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椿 三十郎 |
12/24鑑賞
うーん…総合的には評価ややこしいですな。話はイマイチ。演技はまあまあ、殺陣は要経験、
てなとこでしょうか。話はまったくイマイチってほどじゃないのですが、まあいろいろあって。
失礼ながら微妙な仕上がりでござんした。
まあそれについてはおいおい述べることといたしましょう。
映画のCMでまだLたんのはやらないのかな…。流れなくてちょっと残念。ただ、CM見てて
思ったけど、やはし日本映画ってちと古臭いなと。
上映映画の内容に合わせてCMも選別されるからわかんないですけどね。ブリーチとかだと
別のCM流れてるかも知んないし。こっちの映画館のブリーチ見てみないといけないなぁ。
どんなCM流れてんのか。
さてさてこの椿三十郎。もとは「用心棒」という作品の続編的意味合いがあるようです。
つーても見てないと意味がないというわけでなく、名乗る名が違うので、見てニヤリとする
程度みたいですが。
用心棒では桑畑三十郎と名乗り、今回では椿三十郎と名乗るみたいです。
ううーんなんか見たくなってきた。用心棒。
アマゾンで、用心棒と椿三十郎をセットで買ってみようかどうしようか、みたいな。
ともあれ話はとある森の中から。
大勢の侍がゾロゾロと走ってます。
真ん中あたりで茂みを突っ切ってくる人たちがしんどそうだから何とかしてあげたら
いいと思います。
さて彼らはどこへ行こうとしているのか。
それはいずれわかります。
その一方で。
森の中のお堂が映ります。なんかツンツン頭の目つきの悪い、一見小学生みたいな某死神
隊長が潜んでいそうなとこだな。
そこに集まって話をする侍が9人。お前らは野球でも始めるつもりか。
その中心となっている、伊織という名の侍(これが松山のケンちゃん)が報告することには、
藩の汚職を暴こうと、おじである城代家老の睦田へ意見書を持ってったところ、「汚職の
本人は俺かも知れんぞ、それに一番悪い奴はとんでもないところにいる。危ない危ない」と
ビリッビリに意見書破られたとのこと。
そんでもって腹立った伊織はその話を大目付の菊井んとこへ持ってったならば、こっちは
二つ返事で「よしきた、ワシがなんとかしよう」とひきうけて下さったと。
そゆ報告をして一同わーっと盛り上がってるわけですよ。
したらばばーんといきなり主役登場。
おいおいおい、なんか予想もしなかったところで登場ってか、話は聞いたってお前は
太陽にほえろの山さんか!(ネタが古すぎてもはや誰もわかんねーよ)
ともあれ、びびる武士たちをよそに三十郎は、話は聞いた、岡目八目といってな、第三者の
立場で聞いてる方がわかりやすいと、城代家老の言い分はもっともであり、大目付こそが
くさいと説いてみせるわけですね。
その心は、城代家老は周囲に(問題が起きても動かない)バカだと思われていることを
気にしてない。ところが大目付は物事をおさめる立場なのに、この侍たちの行動を焚きつける
ようなことをしている。だから危ねぇ危ねぇと。
ちなみに城代家老ってのは大名が留守の間城の管理を預かる立場の人。大目付ってのぁ
今の職でいや公安みたいなもんですかね。だから確かに不正を暴こうとする彼らの手助けを
するにしても、こっそりやろうとするはずで、ハデにやれみたいな言い方はおかしいわけで。
伊織をはじめとする侍たち、納得するわけです。
このあたりの侍たちのコロコロ変わる表情はなかなかに見ものなのでよくよく見ると
面白いと思います。
ただ、納得はするけども信用したわけではない。
三十郎が「お前らを集めろと言ったということは一網打尽にするつもりだというのもありうる」と
聞かされて伊織、「今夜ここで落ち合うことになっている!」と言うのですが。
それを聞いたとたん三十郎の雰囲気ががらりと変わる。これはすごい。セリフなしで、立ち姿と
目線だけで雰囲気が変わる。こりゃなかなかやれるもんじゃないっスよ。
彼は戸に耳をあててみて、ここが既に囲まれていることを知ります。
で、一計を案じて自分が対処する、とやるわけです。
さーてお立会い。御用とお急ぎでない方はゆっくり聞いておいで。(いや皆御用だから。…捕り物だけに)
ともあれですね、大勢のやつらの前に三十郎出ていきまして。
俺が一人で寝てたのに何だこのやろう、みたいなことを言うんですね。
追手が堂の中を調べても誰もいやしねぇ。
で、ここで室戸半兵衛なる、リーダーらしき人が兵をひかせるんですな。一目見ただけで三十郎の
実力がわかったらしい。
士官の希望があれば大目付菊井の室戸を尋ねろと言って去っていきました。
この人なんつーか…どういうのかな、悪役っていうよりは、菊井のことをわかってて従ってる
ような気がしないでもない…というか。
んー、この時点では味方になってくれそうな気がしたんですがねぇ…。
というわけでなんとか命を救われた伊織達。三十郎に深く頭を下げます。
立ち去りかけた三十郎ですが、彼らが今後は城代家老の指示を仰ぐと言ったことに
対して「そりゃやばいんじゃないのか」ということでまあ、成り行き上彼らの手助けを
してやることになるのですね。
えー。
伊織をはじめとする9人の侍の皆さんへ。
キミらの計画の助けを三十郎がするんじゃなくて、結局三十郎が全部やってんですが。
それとここのシーン、扉にちょうつがい写ってるんだけどこの時代からあったっけ…?
まあいいけど。
ともあれ家老の屋敷へ来てみたはいいのですが。
三十郎が先でその後ろに9人がZOOのようについてます。お前らChoo Choo TRAINでも
今から歌うのか。踊るのかコラ。身を隠すのに全然間に合ってねーよ!
伊織に、池にコイがいるかどうか尋ねた後おもむろに石を投げる三十郎。機転がききます
ねぇ。
それによって出てきた見張りを見て大目付の配下が既にいること、家老に何かあったらしい
ことがわかりました。これだけでも収穫ものです。
そゆわけで、9人の侍たちのダメっぷりを見て「ダメだこいつ…何とかしないと…」と夜神月の
ように思ったかは知りませんが、三十郎はまあ行動を開始します。
とりあえず馬小屋へやってきた三十郎とゆかいな下僕どもですが、走ってくる女性を大声で
引き留めてりゃ世話ねーわ。見つかるだろアホどもォォォォ!
つかこの女性も女性というか。
伊織「おちつけ、どうした!」
こいそ「大目付のところの人たちが来まして!」
伊織「おじどのは!」
こいそ「旦那さまはお食事中だったのですが」
伊織「どうでもいい!」
…確かにどうでもいいな。
ともかく彼らは、睦田が大目付にとっ捕まってどこかへ連れていかれたことを知ります。
見張りの者たちは長屋に押し込められてしまい、こいそが出てきたのは、大目付配下のものが
酒を持ってくるようにと言われたのでそのまま逃げてきたと。
三十郎は言います。この子を早く返せと。
つまり酒をたらふく飲ませて酔いつぶしてしまおうというわけですね。逃げたことがわかって
騒がれても面倒だし。
ええい、私でもわかることなのになぜこいつらはわからんで「ひどい」とか言おうとしてんのだ。
こいそ、ガッツポーズして戻っていきました。
三十郎、あれぞ侍と褒めてたけど、確かに私も思った。
よっぽど心の強い人でないと戻って行く勇気なんてないもんね。
で。
奥方と娘を助けようとする三十郎に対して、「城代家老を先に助けだすべきだ!」と言う侍が。
いや…彼も言ってるけどさ。ならその城代家老はどこにおられますんで?
どこにいるかもわからない奴より、居場所がはっきりわかってる人質の方を先に助け出す
べきだと思いますけど。
頭に血が上りすぎ。
そんでもってまず奥方と娘をかくまう先を、黒藤という、「黒不二って誤変換したら某テニス
マンガの天才が黒い微笑みとともに後ろに立っていそうだね」みたいな名前の人の、隣の
屋敷に決めました。侍の中の一人の屋敷なのですが、灯台下暗し、まさかここにいるとは
気づくまいという三十郎の提案です。
さて決まったところで。
手勢を分けて、3人は三十郎とともに行動、6人は情報を集めてくるということで。
様子を見てる三十郎の後ろで伊織が、某ミッフィーみたいな口してて笑えるんですが。
なしてそんな口をしているのだね。
ところが三十郎が見てみれば見張りが交代したらしく、いるのは室戸でした。
こりゃやばいと思った彼に対して他の侍は「一人だ、乗りこんでいこう」とか言うわけですよ。
格が違う、格が。
というか真剣に疑問なんだけども、三十郎のようになれとは言わないが、三人の見張りと
一人の見張り、どうして三人いたのが一人で済んでいるのか、くらい考えんと。
幸いなことに、室戸は長屋の見張りが酒に酔っ払って盛り上がっているのを叱りに行き、
もともといた見張り3人が戻ってまいりましたので、これ幸いと三十郎らは行動を起こします。
というわけで楽なもんで、奥方と娘を助け出しまして。
馬小屋で話を聞けば、城代家老に汚職の疑いがかけられてしょっ引かれたと。証拠隠滅の
可能性があるため屋敷は見張られ家老は連れ去られた。
こりゃやばいですねー。
あとこの奥方と娘がとんだのんき者で。
娘は伊織といい仲みたいで、よくここにきて話をしてるみたいなことばらされ。
伊織あわてて「2人を探してくる!」と立ち去ります。
この時にNGなのか知りませんが、あけた戸に伊織の刀の鞘がぶちあたって、それを
あわてて押さえてでていく、という形になってたんですが…。まあこの方があわてぶりが
よくわかっていいかも知れませんね。
そんで。
戻ってこなかった二人を探してみれば、あの見張りの一人を頑張って自白させようと
してたとかなんとか。
ここで、三十郎が「顔見られたんだから切るしかない」とか言ってると、奥方がやんわりと
「すぐ人を斬るのは悪い癖ですよ」と言うのですね。
「あなたは抜き身みたいです。よく切れますが、本当にいい刀は鞘に入っているもの
ですよ」と。
話は違いますが居合抜きでも、刀が鞘に収まってるから威力を発揮するのであって、
抜いてしまったらもう勝てない、みたいなこと言うそうですね。
強くても身の程をわきまえていなければ意味がない、そういうことでしょうね。
というわけで切ることにもいかなくなったこの見張りを連れていくことになります。これが
後々、いーい味出してんですよー。
ところが長居し過ぎたのか騒ぎが大きくなり、あわてて全員脱出することに。三十郎、馬を
小屋から離して暴れさせることで時間稼ぎ。うまいですねぇー。
そんでまあ屋根を乗り越えられないとか奥方と娘が言うもんだから、三十郎が踏み台に
なってなんとか脱出しました。イライラするぅ〜!
黒藤の隣の屋敷にうまいこと来たはいいけれども、奥方と娘、川で足洗って遊んでる…。
いやさ、そんなことしてる場合じゃないというかさ、あのさ、今の状況をさ…。
ともかく話し合いをしまして、城代家老を無事取り戻そうと。そのあと…と言いかけた伊織らに
三十郎は「それだけで十分だ」と止めます。
それだけで十分なけん制になるからと。
確かにそうでしょうな。
というわけで奥方がやっとこさ三十郎に名前を尋ねまして。
彼は庭の椿(黒藤の庭のもの)を眺めながら言います。
「俺は椿三十郎。…ま、もうそろそろ四十郎ですが」
山田くーん!三十郎さんに座布団一枚やって。
一方黒藤の屋敷。
一人の男がものすごい勢いで外に顔出しました。
椿が鹿おどしに落ちた音を賊が忍び込んだと勘違いしたみたいです。気が小せぇな…。
この男は竹林。菊井、黒藤と組んで悪事を働いている人間らしいですが、それにしても
肝が小さいな。
つかここ茶室ですか。この狭さは。こんなとこに閉じこもって何してんだこいつら…。
城代家老に自白書を書かせようとしているらしいですがうまくいかず。
そこに室戸によって、奥方と娘が奪い返されたみたいな報せが来るわけですね。
ただ、城代家老は人質が奪い返されたなんて知りませんから、このまま、二人を人質に
とっていることにしようとか言ってるのですよ。
竹林は胃が痛い。
で。
三十郎。
握り飯食ってる。うまそうだなぁ。私おにぎりすんごい好きなんですよ。赤飯と並んで、
あればあるだけもっちゃもっちゃ食べてるので…。
ともあれ菊井のとこが怪しい、いやいや竹林が怪しいと、もう情報に惑わされすぎ。
というわけで腹も落ち着いた三十郎、伊織らに、「城代家老がいなくなったのはどういう
ことだーとふれ回ってはどうか」という提案をします。
ところがどっこい。相手には室戸がついておりますから。
さきにお触れを出してしまうわけですね。
「城代家老に汚職の疑いあり。これが言を左右にして聞かず、返ってその罪のせん滅を図った
ためこれをとらえた」みたいな。
さて動きを封じられてしまったわけですが、どうする?
ところがどっこいやはり三十郎も負けてない。
敵がこちらを「相当数いる」と思っているから、それを逆手にとればいいと。
一方悪人三人組。
こっちもこっちで、城代のいる場所を相手に知らせて乗り込ませ、そこを捕まえればいい
と提案してるわけですよ。
つまりこの三人が屋敷から駕籠で出れば当然追手がつく。
そこで都合のいい場所におびき出し、そこでひっとらえるのが一番だと。
さてこの化かしあい。最後に笑いますのはどちらやら。
そんでまあそんなことも知らない血気盛んなバカ者…もとい若者たちですから、
伊織らは、やれどこそこの屋敷から駕籠が出ただの、こっちでも駕籠が出ただの
大騒ぎ。
柱にもたれて眠っていた三十郎にけつまずいたり大変なことに。
ここはうんざりした顔になっていく三十郎が面白いですよ!
そんで、竹林の家に3つ駕籠が集まって、そっから出ていった、これはもう城代家老の
とこに行くのに決定だろうというわけで。
侍らはもう三十郎の言うことも聞かず飛びだそうとする始末。
で。
伊織、「様子を見て、襲うか襲わないはその場で決める!…これでどうですか」とか
三十郎に聞いてんの。ちょっと笑えた。
ってか9人で行くのか。ばればれだろ、見た目的にも。
ここで見放しゃいいのに、三十郎も人がいいですからついていってやるんですな。いい
人だなぁ。
…見てる方は大体の予想がつきますから、こいつらアホだなとしか思わないわけですが。
そういうわけで、駕籠が到着しまして、いざ9人が乗り込もうとしたその時。
馬にのった武士らがやってきてこの駕籠を囲みます。
彼らは別に敵でもなんでもなく、三人の幹部がろくな警備もなく、こんなところを歩いて
いるのは物騒だからと親切心でやってきたわけですが。
ところが建物の中からはどっと侍たちが出てきました。そう、待ち構えていた軍勢です。
これを見た伊織らは口がふさがらず。
もし飛び出していれば自分達はまんまととらえられていたでしょう。
三十郎の言ったことが正しかったわけです。
三十郎は呆れて戻っていきました。
なんてーか…伊織らに学習能力はないんでしょうか…。
こんなんでよく、悪事を暴くとか言えたもんですね。
ところが。
彼らが戻りますと、押入れに閉じ込めていたはずの元見張りが、いい着物を着てメシを
食っておりました。
彼曰く、奥方が出してくれて、ここの屋敷の一番いい着物を(勝手に)着せてくれたと。
なぜ逃げなかったのかというと、奥方は私が逃げるなんてひとつもお考えにならない。
これでは逃げられませんと。
また、押入れの中で聞いていた話は、自分が上司から聞かされていた話とは違うから、
ということで食べ終わった彼は押入れに戻っていきました。
お前はドラえもんか。
そういうわけで三十郎、いろいろ思案を巡らせまして菊井んとこに行ってくると。
つまり室戸から士官の口を言われていたのをきっかけに内部を探ってくるというわけ
ですね。
…んーまあ、何となく予想はついたんですが。
こいつら三十郎の真意が理解できてねぇ。
単に見捨てて裏切ったとか思ってるし。
なんかね、こいつら全員の頭に金だらい落としてやりたい。
そこに押入れ侍が「ちょっと失礼します」と説得しに入った。うむ、医龍で解説役は
慣れてるからな!
というわけで、「三十郎は裏切った」意見の人から二人、「あの人は探りにいっただけだ」
意見の人から二人が、探りにいきました。
もうこいつらアホすぎ。
一方三十郎はというと。
室戸と意気投合して酒を飲んでました。
しかも室戸は、菊井がやっていることをやっぱり知ってた。けれども、泳がせていたのは、
菊井が天下を取った時に自分が下剋上でとってかわるためだったらしいですね。
確かに一からのし上がっていくよりは、誰かトップに立ってる人間をやった方が楽で
いいもんなぁ。
ままそういうわけで室戸、三十郎を菊井に合わせてやるといって、屋敷を出て歩き始め
ます。
ここわかりにくかったけどつまり、黒藤の屋敷に行こうとしてたんですかね?
ところが。
手練の彼らのことですから当然誰かがつけてくるのに気付いた。
二人殴り倒して見てみればなんとあの侍ども。これにゃ三十郎も度肝を抜かれたでしょう。
逃げた伊織を追ってとりあえず捕縛しまして、菊井の屋敷においておき、黒藤のとこへ知らせて
くるという話にしたわけですが。
使いの者を三人やらせておいて、三十郎が「いや、三人でもやばいかも知れん。俺もついて
いく」と屋敷を出ます。
でもって素早くこの三人を斬り伏せて屋敷へ戻り室戸へ「ダメだ、もう奴ら(伊織)の仲間に
やられてた。やばいぞ」と言い、「俺が行ってくる」というのですね。
しかし室戸は「お前ではツラが通らん。俺が行く!」と駆け出していきました。
これこそが三十郎の策だったわけです。
なんという機転。
すばらしいですなぁ。見ててほれぼれしましたね。
室戸がいなくなってしまえばあとは烏合の衆。
つーわけ三十郎は4人を解放し、屋敷の者をばったばったと斬っていきます。
さてここのシーンなんですが。
殺陣が迫力がいまいち。
斬っても血がでねぇ。いやこれは表現上の制約があるのかも知れないんですが。
あと織田さんが、刀を振り切る時に、腕曲げてるのが明らかなシーンがあって、ちょっと
迫力不足かなと思いました。寸止めしてるのがバレバレってことね。
まあこういうのは経験の差ですから仕方がないと思いますので、もっと時代劇こなして、
ほれぼれするような殺陣を見せてほしいですね。
あとこれはストーリー上の話。
殺陣に加わりもしないでひたすら壁際で震えていた4人の侍、情けなさすぎる。こんなので
悪事を暴こうとしていたなんてよくも言えるな。力ずくで城代家老を取り戻そうなんてよくも
言えたもんだな。情けなさすぎて涙が出てくる。
武士の風上にもおけやしねぇ。
そゆわけで。
全員を斬り捨てた後三十郎はこの4人を殴ります。
「てめーらのおかげでとんだ殺生したぜ」と。
まったくだ。
そのあと、三十郎を縛れと言われても縄持って震えてるばかり。
ほとほとあきれた。
そういうわけで室戸が手勢を連れて戻ってみれば。
死骸が転がってる中に縛られた三十郎が一人。
彼が殺されなかったのもさっさと投降して命乞いしたからだ、それと、命を投げ出す義理もない
しな、ということを聞いて室戸は、「こんな不始末では紹介など出来ない」と言って彼を解放します。
そういうわけで三十郎はなんとか屋敷に戻りましたが。
あの騒ぎの中、城代家老の居場所の情報を手に入れたわけでもなし、せっかくの三十郎の計画も
まったく台無しになってしまってあきれ果てるほかありません。
そんな中、庭でほんわかしてた奥方と娘は、紙が川にひっかかっているのに気付きます。
それは、伊織が城代家老に出してビリビリに破かれた意見書でした。
つまり、袂に入れてあった意見書を、伊織らに類が及んではならないと、城代家老が隙を見て
川に捨てたらしいと。
伊織らはここで初めて城代家老の気持ちを知って改めて申し訳ないとか思うのですよ。
同時に、城代家老は隣の屋敷にいる、とも。
…え?私最初からそこにいると思ってたんだけど。
ほんっっっっっっとうに誰も気づいてなかったのか?
どんなアホよ。
というわけでさっそく、と外に出ようとした伊織らの前で三十郎は障子を閉めました。
隣は切りこんでくるのを待っている。つまり、菊井の手勢は隣にいる。そこへ行くつもりかと。
こっそり隣を覗きに行った侍も、手勢すげーみたいな感じで戻ってきました。
一方城代家老。
自白書を書いたかと思ったら、三人の告発書書いてた。やるな、たぬきめ。
こうなると今度は、菊井側でも敵がたくさんいると思っている分たくさんの人数集めてる
わけですから、それが始末に負えなくなってくるわけで。
そこで三十郎、またまた一計を案じまして。
こうみょうじという寺の二階で昼寝をしていたらば、この間見た伊織らがぞろぞろ入って行く
のが見えた、やつらはそこに集まっているに違いないという報告を室戸にして、菊井の手勢を
おびき出す。その隙に切りこんで城代家老を助け出す、という作戦を考えました。
その合図はどうするかってことで。
火をつけると言ったら奥方と娘が止めまして。
椿を流せと。
ただでさえイライラしてんのに、そこで赤か白かとか言い出すからもうさすがの三十郎も
頭にきたらしい。
赤でも白でもいいと。
さらに、自然に落ちることもあるが…と言われて、ごっそり流せば文句あるまいということで。
このシーン、奥方と娘の話を、碁石をかまって聞き流してる三十郎が面白いです。
ところが。
三十郎が乗り込んでいった後、押入れ侍が大変なことを思い出します。
こうみょうじには二階はない、単なる藁ぶきの寺だと。
大変です。
敵の中に知っている者がいればすぐにウソは見抜かれる。
あわてても後の祭りです。
さあ、どうなる。
そうとは知らない三十郎、隣へ乗り込んでいって室戸に話して聞かせます。
ここで室戸が気付いたかどうかはわからないです。
視線がなんかフッとかわったような気はしたのですが、もし最初から気づいていれば、
菊井の手勢をそちらに向かわせたと見せかけて待機させておくとかしたでしょうしね。
ともあれ、三十郎を部屋に通しておいて、菊井らへ報告に。今度は菊井自らが出向いて
いきましたよ。
室戸も行くといい、三十郎を誘うのですが、自分は腹が減ったから、と残ります。
室戸は去りましたが…。
一方、屋敷の方では。
伊織らが、無事手勢が繰り出したと喜んでるのですね。お前ら、喜ぶの早すぎ。
てか騒ぎすぎたからとシー!シー!と言い合って静かに喜ぶリアクションがメチャクチャ
おかしい。
あと、伊織が、押入れ侍と手を取り合って喜んでいるのに気づき、押入れ侍、静かに
押入れへ戻っていくのもいいです。
このシーン見るためだけにこの映画見てもいいかもってくらい笑えます。
ドリフで言えば、志村けんが「お宝発見」とかいって喜んでいる相手がミイラ男だった、
みたいな展開。そんでミイラ男は静かに棺に戻っていって志村けんが「たいちょ〜」とか
言いにいくのね。
さて、すきを見て椿をつんでいた三十郎ですが、さすがに室戸見抜いていたー。
縛りあげられたところへ、竹林がやっと気づいて、「こうみょうじに二階はない」とか
大騒ぎ。
というわけで命じられた室戸、手勢を連れ戻しにひとっ走り。
三十郎、ここまでかと思いきやそれでも動じていない。
「手勢がくるぞー」と脅してる。
早いところ中止の合図を出さないと、城代家老を取り戻しに大勢乗り込んでくるぞ、と
脅しにかかるわけですよ。
ここの会話は絶妙。本当に面白い。
隣を覗きにいって「合図はまだか!」と待ち伏せている侍たちにビビった連中は、
中止の合図は白の椿という、三十郎の演技にだまされて、せっせせっせと椿を流します。
いやーここの掛け合いは本当に面白い。わざとおびえているフリの三十郎がすごい。
「椿の合図は赤も白もねーのさ!」
かっちょええー!
というわけでまあ無事落着致しまして。
室戸が駆けつけてみれば城代家老は助け出された後。蔵には竹林と黒藤が閉じ込め
られておりましたとさ。
…えーこの後は助け出された城代家老が出てくるのですが。
主水さんかよ!仕事人かこの映画は!…ってあれは菅井きんでしたね、妻ではなく母親役。
ともあれ、城代家老は元からこのことを知っていて、できれば丸く収めたかったみたい
ですね。それを伊織らが台無しにした、と。
ちなみに菊井はあの場で切腹して死んでおり、あとの二人はお家断絶と。
そゆわけで祝いの席に三十郎は現れず。伊織らが捜しにいってみれば、室戸と最後の
決着をつけていたのですね。
ラストに引き締まる展開を持ってきましたな、こりゃ。
というかまずその前に9人全員で固まって探していたら見つかるものも見つかるまいがー!
この真剣勝負もあっという間に決着がつきまして。
三十郎は「あの奥方が言ったとおり、本当にいい刀ってのは鞘に収まってるもんだ。おめーらは
おとなしく鞘に入ってろよ」といい、膝をついて頭を下げる彼らに「あばよ」と言って去っていきました。
というわけで。
私としては、殺陣のシーンが少なかったのが残念でしたねー。
もっとドンパチやるのかと思っていたし、9人の侍が出てくるからには彼らももっと活躍
するもんだと思ってたし。
最後まで足引っ張ってただけじゃねーか!
これが残念でした。
それと。
ケンちゃん好きなので松山ケンイチさんの演技に特に注目して見てましたが。
ううーん…微妙かな。全体的には良い演技だなと思いますけど、なんてか、キャラが
ないというか。
やはり彼は、クセのないキャラをやらせるととことん目立たなくなってしまうというのが
あるので、そこをなんとかしないといけないと思う。平凡な役が出来ないといいますか。
雑踏を一日眺めてみるとか、そこらの人のクセを真似してみるとか、そういうのでも
いいんじゃないでしょうかね。私なんぞが生意気な意見ですが。
さて。
話は、椿三十郎自身の話というわけですから、まあこんなもんかなーという雰囲気でしたね。
良い意味で、青島刑事みたいな、機転の良さ、開き直りっぷりが三十郎にもあると思うのですが、
それが良く出てたなーという感じ。
それだけに、9人の侍がほとんど活躍しなかったのがもったいない。
あーそうか、誰かに似てると思ったら三十郎、銀魂の銀さんに似てる。
こんなこと言ったら監督に怒られてしまうかも知れませんが。
結局は助けてるとことか、度胸据わってるとことか、どえらく腕が立つとことか、過去は
不明なとことか。
やっぱ侍はこうでなくちゃ。
多分花鳥風月→金田一、コナン的読み物ページ→映画の感想レビュー→椿 三十郎