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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第171号

==警視庁メールマガジン第171号==
                                   発行日:2008/01/11



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●飲酒運転根絶に向けて

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●サミットと国際手配

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●お互いの証拠品

[防犯ミニ知識]
●振り込め詐欺被害回復分配金支払い法の施行

[ほんの一口〜読者の声]
●風邪薬を飲んで運転してはダメ?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●ストーブの反射板をみがけ!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●飲酒運転根絶に向けて

 昨年6月に改正道路交通法が成立し、飲酒運転やひき逃げに対する罰則がより強化されました。
 全体的に飲酒運転による交通事故は減少しましたが、それでも悲惨な事故がなくなったわけではありません。
 愛知県では昨年、飲酒運転をしたドライバー及び、飲酒運転と知りつつ車に乗っていた同乗者らに合計140万円の罰金が科せられています。
 社会全体、地域全体で飲酒運転を追放していきましょう。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●サミットと国際手配

 今年7月に、北海道にてサミットが開催されます。もちろんこれだけではなく日本の各所において様々な会合が行われるため、各都道府県警では警戒にあたりピリピリとしたムードに包まれています。
 一番懸念されているのはやはり、テロが発生することなのですが、ICPOから警察庁、警察庁から全国警察へと、テロリストの情報や手配書などが広く通知されます。これをもとに捜査や警戒にあたるわけですね。
 さてあまり堅苦しい話ばかりしても面白くありませんから、ICPOから各国の警察へ通知される様々な国際手配書についてのお話をしましょう。日常的に目にすることはないでしょうが、話のタネくらいにはなると思います。
 まず手配書は何種類かの色で区別されます。いちいち中身を読まなくても、どんな種類の手配書かわかるようになっています。
 その色は赤、青、緑、黄色、黒、白、紫の7種類あります。(以前は赤、青、緑、黄色、黒の5色に、タリバン・アルカイーダ関連の特別手配書がありました)
 これらの色の名前をとってそのまま、赤手配書、青手配書などと呼ばれます。
 次にその内容です。赤は引き渡しを前提に、逃亡した犯罪者の身柄拘束や本国への送還を求めるもの。2003年フジモリ元大統領が日本へ滞在していた時にIPCOが赤手配書を発行しています。ただし、日本の刑事訴訟法ではこの赤手配書による逮捕を認めておらず、手配書自体も法的効力を持たないため、実際に逮捕するかどうかは政府が判断することになります。(フジモリ元大統領の引き渡しについては日本政府は拒否しました)
 青の手配書は手配した対象者の情報や発見を求めるものです。
 緑は、犯罪の常習犯である人間に対しての情報を提供し、注意を促す手配書です。
 黄色は、行方不明者に対する手配書です。
 黒は身元不明の死体が発見された場合に、その発見を知らせると共に身元の情報を求めます。
 白は、盗難文化財を通知するものです。外国で売買されるのを防ぐためですね。
 そして紫は特異な事件や手口を広く知らせるためのものです。ICPOのウェブサイト(英語)に掲載されていますが、2006年7月に象牙の密輸方法についての"Purple Notice"を発行しています。
 このように、ICPOでは日々様々な情報を世界各国へ発信しています。サミットが行われる日本へは、どれだけの数が届くでしょうね。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●お互いの証拠品
 
 殺人の現場に犯人の遺留品が落ちている。警察はそれをもとに被害者周辺の人間関係を洗い、犯人を割り出す。
 これは捜査における大まかな流れや。
 こういう時は犯人の遺留品、つまり犯人側の証拠ばかりクローズアップされやすいけど、捜査や逮捕にあたり警察はちゃんと、犯人側に残る被害者の証拠も調べとる。
 被疑者として逮捕した後、持ち物である車の中を調べたり、家宅捜索して、被害者の毛髪や衣服、血痕がないか探す。遺体を車で運んだような場合には、ビニールシートで厳重にくるんであったとしても必ずそこに、毛髪や血痕が落ちとることが多いからな。
 殺害されたり襲われた時に大抵被害者は抵抗するため、その跡が犯人側にも残される、というのが捜査では常識なんやな。
 また、殺人や強盗だけやない。ひき逃げなどにおいても、被害者の体や衣服にタイヤ痕や車のぶつかった跡が残るほか、車体やタイヤにももちろん被害者側の証拠が残される。逃走して綺麗に洗車したり、どこかへ廃棄したりしても無駄なことや。鑑識の目は絶対に証拠を見落としたりせん。
 こういうのを「証拠の交換」と呼ぶ。互いに、相手の痕跡をとどめることやな。
 俺も殺人事件の調査依頼なんかで、犯人を確定した時にその服から決定的な証拠を見つけるなんてことはざらや。いくら本人が用心深くことを行ったつもりでも、数ミリ単位の証拠が残っとるなんて気づきもせんからな。
 よく、殺人に及んだあと衣服をゴミとして捨てたり燃やしたりして、証拠隠滅を図る犯人もおる。まあそんなことをしたとしても、被疑者として身柄確保され、室内を調べられれば、着衣の繊維が見つかってアウトやしな。それに物的証拠はそれだけしかないというものでもないから、結局は逃げ切れるものでもないということになる。
 検挙率が低いと警察ナメとる人がおるけど、殺人などの重犯罪の検挙率がどれだけか知っておいた方がええと思うで。
 追い詰められて、「証拠はあるのか」と言いだす人間は大抵犯人やからなぁ…。




[防犯ミニ知識]


●振り込め詐欺被害回復分配金支払い法の施行

 毎年被害の減らない振り込め詐欺ですが、今年より、被害にあったお金がある程度取り戻せるようになるという法律が施行されます。ちなみに、今現在の名称は「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律案」です。
 「そんな回りくどい言い方をしなくても、被害額が戻ってくる、でいいじゃないか」と思われた人もおられるでしょう。しかし、全員に必ず戻ってくるわけではないのです。
 まずはこの法律が一体どんなものなのかを知っておきましょう。
 警察から金融機関へ、振り込め詐欺に使われた口座が通知された場合、金融機関はこの口座を凍結することになります。次に、預金保険機構という機関へ金融機関が口座名義人の権利を失わせる手続きをとり、預金保険機構はインターネットにおいて公告を行います。
 この公告は60日掲載され、その間に名義人が名乗りを上げなければ預金への権利は取り消されます。
 ただし気をつけなくてはいけないのは、その該当口座にお金を振り込んだ被害者も、60日間の間に被害を証明できるものを持って、振り込んだ金融機関へ届け出をする必要があるということです。この期間が過ぎると、該当口座に残っているお金の分配を受け取る権利がなくなります。
 また、当然ですが、既に口座からお金が引き出されていた場合はお金を受け取ることができません。他、口座の残高が合計被害額を下回る場合などは、残ったお金を届け出をした被害者で分配することになり、被害額より少ない額のお金しか受け取れません。
 そして、現段階ではインターネットのみでの公示と定められているため、ネット環境がないご家庭では情報を得られない状況となっています。
 こういった欠点はありますが、法律施行前までは、被害者が返金を求める裁判を起こし、それが認められなければ口座から返金がなされなかったのに対して、画期的な法律であるといえます。
 6月までには施行される予定のこの新法について、また改めて紙面を設けて説明していく予定です。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●風邪薬を飲んで運転してはダメ?
「飲酒運転の、危険運転などに対する報道を見ていて知ったのですが、薬を飲んで運転した場合でも、危険運転致死傷罪に問われる場合があると知りました。風邪気味で、薬を服用して運転しても罪になるのでしょうか?」

 広報課からお答えします。
「薬を服用して運転し、危険運転致死傷罪に問われるケースというのは、正常な運転ができない状態であり、アクセル・ブレーキなどの操作が困難である場合に適用されます。
 そのため、単に風邪薬を服用しただけでは罪になりません。
 ただし、睡眠薬を併用して居眠り運転などにつながった場合はまた状況が異なります。
 薬を服用して運転される際は、眠くなる成分が入っていないかよく確認してください。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●ストーブの反射板をみがけ!

 こんにちは!交通課の由美ですvv皆さんは今年初詣には出かけられましたか?私は友達としっかり元日に行ってきました!おみくじも大吉だったし、今年こそいい男ゲットするぞー!
 さて今回は、ガソリンや石油が値上がりして暖房器具の見直しがされている中、器具の手入れも見直そうというものです。
 といってもタイトル通り、ストーブの反射板を磨きましょうってだけなんですけどね。
 ガスストーブや石油ストーブなどだと、上部分のほこりを拭いたりはしても、中までお手入れするという人は少ないのでは?
 ところが熱を反射して部屋を暖めてくれるこの反射板、汚れたままとピカピカの状態とでは、熱効率が20%も違うのです。これは大きな差ですよね。
 毎日磨く必要はありませんが、こまめにお手入れすることで、光熱費も節約しましょう!




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 同じ課のKさんは、気合いを入れて年賀状を作ったそうだが、宛名を印刷し忘れて投函し、全部手元に戻って来た




[あとがき]

 年が明けて11日が経過しました。すっかり新年のムードは消えて、街も喧騒を取り戻しています。今年もまた、このメールマガジンをよろしくお願いいたします。
 さて今年は東京マラソンに洞爺湖サミット、北京オリンピックと大きな催し物があります。何事もなく終えられるよう警察も全力で警戒にあたっています。これらのイベントがより楽しいものになりますよう、皆さんのご理解、ご協力をお願いいたします。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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