多分花鳥風月携帯ページ同人誌と著作権→項目12〜14


◆ネットのイラストとかは勝手に使ってもいい?◆

 インターネットがごく当たり前のように日常化して、クリックひとつでいろんなウェブサイトを見に行けるようになりました。
 このイラストいいなーと思ったら保存しておけるし、じっくり読みたい小説もまるごと保存で後でゆっくり読めます。
 それ自体はまったく違法でも何でもありません。というよりも、そのサイトを表示させた時点でパソコンのキャッシュに残りますから、時折サイトに表示してある「お持ち帰り不可」という表記自体が成立しません。(気持ちは分かるけどね)

 しかし、いくらそのイラストや文章が気に入ったからと言って、そこのサイト管理人の許可なしに勝手に自分のサイトに掲載してはいけません。ネット上のサイトは確かにみなさんに公開されているものですが、その内容はすべて作成者に著作権があります。
 これは同人サイト内のイラスト、小説でも同じです。勝手に「このイラストかっこいいから、私のサイトに飾っちゃおー♪」ということは出来ません。いくら作成者の名前を表示するからと言っても、許可なく転載していることに変わりはないからです。
 また、直接リンクと言ってそのURLを自分のサイトから勝手にリンクさせることもしてはいけません。 とどのつまり、作成者さんがいいと言っていないのに自分のサイトへ勝手に掲載したり、紹介したりするのはやめましょうということです。

 考えてもみてください。
 あなたが一生懸命時間をかけて、やっと描いたイラストが。
 勝手に誰かのサイトに、その人が描いたものだとしてアップされていて、しかも「上手ですね」とか誉められていたら悲しくないですか?自分の作品が他人のものになっていたら。
 そういうことです。勝手に他の人の作品を掲載してはいけないし、真似してもいけません。例えば小説の登場人物名だけ変えたり、語尾を少し変えたりするだけのものも著作権違反になります。

 また、あまりにも悪質だと判断されたら、サイトを閉鎖せざるを得なくなるし、あなたにサイトを貸していたサーバーも「信用を損なった」と損害賠償を請求してくるかも知れません。また、ネットに入るのに必要なプロバイダーからも何か言われるかもしれませんよ。
 いずれにせよそのジャンルで二度と活動できなくなってしまうのです。多分それはジャンルを移動しても伝わるでしょう。イヤですよね、そんなこと。
  同人活動をしているのなら自分の力で勝負しましょう。

 最近では、海外のサイトが勝手に転載しているトラブルもあるようです。
 私も友人から紹介されましたが、こんなサイトもありますのでご参考までに。

戻る


◆海外版権もので活動されている方へ、花鳥風月参加にあたってのお願い◆

 ハリーポッター並びにダレンシャン、指輪物語など海外版権作品の同人活動について、花鳥風月へ参加予定の方へお知らせとお願いです。

海外版権
 一部の方は既にご存知のことと思いますが、ハリーポッターの同人誌活動について一部自粛を呼びかける動きがあるようです。
その理由として
・ 海外版権の為、二次使用に関して一切許可していないという姿勢が、日本以上に厳しい
・ 登場人物名並びに作中登場しているすべての名前を商標登録しているため、著作権侵害のほかに商標権で訴えられる可能性がある(つまり営業妨害行為)
・ 特に男性向き、女性向きの場合は海外で言うキッズポルノに該当するとして、かなり厳しい対応をされる可能性もある(裁判沙汰になることもある)
・ 健全、年齢制限ありなどに関わらず、すべての二次使用について訴えられる可能性を孕んでいる。
・グッズやペーパー、サイトについても条件は同じである。

などが上がっています。

<他イベントの状況>
 ハリーポッターオンリーイベントについては、計画されていたうちの半数以上が、上記の危険性から中止になっています。(誤解しないでいただきたいのですが、強制や規制によるものではなく各主催者の判断によるものです)

<当イベントの見解>
 今のところ、海外版権もので活動しているサークルに対して何ら規制を行う予定はありません
しかし、上記のように出版社側が二次使用に対して明らかに厳しい態度で臨んでいる以上、行き過ぎた内容には気をつけて欲しいと呼びかけざるを得ません。
 今のところハリーポッターなどでの日本の事件、訴訟は聞き及んでおりませんが、海外ではハリーポッターのスラッシュサイト(いわゆるポルノサイト)の殆どが起訴され、訴えられた側はこの処置が納得できないとして抗争中です。
 他の国で起きていることが、日本にも起きないとは決していえません。日本の同人誌事情は先方もよく知っているでしょうし、地方だから大丈夫、小部数サークルだから大丈夫ということにはなりません。
 非常に曖昧な言い方しか出来ませんが、今現在で出版社の動きがない以上イベント側が言論の自由を規制することはありません。しかし、動きがないからといって大丈夫ということではないのです。(恐らく、出版社に同人活動に問合せたとしても、著作権を所有する側としては「不可」としか回答できないでしょう)
 重ねて申し上げますが、花鳥風月ではジャンル規制をするつもりはありませんが、海外版権作品についての現状を把握していただけましたら幸いです。(一応逃げ道はあります。一切名前を出さないという方法が)


<考えていただきたいこと>
 何故ハリーポッターなどの海外版権だけが気をつけなければならないのか、と思われる方も多いと思います。しかし日本以上に二次使用に対して厳しく規制している出版社が、二次使用の最たるものである同人誌に対してノーリアクションであることは考えられません。
 また、児童文学であることから、同人誌を一般の方がお買い上げになる可能性も有ります。
 その内容が男性向き、女性向きであった場合どのような感想を抱かれるでしょうか。
 健全なものであったとしても、ハリーポッターのイメージを壊された!という方がいないとは限りません。
 また、これらを出版社に苦情として言った場合、どのようなことになるか考えて下さい。
(ポケモン事件は一般の方からの苦情で、発行者が逮捕されています)
 つまり、「何故海外版権ものだけが!」という言い訳は一切通用しないのです。イメージを崩したと出版社が判断すればどんなものも規制、訴訟の対象となりうるのです。

最後に、これらの見解は花鳥風月に参加される方にのみご理解いただくものであり、他イベント参加にあたりましては何ら影響を及ぼすものではありません。
また、不明点や質問などございましたらお寄せいただければ幸いです(資料のため頂いたご質問は、質問者の了承を得て公開させていただく場合がございます)。

<追加事項>
 ちなみに、当方でも静山社宛に著作権のことについて尋ねましたところ、原作者及びワーナーは二次創作について取り締まる方針であることがわかりました。
 実はうかつにもその返事のメールをうっかり削除してしまったのですが、日本国内の二次創作であろうとも、訴えられればアメリカの法律もしくはイギリスの法律で裁判することになります。
 くれぐれもご注意下さい。


<追加事項2>
海外版権物及びディズニーの海賊映画などの、商業アンソロジーに参加される方は十分ご注意下さい。版権元未認可のものであった場合アンソロジー発行元と一緒に訴えられる可能性が大きいです。アンソロジーの場合は同人誌と違い「非営利目的」にはなりませんので、賠償金額も大きくなります。

戻る


◆ディズニーには関わらない◆

ディズニーといえば殆どの方がご存知だと思います。某ネズミとかアヒルとかくまとか有名ですね。

 どんなジャンルでもあると言われるコミケットでさえ、このディズニー関連はまったく見当たりません。
どうしてだかご存知ですか。
 ディズニーは非常に版権に厳しく、それが子供の落書きだったり、ファンが応援のために作ったグッズにさえ損害賠償を請求するからです。
 つまり、ディズニーの同人はやってはならないというのが暗黙のオキテとなっています。
とある印刷所の方の話によると、そういうものの入稿があった場合は、事情を説明した上でお断りしているのだそうです。訴えられるとなると、製作者だけでなく印刷会社やイベントも訴えられることになるでしょう。
 もちろんサイトについても同様で、日本のサイトでも警告を受けたところがかなりあります。警告してくれる分ましかもしれませんが、対応がおざなりだったりいつまでも消さないでいたりすると、途端に目の玉が飛び出るような損害賠償金を支払わされるハメになりますので注意して下さい。

 さて、何故今更こんなことを書くかといいますと、最近スクエアとの共同開発で発売された、「キングダムハーツ」というゲームがあります。これの同人活動をしたいと思われる方がかなりおり、印刷所などへの問い合わせもあったようです。しかし、印刷所では今のところ全面的に印刷をお断りして
います。スクエアも同人には厳しいですがそれでもまだ目をつぶってくれている部分があります。
 しかしディズニーはまったくそういった活動を許さず、このゲームの発売によってイベントでの同人誌やグッズの取り扱いをチェックしてくる可能性があります。
 そうなると当ゲームの作品が発見された場合見せしめ的に訴えられる可能性が高く、非常に危険です。恐らくそのイベント主催者も一緒に訴えられ、下手をすると開催が不可能になる可能性もあります。
 海外版権よりも高確率で訴えられる可能性があります。危ない橋は渡らないようにしましょう。

※ちなみに、「どこどこという印刷所は印刷OKでした」「どこのイベントで見つけました」「だからやっちゃいけないというのはウソなんじゃないですか」というのは間違いです。
やってはいけないことをやっている人がいるからウソではなく、その人達はやってはいけないことをあえてやっているわけですから問題があります。
やっている人がいるからOK、という考え方は危険ですからやめた方がいいです。

2013年追記
ディズニーが冬コミに企業ブースとして参加することになりました。
また、「ファンアート」への対応についても「ディズニーもそんなに厳しいわけではない」という意見が散見されます。
だからといって「同人やっても大丈夫」と決めてかかるのは危険ですが、少なくとも同人誌を作ったから即警告、裁判ということはないように思われます。
(ただし、ディズニーに同人誌を送り付けて裁判になった例もありますので、ファンアートだからといって安易に送付するのはやめましょう)
ネズミやアヒル系は避けておいた方がいいかも知れません。
グッズ系は高確率で公式とバッティングする可能性が高いので、こちらはやめておかれた方がいいでしょう。

戻る


◆ディズニー秘話◆

 せっかくですから、そのディズニーが何故ここまで著作権を厳しく追及するかを説明しておきましょう。

 ディズニーの設立者であるウォルトディズニー氏は青年時代、我々と同じような漫画が大好き、アニメが大好き、それらで人を感動させられたらいいなと思っている貧乏なアニメーターでした。それも超ド級の、が着くほどの貧乏。部屋を借りるお金さえなくて、勤め先の倉庫で寝泊りしていたくらいです。
 そんな彼は苦しい生活の中、「うさぎのオズワルド」という映画作品を作り上げました。これが大ヒット。あっという間に踊る大捜査線も真っ青というくらいのヒットを飛ばしたのです。
これで大金持ちになった彼はディズニーカンパニーを興し…となっていたら、ディズニーはもっともっと、二次創作大歓迎、パロディ歓迎の会社になっていたかも知れません。
(もっとも、そこまで大きくなれたかどうかは不明ですが)
 ところがそのヒットに目をつけた映画配給元が、彼が著作権が自分たちにあるということを明記していないのに気づき、作品を横から奪い取ってしまったのです。つまり、ディズニー氏の手からは作品もお金も名誉もすべて奪われてしまいました。
(今は著作権法がかわったので、作った時点で著作権が作った人に発生)

 失意のまま一緒に作品を作った仲間も配給元にスカウトされてしまい、彼は故郷に帰ることになります。ところがその帰路の途中、彼はあるアイディアを思いつきました。
そして故郷で一生懸命作り上げたそれが、ミッキーマウスでした。

 彼がどうしてディズニーの作品を他人に作らせたがらないか、夢を壊したくないと願っているか、少しは分かりましたでしょうか。
 同人誌界でも誰が誰の作品をパクッただの、類似品だの、同人誌同士でのパクリあいなどあります。ディズニー氏自身、自分の大切な作品がそうやって他人のものになってしまった経験を持っているわけです。

 もちろん他の作品だってパロディをしていいというわけではありませんが、ディズニーにはこんな事情があったのだと理解し、気をつけていただければ幸いです。

戻る


多分花鳥風月携帯ページ同人誌と著作権→項目12〜14