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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第180号

==警視庁メールマガジン第180号==
                                   発行日:2008/05/16



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●ツアー・オブ・ジャパン・東京ステージに伴う交通規制について

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●ヒモの結び目

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●110番は必要な時に使え

[防犯ミニ知識]
●裁判員制度導入に向けて

[ほんの一口〜読者の声]
●風俗店でお客は逮捕されるの?

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●車中泊をするコツ?

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●ツアー・オブ・ジャパン・東京ステージに伴う交通規制について

 5月25日(日)、第12回ツアー・オブ・ジャパン・東京ステージ(自転車ロードレース)が開催されます。それに伴い交通規制が発生いたします。

・日比谷シティ前 〜 八潮二丁目
 10時55分ごろ 〜 11時15分ごろ
・八潮二丁目 〜 南部陸橋下などの周回コース
 9時00分ごろ 〜 15時00分ごろ

 この場所・時間帯では、一般車両の通行はできません。交通規制・う回については、現場警察官の指示に従ってください。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●ヒモの結び目

 前回に続いて、偽装された殺人のお話をしましょう。
 もしあなたが殺人を犯したばかりだとして、その殺人を事故死などに見せかけたい場合。室内で死んでいるのを例えば外へ移動させたい場合どうしますか。
 当然靴は履かせるでしょう。その時何を選びますか。それによっても偽装かそうでないかは見分けがつきますが、大抵の人は玄関口を見渡してそれなりの靴を選ぶでしょう。
 交友関係がある被害者であったならばその人が普段どのような靴を履いているか、用途によって使い分けているかもよく知っているでしょう。ま、偽装をする必要があるのは大抵被害者との関係がわかれば犯人だと疑われるから、ですが。

 その死体は轢死体となって発見されました。当初は、橋の上から線路へ飛び降り、そこへ電車が入ってきて轢かれたと思われていました。恐らく殺されたばかりか、まだ息があった時に線路へ落とされ轢かれたために、死亡時刻に不審な点がなく事故あるいは自殺ということになりかけていたのです。
 ところが、その被害者の履いていた靴に警察は注目しました。被害者はスニーカーを履いていることが多く、その時も履いていたのですが、ヒモの結び目が家におかれているものと違っていたのです。
 スニーカーを履く時、ヒモを緩めないでそのまま履く人もいるかも知れませんが、いったん解いてきちんと結びなおす人がほとんどです。また、脱いだ後もヒモが汚れないようにと結んでおく人もいます。
 この被害者も、保管しているスニーカーのヒモはすべて結んであったのですが、この結び目が死亡時履いていたものとはまったく異なっており、そこから根気強く捜査していった結果、友人が殺人犯として逮捕されました。もちろんこのスニーカーから友人の指紋も検出されました。
 ヒモの結び方はそう簡単にマネできませんし、軍隊や登山家その他、特殊な結び方をいつもやっている人は無意識のうちにその結び方を日常でも使っていたりするものです。
 そう簡単に偽装はできない、ということですね。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●110番は必要な時に使え
 
 ニュースでもう何度かやってるから見た人も多いと思うけど、今37都道府県の警察本部で、事件事故とは関係のない、緊急性もない通報が急増しとる。
 実は、緊急性がない市民からの要望もきちんと耳を傾けようというのは、あの桶川ストーカー殺人事件以降警察の中で徹底されたことなんや。それを逆手にとって今じゃやりたい放題の人間が増えたということ。
 昨年では事件と関係のない通報が95万件。これがどれくらいの数字かというと、04年には88万件ほど。いたずらを除く通報件数が約900万件と考えると全体の1割をしょーもない、くだらない通報が占めとるというわけや。
 いくつかテレビで紹介された以外のものとしては、「雨が降ってきて傘を持っていないからパトカーで送って」とか、「誰それの自宅の電話番号がわからない。教えて」とか、「芸能人のコンサートの予定を教えて」とか。読んでるだけで腹立ってくるやろ。
 警察は雑用係とちゃうし、こんな下らない、自分のことしか考えてない連中の電話を受けとる間にも、本当に助けを求めている人からの電話がつながらない状態になっとるんや。
 警察の電話が30秒以上つながらないことがある。これがどんなに怖いことかわかるか?その間にかけた人が命を落とす可能性もあるということやで。
 しかも、こんな下らん通報で出動した結果、緊急性の高い現場への到着が遅れて捜査に支障をきたすということも実際に出始めとる。
 自分くらいならとか思っとるかも知れんが、もし自分が事故に巻き込まれて110番もしくは119番通報した結果、「今出払っていますので到着は1時間後になります」と言われたらどうする?その時に安易な気持ちで通報しとったことを悔やんでも遅いんやで。
 普通の身の上相談なら「#9110」があるし、ほかにも相談するところは沢山ある。
 「税金を払ってるんだから使う権利がある」と言うなら、本当に困っている人だって通報する権利がある。
 下らん屁理屈振り回しとらんで、自分で解決せんかい。




[防犯ミニ知識]


●裁判員制度導入に向けて

 来年5月からスタートする裁判員制度に向けて様々な取り組みがされていますが、今回は心のケアについてお話します。
 既に模擬裁判が何度か実施されていますが、裁判員役として参加した方からは「裁判員の役割がよくわからない」「自分の決定が被告の未来を決めることに強い抵抗を感じる」「何がよくなるのか理解できない」といった声も多く、依然として参加に強い抵抗があるのが現状です。
 また、裁判員制度の対象は殺人や強盗などであり、審理の中で、遺体の解剖写真や凶器、残酷な犯行場面の再現などを見ることがあります。また、遺族の話や被害者の話を聞くこともあり、相当な精神的プレッシャーを受ける可能性があります。
 我々捜査員は事件捜査の中で遺体写真や解剖写真を見ることはありますが、一般人はそう見る機会はありません。裁判員だからという義務で見せられて苦痛に感じない人はいないでしょう。
 これらのことから専門家は心的外傷後ストレス障害(PTSD)になる可能性を指摘しています。
 そのため最高裁では、殺人事件などの審理で精神的ショックを受けた裁判員を対象に、24時間態勢の無料電話相談窓口や心理カウンセラーによる面談を受けられる「心のケア・プログラム」を設ける方針を固めました。電話相談は民間の専門業者に委託されます。
 裁判員制度を取り入れることによって審理が早く終わるという利点がある反面、審理が粗雑になったり、真相解明があやふやになるという指摘もあります。
 あと一年、様々な検討がされていくことでしょう。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●風俗店でお客は逮捕されるの?
「お恥ずかしい話ですが、風俗店に客として入っていて、もしそこに警察の捜査が入った時に、客も逮捕されてしまうのでしょうか?教えてください」

 広報課からお答えします。
「風俗店が摘発される場合、おおむね「風俗営業法適正化法」に違反しているケースで、この場合店側が問題になりますので、客が逮捕されるということはありません。
 証拠として事情聴取したり写真を撮ることはあります。
 ただし、売春行為があった時に相手女性が18歳未満だった場合は「児童ポルノ法」によって客も逮捕されます。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●車中泊をするコツ?

 こんにちは!交通課の由美ですvv日差しが強くなってきました。日焼け止めをばっちり塗り込んでパトロールにそなえてます。ただ、日焼け防止の手袋をして運転している女性ドライバーさんを見かけますが、ものによってはすべるものもありますので注意してくださいね。
 さてさて今回は、夏に向けて全国を車で旅してみたいという人とか、様々な事情で車中泊をする人のためのワザです。万が一地震で家が倒壊してやむを得ず車で過ごすという人も、知っておいて損はないかも知れません。
 まず車中泊に必要なのは、シートを倒して出来るだけ凹凸がないようにすること。といってもこれは完全になくすことは無理なので、マットなどを用意しておくとベスト。
 次に、日中はしっかり体を動かし、水分も十分とること。あまりトイレにいきたくないからと水分を控えると、その分新陳代謝が落ちるので、エコノミークラス症候群になりやすくなってしまいます。しっかりと水分を体内循環させましょう。
 そして車を止める場所。エンジンをかけっぱなしというわけにはいかないので、エンジンを止めた時に冬なら寒過ぎず夏なら暑すぎない場所へとめましょう。夏はできるだけ標高の高い場所に移動すれば涼しく過ごせますが、河原や崖のそばなど、別の意味で危険な場所はやめましょう。
 これを徹底すればレジャーとしても楽しめます。マットを日ごろから積んでおくのもいいかも知れませんね。ただし、町中で駐車禁止場所にとめて車中泊は絶対にダメですよ?




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 出先から抱えている事件のことで電話をしてきたW係長。
 しばらく話しているうちに「あれ?」と言いだした。
 「どうしたんですか?」と聞いたら、「携帯電話がなくなった!」
 今話しているのは何でしょうか?




[あとがき]

 中国で発生した地震は日を追うごとに犠牲者の数も増え、被害の大きさをまざまざと見せつけています。とにかく救援物資を配ることもままならないということですが、やはりここは各国からの支援を受け入れるべきではないでしょうか。
 また、これを対岸の火事と思わず、地震大国と言われる日本でも備えておくことは大切だと思います。突然やってくるのが災害ですからね。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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