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野次馬ニュース

週刊ダウト  20世紀特集号(1月25日号)より抜粋

20世紀、世間を騒がせた犯罪者達

 新世紀になって1ヶ月が過ぎようとしている。世間では今日も様々な事件が報道されているが、
最も警察の手を焼いたあの犯罪者達が沈黙しているのはどういうことだろうか。
 既に皆さんの記憶に新しい事件は除くとして、今回はニュースになることもなかった小さな事件を
集めてみた。これらはすべて、当編集部記者の努力の賜物である。



1.怪盗紳士、KIDと引き分ける!?

 怪盗の予告状がブッキングする。皆さんはこんなことが信じられるだろうか。かたや、盗むものの
モチーフまで盗んでみせると評判の「怪盗紳士」、かたやこの世に盗めないものなどないという、
アルセーヌ・ルパンを彷彿とさせる「怪盗KID」。
 狙われた方には災難この上ない話だが、この両者が対決した時その軍配はどちらに上がるの
だろうか。
 だがしかし、意外な形で決着はついてしまったのである。
 実は狙われた相手は先日逮捕された某大物政治家。そしてなんと、両怪盗からの予告状はこの
政治家によるでっち上げだったのだ。警察で彼は、「ただどちらかの名前を出すだけでは注目され
ないと思い、盛り上げるためにやった」と白状したそうだが、一体何が起きたのか。
 それでは証言者達の話を元に事件を追ってみよう。
 
 この政治家の所へ予告状が舞い込んだのは去る10月初旬のこと。2通届いたそれには、先日
オークションで落札したムング作「雄叫び」(時価三億円相当)を盗むと予告されていた。期日は一
週間後の深夜12時。
 政治家はそれを警察へ通報。かくして屋敷から何から内密に厳重な警備体制が敷かれた。政
治家という地位のためマスコミへの発表は控えられ、この件を知る者は関係者と警察だけであった。
 そしてその期日の日。深夜12時きっかりに絵の周りに白煙が立ちこめ、何かが爆発するような
音とともに絵は忽然と消えうせた。警察は急ぎ検問を敷き緊急手配をしたが、どちらが、どうやって
絵を盗み出したのかは判明しなかった。後には白いキャンパスと額縁だけが残されていたらしい。
 しかし数日後。絵を利用して巨額の脱税を行っていたとしてこの政治家は緊急逮捕されてしまった
のである。詳しくは発表されていないが、匿名で絵の転売記録が記された帳簿が警視庁宛に届いた
のだという。

 そして我々は、この政治家の家で働いていたという家政婦から貴重な証言を得ることが出来た。
『あの盗難騒ぎがあった翌日のことですが、先生のお知り合いの古美術商さんから派遣されたという
業者さんがいらっしゃいまして、額縁だけでも買い取りたいので鑑定させていただきたいと……え?
もちろん身分証明証は確認しましたよ。あんなことの後ですものね。先生は最初渋っておられましたが、
根強い説得に負けて今回は確認だけ、ということで3人であの部屋に入られました。ええ、業者さん
はお二人でしたよ。スーツ姿の女性の方と、もう1人は力仕事専門のような方でしたね。ところが、
1時間しても出てこられないので――あ、その時記者会見の時間が迫っておりましたもので――
様子をうかがいに行きました所、先生が「絵を盗まれた!」と慌てて飛び出して来られまして。「絵は
昨日盗まれたのでは」と申し上げましても、「昨日のは違うんだ」と一向に要領を得ず…。そうしましたら
突然逮捕でしょう?私にも何が何だか…』

 この話を、長年KIDを追っているというH少年にぶつけてみたところ、彼はこともなげにこう言った。
「簡単ですよ…。予告状は政治家の自作自演。皆さんの注意をそらした隙に白い紙を張り付けて、
絵が盗まれたように見せかける。古典的なトリックですね。絵にかけた莫大な保険金と、次期選挙への
売名が目的でしょう。絵はころあいを見計らって贋作だとでも言って転売すればいいですからね。そして
翌日にやってきたという業者。それこそが本物の怪盗紳士とKIDでしょう。彼らの目的はひとつ。
予告状を真実にすること…。ついでに名を利用し汚したささやかな報復でしょうね」
 この直後警察によって政治家の自作自演が露見した。いやはや素晴らしい観察眼だ。
 すわ世紀の対決か!?と思われたこの事件。だが舞台裏を除いてみれば何ともお粗末な結末となった。
だがもしかしたらいつの日か、KIDと怪盗紳士の対決が見られる時が来るのかもしれない。いや、
その前に警察諸君には頑張ってもらいたいものである。



2.高遠が萩へ旅行!?

 11月中旬に山口県東萩でとある有名な祭りが催された。その取材に出かけていた当編集部記者が
何と高遠を発見したのだ。
 彼は丁度タクシーに乗りこむところだったため詳細は不明であるが、後日そのタクシー会社にあたって
みた所東萩駅で彼を下ろしたという運転手の話を聞くことが出来た。
 あの日は丁度祭りで、市内が混雑しており渋滞にあってなかなか車が進まなかったにもかかわらず、
彼は静かに後部座席に座っており、何となくこの混雑を知っていたような感じがしたという。
「誰かと会っていたんじゃないかなぁ。無線で呼ばれて行ったんだけどね、そこが城下町の中の喫茶店
だったからねぇ。ああ、停止してドアを開ける少し前まで男の人と話してたねぇ。そうだなぁ、親子って感じ
じゃなかったが、見た目の年齢から言って叔父と甥って感じだったな。あ、待てよ。別れ際の挨拶が他人
行儀だったからなぁ…知り合いかも知れんね。乗せた方は土地のモンじゃないっていうのはすぐ分かったが、
慣れている感じはしたから、定期的に来てるんじゃないかね」
 彼が萩へ何をしに行っていたのか。近宮玲子を知る者と会っていたのだという未確認情報もあるが、
詳細は不明である。
 山口在住の読者諸君の、目撃情報を求めたい。



 

3.深夜の迷惑電話は…

 現在も人気の衰えを見せない速水玲香ちゃん。彼女のグラビアを満載した別冊はもうチェックしてくれた
かな。
 実は少し前彼女から気になる話を聞いたのだ。
 彼女の話によると彼女の友人が「朝5時に電話をかけてきたのは誰か」と聞きまわっているらしい。1月
2日のことだそうだ。だが誰も名乗り出るものがおらず彼――その友人は男性らしい――は寝ぼけていた
が故に内容を覚えておらず困り果てているようだ。
 朝5時に電話をかけてくるのは?我々業界人でもさすがにその時間帯は勘弁願いたいところである。

 この話に首をかしげた人間がいた。イタリアから帰国して記事をまとめていた記者Hである。彼は編集長に
叱咤…いや励まされて、徹夜で記事を完成させた体を休める間もなく警視庁へ出かけて行った。相手は
もちろん明智警視。
「ああ、私の所にも金…その速水さんの友人から確認の電話がきましたね」と言いつつ、警視はH記者の
仮説に大きくうなずいた。
 やはり電話はあの高遠からだったのである。
 確かな筋からの情報によると高遠自身は「時差を忘れていてうっかりかけた」と言っているようだが、どう
にも胡散臭い。嫌がらせではないのだろうか。
 だがうっかりか故意か証明するすべはなく、これもまた真相は闇の中である…。
 玲香ちゃんの友人よ!是非取材させてもらえないだろうか!


 


さて、いかがだっただろうか。最後の一件は今世紀の事件だが、彼らの行動はこれからも非常に気に
なるところである。
おっとその前に、今年は是非とも警察の活躍を望みたいところだ。


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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。


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