正面から正々堂々侵入

　毎年警視庁宛に送られてくるＫＩＤや高遠遙一へのバレンタインチョコレートの数々。
これをめぐり警視庁とＫＩＤ、高遠との間で世にも珍しい争奪戦が行われているのは
周知の出来事であるが、警視庁の苦肉の策にも関わらず毎年黒星をつけられている。

　今年は特に何の対策もせず処分を決めた警視庁であったが、やはりその前にチョコレート
は持ち去られていたことが判明した。
　警視庁前の警護に当たっていた警察官によると、14日午後4時過ぎ、ＫＩＤの姿をした
人間が庁内へ入ろうとしたため停止を求めると「ＫＩＤ侵入の予行演習があるとして呼ばれて
いる。中森警部に確認して欲しい」と言われ、本人から無線機を受け取り連絡したところ
確認が取れたため中に入れたという。
　このやり取りの数十分後、警視庁内ではＫＩＤ侵入の一報に騒然となり直ちに捜査が
行われたがＫＩＤは発見できなかった。また、一時保管の倉庫は空になっていた。
　これに対し中森警部は「ＫＩＤがよく使う手だ。連絡したと見せかけてその声はＫＩＤの
声色だったに違いない。正面から堂々と侵入されるとは何たる失態。恥ずかしい」と
怒りが収まらない様子。
　
　また改めて庁内の防犯ビデオを確認したところ、高遠遙一の姿も映っていたという。
騒ぎに生じてこちらも正々堂々と入り込んだと考えられる。
　相次いだ捜査の手落ちに対して明智管理官は「あきれて言葉も出ませんよ」と
コメント。
　毎年の見世物と化している風も見せてきた争奪戦。一度くらいは勝利していただきたい
ものである。

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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。

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