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野次馬ニュース

週刊ダウト  暑中見舞い増刊号より抜粋

KID 華麗なる活躍

 寝苦しい夜に、ここ最近ピッタリの避暑スポットがある。かの怪盗KIDが出現する場所だ。
 KIDはこの頃一週間に一度の割合で予告を出し、その通りに盗みを実行しており、警察の警備網も
なんのその、悠々と立ち去っていくという。
 予告状をマスコミが取り上げるため予告日には見物人が押しかける騒ぎとなり、実際には熱気で
蒸し返しているのだが、颯爽とKIDが立ち去るその姿に歓声も上がるほどだ。
 しかしこの騒ぎに対して警視庁は、「追尾の邪魔になる。犯罪を増長させるような風潮は謹んで欲しい」
とマスコミ各社に呼びかけ、予告状を公表しないように自粛するよう発表した。ところが、KIDを挑発する
ためにわざとマスコミを呼んで発表する被害者もおり、警視庁はその対応に頭を悩ませている。
                                        
 とまぁ堅苦しい文面で始まりましたが、皆さんはもうKIDの姿を目にされたでしょうか?
 まるで夏のちょっとしたショータイムですよね。
 もちろん当編集部も取材に駆けつけて写真をとろうとするのですが、何時の間にか忍び込んでかなり
高いところを飛び去るKIDの姿はなかなか写真に収められない。残念。
 しかしこの前、見物客の間でちょっとした事件が。
 KIDが忍び込んだらしい、と口コミで情報が流れてきて被害社宅前が騒然とした時、人々の間から
「ドロボー!」の一声。
 どさくさに紛れてある女性のバッグをひったくった人間がいたらしいのです。けれどもこの人ごみで、
誰が犯人やらわからない上に、警視庁も対KID用に派遣されているためすぐに身動きが取れない
様子。
 その場の誰もが状況を理解出来ないうちに、ちょっと離れた人ごみから「掴まえたぞ!」の声が。
 人ごみの中に隙間が出来て、我々も駆けつけてみると警官の1人がバッグを手にした男を地面に
押さえつけていました。通報で駆けつけたパトカーに収容され、人々の間からは拍手が。
 ひったくられた女性は高齢の老婦人といったところ。娘さんと一緒に見学に来ていたようです。
しきりにその警官にお礼を言っていました。
 何でも、金品はまだしも亡くなった夫のたった一枚の写真が入っていたとか。それは何にも代えられ
ないとても大切なものだったそうです。
 その警官は我々が見ている前で老婦人の手を取り、「それはとても大切なものですね。どうぞこれから
もっとお気をつけ下さい。無粋なやからが貴女方の邪魔をしませんように…。しかし私のような魔法
使いめには手に余ります。宝石は盗めても、宝石の輝きを持つ思い出は盗めそうにありません」
 …………?
 その場の人々が首をかしげた時、警官――いいえKIDは老婦人の手にキスをし、パトカーの屋根に
ひらりと飛び乗りました。その姿は一瞬にしてあの姿に。
 あっけに取られる間もないほどの速さでKIDは空に消えていきました。警官たちが慌てて後を追い
ましたが、追いつけるはずもありません。
 しかし彼は人々の心に暖かさを残してくれました。
 このささやかな感動を、喧噪溢れる編集部の片隅から皆さんにお伝えします。
 KIDがただの怪盗ではないということを。よかったらあなたもその目で確かめてください。
 夜空を眺めれば彼の姿が見えるはずですから。

(余談ですが、この時撮影に成功した写真は、警視庁の指名手配写真へ協力するためお渡ししました。
来週のメールマガジンに掲載されているといいですけど…。戻ってきたらダウト本誌にも掲載したいと
思います)


荒れるイタリアで悠々マジックショー?

 その時編集部中が「聞いてないよー」と寒い冗談を口走ってしまった。先週の週末(つまり海の日から
日曜日)、かの高遠遙一氏がマジックショーのためイタリアへ渡っていたというのである。
 イタリアといえば丁度ジェノバでサミットが開かれていたけど、これがテロ活動が行われたりと、一般人
にはとてつもなく危険な所と化してしまっていた。国民達でさえどうしようもなく、ひたすらサミットが終わる
のを待つしかなかったという状態。
 そこに出かけていくのだから招待する方も方なら、応じる方も方。
 幸いジェノバとは離れた所での開催だったらしいが、消息筋によると主催者はこの混乱を狙っていたと
いう情報もある。
 ともかく危険極まりないイタリアで、ショーが開催されたことは事実のようだ。もしかしてゲストには、
××氏とか○○氏とか居たりしたのだろうか。
 何ともはや…。裏の世界は我々の常識では計り知れないもののようだ。
 ちなみに高遠氏は一度、土曜日の夜慌しく帰国したという噂もあるが、本当かどうかまでは分からない。
大体何のために帰国したのか不明だしね。
 我々にショーの情報を流せば当然取材ということになるから、今回ばかりは危険と考えてわざと黙って
いたのかも知れない。
 しかし、次回開催の折には是非とも同行したいところ。情報求む!



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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。


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