山陰同人誌即売会花鳥風月 > 擬人化について考えてみよう/ヘタリアを取り巻く問題/海賊版グッズの何が問題なの/コスプレ衣装・小道具制作の注意
花鳥風月の名称等を不正使用する「まんが王国とっとり」「アニカルまつり」に関する注意喚起

同人誌と著作権 項目15から17


 
15.擬人化について考えてみよう

 ヘタリアを始めとして巻き起こった擬人化ブーム。それ以前からも擬人化はありましたが、次々に商業コミックスが発売されたり、擬人化を意識したCMが作られたりと、一大ブームになっています。
 ところがその反面で深く考えずに「私も擬人化作品をやりたい」と描きはじめた人達によって、トラブルが起きてもいます。

 擬人化をする時に欠かせないのは有名なお店であればロゴ、固定名称、記章だったりしますが、これらは登録商標や商標で保護されており、勝手に使うことはできません。
 擬人化ではありませんが、同人誌にスターバックスの商標が勝手に使われており問題になったこともあります。
 商業コミックスで出された擬人化コミックスなどを資料で見てみますと、ややグレーなものはあるものの、名称をそのまま使用したり、ロゴを勝手に使っているものはありません。もしくは、実在の団体と関係ありませんという文章が入っています。
(鉄道系の擬人化は名称がつかわれていたりしますが、実在の団体とは関係ないという断り書きがあります。ファストフード系は名称そのものを使うことを避けています。グレーゾーンではあると思いますが)

 それで必ずしも責任を逃れるというものではありませんが、少なくともロゴなど企業側のイメージを落としかねないものをそのまま使っている本は私の知りうる限りではありませんでした。
 同人誌は商業誌とは違います。けれども、「同人誌だからいいだろう」と安易な発想をしてはいけないのはこれまでにも述べてきたとおりです。
 また、軍服などを実際のデザインそのままに使うのも、様々な問題を引き起こすもとですのでやめましょう。
 コスプレをする際にも実在している記章を使っていないかなど、インターネットで調べてからをお勧めします。
 安易に他のサイトの擬人化デザインをそのまま使用することも良くありません。それらは商業化されていなくても著作権をその人たちが所有しています。それを断りなしに使うことは盗用です。

 またこのジャンルも非常に繊細なものなので、検索避けなど十分気をつけて下さい。

 
16.ヘタリアを取り巻く問題

 幻冬舎より商業誌におけるヘタリアの二次作品取扱いについて謹告が掲載されています。
 「ヘタリア」無許諾アンソロジーに関する謹告
 http://www.gentosha-comics.net/hetalia/2010/05/oshirase3.html
 「ヘタリア」無許諾二次創作に関する謹告 - 幻冬舎コミックス
 http://www.gentosha-comics.net/hetalia/2010/07/post-12.html

 早合点しないでいただきたいのですが、二次創作つまりヘタリアの同人誌を規制するわけではありません。
 作者さんご自身、二次のファン活動は推奨しておられます。(商業作品除く)
 私は商業誌(アンソロ含む)で断りなくヘタリア二次作品をしないでね、という意味合いが濃いと考えています。

 この問題はヘタリアで活動されている方には有名なようですので、私があえて言うまでもないことですが、もしあなたがヘタリアで活動されていて、商業誌などから原稿掲載の問い合わせが来たり、同人作家個人作品のアンソロジー(変な言い方ですが)としてヘタリア作品収録の打診が来たりした場合は、その出版社に幻冬舎への許可は得ているのか問い合わせをされた方がいいでしょう。
 あなたご自身がされても構いません。
 掲載されてからトラブルになって「知らなかった」と言っても通りません。
 回答が得られない、曖昧な場合は原稿掲載を断った方が無難です。
 「同人誌活動だから平気!」と思っていても、商業誌に掲載された時点で、同人作品とみなされなくなるケースもあります。
 これはどんな作品にもいえることですが、ファン活動をすることで原作者、出版社の著作権を侵害しないよう、細心の注意を払いましょう。

 
17.海賊版グッズの何が問題なの/コスプレ衣装・小道具制作の注意

 

 皆さんは「ブランドバックのコピー商品を売っていた業者を逮捕」「海外から輸入されたブランド品の海賊版を差し押さえ」「アニメ××のコピー商品を販売していた業者を逮捕」というニュースを一度くらいは耳にされたことがあるかと思います。
 この項でお話しする「海賊版グッズの売買、有償でコスプレ関連商品を作成して販売する行為」はこれと似た行為にあたります。
 ブランド品、アニメグッズの場合は商標登録品のため商標権侵害で差し押さえられることが多いので、海賊版グッズは本来これには当たりません。
 ですが著作権の侵害は行っているわけで、「それは同人誌も同じじゃん」と言わずに、考えていただければと思います。
 ちなみに、昨今の取り締まり状況を考えれば、同人誌や同人グッズよりは海賊版グッズの方が警告、賠償につながる可能性が高いです。

 最近よく耳にするようになってきた「海賊版」。
 制作して公式から警告を受けたり、購入しようとして注意された人の中には問題意識が薄く、「公式がいちいち細かくてうざい」くらいにしか考えてないどうしようもない人もいます。
 海賊版の何が問題なのか、考えてみましょう。

<花鳥風月における海賊版の定義>  ここでの公式とは正式に作品の版権を所持する会社をさします。
1.公式のロゴ、タイトルその他マークなどをそのまま使用している衣装、グッズ
2.公式で登場したアイテム、商品その他をそのまま模倣して作られた衣装、グッズ
3.公式内の映像、画像をそのままトレースして作られている衣装、グッズ
4.公式から発売されている衣装、グッズの模倣品
5.故意に公式商品と誤認させる販売行為
 ※コスプレイヤーさんが衣装を自作する、友達と協力して作るという行為は海賊版とはみなしません。

 また、「同人グッズではなく友人からお金をもらってコスプレの小道具を作っているだけだから」という意識の人もいますが、それも有償で作る行為ですので1つ2つ程度ならともかく、定期的に受注を受けて制作している場合、趣味の範囲内では済まされません。
 アニメイトやアニメイベントに出店しているコスプレ衣装、道具のお店はきちんと公式から認可を受け、版権料を支払っているからこそ制作販売が出来るのであり、海賊版を作って販売するということは、こういった企業の利益を妨害する行為でもあり、許されることではありません。

 海賊版は製作、販売において罪に問われます。
 公式のグッズでないと知りながら買う方も状況によっては問題です。
 4の項目で触れた、海賊版衣装を販売していて逮捕された業者は、著作権法違反で罪に問われています。
 無許可で製作されたことを知りながらこれを仕入れ販売したためではないか、と推測されています。
(買ったら必ず罪に問われるわけではありません。海賊版は買わない、作らせない、を忘れないで下さい)
 こういったものは絶対に作らないようにしましょう。
 「頑張って作ったのに」という理屈は通用しません。
 逮捕されてから「ファン活動だった」という主張も通用しません。

 コスプレ衣装、小道具販売の店が「●●風コスプレ衣装」という名目で販売していますが、これは製作販売に関して正式な承諾を受けてない、版権料を支払ってないからです。
 こういった業者からは購入しないようにしましょう。公式にお金が入りませんし、作品応援にもなりません。
 また、コスプレイヤーの写真をネットから無断転載して「こういう衣装です」と販売する詐欺まがいの店もあるようなのでご注意下さい。
 
<無償による配布はどうか>
 「自分では作れないので器用な友達に依頼して無料で作ってもらった。売買はしていません」という場合はどうでしょうか。
 それが無償で行われた、友達の範囲内であるというのなら大目に見る公式がほとんどです。
 しかしSNSやブログ、pixiv、オークションサイトなどで「こういう衣装、グッズを受注製作しています。お気軽に相談下さい」とあれば公式から問い合わせがくるかも知れません。無償で配布するものであっても大量に作れば、公式の利益を阻害しているのと同じことです。

 参考サイト
■Yahooオークション 詐欺事件・違法出品の事例
 http://auctions.yahoo.co.jp/phtml/auc/jp/notice/instances06.html
■財務省 知的財産侵害物品(コピー商品等)の取締り
 https://www.mof.go.jp/customs_tariff/trade/safe_society/chiteki/index.html
■当日版権システム
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%93%E6%97%A5%E7%89%88%E6%A8%A9%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0
 ※花鳥風月では当日版権システムは取り入れておりません。そのため、フィギュアなどを販売することはできません。
 

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