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ナンバー23 |
12/2鑑賞
えーっと、ここの背景の色をまんまあの本の表紙の色にしようと思ったのですが、あまりにも
目に痛いので変えました…。(もっとどぎつい赤)
例えばさ、ラテン文字が23文字だとか、テンプル騎士団の歴代総長が23人とか
その他数字が23になる、不思議だとか言い出したらきりがないと思うのですよ。
何でもさ、こじつけようと思えばこじつけられるわけじゃないですか?だから私は
こういう、数字が一致する、運命だったんだみたいな言い方は大嫌いです。
ジョークとかエンターテイメントの一環でならいいですけどね。テレビでやってたけど、
「おわだまさこ」さんと「かわしまきこ」さんを並べて一文字ずつ上下に読んでいくと
お互いの名前になるとかいうの。
おわだまさこ
かわしまきこ
こういう文字遊びは嫌いじゃないですけどね。
で。
マヤ一族が信じていた地球の滅亡日が出てたけど。
ちょっと見逃したけどあれ確か2012/12/22ですよね。…どこらへんに23?
年号の20と12を足して32で反対から見ると23?ぶっとばすぞ。
こういうのがアレなんですよね。
時には年数を4ケタ全部足してみたり、2ケタと2ケタに分けて足して逆から見たりと。
そんなことすれば何でもアリじゃんとか思うから。
ともあれ、23にまつわる映画、始まり始まり。
あ、ちなみにアステカ人だと滅亡は2012/12/23らしいですよ。
この主人公、ウォルター・スパロウは動物管理局で働いているのですが、ある時
終業1分前に受けた仕事から運命が狂います。
1分前とか文句言ってるけど、「定時で仕事が終わると思うなよ」とか言われる日本より
マシだと思います。
ともあれ、犬がゴミをあさっているというお店からの苦情で捕まえにいったものの、犬には
噛みつかれて逃げられ、そのせいで仕事の終了が遅れた。で、奥さんとの待ち合わせに遅刻
した。
そこから運命は始まったのです。
ちなみに犬は走って「ローラ・トーリンズ」という墓石の横に意味深に座るのですが、
この時点ではそれが何の意味があるか、誰ひとりとしてわからないでしょう。
犬の名は「NED」。アルファベットの順番(N=14、E=5、D=4)をすべて足すと23。
番地をすべて足すと23になる古書店ノベル・フェイト(599番地)に入って本を読んで待っていた
妻のアガサは、やってきたウォルターのケガを心配しつつ、「この本読んで面白かったから
あなたにプレゼントするわ」と、本好きでない人にははた迷惑なことを言って本を押し付けます。
その本の名は「ナンバー23」。私だったらナンバー1から22までを探してしまいそうな
タイトルです。
ともかく、その本がすべての始まり。
その著者名は「トップシー・クレッツ」…トップシークレットかよ。誰が大喜利をやれと…。
アガサの友人アイザックの家で自分のバースディパーティを開いてもらうという、何だか
納得いかないようなパーティを終えて帰って来た二人。
ウォルターは自分が先に入って、うっかり息子が恋人とイチャイチャしてるのを発見。
あわててドアを閉めてアガサには「もうちょっと外でいちゃいちゃしようよ」とかもちかけて、
息子が恋人を逃がす時間を作ってやるんですな。なんかこのあたりは「男どおしのお約束
だね、とうちゃん」「そうだな、しんのすけ!」という感じで微笑ましかったです。
本に登場する主人公の名は「フィガリング」。もちろんこの名前も本名ではありません。
彼の物語にウォルターはすっかり夢中。
フィンガリングは子供のころ街を出たがっていました。そうして探偵になりたかったのです。
理由は、となりの家の未亡人が誰かに殺されていて、犬が入り込んだのでそれを追いかけて
入ったらそれをフィンガリングが見つけたから。
警察は自殺と断定したけれど彼はそれを信じず、そうして興味を持って探偵になったっぽい。
向こうは確かに探偵といや捜査権持ちますからな。
そうしてフィンガリングは、ファブリツィアという女性と出会います。
お前らそろいもそろってややこしい名前しやがって。
で。
ウォルターはこれが自分の子供のころにそっくりだと言います。
お前は本を読んでいていきなり自分のことを指摘されたバスチアンか。(by果てしない物語)
勢い込んでアガサに「これ見てよ!すごいよ」みたいな報告しますが、アガサは一蹴。
まあ普通そうだわな…。
このあたりでの、主人公が見せるのめりこみぶりというか、なんかそれが怖いです。
クレイジーな感じがする。
しかもナイフを持った人間の幻覚とか見始めてるし…。
本の中は第5章に進みまして、フィンガリングは自殺願望のブロンド美人と出会います。
死のうとしているところを説得して、話を聞くのですが。
彼女は23という数字に取りつかれていたことがわかります。
簡単にいやあれですよ、目につくもの何でもが23という数字に関連あるものに見えて、
自分の名前だとかなんか環境も強引に計算して23という数字を導き出してしまう。
赤と白をピンクで割ったら23とかわっかんねーよ!
お前はあれか、赤と白の絵の具を混ぜてピンクになったら「23!なんてこと!」と
驚いてんのか。
パフィの「白のパンダをどれでも全部並べて」という歌詞くらいわっかんねーよ。
ちなみにこのブロンド、フィンガリングが外に出たら飛び降りして死にました。
…だから自殺したがってんだからうかつに目を離しなさんなよ…。
ここの飛び降りるシーンはどう撮影したんか知らんが妙にリアルで生々しいです。
ブロンドの部屋の壁紙をはがしてみれば、膨大な計算式のあとが。
そうして今度はフィンガリングが23の呪いにはまっていってしまったのでした。
よくあるパターンだ。
一方ウォルターは古書店で記録を調べてもらいます。すると、あとにも先にもこの
著者では1冊きり、しかも自費出版であることがわかるのです。
ちなみにウォルターも23にはまりつつありました。
そこらへんで適当に目をやったとこすべてに23がまとわりついているという。
この、「自分に奇妙な偶然がついてまわる」という件において、たとえば23という
数字がまとわりつく、というのはハッキリ言って錯覚です。
23にとらわれるあまり、自分から23を見つけに行っているだけです。その辺脳は
優秀ですから、目からの情報で23にかかわるものだけ処理するようになって
しまいます。だからこういう状態にある人に、23以外の数字を突き付けてもまったく
目に入らないか「それは自分には関係ない」と否定します。
こうなると宗教で言う洗脳一歩手前なので用心が必要です。
例えば乗り物などで自分の座る席がナンバー24だった場合、いかなる手段を
講じてでも23を手に入れようとしますし、ホテルなどでも必ず23に関連付けされた
部屋を取ろうとします。自ら数字にとらわれていながらそれに気づかずに「自分の
人生にはすべて23が関連している。23にとらわれている」と思い始めます。
そうして、23に関連した状況で死も訪れると考え、ブロンドのように自殺してしまったり
するわけです。
怖いですねぇー。
ウォルターのはまりっぷりにウンザリしたアガサ。マナー違反だと知りつつも、この本の
結末をばらしてしまいます。
彼は人殺しである、と。
ウォルターはそんな人間ではないので、「あなたの人生をなぞった本ではない」と
言うわけです。
ちなみに彼らの息子、ロビンもはまりだしてました。
始末に負えない…。(壊れたビルの下敷きになったXを見るアイの心境で)
ウォルターが腕にまで計算式を描いていて、しかもそこに「アガサを殺せ」と書いてある
のを発見、さすがにアガサの顔色も変りましたですよ。ただこの奥さん、アイザックに
相談に行ってしまうんですな。
これじゃあウォルターが浮気を疑っても仕方がないと思う。普通こういうのは同性の
友達に相談しませんか。
誤解されるような状況を作るアガサもどうだなと思う。「アイザックとは友達よ」なんて
言い訳ほどむなしく響くものはないですからね。
さてさて。
そんなことは知らずアイザックに会いに行ったウォルター。
アイザックは、23という数字は推理ゲームにピッタリだというんですね。
とどのつまり、気のせいだといいたかったらしいですが。
ただ、「23という数字も君が探すから見つかるだけ」と、観客が言いたかったことを見事に
突っ込んでくれたのはよかったです。
そうして最後にアイザックはウォルターに言いました。
「もし最後まで読んでそれでも君が自分のことだ、と思うなら作者は君のことをよく知る
人物だよ」と。なるほど。
本でフィンガリングもまた23の呪いに取りつかれたことを知り驚くウォルター。
つーかさ!彼女の靴の数が23だったからとか言って捨てんなよ!
そこは男らしく新しい靴を買ってプレゼントして決めるところだろうがよ!
つーかそれでウォルターもアイザックのネクタイの色が気になるとかもうおかしいと
しか思えん…。
で、アガサがやってるケーキ店に行くとしまっていて、奥でアガサとアイザックが話して
いるのを見てショックを受けるウォルター。
その夜ウォルターはアガサを殺す夢を見てパニックになり、頭を冷やすと書き置きして
車で出ていきました。
頭冷やすっていうかもう、とりつかれまくってるような気がする。
キングエドワードホテルというとこに部屋をとって、27号室をすすめられます。
ところが23号室があるのを見て、強引にそことるんですな。
ほーら始まった。自ら23を招いてるだけじゃん。
22章では、ファブリツィアが殺されていて、訪ねてきた浮気相手のマイルズが
ナイフを拾い上げ、それで殺害したという疑いをかけられて警察に連行されるの
ですな。
それを見ていたフィンガリングは逃げるように立ち去りました。つまり彼は、彼女の
殺害の罪をマイルズにひっかぶせて逃げたわけです。
翌朝。
ウォルターはネッドが外にいるのを見つけ、追いかけます。てか今更追いかけて
何になるのかという気持ちがないでもないのですが。
で、麻酔をあててやれやれと近づいてみると、教会の神父さんがやってきて、この
犬は庭師の犬だという。ウォルターのしたこと無意味じゃん!
そんでたまたまネッドが座り込んでいた墓石に気づいて、その墓石の人間、ローラが
23歳で死んでいることから興味本位で尋ねるわけです。
すると、ここには遺体はなく、墓石だけだという。
ベッドが血まみれで発見されローラと恋人関係にあったカイル・フリンチという人が
逮捕されたと聞かされます。
ここでウォルターははたと気づくわけです。
本にあったことと一致していると。
これで23の呪いは解けた、この本は秘密の告白だったんだ、と喜んでウォルターは
フリンチに会いに行くわけです。行動はぇぇな。
ってか普通に話進んでるけど、ウォルター、仕事はどうした。
フリンチは、彼女を殺していないしそんな本も書いていない、23にも興味はないと
言い放ちます。ウォルターが23の一致を持ち出してもまったく反応せず。
そして去り際「私ならこんな、トップシー・クレッツなんてバカな名前は使わない」と
言いました。
解けるかと思われたウォルターの謎はまたまた振り出しに戻ってしまったわけです。
ところがそこにまた新たな救いが。
ロビンが本を全部読んでいて、貼りついたページに私書箱が書かれているのを発見
したのです。
で。
彼らが何をしたかというと。
ここはなんつーかエスプリが効いていて面白いというか。
その私書箱宛てに彼らは同じ荷物を23個送りつけたのです。ってか箱が梱包材だけの
わりに、無意味にでけーな!もうちょっと小さくしてやれよ!それが23個ってもはや
嫌がらせの領域だよ!
荷物を送った彼らは私書箱をやっている会社の前で待ち伏せ。
するとそこに老人が一人やってきました。
彼こそこの本にかかわる人間だと確信した彼らは中に入り話しかけます。
ところがどっこい、「お前のせいだ」とかいって老人はいきなり逆切れ。
襲いかかってきてしまいにゃ自分の喉を切って自殺。
おいおいおい、お前の方が意味わかんねーよ。
そゆわけでアガサはこの老人を病院に運ぶ手はずをし、ウォルターはロビンを連れて
いったん帰宅。なしてアガサがこんな行動をとったのかわからんですが、まあ混乱しとる
ウォルターを残すよりはいいと思ったのかも。
そうしてアガサは老人から、「施設に行けばわかる」という言葉を聞きます。身分証明書を
抜き出すと、家に電話をかけてから、そこの施設に足を運ぶんですな。
施設は精神科療養施設で、今は使われていないっぽくさびれていました。
…でも街灯はついてんのね。
あと、そこに行くなら懐中電灯くらい持っていけばいいのに、アガサ。名前の割には
なんか行き当たりばったりな行動多いな。
一方でウォルター。
…まだやってる…。
本の、23ページごとに23番目の単語を抜き出すという、もう強引としか思えないやり方を
始めるのですが。
なんとこれが大当たり。暗号マニアなら喜びそうな展開ですな。
カサノヴァ公園へ行けみたいな暗号を発見して大慌てで出ていきます。
で、23番目の階段を掘り起こすと。いいのかそんなことして…。
ところが掘り起こしてみれば、出てきたのは頭がい骨。あわててウォルターは警察に
電話。
しかしそれを見ていた者がありました…。
警察とともに戻ってみれば骨なんてなく。警察に叱られます。
そこへ駆けつけてきたのがアガサ。
またアイザックの車に乗って来たのが気に入らないウォルター。
帰り道彼は、アガサの手が不自然に土で汚れていることに気が付きました。
そんでですな。
帰宅してウォルター、逆上してアガサを問い詰めます。
アガサがこの本を出版したんだろうと。アイザックと組んでやったんだろ、と。
しかしアガサは驚愕の事実を告げます。
この本を出したのはウォルター、あなただ、と。
これにはピックリー。
というわけで一同、あのさびれた施設にいって確認するわけです。
そこの地下にはなんと箱に納められたサックスだとかアンクレットだとか雑誌、原稿が
あり。
その原稿のトップシークレッツという名をはがすと…出てきたのは彼の名前でした。
ちなみにあの頭蓋骨を隠したのはアガサ。真実を隠すために。
混乱して彼はホテルに走って行って壁紙をはがすと、そこに23章が現れたんですな。
ここからは結構ややこしいです。何が何だかって感じなんですが。
まず、ウォルターの父親は母の死に耐えきれず自殺した。この時に23がどうたらとまた
出てくるのですが。それはそれでしばらく忘れていたけれども、大学の授業でひょんな
ことから23が出てきてウォルターは妄想に付きまとわれてしまう。
一方でウォルターはそのころローラと付き合っていた。
つきあっていたけれども、なんか23の妄想にとりつかれるうちに、彼女のメモから
「彼女を殺せ」というメッセージを拾い上げてパニックになる。ここらあたりは強引な彼の
こじつけでしかなかったわけです。彼女は別にそんなつもりで書いていたわけじゃないの
ですから。
そうしてもみ合ううちに本当に彼はローラを殺してしまい、あの公園の階段の下に埋めた。
それをたまたまネッドが見てたんですね。
そのまま彼はホテルにこもり、いわば遺書のつもりであの本の原稿を書き始めた。22章
(正確には23章)を書き終わって飛び降り自殺を図ったけれども生き残り、ただし脳に障害を
抱えてリハビリ生活に。この時に記憶が失われてしまったわけです。
そうして体も元通りになり、退院したその出入り口でアガサとぶつかり出会ったらしい。
あの原稿はどうなったかというと、目にした医師が23にとりつかれて、出版してしまった
らしい。その医師があの、私書箱に荷物取りに来て死んだおっさんです。
…つーことは出版して手にした人の中に同じように23にとりつかれた人いんじゃないの…?
ともあれ、そういうわけでした。
この後自暴自棄になったウォルターが「ぼくはしにましぇん!」とナンバー23のバスに立ち
ふさがったり、それをロビンの声が救ったりといろいろありましたが、最後までアイザックが
出てくるのはどうかと思う。
自首したウォルターは逮捕されましたが、それでも状況を考慮され23ヶ月の刑期で済む
らしいです。
でも…最後まで23に取りつかれてそうな気もしますけどね、ウォルター。
予告で、予言がどうの、数字の一致がどうのとか言ってるから、てっきり「ダ・ヴィンチコード」
みたいな、歴史の謎を解いていくものかと思ったらまったく違いました。
あと「あなたは絶対だまされる」ってフレーズ出てたけど。…いや、別に興味ないですって
感じだったなぁ。だまされるだまされない以前の問題だ(笑)。
こういう映画ですんで、まー…気が向いたらでいいんじゃないですか。
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