多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ジャンパー


ジャンパー

3/22鑑賞

 んー、まあまあの話で良かったんじゃないでしょうか。ただ、映画で見なくてもDVDで
見ればいいと思う。
 理由は、「ユナイテッド93」と同じで、カメラが絶えず揺れて見てられない。普通のところは
いいんですが、アクションシーンは迫力を出そうとしてるのか、チラチラと手ぶれ起こす感じ
だし、カメラをそのまま振るシーンが多すぎて気持ちが悪くなります。後半あたりからすんごい
頭痛がしてきて大変でした。
 カメラワークさえきちっとしてれば、映画館で見て十分迫力出るのになぁ。

 さてさて。
 物語は主人公デヴィッドのなんやどうでもいい自慢から始まります。
 あーなんか「戦う!セバスチャン」で下唇をかんでディヴィットとかやってたな…。
 ともかく、世界中あちこちに行ける能力を持ってるらしいです。あちこちには行ってみたいが、
高い岩の上での日光浴とかランチはお断りしたい気分です。

 物語は8年くらい前、デヴィットがミリーという女の子に声をかけている学生生活のシーン
から。ガレッジセールで見つけたという、スノードームを渡そうとしています。いろんな形が
ある、振ると中で雪が降るようなしかけのおもちゃですね。
 その球体のスノードームを渡そうとしたら、マークとかいう、いかにも頭が悪そうでのちのち
何かをやらかしてくれそうなタイプの男がそれをうばって氷の上に投げてしまったわけです。
 それを取りに行くデヴィット。まあ大体想像してはいたんですが、氷が割れて冷たい水の中へ。
 と思ったら一瞬にして図書館へ。
 これがデヴイット最初のジャンプでした。(と本人は思ってた)

 っていうか本人だけが現れるならともかく、大量の水とともに移動というのは、移動に選択
された先がいい迷惑ですね。
 図書館は水浸しになって閉鎖したっぽいです。
 それで何事もなかったかのように帰宅するこいつもこいつだと思うんですが、家庭はというと
母親が、彼が5歳の時に出て行って父親は飲んだくれ。うわぁ素晴らしい家族だね!
 部屋へ入ってこようとした父親の反動か何かしりませんが、ふっ飛ばされてまた図書館。
 なんとか家に戻って来たんだけど彼は、父親が警察官に声をかけられて連れていかれる
シーンを目にします。
 学校では彼が死んだと思いこんでるからそれで呼ばれたのか、どなり声がしたから通報
されたのかどっちなんでしょうね。なんかちょっと会話だけではわかりませんでした。
(アメリカでは子供に対して怒鳴ると、児童虐待として通報されることがあります)

 んでデヴィットはこのまま自分は死んだことにして好きなように生きていこうと決意、ヘソクリを
出してきて、ミリーに会わないままスノードームを届けて街を去ったのでありました。

 ちなみに。
 この後彼がやるのは典型的なパターンですね。
 安いホテルに宿をとりました。
 おっとここでタイトル出た。ほんの1、2秒。私が知る中でもっともあっさりした、そして唐突な
タイトルだったなぁ。Lなんて30秒くらいやってるぞ。(あれはあれで演出ですから…)
 で、ジャンプを練習した挙句に銀行でお金を「拝借」して優雅な生活へ。
 ちょっと借りるだけと言ってましたが、大抵こういう連中は無期限に借りてますね。

 一方もう一人の主役とも言えるローランドという男が、銀行を訪れていました。どのように
して銀行強盗は起こりえたのかを調査するのが目的ですが、彼の本当の目的がわかるのは
もう少し後になってから。

 ニューヨークで暮らし始めたデヴィットは金はもう捨てるほどあるわけで、すんごい贅沢な
ホテル暮らししてました。これホテルだよなぁ。マンションじゃないとは思うんだけど。多分
最初に入ったホテルに融資したか何かしてでっかくしたっぽいような印象を受けたのですが。
多分受付の人同じ人だったと思うし。

 んでロンドンのパブに出かけてナンパしてウハウハって感じなのですが、そんな彼を見て
いる男が一人おりました。
 最初私は、彼の正体(死んだことになっているデヴィット)に気付いたクラスメイトかと思って
いたのですがまったく違いました。

 まあこんな映像ばかり流していたら物語がしまりませんから、場面は変わって一人の人間が
木にくくりつけられているところになります。
 で、ローランドがこの人間を殺害してる。
 彼はデヴィットと同じ力を持っていて、ローランドはこういう人間を殺していく役目であると。
 こういう特別な力は神だけが持つべきだ、とのことだそうです。
 …別に御大層なご高説どうでもいいんですが、普通に殺人じゃ?

 デヴイットがウハウハな夜から帰宅すると、そこにローランドが待ち構えていたわけですな。
いやほんっと普通に犯罪だからね。
 この手の、特殊能力を持つ人間vs取り締まろうとするもしくは殺害しようとする人間っていう
のはよくありますが、普通もっと人目につかないように行動してしとめるものだと思ってた
けども…。
 自己主張激しいなぁおい。
 …って思ったらデヴィットもアホだったー!銀行に「借ります」ってメモ残してんじゃねーよ!
アホかよこいつ。
 で、ローランドは金を取った心当たりがあるだろう、どうやって侵入したみたいなことを
言うんですな。
 デヴィットも「内部の人間を抱き込んだ」とか「一人内通者がいる」とかいってごまかせば
いいものを、バカ正直に目の前で能力見せて逃げようとするから、とっ捕まって惨憺たる目に
遭いかけました。
 ギリギリ逃げましたが、戻った先はミリーの家の近く。おいおい巻き込むなっての。

 ミリーが大学近くのバーで働いていることを知って足を運ぶデヴィットですが、ミリーより
先にマークに発見されるというお約束っぷり。いやーはずしませんね。
 んでケンカとなって、デヴィットは積年の恨みとばかりに、マークを銀行の地下金庫に置き去り
にするわけですな。ここらあたりは確かにスカッとした。ザマーミロって感じですよ。侵入が
不可能といったところで、マークがそこにいた、という事実はあるわけですから、銀行強盗の
疑いはかけられますしね。
 ただ…デヴィットはかなり軽率だったと思う。生きているということがわかれば、追われて
いるわけだから友人知人のツテはローランドも探りを入れるだろうし、包囲網として使われる
可能性もあるわけで。顔を見せずにマークをいきなり置き去りにしたれば良かったのに。

 ともかく、ミリーといい雰囲気になったデヴィットは、金はあるわけですから彼女の夢を
かなえようとイタリアへレッツゴー。
 いやーここはほんっとすごかったです。街中の景色をだーっと映してるシーンあるのですが、
本当にロケに行ったんだなってくらい町並みが映し出されていてきれいでした。いや、よく撮影で
どこそことか言っといて、適当にごまかしてるような作品がありますからね。
 イタリアの町並みきれいでしたー。一度は行ってみたいなぁ。

 …今気づいたんですが、パスポート使って国外に出たらローランドに居場所、モロバレするよね。

 デヴィットとミリーはローマのコロッセオに来たのですが、閉館して入れないということで、
そこはデヴィットがこっそり中から開けて、「開いてた、入ろう」とずかずか入っていってしまう
わけです。
 そこでデヴィットは、自分と同じ能力を持つ男、グリフィンに出会うのですが…ろくに会話
するヒマもなく、二人は追って来た人間に襲われます。ローランドと同じ組織に所属する
人間で、その、役目を負った人間たちは「パラディン」というらしいです。

 パラディンってーと真っ先に思い出すのがドラクエの職業ですな。僧侶と魔法使いそれぞれの
主な魔法を使う一方で戦士としても戦えるみたいな。文武両道というところか。
 って思いながらネットで調べてみたら「騎士」みたいなもんらしいです。どこが騎士だ。

 ともかく、わけがわからないまま遺跡を壊しつつ、人に見つかったんであわてて逃げる
デヴィットですが、職員さんに「あの人です、中にいたのは」みたいなこと言われて警察官に
囲まれ、さすがにここで能力を使うわけにもいかずとっつかまりました。
 何も考えないで行動するからこんなことになるんだよー。バカめ。

 警察で取り調べを受けていたデヴィットは、判事が到着したと言われるのですが…。
なんとその判事は5歳の時に家を出て行った母親だったのです。彼女は「早く逃げなさい。
20秒でやつら入ってくる」と警告して立ち去ります。
 しかしデヴィットはこの通りアホですから、その警告をまるっと無視して母親の後を追おうと
して追手に見つかります。で、それをスフィンクスの頭の上に置き去りにしてきて、ミリーと
合流して空港へ。
 空港でミリーと別れて、彼はどこに行くつもりなんでしょうね。って大体予測つくけど。

 ローランドはデヴィットの父のところへ。
 家族構成を聞いていて、母親の名前を聞いたとたん顔色が変わったところから考えるに、
やはり母親も組織メンバーの一人っぽいですな。この少し前にデヴィットを逃がしたことに
ついてローランドが電話で怒ってて、相手が「彼女が(送りこむのは)2人でいいと…」みたいな
こと言ってたから、指示したのがデヴィットの母親っぽい。
 
 一方父に危機が迫っているとも知らないデヴィットはグリフィンのところにいっていろいろ
聞きだしています。
 なんてーかさー、自分の軽率な行動のせいでいろいろと問題起こしたっていう自覚が
ないのねこの人。ミリーも危険に巻き込んで、どうするつもりなんでしょうね。
 グリフィンは言いました。やつらはジャンパーにかかわる人間を全員殺す。家族も友人もだ、と。

 心配になって家に戻ったデヴィットは父親が殺されているのを発見。病院に転送しましたが
まあ間に合うわけもないですな。
 すべて自分のせいだと思うんだけど。
 で、マークのとこにいって問い詰めるわけですが、何もかも話したことを責めるのはおかど
違いだと思うけどな。
 なんて言うか、この主人公がいまいち好きになれなかったんですが、こういう、迂闊な行動
しても絶対反省しない(というか気づかない)とことか、自信過剰過ぎるとことか、自分で情報を
集めようとしないところが嫌い。それでいて他人のせいばかりにして怒るとことか。

 デヴィットはグリフィンに、二人で組んでローランドを倒そうとか言ってます。しかし過去何度も
対決してきたグリフィンはまったくとりあわず。
 鬱陶しいから日本へ逃げたグリフィンを追ってデヴィットも日本へ。これは日本でちゃんと
ロケしたんですかね。マルキューの前あたりに出てましたよ。
 このあたりは少しグダグダなのでどうでもいいんですが(カーアクションは面白いです)、
ひとつグリフィンが重要なことを言います。
「建物と一緒にジャンプしようとした奴がいたが失敗して死んだ。動くものなら一緒にジャンプ
できる」と。

 んで結局デヴィットのしつこさに負けたグリフィンはミリーを助け出すまでのチームということで、
タッグを組むことを承諾しました。気の毒に…。

 で、空港に行ったら、ミリーが帰国する飛行機は1時間も前についていたことが判明しました。
アホですか?グリフィンも言ってたけどほんと、時間くらい確認しとけよ。

 こっから画面がいよいよちらついて見にくくなります。車酔いしやすい人は気をつけた方が
いいと思います。
 彼女のアパートに行ったデヴィットは、ローランドがすぐそこまで来ていて、もう時間がない
ことを知ります。
 そんで強引に彼女を連れてグリフィンの隠れ家へジャンプ。
 ところがどっこいグリフィンはマジギレしました。
 なぜならば、飛んで少しの間は、ジャンプした痕跡が残っているため、ローランドらはそれを
人工的に固定し、飛んで追いかけてくることができるからです。
 っていうかほんっとデヴィット、人の迷惑になることしかしないな…。

 こっからのアクションはなかなか面白いのですが、まず先に突っ込んでおかなければ
ならないことが。
 彼らが見つかったきっかけは、ローランドが隠れ家に飛んできて室内を探している最中に
デヴィットが、母親の写真を見つけてそれを自分のものにしようと、のこのこと出て行った
からでした。どこまでも足手まといだな、おい!

 グリフィンが奮闘してローランドを追いつめる中、デヴィットははりつけの刑になってました。
キミ…主役だよね。
 しかも助けてくれたミリーに対してぐだぐだやっていたもんだから、ローランドが閉じそうな裂け目
から必死に飛ばしたロープでミリーがさらわれました。
 もうね、これ解決したらデヴィット罰として丸刈りね。
 
 グリフィンは今がチャンスとばかりに、爆弾でローランドらを殺そうとするのですが、それでは
ミリーも死んでしまうと思ったデヴィットが起爆スイッチを奪って、世界各国で取り合いを繰り広げ
ます。キミらはアホだ。
 チェチェンでは弾の飛び交う中取り合いしてるし。キミら撃たれるぞ…。
 ここでようやく起爆スイッチを手にしたデヴィットはなんとそれを投げ捨て、自分一人で助けに
行くとか言いました。
 あーもうグリフィン行かせてやればいいじゃん。こんなアホが生きていても仕方がない。
 …映画見ててマジにそう思いました。

 で。
 行った途端にとっ捕まって「何してんのォォォォ!」と観客の度肝を抜いてくれたデヴィット
ですが、まあグリフィンの火炎放射器でいい感じにガタついていたアパートごとジャンプして、
デヴィットは見事ミリーを助けるわけですな。
 ここの、ミリーが一瞬海底に沈む映像がCMに使われてました。ピンチでもなんでもなく、
あっさり脱出してましたよ。なんだよ、そのまま沈んで行って時間との戦いで、デヴィットが
かっこよく助け出すのかと思ってたのに。自分で脱出しちゃったよ!

 というわけで、何とか助かったローランドにデヴィットは「言ったろ、ボクは特別なんだって」
とかなりどうでもいいセリフを吐いて立ち去っていきました。
 残されたローランドが出てみるとこれはエアーズロック?違うかなアメリカかな、わからん
ですけどともあれ、切り立った岩の真っただ中。これには彼も苦笑せざるを得ませんでした。
 んでグリフィンはそのまま置き去りなのか…。

 そして戦いを脱したデヴィットは母を訪ねていきます。
 やはり彼女もパラディンだったのですが、デヴィットが5歳の時にジャンプ能力を表した
ため、殺すか家を出るかの選択を迫られて、後者を選んだらしいです。
 んー、なんかこの母親のエピソードは蛇足というか、意外性がなくてつまらなかったな。

 つーわけで全体的に、映像の割には主人公がパッとしないというか、お前がもっと
慎重に行動してればこんなことにはならなかったんじゃないのか、という突っ込みどころ
満載でしたが、アクションがなかなか良かったので面白くはありました。つくづく残念なのが
カメラワークですが。
 あと、ローランドやグリフィンが死ななかったのも良かった。後味悪いもんね。
 そゆわけで、まあDVDで見てもいいような内容だと思います。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ジャンパー