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本日のニュース

10月12日(金)  12時00分

海外で盗まれたバッグ、無事戻る

 海外でひったくりに遭ったバッグが1ヶ月後、手元に戻って来た…。
 こんな小説のような出来事が今月上旬、起きていたことがわかった。
 
 被害者のAさん(女性・62歳)は先月の連休を利用して、娘が嫁いだ先のイタリアへと
旅行に出かけた。ところが駅で娘さんと落ち合うため待っている時に、二人組のひったくりに
バッグを持ち去られた。
 バッグの中にはパスポートや財布、携帯だけでなく、3年前先立たれた夫の大切な写真も
入っていた。生前写真嫌いだった夫が唯一一緒に撮影してくれた、大切な写真だった。
 Aさんはすぐにやってきた娘さんと一緒に警察へ届けたが、このあたりで頻発している
ひったくりだろうということしかわからず、「中身も戻ってくる可能性は薄い」と言われただけ
だった。

 話を聞きつけたイタリアのテレビ局がAさんを取材。Aさんは、「お金は持ち去ってもいい。
だけど夫の写真だけは私の大切な品物。どうか返して欲しい」と語った。
 その直後からテレビ局へは様々な情報が寄せられたが、あまり犯人逮捕につながるような
ものはなかったという。

 失意のままAさんは帰国した。
 仏壇に手を合わせ夫に語りかける日々が続いた。
 そんな中、突然海外からの荷物を業者が届けに来た。
 差出人には「manipolatore fantoccio」とだけ書かれていた。
 中にはバッグが、写真だけでなく財布の中身も、とられた時そのままの状態で入っていたという。
 当初娘が見つけて送ってきてくれたものと思ったAさんはさっそく連絡をとったが、娘さんには
まったく心当たりがなかった。それどころか警察も、テレビ局もそんなものは出した覚えがないと
回答。

 ところが手がかりはこの差出人名にあった。
 Aさんがテレビ局の協力を得て調べてみたところ、その名前でマジックショーをしていた人物が
イタリアにいた、というのである。どうやら彼はもう別の場所に移動し、今はいないらしい。
 "manipolatore fantoccio"、日本語に直せば「人形遣い」という意味である。
 それに思い当ったのはテレビ局スタッフの方だった。
「もしや…!」
 スタッフは荷物を手配したという業者へある写真を持ち込み、荷物を出したのは彼では
なかったか?と尋ねたという。
 すると肯定の答えが返って来た。
 
 そう、このバッグを発見し、無事Aさんの元へ送り届けたのは高遠遙一だったのである。
 Aさんはぜひお礼をしたいとテレビ局番組にコメントを出したが、ある情報筋を通じてAさんの
元へ直接、高遠氏から「お礼は辞退する」旨の丁寧な知らせが届いたという。
 凶悪な殺人犯でありながら、その傍ら粋なこともする。
 高遠の真意は誰にも理解できないのかも知れない。



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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。


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