかにもアロエをつけると良い、渋柿の汁をつけると良いといった話もあるようですが、効果のほどは確かめられていません。
 また、スズメバチの種類によっては、人間が巣に近づくと警告なしに襲ってくるものもいます。
 万が一刺された場合は絶対にその場に留まらず、速やかに逃げて下さい。毒液が他のハチを呼び寄せるフェロモンとなり、さらに刺される可能性があります。
 刺されたら傷口を冷水で洗い流し、手で絞ったりして毒を出すようにします。毒を吸い出す器具があればそれで吸出し、虫刺されの薬を塗りましょう。そののちに、すみやかに医師の診察をうけて下さい。
 ハチに刺されるとアナフィラキシーショックが心配されますが、これは刺されたすべての人がなるわけではありません。しかし、もし発症した場合死にいたる可能性もありますから、出来るだけ早く医師の診察を受けましょう。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●遭難対策は?
「今度登山を経験することになりました。もちろん安全なルートで、低い山に登るつもりなのですが、それでも遭難とかが心配です。初心者でも簡単に実行できる心得とかグッズとかあったら教えてください」

 広報課からお答えします。
「基本的に無理をしないこと、ルートを絶対に外れないこと、気候をよく確認することを守れば遭難の危険性はかなり減ると思われます。
 もし不意の事故でルートを大きく外れてしまった、遭難してしまったというような場合はそこにあなたがいたという跡を残す必要があります。
 大きく開けた場所があれば、ヘリコプターから見えるように「SOS」という文字を書き、その周辺に留まること、山火事の心配がない場所で焚き火をたくということが発見に大きな効果をあげると考えられます。
 また、川を横切ったり、崖を上ったり下りたりしてしまいますと、救助隊がその移動に手間がかかります。こういった自然の境界線を越えることがないようにして下さい。
 声を出せない状態、声が届かないけれども光は見えるといったような時には、何か反射するもので光を送るのが一番です。
 救助用信号ミラー(もしくはサバイバルミラー)というものが市販されていますので、手に入れば、万が一のためこれをもっておくのも対策の一つでしょう。
 ほかにも様々な対策、グッズなどがあります。それらを調べ知っておくのも一つの対策だと思います。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●この野菜、水からゆでる?湯からゆでる?

 こんにちは!交通課の由美ですvv文具店や書店にカレンダーや手帳が並ぶ季節になりました。もう少しで年賀状も発売ですね。今年は何枚買おうかなぁ…。
 今回は、寒くなってきたこの時期、ゆでて食べることも多い野菜の区別についてです。簡単だから使ってね。
 野菜を水からゆでるかお湯からゆでるかの違いを覚える方法として、地面より上に出来るか下に出来るかでわけることが出来ます。
 すなわち、大根やニンジン、イモ類など根菜といわれる類のものは、水から入れてゆっくり温度をあげていくことで、中心部と外側のゆで方が均一になります。
 次に地面から上に出来る青菜の類。こちらは火が通りやすいので、たっぷりの熱湯でゆでるのに適しています。キャベツは芯の近くの固い部分から、ほうれん草や小松菜などは茎から少しずつ熱湯に入れていくとさらにいいですネ。
 ただし、かぼちゃととうもろこしは例外で、水からゆでるようにして下さい。
 寒い夜には温かい野菜で中から体をあたためよう!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 Fさんは出動の時ドラマのようにかっこよく上着を羽織ろうとして、伸ばした左手を戸棚にぶつけ、手首を捻挫した




[あとがき]

 自販機にも「あたたかい飲み物」の棚が増えてきました。夜遅く警視庁を出たりすると、「おっ」と思うくらい気温が下がっていることもあります。もう冬が迫っているんですね。自然、帰宅の足も速まります。家では今子供が、ハロウィーンの仮装を学校でやるとかいって一生懸命衣装を作っています。帰宅のたびに出来上がっていくそれを見るのもまた毎日の楽しみです。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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