多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ警視庁メールマガジン目次→警視庁メールマガジン


※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
メールマガジンに戻る][ご意見募集][トップページ

警視庁メールマガジン第168号

==警視庁メールマガジン第168号==
                                   発行日:07/11/30



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●12月がやってきた!

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●血痕からDNAを判別する

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●放火犯を許すな!

[防犯ミニ知識]
●改正遺失物法が12月10日より施行されます

[ほんの一口〜読者の声]
●どこまでが公務執行妨害?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●車頭時間で追突防止を!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●12月がやってきた!

 気がつけば今年も残り1ヶ月。カレンダーを選んだり手帳をそろえたり、お世話になった方々へのあいさつ回りに仕事の総仕上げ…誰もが忙しくなる季節です。
 同時に、この時期を狙っての空き巣被害や強盗、その他の犯罪も増加してきます。もちろん交通事故も例外ではありません。
 急ぐ時ほど施錠や安全の確認を怠らないようにしましょう。
 警視庁からのお願いです。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●血痕からDNAを判別する

 香川県の祖母と孫の姉妹が行方不明になった事件が大きな展開を見せています。室内に残った血痕は3人のものであるとDNA鑑定による断定がなされました。この報道を見て、血のつながった家族だと判別しにくいのではないか?と驚かれた方もおられるのではないでしょうか。
 DNA鑑定は92年に正式導入されて以来目覚ましい進歩を遂げており、現在では「フラグメントアナライザー」という最新のDNA鑑定を行う自動分析装置が導入されています。
 香川県警に問い合わせたわけではありませんので、科捜研がこの機器を使ったかはわかりませんが、これによって2億人に一人の確率という精度で判別が可能となりました。もちろん家族であっても判別できます。
 従来でのDNA鑑定では、例えば遺体が焼却されていて損傷が激しい場合、身元確認が困難な場合がありました。しかし新しい鑑定法ではこういった場合でも捜査が可能となります。
 このフラグメントアナライザーは、大量の試料を短時間で正確に分析できるため、飛行機事故が発生して大量の身元確認が必要であるような場合に有望です。もちろんそんな事故が起きないに越したことはありませんが。
 また、香川県のケースは大量に血痕が残されていましたが、では少量では鑑定できないのかというとそうでもありません。
 現場から採取された一滴の血痕に含まれるDNAをPCR法という方法で増幅させ、検査しやすいようにするのです。この方法による増幅は捜査だけでなく、医療にも応用されており、考案したキャリー・マリス博士は1993年にノーベル化学賞を受賞しています。
 現在2004年12月から、犯行現場に被疑者が遺留したと認められる血痕などのDNA情報を登録し、検索できるようにするデータベースが開始されています。このシステムにより、ある犯行現場に残された資料のDNA情報と、データベースの情報が一致するか調べることで同一の被疑者によっておこされたものかを検証できます。また、検挙した被疑者のDNAを照合することで、余罪の捜査も可能となります。
 まだまだデータベースと言えるほどの量ではないため、活用されているとは言い難い面もあります。しかしこれから先ますますDNA鑑定は重要なものとなっていくでしょう。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●放火犯を許すな!
 
 日に日に寒くなってくるけど、みんなちゃんとインフルエンザの予防接種とかしとるか?受験生なんか特に受けといた方が安心やで。
 この季節は風邪やインフルエンザもジワジワ増えてくるけども、放火も少しずつ増えてくるんや。年の瀬を前にきっちりチェックしとこうで。
 放火で多いのは、家の外に出してあるゴミや、バイク・車のカバーへの放火、あとはそこらのゴミへの放火。
 まずは家の外に出てこれをチェックしてみた方がいいと思う。車庫がないとか、あっても外との仕切りを設置してないような場合は、カバーを難燃性・防災加工されたものに変える方が無難だと思うで。火をつけてもそれが燃えんかったら放火犯はあきらめるからな。
 ゴミもできる限り「朝出すのに楽だから」と外に置いたりせず、面倒でも玄関の中とか裏口のとことか、とにかく外から手が出せないところに置いておく方が安全。
 次に夜間の明るさをチェックや。
 夜になると家の周りは真っ暗で、歩いている人の顔もわからんというような地域の場合は、敷地内に誰かが立ち入れば反応してライトがつくようなセンサーを導入したほうが安全やろな。敷地がすぐ道路と面しているという人は、通行人に反応しないよう角度を調整する必要があるけども、窓の下などに人がくれば反応するようにした方がええと思う。
 住宅用火災警報器の導入が義務付けられたけども、室内からの発火はこれでなんとかなるにしても、外からの火はやはり、どう未然に防ぐかが重要なポイントやと思う。
 昔は地域ごとに夜の見回りがあったけども最近は減ってきとるからなぁ。機械に頼るだけでなく、こういう人の目が犯罪防止に大きな貢献を果たすこともたくさんあるんやで。




[防犯ミニ知識]


●改正遺失物法が12月10日より施行されます

 以前のメールマガジンで少しだけ触れた遺失物法が改正され、新しい遺失物法が12月10日から施行されます。
 どのようにかわるのでしょうか。

1.保管期間が6ヶ月から3ヶ月に短縮。

2.情報がインターネットで公開。
 これまでは、どこで落としたかわからない場合、警察署ごとに管理されているため、探すことが難しいケースもありました。これからは各都道府県内の拾得物についてホームページ内で探すことができます。また、高額な品物、個人情報を含むものについては全国手配されます。

3.個人情報が入った拾得物は拾得者が所有権をもてません。
 携帯電話、カード類に関しては保管期間(3ヶ月)が過ぎても拾い主に所有権が移動しません。

4.特例施設占有者制度が新設。
 公共交通機関や都道府県公安委員会から指定を受けた施設の占有者は2週間以内に拾得物に関する事項を警察へ届け出れば、拾得物を自ら保管できます。

5.安価なもの、大量生産物の売却。
 警察署長と特例施設占有者は、傘や衣類など大量、安価なものについては2週間以内に落とし主が見つからない場合これを売却できます。

6.犬や猫は遺失物法の対象外に。
 所有者の判明しない犬又はねこは、遺失物法が適用されずに、都道府県等がこれを引き取ることになります。警察に持ち込まれても引き取ることはできません。

 今後このように変わりますので、路上で落し物を拾った場合は一週間以内に警察へ、駅構内や電車内、デパートの場合はその日のうちに施設へ届け出て下さい。
 もし落し物や忘れ物をしたという場合は最寄りの警察署や交番・駐在所に問い合わせ、遺失の届け出をしましょう。携帯電話やカード類の場合は使用停止の届けを各会社に行うことも大切です。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●どこまでが公務執行妨害?
「この間子供に声をかけている不審な男性二人組がいたので、誘拐かと思って割って入ったら、聞きこみ中の刑事さん達でした。こういう時は公務を邪魔したということで逮捕されてしまうのでしょうか?」

 広報課からお答えします。
「子供さんが誘拐されるように見えた状況ということですから、故意に邪魔をされたわけではなく正当な理由に基づいてのことです。また、私服刑事の場合一見で公務員であると判断できないこともありますので、公務に従事していることを認識できない可能性も考えられます。
 心配される必要はまったくありません。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●車頭時間で追突防止を!

 こんにちは!交通課の由美ですvvクリスマスケーキの予約も無事済んであとは仕事をバリバリ頑張るだけ!早くこいこいボーナス!
 さて今回は、交通課だからこそお伝えする、この師走の時期起こりやすい追突事故を防ぐためのワザです。渋滞・ノロノロ運転にイライラして追突なんてことがないよう、しっかり覚えておいてください。
 よく、安全な車間距離はスピードごとに何メートルとか制動距離がどうとかありますが、車に乗っていてはなかなか分からないもの。
 そういうわけで一番早い確認方法は、前の車が道路標識や横断歩道を通過してから、自分の車が同じ地点にくるまでを「1、2、3」と数えてみてください。これが車頭時間です。この時間が3以上であれば少なくとも追突の危険性は低くなります。(絶対追突しないわけではありません)
 1や2だった人は今すぐ改めて、3以上になるように調整してください。2以下では前の車がブレーキをかけた時危険に気づいてもブレーキを踏む間もなく追突すると言われています。
 いくら焦っても車間距離を縮めるのは自分の命の時間を縮めるのと同じです。
 車頭時間で今日も一日安全運転!でも確認をしすぎてわき見運転にならないよう注意してくださいネ。




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 白バイ隊員のDさん。この間、スピード出し過ぎの車両をいつものように誘導して停止させて、ハッと気づいた。自分が今非番で、乗っているのは普通のバイクだということに。




[あとがき]

 年賀状やお歳暮、忘年会の話題がちらほら出始めてまいりました。この間年が明けたと思ったらあっという間に年末。来年からは年が明けると同時に年末の準備をしたほうがいいかも…?ともあれ、今年もあと1ヶ月、無事に終えられるようここから気を引き締めていきましょう。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
転載を希望する場合はご連絡下さい。


バックナンバー ご意見募集 トップページ

※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。