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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
安全は正しい防犯知識を身に付けることから
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警視庁メールマガジン第207号

==警視庁メールマガジン第207号==
                                   発行日:2009/06/26



目次
[〜お知らせ〜警視庁広報課より]
●熱中症に気をつけましょう

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●食い違う死亡推定時刻

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●最後の最後で大逆転

[防犯ミニ知識]
●知っていますか、自転車のルール

[ほんの一口〜読者の声]
●一方的に募金を強要されている

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●冷蔵庫にアレあったっけ?を防ごう!

[内部密告コーナー]




[〜お知らせ〜警視庁広報課より]


●熱中症に気をつけましょう

 熱中症が発生しやすい時期になりました。新潟では車の中に7時間寝かされていた乳児2人が熱中症で死亡する事故が発生しています。
 子供は大人より特に熱中症にかかりやすい傾向にあります。少しの時間だと思っても絶対に、車の中に寝かせておくようなことはしないようにして下さい。
 子供を連れての外出は午前中や夕方など、比較的涼しい時間にしましょう。また、ベビーカーは地表に近いため熱を受けやすく、かなり高温状態になります。こまめに様子を見ることを忘れないようにして下さい。
 また、日中の運動なども気温が高い時には避けましょう。日課だからと猛暑の中ランニングなどをするのはとても危険です。時間帯を変える、こまめに休憩をとるなどして熱中症に備えて下さい。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●食い違う死亡推定時刻

 推理小説や警察のドラマが好きな皆さんは、「死亡推定時刻」というものが、パッと現場で死体を見て「何時〜何時の間だろう」と断言できるものではない、というのをご存じであると思います。
 実際には検死解剖を行ったり、周囲の状況から細かく絞り込んでいきますが、それでも頭を悩ませる状況というものがあります。
 次の犯行現場について皆さんはどう思うか、ちょっと考えてみてください。
 マンションにて窓際に倒れている女性の死体が15日に発見されました。この女性Aさんは首を絞められて殺された可能性が高く、容疑者は恋人のBで、ケンカの拍子に首を絞めるような形になってしまい、気づくとぐったりしていたので驚いて逃げただけであり、殺してはいない、ということでした。
 ところが死体は腐敗状況から死後2日経過していることになる(13日死亡と推測)のですが、体温は死後1日〜半日程度の状況を示しており(14日死亡と推測)また、マンションには新聞が14日まで取り込まれた様子があります。2日前つまり13日に殺されていたならBの当時のアリバイはなく、疑わしいのですが、1日前つまり14日の場合Bは仕事の会議に出ていましたので犯行成立が難しくなります。さて本当にBの犯行なのでしょうか。

 少し意地の悪い問題だったかも知れませんね。犯人はやはりBでした。
 というのも、マンションの窓際にAさんは倒れていたため日光が遺体にあたり、室温も高温になっていたため、体温が通常死亡のように降下せず、これが遺体状況の食い違いのもととなりました。
 次に新聞です。これにひっかかった人がいるかも知れませんが、Bはちょくちょく部屋を訪れては様子を見に来ていたのです。犯人にしてはありえない状況だと思われるでしょう。ところが、Bには殺害したという意識がなかったのです。ちょっと首を絞めただけのつもりで反射作用によってAさんが瞬間的に死に至ってしまったことに気付かず、
そろそろ気がついて起き上がっているのではないかと何度もマンションを訪れていたのでした。新聞はその時に取り込んだと供述しています。
 これまでの数えきれない事件から警察や研究機関は細かなデータを積み上げてきています。それを次の捜査に生かすのですが、偶然にもこういった、思わぬ要因によって予想外の出来事が生じることがあります。それはやはり現場にいなくては経験しえない出来事と言えるかも知れません。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●最後の最後で大逆転

 俺がその告別式に参列したんは、それを執り行う葬儀社の知り合いに「ちょっと気になることがある」と呼ばれたからやった。
 故人は家で一年ほど闘病生活をしていたけれども、一向に良くならないことを気にしての自殺だった。それを家族が発見し、主治医に連絡して正式に死亡と診断がくだされた。
 それで葬儀になったが、呼ばれて準備をしているうちにそこの社長は違和感に気づいた。遺体の状況もやし、何となく家族の様子が変だと。それがどうも説明つかんので、俺に相談したという流れなんやな。
 といっても俺も「すまんけどちょっと遺体を見せてくれるか」というわけにもいかんし、そうなれば火葬場で「最後のお別れに」と顔がみられる時くらいしかチャンスはない。
 告別式の場では参列してるフリをして交わされる会話を聞いてまわったくらいやなぁ。中は静まり返っとってもロビーや廊下は結構いろいろな会話がされとるからな。
 そうして俺は一つの確信を持って、火葬場へ運ばれる時を待った。社長とはあらかじめ打ち合わせしてあるので、俺も中に入って遺体の顔を確認させてもらった。
 その後は大変な騒ぎやった。警察は来るし家族は別の意味で泣き崩れとるし、俺は親父から「先に警察を呼ばんか」て怒られるし…。
 ともかく自殺ではなく他殺だったことがわかったんや。長引く闘病生活であっても、本人は決してあきらめてはなかった。諦めかけてたのは家族の方やった。看病に疲れて家族で示し合わせて無理やり首を吊らせたんやな。葬儀場でも保険金の話やら遺産の取り分やら、そんなことばっかり話してたで。
 本来ならこれは医者が警察に届けなあかんケースなのに、医者は長年見ていた患者だからと報告もせず、家族の涙ながらの訴えを信じて自殺と判断してしもた。当然後で罰せられたけどな。
 それにしても現場の状況や雰囲気、遺体の状況を見て偽装自殺を見抜くなんて大した社長やろ?さすが元刑事なだけはあるわ。親が引退する時に警察辞めて跡を継いだんや。
 ただこれがもし別の葬儀会社に依頼されてたらと思うと…完全犯罪成立。嫌な話やな。




[防犯ミニ知識]


●知っていますか、自転車のルール

 去年6月に自転車の通行に関するルールが改正されましたが、皆さんは一つでも覚えていますか。
 ひとつは、自転車が歩道を走行できるケースが細かく定められたことです。標識で走行可の表示がある場合、そして幼児や児童、70歳以上の高齢者、身体障害者が運転している場合、そして状況的にやむを得ない場合などです。
 もうひとつは、児童または幼児を保護する責任のある者は、幼児、児童を自転車に乗せる時乗車用ヘルメットをかぶせるよう努めなくてはいけません。
 この改正のほかに原則として自転車にも安全運転義務というものがあります。地域によっては条例で禁止しているところもありますが、携帯電話を操作しながらの運転や、傘さし運転はとても安全運転をしているとは言えません。交通事故が発生した時には自転車側の重大な過失として扱われることがあります。携帯電話を操作していて信号が赤になっているのに気付かず、交差点に進入して走ってきた自動車と接触する事故も起きています。
 そして、自転車は軽車両ですので、信号を守ることはもちろん、一時停止表示のある場所では必ず停止して確認しなければいけません。自転車だから止まらなくていいというのは間違いです。
 また、夜間に無灯火で走ることは違反でもあると同時に、自動車や歩行者からはまったく見えない存在となりとても危険です。自動車に乗ったことのある人ならわかると思いますが、真っ暗な中の無灯火自転車は発見が遅れ、危険度も増します。雨などで傘をさして自転車を運転していれば、自転車側からも周囲の状況が把握しにくなってしまいます。
 エコロジーで自転車が見直されてきていますが、きちんとルールを知って乗らなければとても危険な乗り物になってしまいます。
 自転車が当事者となった交通事故は全体の2割以上を占めています。この事故の中で自転車側に法令違反があったケースは約68%で、死亡事故では76%にもなっています。(平成20年度交通事故データより)
 交差点で信号が赤になっていても平気で進入する、後ろをよく確認せずに横断を開始する、歩道を減速せずに走り抜ける、携帯を片手に運転する、これらの行為が事故を増加させているといっても過言ではありません。
 ぜひご家庭で一度、軽車両としての自転車の乗り方について話し合ってみてください。




[ほんの一口〜読者の声]

 
●一方的に募金を強要されている
「ある時突然、キーホルダーが送られてきて、「恵まれない子供達の為に寄付をお願いします。このキーホルダーをお買い上げください。」という紙とともに振込用紙が同封されていました。そうは言われてもこんなもの頼んでないし、こういうのは警察に届ければいいのでしょうか」

 広報課からお答えします。
「ネガティブオプションと呼ばれるもので、注文したものでない限り支払う義務はありません。相手に「いらない」と連絡すれば7日間後、放置する場合は14日後に処分することができます。
 返送しない場合は承諾とみなし、代金をお支払いただきますという文面を入れている業者もありますが、この書面自体無効です。
 もし取り立ての要求がひどいような場合は、消費生活センターや警察にご相談ください。」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●冷蔵庫にアレあったっけ?を防ごう!

 こんにちは!交通課の由美ですvv激しい雨が降ったりムシムシする暑さになったりと、この時期体が気温の変化についていけず、体調を崩しがちです。規則正しい生活で健康を保ちましょう。
 さて今回は、節約には欠かせない、余計な食材を買わない上での裏ワザです。買い物に出てから「あれ?アレは買ってたかしら?」なんて気づくと、また家に戻るなんて億劫なもの。家に家族がいれば電話して聞くこともできますが、そうでなければ「仕方ないか」と買って帰ったり。買うものだけをメモリストにしている場合でも、スーパーで安くなっているものがあって夕飯のメニュー変更なんてこと、よくありますよね。
 そういう時に便利なのが、携帯のカメラ機能です。
 出かける前に冷蔵庫をあけて撮影するだけ。これで中に何が入っているかすぐにわかりますね。予定外のメニュー変更でも、「あれとあれがあるから…」と対応できるわけです。
 ちなみにうちの母は冷蔵庫に張り付けたメモをよく忘れて買い物に行くので、このメモも撮影してます。…メモの意味ある!?




[内部密告コーナー]※警察官の日常の風景を紹介するコーナーです。

 Fさんの使っているパソコンのテンキーが壊れたらしく、1度押すだけでも数回連打したみたいになってしまう。この間作成した書類の被害額が、22299111000円ととんでもないことになっていた




[あとがき]

 この間お正月だと思っていましたが気がつけば夏真っ盛りです。あっという間の半年でした。皆さんにとってはいかがでしたか。
 7月8月のメールマガジンは今年もまた夏に起きやすい事故や防犯対策などを中心にお届けできればと思っています。またかと思われるかも知れませんが、いつ自分が巻き込まれるかわからないこの世の中、ぜひ目を通して備えて下さい。
 それではまた。


[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
転載を希望する場合はご連絡下さい。


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