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エリザベス |
2/24鑑賞
んー…んー…まあ見に行かなくてもいいんじゃないかな…という映画…。
面白くないわけじゃないんですよ。ただ、マリー・アントワネットと一緒で、人生を映画化
したお話なんで「何が面白いの?」という人には面白くないと思います。
衣装は、確かに賞をとっただけあってものすごいきれいなんですけど。いやーマジ
綺麗でした。
さてさて時は1585年。
この頃はまだスペイン強かったのかー。
カトリック教だったスペインは、イギリスがプロテスタントなので、「おまえら改宗せーよー」
とか言いながら支配をしようとしてたらしいです。
改宗は建前で実質領土広げたいだけだよなぁ…。
カトリックとプロテスタントの違いを簡単に言いますとー。
ヴァチカンに属するのがカトリック。それ以外がプロテスタント。
厳しいのがカトリック、比較的自由なのがプロテスタント。
カトリックの神父は資格がいり、生涯独身であるのに対してプロテスタントの牧師は
誰にでもなれ(認可などはいります)、婚姻自由。アメリカはどちらかというとプロテスタントって
感じかなぁ。や、文化知りませんから滅多なこと言えませんが。
えーともかく、スペインは一番民を動かしやすい「神の御名において」を持ち出してイギリスを
支配しようとしていたわけですよ。
根本的な考え方自体は同じで、すべて対立しているわけではなく、教義をお互いに理解
しようとしたり、協力しているとこもあります。
なんでカトリックからプロテスタントが分離したかというと、あの神聖ローマ帝国の腐れっぷり
といいますか、堕落っぷりに「これではいけない」と意見して分離した感じ。そっから神聖ローマ
帝国は没落したわけですが。(このあとヘタレになっていくのは「ヘタリア」さんにある通りです)
スペインのこの偉い人の名前がよーわからんな。
あ、フェリペ2世って書いてあった。スペイン王だと。ふざけんな、ザビエルみたいな顔しやがって。
神が英国を救いなさいって啓示を出されたそうです。
さてエリザベス1世の周辺が、気持ちいいくらい映画を見ていてわからなかったので(バカ)、
パンフレットを見つつまとめてみましょう。
・海外からはスペインがチクチクいやみ攻撃中。
・国内では、父親の意志をついでプロテスタントとしてやっているものの、国内にもカトリック
信奉者が多く、反発する声も多い。
・女王であるため「女に任せられるのか?」という不安の声も多い。
・スコットランドから亡命してきた女王メアリ(エリザベスとはいとこ)が、私こそがイングランドの
女王とかたわけたことをほざいている。(幽閉中)
・彼女の主張曰く、エリザベスは妾腹の子なので女王にふさわしくない。(お前そんなこと
言ったら日本の側室制度全否定やんけ)
・メアリがカトリックなので、彼女を女王に据えようと画策している反乱分子がある。
・腹心の部下ウォルシンガムが各地に潜伏させているスパイ活動などで、これらの情勢を
つかんでいる。
こんなところでしょうか。
見ても全然わっかんねーよ!
世界史のせんせぇぇぇ!この中に世界史のせんせぇはおられませんかぁぁぁ!
えー、まあそういうわけで、メアリに関しては殴ってもいいと思います。
10円やるからスコットランドに帰れ。
まあエリザベスは結婚してなかろうが、バージンクィーンと呼ばれようが気にしてない
感じです。いいなぁこの堂々っぷり。
結婚を言いよる男もうまく利用して、この島国に攻め込まれないようバランスをたもって
いるんですよ。こういう行動力もあって知的な女性は素敵ですね。
ちなみに親しい侍女が出てくるのですが、彼女も「エリザベス」であるため、ペスと呼ばれて
いるそうです。ハーマイオニーに似ていてかわいいです。
エリザベスご一行が歩いていると突然上から何か降って来た…!
と思ったら列の中にいた男が大げさにコートを投げて広げてみせただけでした。
水たまりがあったんだってさ。
エリザベスはもちろん、水たまりなんかなくて、この男が話しかけるきっかけを作ったのだ、
ということに気づいてました。どちらも粋なはからいですね。
そんな日々の中、スペイン大使がやってくるのですが。
おいおい、ちゃんと止まる前に少し誰かずるっとすべってんぞ。
まあいいや。
スペイン大使だけかと思ったらスゥエーデンやらロシアやら次から次へと…ああ、お見合いの
話か。
しかも肖像画とかを持ってくるから「おいおいプレゼントにしては趣味悪いな」と思ったら、
お見合い相手の肖像画だった。なるほどね。
こういうのも今のお見合い写真と同じように修正とかされていたりするんですかね…。よく、
会ってみたら「これどこから写真調達したの」ってくらい違う本人だった、みたいな笑い話を
聞きますが。
そこへベスの計らいで謁見を許されたさっきの男が入ってきました。
名前をローリー。航海士です。まあスペインは「うちの船襲って品物持ってった海賊だ」
とか叫んでますけど。
ローリーは新しい世界を探して旅から帰って来たとのことで、彼が持ち込んだのは
パタータ(ポテト)とタバコとスペインからとった金貨。
あと先住民(インディアン)。←インディアンというと蔑称になるという声もあるそうですが、
この人たちが自らインディアンという呼称を使っていることもあるので、私は差別用語に
あたるとは思っていません。なので、使わせていただきます。
で、ローリーは発見した地をエリザベスにちなんで「Virgin Queen」からバージニアと
名付けたとのことです。(これは史実)
女王はすぐに「じゃあ私が結婚したらマリッジニア?」と返していましたが、この辺の
知己はさすが。
2人は惹かれあうものを感じたわけですが、エリザベスは国のため生涯Virgin Queenを
誓っているので、ペスとローリーをくっつけることにして、まあ自分をペスに投影しようと
するわけですな。気持ちはわかるなぁ。
あと、見合い相手が(多分ドイツ)やってきて話をして会食…というシーンがあるのですが、
この王子だか何だかが上にバカのつく王子で、お付きのものに話す言葉を言ってもらわないと
しゃべれない。お前は船場吉兆の腹話術社長か。
その一方でエリザベスはローリーの話に引きこまれ、段々と友人以上のものを感じて
いくわけですな。
ある時エリザベスが教会で祈りをささげている時にエリザベス暗殺派が彼女に銃口を
向け、引き金を引きます。ところがそれは空砲だった。
これが…どちらの策略かがわからないんですな。後で(メアリのさらに後)糸を引いていた
スペインの策略か、それともウォルシンガムの策略か。
どのみち暗殺計画を立てそれが失敗したことによってメアリは処刑されるわけですから、
スペインにとっても空砲であれば、殺害する気はなかったのにメアリを処刑した、やはり
プロテスタントは野蛮だということで粛清の理由になりますし、ウォルシンガムとしては、
泳がせておいて行動に移して逮捕ということで空砲にしたということもわかるし。
どっちの策略なんでしょうな…。
暗殺をたくらんでいたグループの中に、ペスのいとこがいたのですが、ペスは結局
当局に通報してしまい、彼らは逮捕されてしまいます。
それで当然処刑されるのですが、ペスは自分のしたことに後悔していました。
そこに現れたのがローリー。
当然なるべくして二人は深い仲になるのですよ。
んー、見ていて思ったんですけど、私は、ローリーに節操がなさすぎだと思う。
エリザベスに近づいておきながらペスにもってのはひどすぎだろ。
メアリの処刑にショックを受けたエリザベスは、さらに、ローリーとベスが密かに
結婚の約束をしており、ベスは妊娠までもしていたと知って、裏切られたショックと
ねたみがいろいろとないまぜになって二人を罵り、ローリーを投獄してしまいます。
まあ人間として可哀想な人ではあると思いますね。誰も彼女にそういう人生を
強いたわけではないのに、国を守るためにそうしなければならなかったわけだし。
そしてついにスペイン軍が動きだしました。
敵数万に対しイギリス軍はわずか3000。
しかし彼女は引きませんでした。
鎧を身にまとい、ジャンヌ・ダルクのごとく兵士の前に現れ、「私も一緒に戦う」と
鼓舞、兵士は奮戦しました。
農民も囚人も、ローリーも戦いに駆り出され、ローリーは戦慣れしてるだけあって、
焼き討ち船(船に火をつけて突っ込ませる)を使って見事スペイン軍を撃破してました。
スペインの言葉を借りるなら、どうやら神が選んだのはイギリスだったようですな。
この後イギリスは平和な時代「ゴールデン・エイジ」が続くことになります。
ペスの子を抱いてやさしく微笑んでいたエリザベスが印象的でした。
映画でも出ますが、この戦いでスペイン軍が全滅したのは、スペインにとって最大の
汚点・屈辱となりました。
けれどもスペインはこの後オランダの独立戦争や、フランスの侵略によりボッコボコに
され、歴史の表舞台からも消えることに。
まさに神は神罰をお与えになったというところでしょうか。
イギリスを守り抜き、幾多もの争いを跳ねのけた女王エリザベス1世。
彼女の強さに圧倒された映画でした。
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