多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→舞妓Haaaan!!!


舞妓Haaaan!!!

7/3鑑賞

 えー、背景色とかタイトル色をいつも、パンフレットとか公式サイトとか見てイメージに
合うもの選んでいるのですが、今回背景にと選択した色があまりにも眼に突き刺さったので
ちょっと彩度を下げました。
 これでも読みにくかったらすみません。

 さてさてCM見た時からすごく楽しそうな映画だなと思ったんですが、やっぱり期待を
裏切りませんでした。しかも阿部サダヲさんが主演。これはもう、今まで名脇役でならして
きた彼が期待に応えないわけはないでしょう。超ドシリアスな役からバカ丸出しまで
なんでもこなしちゃう阿部さんがパンツ1枚で頑張ったよと。

 ではまいりましょう。

 おーその前に、東宝バージョンの「盗撮を見つけたら報告してね」CMも新しくなって
いたのですが(多分東宝だよなぁ…)、何せ連絡先が消えるのが早い。覚える前に
サッと消えてしまうので、あれじゃ何かあって連絡したくても出来ないだろうなぁ…。
 松竹はわりとジックリ出るのですが。直して欲しいとこですね。

 さて場面は舞妓さんの着付けと、走ってくるカメラマンから始まります。舞妓さんの
おっかけとかそういうのんでしょうね。
 先頭に立って撮影しまくっていたのが今回の主人公、鬼塚公彦です。…キミ
お友達に「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」とか言ってたGTOおるやろ。
(ネタ古い)
 で、舞妓さんのファンサイト「ボンの舞妓日記」というのを作っていて、そこに今回
舞妓デビューの駒子ちゃんの写真とかアップしてるのですが。
 そこに現れたHNナイキという男が、管理人はんはお座敷遊びしたことないですやろ
とかバカにし始めるんですな。
 チャットならともかく掲示板でリアルタイム書き込みはじめるこいつらってどうなんよ
とか思うんですが、(笑)(怒)(爆)(恨)(殺)(悦)とかアホだこいつら。ここら辺は文字が
どわーって立体で出てくるので面白いですよ。
 ところがこのナイキという人物、実はお座敷で書き込みしていて、ふすまを開けると
すごい数の舞妓さんが。
 確か、これはこの映画での演出であって、実際の「お遊び」においては舞妓さんは
半人前扱いなので、芸妓さんなしでお座敷に上がることはないそうです。

 さてさてこの鬼塚はんは高校生の頃修学旅行にきた京都で、班のメンバーにおいてけ
ぼりにされ、この花街に迷い込みます。多分祇園でしょうなぁ。
 そこで泣きべそかいていたところに「ぼん、どないしはったん?」と声をかけられた
舞妓の美しさにほれこみ、舞妓の追っかけになることを決意したみたいですね。
 ここの見所は、帰りたくないとダダをこねる学生鬼塚にボディブローをくらわせる
バスガイドさんでしょうか(笑)。あんたすげぇよ…。

 そんなこんなで仕事の最中にそうやって掲示板でケンカしてるような勤務態度
ですから、鬼塚はん、支社へ左遷されはったんですな。ところがどっこいその支社が
京都だったもんだから彼にとっちゃあ左遷というより栄転。これでお座敷遊びが出来ると
大喜び。
 で。
 恋人とこれからどうするか…と思いきや、彼女が京都出身というから付き合って
いたのに実は三重県だったということがわかってあっさり別れを決意。え?ちょっと
お前ひどくね?
「私が京都の女だったから付き合っていたの?」
「バカだなー。京都の女じゃなかったら嫌いになるに決まってるだろ」
 ひでぇー!!!!
 こうして鬼塚はんは恋人・富士子にカッターで刺されつつも京都へ転勤と相成りました。

 さて京都支社とは名ばかりの、ラーメンのかやく製作工場なわけなんですが。
 歓迎会もお座敷かと思いきや単なるカラオケ。つか歓迎会でお座敷遊びなんかするか!
 こうなりゃ一人でいってしまえとばかりに、妄想全開でいざ花街へ!

 ところが。
 彼の前に立ちはだかったのは「一見さんお断り」のしきたり。
 出迎えた女将に冷たくあしらわれてしまいます。
 っていうか普通に疑問なんですが、訪問する前にマナーとか調べていかないもんで
しょうかねぇ?サイト開いてたくらいだから知っていたと思ったのに。
 なんか入れない悲しさをミュージカルで語ってみましたが、やっぱり入れてくれませんでした。
このあたりは女将演じる真矢みきさんは得意とするところでしょうな。

 一見さん、一度紹介されてやってくるのが初回・顔見せ。
 2回目は返し。これを来させぬは芸者の恥。
 3回目は馴染み。これを来ないは客の恥。
 3回目でようやく常連扱いとなります。(このしきたりは遊郭でも同じです)
 最近では不景気のため、一見さんを断れなくなったお店も増えてきましたが、今でも
八坂神社近くの「一本入ったとこ」では一見さんお断りがずらりと並ぶそうです。
 また、一つ店を決めたらあちらこちらに行くのは不粋。ずっと通うのがマナーです。

 さて。
 自分の会社社長が馴染み客だと知った鬼塚はんは土下座までして頼み込みますが、
当然名も知らぬ人間、追い出されてしまいます。
 またミュージカルの舞妓さんらが登場しようとしましたが鬼塚に「わかってんだよ!」と
怒られました(笑)。何やってんだよお前はよ。

 そうなりゃヒットを出して会社に利益をもたらして、覚えてもらえばいいだけのこと、と
奮起した鬼塚はん。なんと大ヒット商品を本当に出しちまうんですな。
 
 一方。
 置き去りにされた富士子さん。電話をかけるシミュレーションしてますが、間違い電話の
フリをしてかけてみるということにしたらしく。
 かけたら速攻切られました。ひどっっっっっ!
 ちなみにラーメンを試食しているシーンではMr.オクレが結構いい味出してます。
 あと開発に夢中になりすぎて鬼塚はんのヒゲがのび…ってそれはありえねぇー!!!
 京都駅で鬼塚はんがラーメンを売り出すのですが、このシーン、カメラは遠くで映して
いたため、本当にラーメンを売っていると勘違いした一般客に囲まれて大変な目に
あったそうです。が、そのシーンはカットされています(笑)。
 あまりに売れすぎて本社の富士子ちゃんも計算できなくなってて、全部具を入れても
300円だっけ、そけが売りだというのに1万150円ですとかとんでもねー計算してやがる!
バーコード作れよ…ってそのコストも省いたのか。

 こうして大ヒットしまして今度こそ堂々と社長に連れてきてもらった鬼塚はん。いそいそと
お座敷に上がろうとするのですが…。下足番の男性に、「今すぐ病院にいったほうがいい」
と言われ、泣きながら搬送されていきました。残念!
 ちなみにちょっとしたマナーですが。こういった上がり口で、最初から靴をそろえてあがろうと
するあまり、出迎えた人に背を向けた形で上がろうとする人がいますが、それはしちゃダメ
です。
 ちゃんとした旅館では靴をそろえる人(今回の下足番のような)がいますので、普通にあがり、
ちょっと振り返って「お願いします」というのが正しい作法です。もし誰もいなくて自分でそろえる
ような場合は、普通に上がって「失礼します」と声をかけ、しゃがみこんで靴の向きを直します。
 まあどっかの家訪問したようなときでも、迎えた側がこっそり直すのが普通なんスけどね。

 さて病院に運び込まれた鬼塚はん。出迎えたのは北村一輝扮するちょっと怪しいお医者さん。
いやいや、あんたも一緒にオペ室に全力疾走しなくていいからぁぁぁぁぁぁぁ!

 一念発起で京都へやってきた富士子。なんとっ舞妓になるべく置屋さんを訪ねるのですな。
普通は飛び込みでは追い返されるそうです。最近では募集してるとこもあるらしいですが。
 で、そこのお母さんが良い人で、富士子を置いてくれることになりました。
 ただ作法も何も知らないので、自分より年下の子でも「お姉さん」と呼ぶということに戸惑う
富士子。
 そこには駒子さんがおりました。呼ぶのは「駒子さん姉さん」だそうです。面倒くさいなぁ…。
 私なんか滑舌悪いから舌かみそう。
 
 で。やっと植木等さんのシーンが!
 いやぁ存在感ありまくりですなー。
 ま、このシーン自体はあんまり話には関係ないです(笑)。重役さんが普通に街を歩いてる
というエピソードみたいなものです。
 あ、もう一つ。
 ここで富士子が、舞妓とか芸妓さんを、遊女と勘違いしていたことが判明。
 遊郭・吉原と違って花街といえば、芸をする人達が集まり、主に歌や芸を売りとして遊ぶ
一角のことを指します。昔はえーとどこだっけ…江戸の吉原ですっけ、そういうのでは俗に言う
花魁などの場合、芸も身につけていたため、普通の遊女とは一線を画するところがあり、一概に
まったく違うしろものとは言い切れないみたいですが。
 ともあれ京の花街を売春宿扱いしたらたたき出されます。
 京都だと島原でしたかね、遊郭は。
 あと江戸の吉原には大きな門があり、遊女の逃亡を防ぐ役割を果たしていたのは有名な
話。うろ覚えで恐縮なんですが、唯一開かれたのが江戸の大火事の時だったとか。
 また、ここいらの街道の名称は今でも残る「親不孝通り」です。
 話がずれましたが、置屋は舞妓はんらが所属する場所、お茶屋さんが芸をする場所。 
 富士子さん、最低限それくらいのことは理解してきた方がいいかと思いますが…。
 でもって忙しい日々に富士子さんダウン。
 ああ…またあの医者のとこか…(笑)。また走ってるし。

 富士子の入院と入れ違えに退院してきたのが鬼塚。今度こそ!と社長に連れられ
お座敷へ。
 舞妓はんに会いたくない(会ったら終わってしまうから)とかダダこねてますが、
やってきた人を見て大感激。昔学生の頃迷子になった鬼塚を助けてくれた人だったん
ですな。
 また、お店出し(デビュー)の日に写真をとった駒子はんにも会えて、ぎぇーとか言って
喜んでます。いやもう大騒ぎ。なんかもう海岸でたわむれる二人だとか、ありえない
妄想がすげーの。
 ところがどっこい彼を妄想から連れ戻したのは倒れてきたふすま。
 隣の客が酔っ払ってやっちまったみたいですな。
 
 舞妓芸妓はべらせて野球拳してたのは内藤。野球の選手。ちなみにベロンベロンに
酔っ払ってます。
 管理人はんもこっちきて遊びませんか、と誘いをかけられたけども断る鬼塚。
 しばらくしてからそう呼ばれたことに気づき、彼があの掲示板でケンカした、ナイキだと
わかるんですな。
 っていうか今時HP持ってるからオタクってその認識がすごいわ。
 内藤は銭はろうたら何してもいいんや!とか言ってるけど、こういう遊び方は不粋な
ことこの上ないんでは…。

 ともあれ、毎晩お座敷で遊んでいる鬼塚と、一生懸命頑張って舞妓になった富士子さん。
ちなみに名前は駒富士だそうです。
 一方内藤は豆福の旦那になったということでそれはもう大騒ぎ。
 いわゆるスポンサーだそうで。
 ライバルだと思っている鬼塚は泣いて悔しがり。
 ここから彼の迷走が始まります(笑)。
 野球チームを作って選手になって実力発揮。
 駒子とデートして、旦那になりたいと宣言。
 ここで駒子の過去がわかるんですな。

 駒子は昔、置屋にいた舞妓だか芸妓だかが生んだ私生児で、父親は誰かわからず。
お母さんが引き取って跡継ぎにと育てておりました。また、内藤はお母さんの実の息子で
血のつながらない兄妹として育っていたのですが、内藤に恋心を抱いていた駒子は、
結婚できないということに傷つき、自分で額にバッテンを書いてしまったらしいです。
 いやそんな思い切ったことしなくても…。

 ともあれそんな事情を知っても好きだという鬼塚。
「こんな傷くらいで嫌いになるに決まってるじゃん!」
「…え?」
「ああああ間違えた!好きになったよ!だからお母さんカサを下ろしてください!」
 お母さん、何かあったらさそうと、ビニール傘構えてたんですな。
 お母さんは大いに喜び、彼に旦那となってもらうことを承知するのですね。
 
 そんな話をしている中、内藤のお座敷にあがった駒富士が何気にセクハラされて
いるのですが、鍛えられたのか動じず。このあたりは結構面白いです。

 そこへ帰ってきた内藤。
 鬼塚は話をしようとするのですが…。
 ここの掛け合いはもう酔っ払いだから面白いのなんのって。
 鬼塚に内藤が熱いお茶かけられて少ししてから「熱ッ!」「遅いわ!」とか。
 決着をつけようという鬼塚でしたがなんと内藤は引退してしまうのです。
 引退して役者に。映画のタイトルは「山猿」。
 …パクってる!柴咲コウがいるからってパクりすぎだから!
 で、鬼塚も演劇の世界へ。The・有頂天時代劇。…おおーい!!こっちは伊東四郎か!
 今度は格闘技、ラーメン店ともう暴走止まらず。
 内藤の経営するラーメン店にやってきた格闘王チャンピオンになった鬼塚ですが、
結局やっぱりラーメンに戻ってくるのですな…。
 ところが今度は内藤が市長に立候補。というわけで自分も政治の世界へ。
 ここらあたりは完全ギャグなんで、ありえないとか気にしたらいけません。
 まあ内藤は信頼を得て見事当選。鬼塚は夢破れ、東京へ帰る事にします。
 ダルマ爆弾はなかなか面白かったんですが(笑)。

 が、帰る直前、野球拳をしてなかったことに気づいた鬼塚、すごい勢いで戻って
きました。
 そこで舞妓をやめて帰ろうとしていた富士子に出会うのですが、富士子がまた
意地っ張りなのか観光旅行って言うんですね。なんだかなぁもうこの二人は…。
 気がつかない鬼塚は軽く声かけて立ち去ってしまうのです。もどかしいっスよ。
でも鬼塚としてはどうもあんまし未練がないみたいだからしょうがないのかなぁ…。
 つーか、鬼塚が社を出て電車に乗って、そっから引き返してくる間富士子は
京都の町を歩いていたはずなんですが、どんだけノロノロ歩いてんだよ。

 市長となった内藤。何をするかと思えば花街の条例について打ち出してきました。
・一見さんお断りを廃止
・料金の明示
・現金払い
 などなど。
 これで舞妓さんらが直談判にやってまいりました。
 なぎなたもってよく入れたな…。

 一方鬼塚、呑気に野球拳をするための予約を入れるのですが、人がいなくて、
たまたま戻ってきた富士子が出ることになりました。
 が。
 まーだ駒富士が富士子だと気がつかないんですね、鬼塚。
 そんで、別れた彼女がきれいになっていたとかどうの言うのですが、駒子の旦那に
なっていることを駒富士は知っているわけですから、彼女のことは決着つけて早く
駒子のとこにいってやれと急かす。
 で、別れの電話をかけるために鬼塚はかけるのですが…。当然電話はすぐそばで
鳴ります。ようやく事態に気づいた鬼塚。なんかここのあたりのエピソードはほんのりと
切ない感じです。
 でも慌てるあまり、ハダカで走っていくのはよせ、鬼塚…。

 内藤は内藤でとんでもないことを暴露。駒子の父親は自分であると告げます。
 何となくそうではないかと思っていましたけどね…。
 ここで、「実家に帰ってもくつろげん男はどないすればええんや…」という内藤の
一言がなんか悲しいなと思いました。

 ちなみに駒子ちゃんを探しまくった鬼塚。山に火つけて「大好き」て。
 捕まりまして、面会に内藤が来てます。
 ウケたらしく、「あれやったらあかんて!」とか明るく言ってますがな。
 しかも駒子のことに関して「血のつながらん兄妹だろ」と言われ「めっちゃつながっとるわ
ボケェー」。
 いや本当、こういう掛け合いが面白いんですわ…。
 最後「ご清聴ありがとうございました」。堤真一サイコー!

 で、月日は経過しまして。
 なんだっけ、夢川をどりというので駒子ちゃんと駒富士がデビューとかで、釈放された
鬼塚が急いでやってまいりまして。
 鬼塚と内藤、どちらが送った着物を駒子が着るかということだったんですが。
 内藤が送った着物を駒子ちゃんが着て、鬼塚のは駒富士が着てました。
 で、内藤はあの条例案の廃止を決め、最後は踊ってちょん、と。
 歌も面白いので最後まで聞かれるといいでしょう。
 いやー、ほんまに京都は癒されます。

 もうね、役者さんどうしの掛け合いがたまらんですよ。面白い。
 なんも考えず見て、ゲラゲラ笑うのがいいと思います。
 そんで、京都の文化はこれからも末永く続いて欲しいなーとちょっと考えるといいと思います。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→舞妓Haaaan!!!