多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→HERO


HERO

11/4鑑賞

 うーん…、ヤフーみたく星5つで満点の評価であれば、私はこれ、2.5くらいかな…。
面白くはあったんですが、なんていうの、一番肝心なところが盛り上がってないじゃん!
みたいな。いや、一番は盛り上がったのか。二番目に肝心なとこ…とすべきでしょうか。

 ところで前に、邦画のCMは中身がわかりにくいと書きました。ミッドナイトイーグルという
映画のCMを見て、宇宙人との出会いを描いたのかと思ったら違った、みたいな。
 …そのミッドナイトイーグルの新しいCMをやってたのですが。えーっと…挫折したカメラマンが
飛行機が墜落したというスクープを報道して成功するまでの話?で、他国のスパイと情報の
奪い合いになるの?
 どうしよう…ますますわからなくなりました。
 ともかく、きちんとしたCMをしてくだされぃ。
 あと。
 どんだけCM長いのっ!

 さてさて。
 相も変わらず通販番組から始まりました。久利生のアパートか。今テレビでやってる
通販のグッズが届いたみたいです。あーあるよね、もう手に入れたもんね、みたいな気持ち。
でも65ドルは高いな。なんかの公式本に人形だもんな。
 で。
 その公式ブックをわくわく見てみたら全部スペイン語。
 はぁ?ってなったらテレビから「スペイン語なんて話せないわー」「そんな君のために
なんと、スペイン語入門講座のCDがついてるんだ!」「これで安心ね!」
 …いやいやいやここは日本語翻訳の本をつけるべきでしょうが!
 久利生の「スペイン語ぉぉぉぉぉぉ!」という声聞こえてきたのがなかなか面白かった
です。
 
 一方。
 事務官の末次さんが中村検事とともにダンスショーへ出席。これが何の意味があるのか
よくわからんのだけども、結局足をケガして途中棄権。
 もう一人、阿部さん扮する芝山さんは離婚協議中でした。ここのシーンはすごく面白かった。
 夫を弁護してるような話し方してるのに一人だなーと思ったら裁判官に「あなたのことでしょ!」
とか突っ込まれてたし。
 まあここで、ダンスシーンの最中、久利生が本格的にここへ戻って来たことと、「6年も前」と
いうCMでおなじみのセリフが言われるわけですな。
 でもほんと悪いけど、このダンスシーンはあんましいらないと思う。
 映画だといってもあまり、よけいなシーンを入れるのは好ましくないと思います。話の勢いが
そがれるから。
 冒頭の通販はだらだらシーンと見せかけて実は重要な意味をもつんですけどね。

 さてお仕事風景です。
 各々が取り調べている事件に交じって、受付の警護の人がテレビ見てんですけど、花岡
代議士に関して法務大臣が指揮権を発動し、捜査をやめさせたという報道をしています。
 この指揮権つーのは強制的に捜査をやめさせる権限らしいです。ただし検察というのは
いかなる圧力にも屈しない機関でもあるため(でなければ政治家の汚職とか暴けなくなる)、
かなり特別な権利といっていいかと。
 ここで朝の風景映るんですけど、ダンスショーで足ケガした末次が、エレベーターに乗るのに
脱げちゃったらしい靴を取りに戻るシーンがあります。こまけぇなー。

 芝山が担当していた傷害致死事件を、久利生が公判検事を受け持つことになりました。
 イライラした芝山の取り調べを受けて最終的には折れた鉛筆の芯が額に当たった子
ですな。
 あの時は素直に罪を認めていたのですが…。

 事件のあらましとしては、この被告、梅林がタバコを買って戻ろうとしたところ、通行人里山と
ぶつかり、彼が落ちた煙草の箱を踏みつけてしまった。激高した梅林はいきなり里山を殴り
腹をけり転倒させ、彼はその拍子にコンクリに頭を打ち、目撃者が呼んだ救急車によって
病院へ運ばれたが死亡したというもの。梅林はその場から逃走、と。
 で、これを確認してる時、後ろに松本幸四郎さんの姿が。…弁護士役とのことですから、さしずめ
現場を見にきたんでしょうかね。蒲生弁護士という役ですか。
 何やらひと波乱ありそうですな。
 まあ実際のところ、起訴されるまでは素直に罪を認めていたものが、弁護士の入れ知恵に
よって無罪を主張するというのは珍しくありません。
 それが弁護士の仕事です。
 ただ。
 てめぇがやったことはきちんと責任とれよ、とは思います。人ひとり殺しておいて自分は
やってないたぁどういう了見だ、と。
 どこの弁護士とは言いませんが、蝶々結びにしただの、愛情もって抱きついただけだの
ドラえもんが何とかしてくれると思っただの、それはもう弁護ではなく、被害者を冒とくするだけ
でしかないですよ。こんな入れ知恵をするのはもう弁護士資格を勘違いしてるとしか。
 弁護士は被告を助けるのが仕事だけど事実を捻じ曲げていいわけじゃねぇんだよ。

 話がそれましたが、いつものバーで食事している江上、久利生、雨宮。
 なんか江上がぐだぐだ言っててうざい。
 雨宮のメルアド知らないんだけど、だってさ。
 何年勤めてるか知りませんが、ずーっと働いていてこれだと脈なしだと思った方がいい
のにねっていうか、下手すると立派なストーカーですよ。江上、一番嫌いな男のタイプだ。
 帰ろうとする雨宮を送っていこうとする江上。久利生は何もしゃべらないと思ったら熱心に
何か聞いてました。…さてはスペイン語だろ、これ。
 あと、マスターに「双子の弟とかいますか、山口に」とか聞いてる。あー、スペシャルで
出てたのかー。
 スペシャル、あんましちゃんと見てないんですよね。

 さて公判が始まりました。
 やっぱり検事は風呂敷だよねぇ。
 というわけで久利生登場。
 …………裁判官が岸部さんだ…。なんか「ボクは許さないよ〜」とか言いだしそうだな。
(by医龍)
 えーと、ここで。
 傍聴席ですか、あそこに、里山さんのフィアンセと雨宮が座っているのは当然として。
一人気になる男性が座ってるなぁ。誰だこいつ。
 で。
 裁判始り、簡単に済むかと思いきやなんと被告は無罪を主張。
 全員、唖然。

 ここで、蒲生弁護士のことが判明します。
 有能な弁護士でヤメケン。(もと検事の人)
 うわー、これは検事の手口知り尽くしてるし、検事がもっとも嫌がる弁護士ですな。

 その蒲生、高そうな料亭でワイン飲んでます。
 …いや、日本料理ならちゃんと日本酒飲もうよ。ワインてそれ。料亭の方もプライド
もって「うちにゃ日本酒しかごぜぇやせん」くらいやってほしいな。
 まあそういうことはどうでもいい。
 相手の人も大物っぽい感じです。バッチつけてんな。政治家か。「花岡がよろしくと」と
言っていることからして秘書か何かですかね。
 梅林が有罪になると何かやばいらしい。何でだ。

 廊下を歩いていた蒲生、鍋島と出会います。なんだ知り合いなのかぁ。あ、検事して
たんだもんね。知り合いで当たり前か。

 証人喚問で、目撃者が呼ばれました。一部始終を見ており、救急車を呼んだ人です。
 ここで蒲生、ライトを持ち出してきて検証するのですよ。
 はたして目撃者が見たという犯人の髪の毛の色は、確かに梅林の色だったのか、
というもの。
 現場のものと同じライトがともされ、そこにあるウィッグを見て彼女は「被告と同じ色」と
証言しますが、なんとウィッグの色は青。
 それを持って蒲生は証言の信ぴょう性を否定します。
 あーこれねー、わかりますわ。舞台なんかでもそうなんですが、ライトの当たり具合によって
色が飛んじゃうんですよ。だから青系統使う時は気をつけないといけない。白っぽく見えます
から。
 ただ私はこの検証自体、問題があると言わざるを得ません。
 現場のライトは少なくとも3、4本はついていた。
 今回検証に使われたのはたった1本のライト。これでは色を見分けろと言う方が無理です。
現場と同じにする、というのであれば、本当に現場へ行き、様々なウィッグをかぶって撮影し、
それを目撃者に見分けさせるということをしなければフェアではありません。
 これは目撃者の証言を「信憑性がない」と否定するだけの材料には当たらないと思います。
なんでこれを指摘しないのか、久利生よ。

 そんで梅林は、自分はやっていないといい、その時間はバイト先の赤坂にいたと言います。
ビルの警備のバイトをしていたのでそこにいたと。アルバイトを抜け出すようなことはしなかった、
ということですね。
 しかも自白は強要されたものだとかいうわけですよ。イライラしてましたからねぇ、芝山。

 連続放火犯を担当している江上はうんざりした顔。
 この放火犯、話をきちんと聞いてもらえるのが嬉しくて、少し自白しては「続きはまた明日。
勾留延長手続きして下さい」…ってアホか!読み聞かせ絵本じゃないんやぞ!

 一方久利生。雨宮がつけていた香水を、香水販売コーナーで探しあてて有頂天。
 で、やっと周囲の女性客が自分を見てるのに気が付き、冷静な顔でそれ戻して立ち去って
いきました。何やってんだよおまえはよ。
 ていうかこの香水のエピソードもちょっと助長すぎ。

 まあそんなことがあり現場にまたきた彼ですが。
 縁石の傷に気がつくのです。
 梅林の車は大きなバンだったから、この道を切り返して逃げるにも、一度ではターン
できなかったはずだと。それを無理にUターンして逃げた可能性がある、それがこの
傷だと。これを車の傷と照合すればわかるわけです。
 ところが奴はもう車を処分してしまっていましたから、彼が引き取らせたという工場に
やってきて探すことになるわけですよ。
 その工場にて、こちらを見張っている男がいることに気付いた久利生。
 声のかけ方もいいんですな。
 携帯でどっかに話してるから、「テレフォン使ったから残るライフラインはあと2つ!」とか
言ってんの。テレビ好きな久利生らしい言い方ですね。
 んで連れて行かれたのは検察の特捜。つまり、政治家の汚職を暴くとこです。冒頭の
花岡の事件に絡んでのことですな。
 そこで黛という検事が出てきます。
 ここでようやく、この事件のからくりが明らかになります。

 花岡が工事に絡むワイロ1億円を受け取ったとして捜査していたのだけれども、その時刻に
彼は、赤坂の歯医者にいたと証言。表はしまっていたので裏から入った。その時に警備員が
花岡を見たと証言している。だからワイロは受け取っていない、ということでした。
 そしてその警備員が梅林だったわけです。
 花岡らにとっては、彼が無罪になってくれないと、自分達のアリバイが成立せず、ワイロを
受け取ったとして改めて捜査されてしまう。
 ところが花岡秘書の失敗は、話を聞きに行ったとき、その夜の警備員が梅林だったということを
聞きろくに確かめもせずに金を渡して証言を頼んだこと。そして堂々とアリバイを発表した。が、その
直後に梅林が逮捕されてしまい大変なことになったのを知った。
 そういうわけで、蒲生弁護士をつけて無罪を主張してきたわけなのですな。何しろ傷害致死を
もみ消すことはもうできないのだから。
 なんつか…。いや、どちらかというと踊る大捜査線よりは古畑任三郎的なストーリーだなぁと。

 黛は久利生に対して、花岡には借りがあるだろうって言うんですね。山口のあの事件がどうとか、
と。別に彼はそう思ってないんじゃないですかね。
 ともあれ、そゆことで何としても有罪の証拠を見つけないといけません。
 で、全員で車探しと。
 …あの、仕事は…?

 指を怪我した雨宮のために、ばんそうこうをもらいにいった久利生ですが、そこの社長が
電話で「ここで処分したことになってるのに、ばれたらどうすんの」みたいな電話してるの
聞いちゃうんですね。
 気づいた社長、時が止まってて笑えるわー。
 これであのCMとかメイキングでやってたシーンですよ。
 追いかけてって全員で捕まえるっての。
 遠藤が捕まえようと向かっていくシーン、ムダにBGMかっこよくて笑える。

 で、捕まえて話を聞いてみれば、前からこの工場、車を外国に不正輸出してたと。
そういうわけで舞台はいざ、韓国へ。
 鍋島さんが話を通しておいてくれるそうですが…。
 うーん…。
 韓国の、車を買ったという男のとこに行くんですね。
 したら韓国の警察に囲まれた。向こうはD.P.Oって訳すのか。
 どうもこの車を買った男は、麻薬密売をしており、それに車を使おうと買ったけれども、
派手で目立つので使えなかったらしい。
 この時に雨宮のバックに男何か投げ入れてました。

 一方日本では。
 誰がリークしたのか、この事件が花岡の事件に大きくかかわっていることが報道されて
しまいます。そのため検察には電話が鳴り響き。
 離婚協議中の芝山も娘に電話。が、「うざい」で切られてました。いやーここ笑うとこですよ…。

 さて。韓国検察、カン検事の事務官、キムさんが通訳として力を貸してくれるのですが、
彼らはなぜこの日本から来た二人が熱心に探すのか理解できない様子。ってかエンピツ
回しそんなに練習しなくていいから。
 しかもカンに毎晩電話で愚痴ってるー。なんかちょっとかわいい。
 そんで日時が経過するうち、彼はすっかり鉛筆回しをマスターし、久利生らも通訳を
通さなくても覚えた韓国語で聞き込みができるようになりました。けれども車の行方は
わからず。
 そんな間にキムは、二人の熱意を見直すんですね。そろそろ戻ってこい、というカン
からの電話に「もう少しがんばります。それに彼らには通訳が必要だから」と言うの
ですよ。
 悪い人じゃないんだろうな、キム。

 メシ屋で久利生と雨宮、食事をしようと料理が運ばれてくるの待ってるのですが。
 雨宮がトイレにいった隙に久利生、彼女が持ってたノートを読んでます。韓国語で
言いそうな表現がいっぱい書いてあるのですね。
 その中に、久利生のことに関しても書かれたものがありました。
 この検事はかわりものです、とか。
 でも私は大変優秀な検事だと思います、とか。
 どんな小さな事件にも真剣に取り組む検事です、とか。
 そして、「彼は決してあきらめない人です」とか。

 一方雨宮。変な男たちに囲まれてさらわれました。それに気付いた久利生は店を
飛び出します。
 …ってあれ?このシーン?このシーンなの!?こんなところで山場なの!?
 しかもあっさり逃走する車の前に警察車両が立ちふさがって雨宮さん救出された。
 助けにきたのはキムとカン。
 こうして、車の行方もあっさり判明しました。
 車を引き揚げている後でカンが雨宮にお礼を言っています。キムが、あなたのおかげで
事務官らしくなったと。
 で。
 久利生にも「彼女を絶対に離すなよ」って言ってるけど。ウンって言ったあと雨宮に
「なんていったの?」とか聞いてるし。
 まあいいけどさぁ…。

 さて帰国して裁判です。どんだけ月日経過したのよここまでに。
 いいんだけど、その証拠もまた蒲生によって、「別の車によってつけられた可能性も
ある」と否定されました。
 なかなか手ごわいな。
 まあこの手法は間違ってない。
 法廷でも判決が出るまでは被告人は「推定無罪」として扱われ、あくまでも有罪の
立証責任は検察側にある。
 まさに「動かぬ証拠」を持ってこないとダメなんですな。

 というわけで今回も決定打にならず、裁判終了。
 外に出たフィアンセのめぐみさんがマスコミによって転ばされたのを目撃し、雨宮が
体当たりしてる。こゆのは好きだなぁ。
 一方久利生は蒲生とバッタリ。
 蒲生は自分が検事をやめた理由話したりとか、手ごわいですよ花岡先生はとか牽制
するのですが。
 久利生はどこ吹く風ですな。
 だって彼は花岡を見て裁判をしているわけではないのだから。

 めぐみさんの話から、雨宮は久利生が結構彼女のところに来ていることを知ります。
 ってか来るのはいいけど、来るたび通販商品を置いてくのはやめろ、久利生。彼女の
部屋が変な通販商品で埋まっていくじゃないか。
 
 一方久利生は、滝田のもとを訪れています。山口の事件の彼ですね。
 入院してるなーと思ったら、どうやらガンで先が長くないらしい。
 しっかしメイクうまいなぁ。本当にやつれているように見えます。

 戻って来た久利生は、通販のグッズに乗っかりながら調書読んでます。
 雨宮は「また読んで」と言ってるけど、調書何度も読み返すのは鉄則でしょ。
 ここで、「久利生さんならこの事件起訴しましたか」とか言ってるけど。
 いや起訴するでしょ普通。
 彼は「芝山さんが確信もって起訴したんだろ」と言ってます。
 それをたまたま芝山が聞いてました。

 しばらくして。
 黛検事が来ました。
 業を煮やした特捜が、この事件を引き受けるから資料全部よこせと。
 芝山がここで、久利生らをかばうのですよ。
 まあそれに、特捜にはこういう裁判での駆け引きは無理でしょう。
 無罪になっちゃいそうだよ。
 黛が「これは汚職事件だろ」と言うのに対して久利生、言います。
「これは傷害致死です。政治家を逮捕するために裁判してるわけじゃない」
 黛も負けてません。
「巨悪だぞ」とか言うのですが。
 久利生、「巨悪じゃないですか。人殺して逃げたんですよ」
 事件に大きい小さいもない、といった青島刑事思い出しますねー。

 そゆわけで黛は帰って行ったのですが、芝山が加わって3人、調書を徹夜で調べるも
何も出ず。
 ここで、取り調べしてる放火事件がどうのって話になって、久利生が思い出します。
「誰か火事のこと言ってなかった?」
 あの目撃者だよ!

 つーわけでこっから、事件現場の写真に写ってないか探す作業になるのですよ。
 いいとこ切り口見つけたなー。
 つまり、事件の前後に、この道を通った梅林が、火事を見ていて写真に写っている
可能性があるのではないか、と。
 ここで末次が急いで写真持ってきました。ナイス。
 しかも結局、みんな気になって仕方がないから手伝ってくれるあたりが面白い。
 遠藤、ウォーリーを探せを完全制覇したらしいです(笑)。

 ちなみに江上は意地張って「手伝やーいいんだろー」とかナナメ上から言いますが、
皆に無視されて「…手伝わせて下さい!」ここは笑える。

 黛。見張りをしていた部下と話をしているんですが、部下が「無理ですよ、あいつらには」
とか言ってるのを受けて「お前は嫌いだろうなぁ」って言ってる。
 多分黛も久利生とまではいかなくても似たような人種なのかな。
 そんでまたしばらくして、黛がやってきました。
 通販のグッズを珍しそうに見てるのが面白い。
 で、資料渡して帰って行きました。みんなが笑顔で見守っているということは、何となく
分かり合えたものがあるんでしょうな。

 久利生は、赤坂のビルにきてました。
 あの、花岡がアリバイを主張した歯科医の入ってるビルですな。
 ここ、夜9時になると4つある駐車場のうち、3つが入っている企業の車によってふさがる
わけです。まあ深夜はどこも営業してないわけですから、とめてても別に文句は出ないと。
 んー…なんとなーくここ、重要なシーンのような気がする。

 またまた裁判。
 久利生はついに、花岡を呼ぶことにします。
 なぜなら、彼もまた、梅林のアリバイを証言できる人間だから。
 
 また滝田さんに会いにいってます、久利生。
 滝田さんは自分の死期を悟っているようで、遺灰は海にまいて下さい、とあの町の
人に伝えてくれというのですね。
 お会いできるのもこれが最後になるでしょう、と。
 面会時間の終了が迫ってると告げた看守さんも、黙って待っててくれるのがやさしい
というかなんというか。
 滝田は「あなたには大切な人がいますか」と聞くのですが、久利生、ちゃんと「はい」って
言うんですね。
 つーか一度くらい連れてきてやれよ…。
 まあいいんだけどさぁ。

 結局、放火現場の写真からは手がかりは得られなかったのですが。
 雨宮、ひらめきます。
 写真を取っていた人は他にもいる、と。つまり野次馬の携帯に何か写ってないか
探すわけですな。気の遠くなる作業だ…。

 検察に、蒲生がやってきて久利生と話すシーンがあるんですが。
 ここの会話では、蒲生が決して名誉欲だとか金のためにこの裁判を引き受けたのでは
ない、ということがわかります。
 というか彼もまた、冤罪を生みたくないという気持ちに立って弁護をやっているようですね。
 久利生の「遺族の悲しみ、罪の重さを被告にわからせるためにやっている」という言葉に
納得して帰って行きました。
 その後蒲生は鍋島と会って話をしてます。
「もし俺が検察に残っていたらどうなっていたかな」
「僕が知っている蒲生なら、いい仕事してただろうな」
 もし蒲生が残っていて久利生の立場でこの事件を担当するようなことがあったとしても、
多分同じように徹底的に調べたのではないでしょうか。

 さて。
 いよいよ花岡が登場する裁判の日です。
 牛丸ぶちょは、「いつもどおりやってこい。もしダメだったら海の奇麗なところに飛ばしてやる」と。
こういうこと言える上司っていいですねー。いや、飛ばすとかじゃなくて。
 久利生は「じゃ、四国あたりで」。四国には鬼がいるんだぜー!(誰が長宗我部元親の話をしている)
 手をバチンと打ち合わせたところでかかるBGMカッチョエー。

 で。
 花岡登場はいいんですけど。
 あれ?これ森田一義アワー?
 っていうか迎え方おかしいだろ!
 どう考えてもあの位置からだと「ハウドユドゥー」とか歌いながら降りてくる位置だろ!
 なんでそんなとこから証人登場してんだ。

 んでまあやりとり開始となるわけですが。
 聞き込みをしている雨宮側は何も手がかりなし。
 が。
 江上が思い出したのです。
 あと一人、携帯で撮影していた人間がいることに。
 あわてて戻って来た一同。
 そう、ずっと取り調べていたあの放火犯の携帯をまだ調べていなかったのです。

 花岡が梅林のアリバイを証言し、梅林は確かに花岡を見たと証言する、奇妙な裁判。
 その中で久利生は平然と、「自分の車でいったわけですか」と聞きます。
 花岡は肯定するわけですな。
 ところが。
 あの日梅林がバイトに来ていて車を入れていた。あとの3つはビルの企業の車で
埋まっている。
 とすれば花岡はどこに車を止めたのか?
 でも花岡、ひるむ様子もなく「あいていたところにとめた」と。
 久利生、「あなたがバイトを見ていなかったか、バイトがあなたを見ていなかったか、
それとも双方がそこにいなかったか」と言うのですがねぇ…。
 彼は淡々と事件の概要を説明し始めます。
 里山さんは指輪を受け取ってめぐみさんへ届けに行くところだったこと、救急車の中でも、
病院での手術中でも心臓が止まったことなどなど。
 そして病院へ駆けつけためぐみさんに、鞄から落ちた指輪を警察官が渡してくれた。
 これが、あなたがつまらないという事件の内容です、と。
 自分の利益のために事実を曲げ、犯人をかばう人間がいるとしたら、俺は絶対許さない、と。
これは里山さんという人の命の重さを知る裁判です、と。

 新聞ではたった数行で報じられる事件も、当事者達にはとても大きなことで。
 まさに久利生が言う通りなのですが、私たちは巻き込まれてみなければわからない。
 犯罪とは無縁な人生でありたいものですね。
 ただ、「インベージョン」でも言われてたけれども。
 「この世の中からもしも戦争、係争が消えたとしたら、人間は人間でなくなるかも知れない」
 人間が禁断の実を口にし、神しか持つことのできなかった「知性」を持ってからそれは、
避けられないことなのかも知れません。

 さて。
 にっちもさっちもいかなくなったところで雨宮ら登場。新たな証拠を見つけたと。 
 かざした携帯には見事、車から身を乗り出して火事を眺める梅林の姿が。
 蒲生は雨宮らが「野次馬835人に確認しました」と言うことを聞き、証拠として採用する
ことを認めます。
 それが蒲生の目指す本当の意味での「冤罪を防ぐ」というポリシーにのっとった判断
だったんでしょうね。
 脅しをかける花岡に蒲生は「私は梅林の弁護人だ」と言うのです。
 裁判官も花岡に「あなたが偽証したということになれば、刑事訴追をうけることになります」
と言います。
 そうして花岡やマスコミは帰って行きました。
 あ、裁判の傍聴って途中で抜けていいんでしたよね。まあこんなあからさまなのは困るけど。

 そうして静かになりましたね、と裁判官は続きを求めるのですが。
 蒲生負けてはいません。
「被告人が現場近くにいたという証拠にはなるが、犯行現場にいた証拠にはならない」と。

 一方、特捜部。
 花岡逮捕に成功しました。
 滝田は泉谷と話をしています。
「久利生さんは花岡なんて眼中になかった。あの人はただ真実を知りたかっただけだ。私の
ときのように」
 そして「私には絶対なれないですね」といった泉谷に対しても「あなたはもう入口に立っている」と。
 いいとこ持っていきますね。

 結局梅林は8年の実刑。
 …あれ?そんで結局その場にいたという立証は?まああれだけでも十分証拠しめした
ことにはなるけどさ、決定打をばばーんと出すんではないの?もう判決?
 そんでまあ外に出たら蒲生さんがいて、ニッコリ笑って「量刑不当で控訴する」と。
 久利生も受けて立つみたいです。
 
 まあ最終的には大団円となりまして。
 バーでチョングッチョンだっけ?久利生が韓国で食べ損ねた料理を「あるよ」と言われて
頼むことになって。
 韓国の話になって、あの時カンは何を言っていたのかという話になって。
 マスターが、目の前のテレビでやってる、翻訳機を出してきて翻訳するんですね。
「彼女を離してはいけません」とそこに表示されてるわけで。
 ここで久利生、なんとスペイン語で言葉を返す。当然雨宮にはわからない。
 ここでまたマスター大活躍。
 翻訳機をとって今久利生が言った言葉を吹き込み、雨宮の前におきます。
「Promesa. No me separare.」
 "約束します。離しません"




 ひとつ聞いていいですか?
 結局、雨宮のバックに麻薬密売人が放り込んだUSBメモリはどうなったのですか?

 さて。
 面白いことは面白いけど、やっぱり全体的に、盛り上げる山を間違えてると思う。最後は
尻つぼみだし。大逆転!って感じがなかったですからねー。もともとHERO自体がそういう
ものなんでしょうけども、やはりスカッとさせて終わってほしかったです。
 二人の仲は決着ついたからいいけど、裁判は消化不良気味でした。
 失礼だけどやっぱりこの映画は「踊る大捜査線」にはなれない。
 キムタクがキムタクのイメージを壊せない限り難しいんじゃないかなぁ…。
 どうしても話に入り込む、てな感じはなかったですね。
 韓国のロケは本当にチョイってな感じだったのでがっかり。どうせなら、法廷で
絶体絶命に陥った久利生のとこへ、カンがキムを従えて入ってくる、みたいな展開が
欲しかったなぁ。
 そういうわけで、全体評価としては惜しいのですが、いまひとつ。
 伏線をばらまくなら盛大に回収しましょう。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→HERO