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ZODIAC |
6/17鑑賞
この話、実在の事件を扱ったものということで、ブラック・ダリアよりは数倍面白かった
のですが、後半はかなり息切れしてしまいましたね。
食べもので言えば、おいしいもの先に全部食べちゃって後には嫌いなものしか残って
なくて、渋々食べる感じに似てる。
後半は殆ど事件は起きず、ひたすら主人公が調べて走り回っているだけだったので
かなり退屈です。
なんつかここあたりはもうちょっと構成考えてもよかったんじゃないかな…。
映画の冒頭に「実際の事件に基づく」と出ます。
とある住宅街、彼氏さんを彼女さんが車運転して迎えにくるんですが。くるんですが…。
そこの彼女!あんたの運転の仕方超こぇーよ!ハンドルと体の距離近すぎ!それで
右左折の動作できるのかよってくらいちけぇーよ!
…まあアメリカだから日本の道路みたく狭くはないんだろうけども…。とにかくこの女性が
怖くて目が離せませんでした(笑)。
で、このカップルの車。広場のど真ん中に停止するのですが。
いやあのさぁ…もうちょっと横に寄せようとか、後からきた車が入れられないとか、そう
いうことを考えないのですか?ど真ん中に止めるって。
まあそんなわけですから、ワルガキ達の車に冷やかされたりするのですが。
楽しく語らおうとしているところに、入ってきた一台の車が。これなんて車種か知らんの
ですが。
不審げに見守っていたら走り去ったので安心するのですが。
男性の方は早く逃げようとか言うのですね。これは男が正しかったな。女の方は危機感
足りないのかなんだか、知らんぷいぷい。
そうしているうちに戻ってきた車から降りてきた男に二人撃ち殺されるんですな。だから
言うたのに。
パンフ見たらこの男性、警察官らしいです。不倫かよ。にしても、警察官らしく、カンは
当たったというところでしょうか。
つかこの男性は生き残ったらしいですが。
それから1ヶ月経過してサンフランシスコ。
主役、ロバートが新聞社に出勤。どうやら挿絵とかのマンガを描く担当らしいです。
そこへこの新聞社あてに「至急」と書かれた郵便が。
宛先の文字をどれだけ似せているかわかりませんが、丸っこくて小さくて特徴的でした。
女性が書いたような字だった。
中身とはまったく違う筆跡なんですが…。
で、要求は、自分があの殺人の犯人であることを証明した上で、暗号文を新聞一面に
載せろというもの。でなければ12人殺すってさ。
警察にも照会して間違いがないのを確認。さて大変ですな。
つか暗号文掲載にしてももちっとわかりやすいのにしろや。
海軍、CIA、FBIに配り紙面にも載せた。
結果、解いたのは教師でしたとさ。なんじゃそりゃっ!
と思ったらタイムズ誌には暗号文の解き方送ってたらしい。卑怯だなおい。これは
犯人の信頼度の違いなんでしょうか。
そして二度目にまた手紙が届き、ここで初めて「彼」は自らをゾディアックと名乗ります。
印象学的に、その発音は子供が好む名前だそうですよ。よかったな、ゾディアック!
(良くねーよ)
えーと。1969.9.27、ナパ。
はいはいアベックアベック。はい、殺されたー。
ここでも男は生き残ったようです。
これはわざとトドメをささなかったのか、何か信条があるのか。
後でゾディアックは同性愛者ではないかという説が持ち上がるらしいですが、逆に
私は、性的不能者とかで、女性に対して怨みがあるんじゃないのかな?って感じ
なんですが。いやこれだけの統計ではわかりませんけども。
だいたいこのアベックも本当に言ったか知らないけど男の方が、「どうせ銃はカラ
なんだろ」とか余計なこと言って挑発するからそういうことになる。強盗怒らせて
どうするつもりだったんだか…。
で、犯行後ゾディは自ら警察に通報するわけですね。あんた、被害者の車に落書き
してやんなよ。落とすの大変でしょうが。(そういう問題ではない)
新聞社では、ゾディの数々の発言が問題になっています。
猟奇島という作品があって、それの台詞が元になっている、とロバートと、彼を見下して
いるポールは言うわけです。
この作品は実在のもので、いわゆる金持ち伯爵が、買い取って住んでいる島に流れ
ついた男女を助けてやるかわりに、人間狩りの対象にしてしまうという話だそうです。
ザロフ伯爵というらしいですが。まあ名前はどうでもいい。
そんなわけで被害の出た地域とかは大騒ぎです。出来る限り外出を避けろとか。
確かにこの時代だと、防弾チョッキとか簡単に手に入るかわからないし、情報のやりとり
も、電話がせいぜい。インターネットのかけらもない時代だから大変だろうなぁ。
だからこそこのような、連続殺人鬼が跋扈できたのかもしれないですね。
おっとぉ、今度はゾディ、タクシー運転手を殺害。
目撃していた住民が通報した。これは早い。
が、ゾディには逃げられたー。ええいお前らは無能か!
深夜電話でたたき起こされた刑事。
開口一番「ランプを弁償しろ」。
電話とろうとしてランプが落ちて割れたんですな。
電話と一緒にランプ置いとくんじゃねーよ。
彼の名はデイブ。この先、ゾディ事件を担当することになる刑事です。
ちなみに好物は動物クッキー。同僚が迎えに来た車の中でもまずこれを要求
します。これがないとやる気が出ないらしい。お前は糖分不足で死にそうになるLか。
ええいクッキーに埋もれてろ。
調べていくに従って、ゾディの不審な行動が明らかになります。
撃ち殺した後すぐ立ち去らず、助手席に乗り込んで何かゴソゴソしていたこと。
血だまりの中でゴソゴソしていたため、血がついている可能性があることなど。
3日後。新聞社。
つーかさ。ゾディからの手紙とかってすぐわかるようにしてないのかね?
手袋もしないでぞんざいに手紙開封して、社に響く悲鳴を上げた社員。おめーの
扱い方のほうがこぇーよ。
そこにはまた手紙とともに、タクシー運転手のシャツの切れ端が同封されてました。
え?あの、3日前の捜査の時点で誰も気がつかなかったのか?死体の服を調べ
ないで「助手席で何をしていた?」とか言ってたの?
警察は何を捜査してたんだか…。
ともあれ、皆で触りまくっているわけですから、手紙からの指紋ってあんまり期待
できなさそう…。
今度はゾディ、スクールバスを襲うと言ってきました。
んー…なんかこのゾディはこれまでの奴とは違うような気がするのですが。手口を
精巧に似せた第2のキラ…じゃなくてゾディのような気がする。手口は似てるけど
ターゲットがまるで似ても似つかないんだもん。
ともあれ、シスコにゾディが現れたということで町は一層大パニックですよん。
新聞掲載にあたり子供達への予告はカット。ロバートは新聞社の人間ですから、
スクールバスに乗ろうとする子供をひきとめて自分の車で送ることに。
はてさて、こういう危険な事態を知らないで過ごすのがいいのか、ロバートみたいに
知っちゃってる方がいいのか…難しいですねぇ。
結局、隠しててもよくないってんでバスを襲うといってたこともテレビで報道する
ことにしたんですね。
スクールバスに警察官が一人乗るようにして、子供が乗る時は直前まで家から
出ないとか、警察官が迎えに行くというのはどうなんでしょうかね?もちろんゾディが
化けていたらどうしようもないですけど。で、バスは防弾仕様に。
警察も新聞社も電話パンク状態です。
しかも刑事だかが話しかけてきたので、かかってきた電話に「今忙しい」って言って
きりやがった。
えっと、すっかり忘れ去られていましたが、一番最初の事件で生き残った警察官、
マジョーが退院してきたらしいです。
あと、あのタクシー運転手殺人事件でも、捜索していた警察官らが、犯人らしき
人物を見ていながら取り逃がした模様。
それも配備の無線で、犯人は黒人だと言っていたからで、その不審者は白人だった
からだとか。
アホが。職質ちゃんとかけとけよ。犯人検挙の7割は職質からってデータ知らんのか。
ロバートは連続殺人についてパターンを探していました。
冒頭の事件より1年前に発生したカップル射殺事件では両方死亡、冒頭の事件では
男性生還、次の事件でも男性生還、タクシー運転手射殺事件は死亡。ここで初めて
ゾディの指紋が検出されます。
さぁて…。
パンフによると、2件目の事件で初めてゾディは手紙を送っており、それに詳細が
記されていたことから、一連が彼の犯行であると断定されたらしいんですが。
パンフレットではわかんないけど、どこまで「犯人しか知りえない」ことが書かれて
いたかですね。映画では1つ目も2つ目も指摘されていたっけかな…。とすると、
この2つは確かにゾディの犯行といえる。
けれども3件目に関しては手紙はなく、4件目でまた送られているけども、これに
関しては、私は別の人間がゾディに罪をおっかぶせるつもりでやったんじゃないの
かなと思いますよ。
手紙の筆跡もマークも公開されているのだから、当時なら真似ることも難しく
なかったと思うのですが。
ともかく次。
今度は警察に、テレビ局に電話したいとかかってきました。
メルビンという弁護士が電話で話すことになり、まあいろいろやったわけですが。
つーか後ろでヴゼーくらい流れてるおもちゃのCM!
懐かしいなぁおいトムボーイ!買ったよトムボーイ!しまいにゃ原理がどうなってる
のか確かめようとバネ広げて使い物にならなくして親に怒られたよトムボーイ!
で、かかってきた電話は頭痛がひどいとか殺さないと頭が痛いとかなんか背後で
悲鳴が聞こえたりとか、エンターテイメントとしては面白いですが、おおよそ本人とは
思えず。
(のちに模倣犯と判明したそうです)
更に、直接会おうとテレビで場所言っちゃったもんだから、警察官は大挙して
押し寄せるわマスコミも来るわヘリはすんごい飛んでるわ野次馬はすげーわ…。
メルビンでなくても「にぎやかな密会だな」くらい言いたくなるわ。
ポールとロバートは飲みながら新たに届いた暗号文解読中。
アクア・バルバとかいうお酒をロバートが頼んで、ポールがバカにするのですが、
味見した後ガバガバのみまくっててちょっと笑えた。
ここでロバートは暗号文の解き方に注目。
この中で一番使われている単語は「KILL」であると推測し、「LL」をよく使うと考え
そこの場所を探します。次にその前の二つは「KI」だからこれで3つの文字がわかると。
すげぇ。
実際の暗号は今でも解読されてないそうですが。
まあ解けたとしても正解かどうか確かめる術はないし、もとより暗号を解かせる気が
ゾディになかったのではないか、と思いますがいかがでしょうか。
一方メルビンには手紙が届いておりました。
こちらは本当のご本人から電話かかったみたいですが、彼が留守だったため手紙に
切り替えたようです。結構几帳面だなゾディ。
時間は経過して1970年3月。
ある女性が車を運転していたところ、後ろから猛烈なクラクションとパッシング。
止めてみれば、車がガタついてる、タイヤがはずれかかってるからしめなおして
あげるよと。
こゆ時はJAFですよJAF!(ねーよ)
私ならそれが親切心であっても、怖いから車触らせたくないです。
この女性のように、わざとタイヤを外されて、男の車に乗せる口実作りにされたり
したらかなわんのでね。
で、ガソスタに送っていくという男の車に乗っちゃうこの女性もどうかと思いますが。
しかもまだ小さな子供がいるというのに。
ガソスタを通り過ぎ、不安になっていく女性。
そんな彼女に男は「まず赤ん坊を投げ捨てた後でお前を殺す」と言うのでした。
通報を受けて駆けつけた警察官は震えている女性を見ました。
飛び降りたわけですね。赤ちゃんも、男が戻ってくる危険性を考えて隠してたらしい。
なかなかやりますな。まあその前に車に乗るなって感じですが。
この女性の証言によって、タクシー運転手殺害事件の犯人の車だったことがわかります。
ただ、ここでわかったのは証言を信用するとして、タクシー運転手殺害事件と今回の
犯人が一緒だったということであり、それまでの3件の事件と同じ犯人か断定するのは
ちと早いと思うのですよ。また、証言を信用しないとするなら、たまたま見た指名手配の
ポスターに、記憶の方を修正してしまった可能性もあり。
ここら辺は藪の中ですね、まさに。
ロバートは過去の事件を調べ、ゾディは過去起きた事件をそのままなぞっているだけ
ではないか?という疑問にぶち当たります。
更に一年後。
ロバート、メラニーという女性とデート中。
ポールはゾディの情報提供者とかいう人に会いに行ってる。
…あれ?これやばくね?
ロバート、メラニーに指摘されて気づき、慌ててポールの家に電話。携帯電話なんか
ない時代ですもんねぇ…。
まあそんな彼らの心配をよそに、ポールひょうひょうと生還。どうやら本物の情報提供者
だったようですね。なんだよ。
最初の殺しの手紙かなんかを筆跡鑑定に出してたらしいです。
あれ?そんなんあったの?
ともかく、警察はスタンドプレーだとカンカン。
なんかよくわからんのですが、最初の殺しでは女性が刺殺されタイプ打ちの手紙がきた
とかで。
で、この事件には容疑者が既にいるためその筆跡鑑定をしていたらしい。
ということはこの事件、ゾディの事件じゃないんじゃね?
さてここで。最有力容疑者が登場してきます。
その名をリー。別に拳法の達人ではありませぬ。それはブルースリー。
彼は2番目のカップル犠牲者、ダーリーンをしつこく追い掛け回していたり、3番目の
カップル犠牲者にその日あっていたりといろいろ怪しいところがあるみたいで。
まあ状況証拠がいっぱいあるということですよつまり。
デイブはさりげなく腕時計を見せてもらいます。ブランド名は「ZODIAC」。
そしてリーの弟夫妻にも会ったりして話を聞きます。
クリスマスのスペル、リーは最後をダブルエスで書くという貴重な話を手に入れる
んですね。
クリスマスって「Christmas」ですが、リーは「Christmass」らしい。
これがゾディの手紙にあれば決定打ですが…残念、なかった。
筆跡鑑定も一致せず、リーはシロということになりました。
諦めないロバートやデイブはいろいろ話を聞きまわり、精神科医からは「リーが殺人を
する可能性はある」という話を聞くんですね。
だからそんなことで犯人になるなら司法の場はいらないんだってばよ。
デイブは捜索令状を取ってリーの家に行きますが、出てきた銃とかその他すべて
一致しませんでした。手袋と靴のサイズは一致したらしいです、偶然にも。
これもう違法捜査の領域だと思いますけど。
さて4年が経過しました。おいおいあっさり月日が経つな。
デイブの相棒は異動願いを出し、子供達のために残業の少ない部署に異動しました。
まあいいんじゃないの。
ちなみにロバートはメラニーと結婚してました。
記事を読み返しているのですが、何かに気がついたらしくすっ飛んで出ていきます。
ポールに会って事件の資料をもらおうとするんだけど、もう単なる飲んだくれオヤジと
落ちぶれてる彼は資料なんて残ってないと一蹴。ええいお前はそんなだから落ちぶれるんだ。
ロバートはデイブに会い軍の図書館に行って調べたところ、暗号文献の貸し出し
記録だけ不自然にない、ということを話すのですね。つまり「ゾディアック」が消したのだと。
彼の頭脳に感心したっぽいデイブは、「言えない言えない、ナパ署のナロー、NARLOWに
会えなんてとても言えない」と、ちびまるこの野口さんかよ!みたいなセリフをはいて
さっていくのでした。
ナパに出向いたロバート。この時点で家族完全に置きさられていると思うのですが、
夢中な彼はもう思い出しもしてないっぽい。
で、警察署で資料探し。
何か見つけたのはいいのですが…。自宅にゾディからの荒い息遣いの電話が。
これゾディ事件関係なかったらただの変態電話ですやん。
ここでダーリーンの情報が。
彼女は非常によくもて、あの日のパーティでも人気者だった。ところがある男が
来てからいきなり怯え出したと。これはマジョーも知っていた。
襲撃の夜、自宅に不振な電話があった。
つまり、ゾディはダーリーンを知っている、ということでしょうか。
ここでメルビンにゾディがかけてきた電話の内容も重要になってきます。
あの時彼は「誕生日だから人を殺す」といったとのこと。手紙は12.20前後に到着
しているため、それより前が彼の誕生日ということになります。
そして、リーの誕生日は12.18。
ロバートは筆跡鑑定にかけたと、自信満々にテレビで話すのですね。
それがどういう結果をもたらすかも考えずに。
記事になり自宅には電話がかかってきました。
「俺は犯人を知っている。B.ボーンを探せ」と。ゾディの本名はリック・マーシャル
だそうです。マーシャルって。ふざけてんのかコラ。(マーシャルとは軍人、という
意味があります。マーシャルアーツで格闘技とかいう意味)
で、リックという人間が怪しいというのは一理あるかもだそうです。
こっそり指紋を取るために写真を渡したら、見た後「この写真は指紋でベタベタ
だ」といって拭いて返してきたとのこと。
彼の筆跡が手に入って筆跡鑑定にかけたら、良く似ているとのこと。けれども
断定は出来ないので更なる資料がいるようです。
そして1978.4.28
またもゾディから手紙が届きます。
ロバートがごはん食べながらテレビを見ていたら、奥さんが体を傾けてテレビの
前をふさいで、ロバートが「やべっ」て顔して元に戻るのがちょっと笑えました。
ま、その後テレビ見るんですけどね。
けれども報道は、ゾディ事件でまた注目されたいデイブが捏造した、というものでした。
アホか、そりゃねーよ。
こうしてデイブは事件捜査を外されてしまうわけです。
事件解決に夢中になるロバート。
今家族に迫る危機がまったくわかってない様子。
このタイプは家族が殺害されて初めて気づくんじゃないでしょうかね。
そりゃ奥さんキレるわ。
謎の電話で会いに行けといわれた、ボーンという男に会いに来たロバート。
リックは自らの犯行をフィルムに撮りだめそれをボーンに預けている、という
密告電話の内容でした。
いろいろ話をして資料を漁ろうとするのですが…。
リックが書いたと思っていた、筆跡鑑定に出したものが、「それは私が書いた
んだよ」とサラリと言われて、初めてそこで今自分が置かれている立場に気づきます。
挨拶もそこそこに逃げ帰りました。
あのねぇ。
表だって事件を調べるというのはそういうことですよ。
警察だって一部の人間しか表に出てこないでしょうが。
それを、何の力も持たない一般市民がやったらどうなるか。
犯人にいいように狙われるだけですよ。
帰宅すると家族の姿がありませんでした。
ロバートがテレビに出たこと、不審な電話がかかってきたこと、なんか勝手に
ゾディに関する本出版するとか発表されたことによって危機感を覚えたメラニーが
実家に帰ったんですな。奥さんの方が賢明だ。
そしてロバートはそれにもめげず(いい加減めげろよと思うのですが)、リンダという
収監されていた女性に会い、ダーリーンのパーティのことについて尋ねます。
その時彼女に付きまとっていたのは、リックではなくリーだと。
さらにメラニーがリーの免許証のコピーを持ってきてくれたので、彼はいよいよ
リーを追い詰める決心を固めます。
いやホントデイブの家に直接きたりとか、あんたの行動の方が恐ろしいから。
町を出て行方不明になっていたマジョーにも22年ぶりに会い、写真を見せたところ
指したのはリーの写真。
こうして、ロバートの綿密な調査結果をもとに、リーを告訴しようとしていた矢先、
彼は心不全だかなんだかで急死。
2002年、DNA関係の結果、リーは犯人ではないと証明されました。
2004年。サンフランシスコ市警は捜査を終了。
デイブは89年に警察を退職。
リーの死後ロバート宅への不審な電話は途絶えました。
こうして映画の方は終わります。
この映画がどこまで真実を伝えていたかはさておき、パンフレットに記載されていた
事項を整理しますと。
1.アベック殺害事件。双方死亡。送られてきた手紙はタイプ打ち、容疑者あり。
2.ダーリーン&マジョー死傷事件。直筆の暗号文と手紙を送りつける。
3.湖畔のアベック死傷事件。この時ゾディアックは変な格好をして現れる。警察へ
被害者の通報。
4.タクシー運転手射殺事件。後の手紙で、近くに警察がいたのに自分には気が
つかなかったと挑発。
5.手紙と新たな暗号文。現在まで未解読。
6.母子拉致未遂事件発生。母親は、4の事件ポスターを見て「犯人」と証言。
7.8年後、手紙を新聞社に送りつけ、連絡が途絶える。
大体このような感じです。
これでわかるのは、どれも同一人物の犯行ではなく、巧妙に利用しようとした誰かが
存在するのではないか、ということです。(映画の中では一人の人が演じていたようには
見えたのですが。)
いわば複数人が、自分が容疑者だとばれないように、かつ誰かの犯行とするために
偶然「ZODIAC」という人物を作り上げてしまったのではないかなと。
5と7の事件に関しては同一人物であり、これが最後に「ゾディアック」を継いだ人間
なんかじゃないのかなーとは思うのですけどね。
電話に関しても今のような技術はないから、テレビで発表されている手口を真似する
ことはいくらでも出来るし、身近な人が悪質ないたずらをした可能性もある。
ロバートへのいたずら電話に関してはリーよりも、そういう人間である可能性が高い
のではないかと思います。出版を快く思わないライバルとかね。リーが死んだことなんて
即日発表されるでしょうから、その時から電話をやめれば済むことで。
あのジャックザリッパー事件においても、事件が起きている最中次々と模倣が現れ、
ジャックに罪を着せようとした殺人犯が多数いたように、筆跡鑑定だけで(しかも容疑者との
筆跡鑑定はしてるけど、それぞれの事件同士の手紙の筆跡鑑定はしたのか不明)連続殺人犯と
決め付けるのは微妙な感じがします。
ジャックの犯行さえ、未だどれが本当の彼の犯行か断定できない部分も多く、とすると
ゾディアックもどこまでが本当かということになります。
警察が隠していた情報が書かれていたから犯人からの手紙といっても、警察・新聞社に
「ゾディアック」がいれば犯行可能でしょうし、CIA、FBIの軍出身者、という立場でも知りえた
でしょう。
実行犯と手紙を出した犯人が違っていたとしても、わざわざ実行犯が名乗りをあげるとも
考えにくい。
そういったことを考えてみると、やはり「ゾディアックは一人」という考え方の方が苦しい
のではないかと思います。つかむしろ連続した事件ではなかったんじゃないかと…。
真実は未だ闇の中。
多分花鳥風月→金田一、コナン的読み物ページ→映画の感想レビュー→ZODIAC ゾディアック