山陰同人誌即売会花鳥風月 > 原作の絵を真似してはダメなの?/同人グッズとかはどうなんですか/出版社が何も言わないから大丈夫ですよね
花鳥風月の名称等を不正使用する「まんが王国とっとり」「アニカルまつり」に関する注意喚起

同人誌と著作権 項目3から5


 
3.原作の絵を真似してはダメなの?

 一概にダメというわけではありません。
 わざと原作の絵ソックリにして笑いをとることを目的とした同人誌も沢山ありますよね。多分それはソックリではなかったらあまり面白くないかもしれません。
 かといって、ソックリの絵で例えば男性向、女性向の同人誌があったとします。書店売りに出されたとして、何も知らない方がその作品だと思って手にとり購入したらどんなことになるでしょうか?
 恐らくその人は激しい嫌悪を抱き、場合によっては出版社に抗議するでしょう。(こういったことは過去何度か起きています)

 似ていない絵柄だったら男性向・女性向をやってもいいというのではありませんが、ある程度原作に似た(もしくは似せた)絵を描く人はこういうこともあると注意された方がいいでしょう。自衛対策をとられることをお勧めします。
 コミケットに来る人、同人誌委託のある店に来る人全員が、同人誌について詳しい人ではありません。人に頼まれたとか、何となくきたという人もいます。そういう人が間違って購入することもありえます。
 ソックリな絵ではまずいものは販売方法を自衛しましょう。(年齢指定があるなら書店委託に出さない、販売時に「公式とは関係ない」旨表記しておくなど)

 トレス作品の販売は絶対ダメです。
 これは「真似をする」「似せる」というレベルではありません。
 絵の練習、模写した作品としてSNSに載せるならありだと思いますが、それを同人誌、同人作品として販売してはダメです。
 また、作品ロゴをそのままトレスしてグッズ販売するのは商標権に引っかかる可能性があり、販売差止めを出版社から通達されたケースもあります。
 繰り返しますが絶対にそんなことはしてはいけません。

 
4.同人グッズとかはどうなんですか

 ここでは創作ジャンルのグッズではなく、二次版権のグッズについて説明しています。
 最近印刷所さんでも商業グッズに負けないくらいクオリティの良いグッズがさまざま作れるようになってきました。
 同人誌と同じように書店委託を受ける店も出てきました。
 しかし、「公式と紛らわしいグッズ」を作って販売しているために、出版社から警告を受けて販売が差止めになったケースはあちこちで多発しています。
 同人誌よりも同人グッズのトラブルが多いです。
 また企業によっては個数上限を設け、「これ以上作って販売するなら申請してください(基本的に申請があれば許可)」「これ以上の個数販売は商業とみなし禁止します(上限以上は許可しない)」などグッズに対してもガイドラインを作っていることがありますので、活動しているジャンルのHPを一度確認してみましょう。
 ※何もガイドラインがないからといってやりたい放題ではないので気をつけて下さい。

同人グッズトラブルの事例 詳細は検索してみてください
  • 『キュゥべえ』ぬいぐるみ「版権許諾を取って頒布を目指した」 → 許可取る前から予約開始 → 販売中止へ
  • クリプトンが「初音ミク同人グッズ」に発売停止、画像取り下げ勧告
  • 片霧烈火さんの同人CDが講談社の警告により販売中止


■ロゴ、家紋は勝手に使ってはいけない
 作品に出てくるロゴ、家紋、記章は公式側がグッズにすることも多いです。また、商標権を持つマークもあります。
 絶対に同人グッズでこれらを使わないようにして下さい。
 海賊版グッズとみなされる場合もあります。
 ※コスプレ衣装にも使わないようにしましょう。タイバニでキャラが衣装にロゴをつけていますが、コスプレされるならちょっと気をつけたほうがいいと思います。

■公式とバッティングしそうなグッズは極力避ける/非公式を明記する
 どれなら大丈夫、どれならまずいと商品名をいちいちあげていくことは出来ませんが、抱き枕、シーツ、香水、ブレスレット系などは高確率で公式から出やすいので注意が必要です。どうしても出したいなら「公式とは一切関係ない」旨をわかるように記載しましょう。
 また香水は薬事法にひっかかることもありどのジャンルでも販売そのものを避けたほうがいいです。

■登録されている名称を使わない
「だるーん」「つままれ」「くまめいと」「ねんどろいど」こういった名称は、その企業が販売する商品として商標登録されていることがあります。
 企業が使用しているこれらの商品名を同人グッズにつけて販売するのはやめましょう。
 ただし、(例として)だるーんシリーズと同じポーズをとっている、ねんどろいどと同じような等身であるというのは侵害にあたりません。

■コスプレ衣装、小道具は販売しない方が良い
 これは実際に受注製作していたところが、海賊版グッズ製作として逮捕されています。
 小道具販売においても、とある作品公式からの警告を受けて販売中止になったケースもあります。

 「コスプレ衣装」販売業者が逮捕された!アニメや特撮の衣装の「無断制作」は違法?
 http://news.livedoor.com/article/detail/8145825/

 コスプレイヤーが衣装小道具を自作したり、製作が得意な人に材料費やその他を渡して作ってもらうこと自体は問題ないでしょう。
 正規の許可を受けて製作しているコスプレ衣装販売店で購入することも問題ありません。
 衣装小道具製作を無許可で商売にしてしまうと逮捕される可能性は出てくると思います。

 こちらもあわせてどうぞ
 17.海賊版グッズの何が問題なの/コスプレ衣装・小道具制作の注意

 
5.出版社が何も言わないから大丈夫ですよね

 大丈夫じゃないです…。
 出版社や作者は著作権を持つ以上いつでも訴えることは出来るのです。
(正確には作者が著作権者ですが、警告は大体出版社からのことが多いです)
 しかし訴えても労力を使うばかりでメリットがないだとか、かえって作品のイメージを悪くしてしまう可能性もあるわけで、そういったリスクとメリットを天秤にかけてみてリスクに傾く以上、よほどのことでなければ動くことはないでしょう。
 
 出版社が「この作品に対して害になる」と判断すれば、警告無しにそのジャンルの同人誌摘発を行うことは出来ます。むしろ警告があるのは「共存を考えてくれている」くらいの気持ちでいた方がいいでしょう。
 ドラえもん最終回事件などあったように、出版社や作者が動く時は動きます。
 だからこそしっかり気をつけて同人活動しましょう。

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