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スパイダーウィックの謎

5/6鑑賞

 結構良かったです。ファンタジーものとしては悪くない。残念だったのはうちの地域では
日本語吹き替え版のみで、しかも1日1回しか上映しないので、スケジュール調整がすんごく
大変。字幕版やれとまでは言わないけど、なんかもう最初から客呼ぶ気ないんだなみたいな
上映の仕方はどうかと思いました。
 
 さてさて物語は、とある不気味な部屋から始まります。標本やら爬虫類のペットその他
いろいろある、どう見ても「好奇心旺盛な少年がちょっと道踏み外しかけてます」系の部屋
です。
 そこへあわてて駆け込んできた男性。えっ少年じゃなくていい歳の男性ですか。
 ともかく、彼は何か本に文章をしたため、その本を封印。とたんに家周辺の空気が変わり
ました。
 確か妖精だの魔物って、契約だとか封印だとかいうのはかなり確実に守られると言いますね。
この男性がどれだけの力を持っているのか知りませんが、形式にのっとってこの本を封印した
のであれば、それでもう出てこれなくなる可能性は大ですねぇ。

 それから80年後。
 とある親子がやってきました。
 主人公となるのは、ジャレッドという少年。もう明らかに反抗期真っ盛りです。とりあえずこういう
のは大抵、禁止されていることを守らず破って、そのために世界が大変なことになると相場が
決まっています。今のうちに縛り上げて物置へ放り込んでおいた方がいいと思います。
 ともあれ、その屋敷の中は、窓にそってしおが盛ってあったりと変な屋敷でした。まあ、窓の
ふちにつもっていたら大抵の人はほこりを想像すると思うのですが、それをためらいなく指で
すくってなめられるあたり変態だと思います。

 ここはアーサー・スパイダーウィックという人が住んでおり、その人が行方不明になって
から娘のルシンダ一人が住んでいたのですが、おかしくなってしまって精神病院にいるそう
です。彼女いわく、父親のアーサーは妖精に誘拐されたのだ、と。

 ジャレッドは、この家に住むことになったのにうんざりしていてかつ、自分の父親がなぜか姿を
見せないことに不審を持っているようですね。
 まあ状況から考えて離婚したとか別居っぽいですけど。
 思ったのは、子どもを傷つけまいとして母親は真実を言ってないみたいですが、言わない
ことの方が子供を傷つけることってあると思う。
 いつまでもこない父親を待ち続ける子供の方がかわいそうでしょ。
 閑話休題。

 えー母親、姉のマロリー、双子の兄弟サイモンら皆が荷物を片づけてくると散っていく中で、
一人居間に残ったジャレッド。
 ところが床下から壁にかけてネズミの走る音を聞いて、ほうきの柄でいきなり壁に穴を
あけまくり。おいおいおい何してくれてんですかコノヤローは。今から住むという家をなんで
突然破壊しちゃってんですか。走るネズミをそれでなんとかできると思ったら大間違い
ですよこのヤロー。これは家族でなくても驚くわ。
 んであーだこーた家族でモメたところに、壁に触ったらいきなり壁が崩れちゃった。もう
穴なんか比じゃないくらいな壊れっぷりでした。
 その中に、小型リフトを見つけたジャレッドはためらいなく上っていきました。
 おいおいおいお前には警戒心というものがないのか。
 隠されていたもの見つけたら、普通何かあるから隠したんだと思うだろ。
 これで上にあがってロープ腐ってて落ちたらどうするつもりなんだこいつ。

 ともあれ上に上がるとそこには、隠された部屋がありました。これが冒頭登場した、
アーサーの部屋でしょうな。部屋の片隅にトランクがあり、その中に彼は封印された
ノートを見つけます。
 で、物音がして振り返ると、「ジャレッド・グレース、ここを去れ」というメッセージが書いて
あって、彼はものすごーくビビリまくって部屋を逃げ出します。
 そして何をしたかというと、サイモンを叩き起こした。
 いやいやいや!あんた自分で探検してびびったくせに人起こして一緒に巻き込んじゃ
ダメだろ!ドリフのお化け屋敷でお化けに遭遇していかりやさん呼びに行く志村かよ。

 で。
 そのあと彼はサイモンの部屋のトランクに入って本を読み始めます。
 はい、警告無視で封印ぶっちぎり。
 誰かーこのバカに警告の意味を教えて差し上げてー。
 彼は本を開いたとたん、あたりに変な気配が立ちこめ始めたことを知ります。

 あとここで、ジャレッドがパニックになって懐中電灯の光をあっちこっちに向けるのですが、
これはハッキリ言って酔います。気持ち悪くなります。
 ともあれ本を読んだジャレッドは、この本は読んではいけないものであったことと、オーガー
という妖精がこの本を手に入れたらやばいということを知ります。彼は何にでも化けられると。
 そんな中すごい叫び声が響き渡りまして何かと思ったら、マロリーがガリバー状態になってた。
いや、髪の毛がベッドの柵にくくりつけられてたんですな。
 つかこれをジャレッドがやった、と断定するマロリーがすごいわ。絶対やってるうちに目を
覚ますでしょうが。
 ま、この時点で妖精とか見えてないわけだから当たり前といえば当たり前ですけども。

 なんかよくわからんのだけど、壁が崩れた時に壊してしまったらしい妖精の家を直して
やって、ジャレッドはご機嫌取りに蜂蜜とクラッカーを用意しておくのですね。
 で、現れた妖精はシンブルタックという名前の、ちょいネズミににたおっさん。彼はアーサーと
親しかったのか知りませんがずっとこの屋敷と本を守ってきた妖精でした。
 ところがジャレッドが軽い気持ちで封印を解いたことに激怒。
 ここは確かにシンブルタックでなくとも激怒するところだわ。
 そういうわけで彼はジャレッドに、この本を守れ、サークル(家を守護している結界)から
出さなければいいと教えます。

 で、ここで悲鳴が聞こえてきて下を見ればサイモンがゴプリンにさらわれていくところ
でした。
 魔法の石を覗くと妖精が見えると。
 えー…ここでジャレッド君に言いたい。
 君は何故、サークルから出してはいけないと忠告を受けた直後に、本を持ってサークルの
外に飛び出しておられるのですか?

 サイモンを助けに向かった森の奥でジャレッドは、鳥が大好物のブタ妖精のホグスクィールと
出会います。
 彼のつばは石なしで妖精が見えるようになる力があり、ジャレッドはこれでオーガーらの
様子を観察。
 サイモンが本を持ってると思ってさらってきたゴブリン達は人違いと知り激怒しながらも
家の方へ。オーガーが去ったのを見届けてジャレッドは家に帰る途中のサイモンを捕まえて
事情を話すんですな。

 ただ、サイモンがこれで信じたら物語がえらい簡単に進んでしまうので、彼はジャレッドの
言うことをまったく信じないのですね。
 じいさんの格好をしていたオーガーに本を持ってくれば助けてやると脅されていたサイモンは
それを信じてるのですが、ジャレッドはオーガーが立ち去る前に「本を持ってきたら皆殺しだ」
と言っていたのを聞いてしまってるわけで。
 つーかサークルの中に入らずに言い争いをしてる時点でこいつらどっちもかなりバカだなと
思うのですが、ゴブリンに追われてあわてて2人はサークルの中へ。そこへやってきたマロリーは
2人がふざけてると思うのですが、何かが自分の周りにいて襲いかかってきているというのは
わかったらしく、持っていたフェンシングの剣でしのいで、サークルの中へ。
 持ってて良かったフェンシング!今ならジャ●ネッ●タ●タで2本1万円!1万円!届いた
その日からすぐにゴブリンと戦えます!

 で。
 まあいろいろありまして、妖精というかゴブリンに襲われているという状況をやっと理解した
マロリーとサイモン。
 そもそもの元凶がジャレッドにあると知り激怒。まあ普通は怒るよなぁ。
 本も燃やそうとしたけれども燃えないということで、はてさてどうしたらいいものやら。あの
デスノートでさえ燃えたというのに。
 
 そういうわけで彼らは、入院しているルシンダに話を聞けば手がかりがあるかもということで
訪ねることにします。
 シンブルタックいわく、外の小屋に街へ出られる秘密の通路があるというので、ジャレッドど
マロリーが出ることに。
 サイモンは待機組なのですが、単に待ってるだけじゃなくて、妖精を溶かすトマトソース
などの「武器」をちゃんと作ってる。えらい。
 ここで彼らはなんで家に、塩とトマトソースと蜂蜜が異常な数揃えられていたかを知った
でしょうね。
 本をちゃんとトランクにしまって出かけたジャレッド。
 マロリーはフェンシングの剣を装備しました。
 
 えー通路があっさりゴブリンに見つかっておっかけられたりだとか、ジャレッドが実は本を
持って行ったことを発見してシンブルタックが怒り狂ったりだとかいろいろあったのですが、
マンホールにたどり着いて脱出した時に後を追いかけてきたもぐらトロールが、車にひかれて
逃げていくというのはなかなか面白かったです。見えない人間にとっては、何かに突然ぶち
あたって車が(体液で)汚れたということになるらしい。
 いやだなこんなん…。
 っていうか「魔法にかけられて」といいこれといい、アメリカのマンホールはどこにつながって
んですかコノヤロー。

 そんなわけで街中を歩く2人を見かけた母親が、つかれてるのかしら…みたいな顔をするのは
面白かったです。

 さて…あっさりルシンダのところへたどり着いたマロリーとジャレッド。
 彼女は外にいて花の妖精と話しているのですが。
 それはともかくとしましてですね。
 本を取り出して見せるジャレッド。
 君はアホか。どんだけ学習能力ないんだ。
 そういうわけで本を発見したゴブリンに襲撃されて、本の半分を持って行かれました。バカめ。
 物音に驚いて駆けつけてきた医者さんが、剣を引き抜いたマロリー見てかたまってたのはちょっと
笑いました。

 この時ルシンダは、自分が子供だったころの話をしてくれました。
 ルシンダはサークルの意味を知らずそこで遊んでいて、ゴブリンに襲われかけた。
 この時にアーサーは彼女を守ったんだけど、風の妖精に連れ去られてしまった。彼は妖精に
ついて知りすぎていたから。
 その時から彼女はずっと家から出ないで過ごしていたみたいですね。
 父が必ず帰ってくると約束したことを信じて待っていたから。

 一方オーガーたちは、持って帰った本の中から、サークルを消す方法を見つけていました。

 で。
 子供たちの必死の訴えにも耳を貸さない母親。
 ジャレッドだったかマロリーだったか忘れましたが、「そうやって話を聞かずにいつも怒鳴るだけ。
だからパパは出て行った」と辛辣な批判を。
 確かに子供が必死で何か訴えてる時は聞かないとあかんでしょ。作り話だなと思ってても、
聞くことで満足することだってあるんだし。それを頭ごなしに「何バカなこと言ってるの」と否定
しまくってたら能力の芽も育ちませんや。
 
 一方で彼らは、サークル周辺にいたゴブリンが一匹もいなくなっているのを不審に思います。
そんな中豚のホグスクィールがやってきて、オーガーらはサークルを消す方法を知った、と
教えてくれるわけですね。
 やばいと思った三人は、グリフィンという鳥を呼んで、アーサーを探しに行くことを決意。
 このグリフィンというのはまあ簡単に言うと上半身鳥で下半身がライオンという生き物。
 ハリーポッターでは寮の名前と紋章につかわれてますな。ちなみに、下半身が馬だと
「ヒッポグリフ」と言います。ハリーポッターはこの辺の知識をふんだんに使ってて面白い
ですね。

 というわけで時間もないのであっさり風の国につきまして、彼らはアーサーと出会います。
彼はもはや80年の年月が経っているとは思っておらず、初めは戸惑いましたが、ジャレッドの
話を聞いて、この本はサークルから出すべきではないと言っています。
 ただし、本を処分することには反対だと。なぜならば自分が苦労して作り上げた資料
だから。ええいこの学者バカめ。(気持ちはわかるけど)

 まあ方法がないっつーことで諦めて帰ろうとするジャレッドですが、ここにきたらもう
帰れないとかなんとかいうアーサー。
 それは困るってんで、料理の本を、この本に見せかけおとりに使って妖精を引きつけて
いる間に、グリフィンを呼んで逃げるという、「どう見てもこれ成功するよね」的な方法で
ジャレッドらは逃げ出しました。
 
 彼らが戻ると同時に母親が帰って来たのですが。
 もう全然状況わかってないから「志村ー!後ろー!」状態ですね完全に。
 こういう、失礼だけど、ひとりだけ状況わかってなくて周囲はあわててるっていうのは、
ピンチな状況であるだけにふと我にかえると笑えるよなぁー。
 あわてて車を急発進させて、なんとか破られていないサークルの中へ入ったのも
束の間、ゴプリン達はサークルを壊す細工を始めます。

 そういうわけでサークルは破られ、やっとこさ信じてくれた母親も巻き込んだのですが、
もとから人間対妖精なわけですからなすすべもなく。
 ピンチになりかけたところに、サイモンが一生懸命作っていた爆弾が効いてくるわけ
ですよ。
 キッチンの流しの下にまず彼らは隠れて、オープン?どこだったかな、トマトソースを
つめられるだけ詰め込むと。で、予めひいておいたオイルの導火線に火をつけて、トマト
ソースを一気に爆発させると。
 気持ちいいぐらい一掃されました。
 これは見ていて爽快でした。なるほど、そういう反撃をやるかと。こういう戦闘もので
一気というのはいいですねぇ。

 一同ホッとしているところにドアを激しく叩く音。
 びびっていると、ドアの向こうから現れたのはパパでした。
 そんなパパにジャレッドは静かに問いかけます。
「僕に話したいことがあるはず」と。
 その前に本を見せてみなさいという父に向ってジャレッドは隠していたナイフで反撃。
 そーです、彼はオーガーが化けていたことをちゃんと見破っていた。
 ま、ラストはとんでもない伏線が生きてくるのですが。
 これは度肝抜かれましたね。
 そうきたか!って。
 この映画、とことん伏線回収してくれるから面白い。

 で、これで終わったら普通のファンタジー。
 ゴブリンもオーガーもいなくなって「安全」になった家へ、ルシンダを連れて戻って
きた一家。というかサークルは作っておいた方がいいと思うけど。
 そこに現れたのは…。風に乗ってやってきたアーサーでした。
 感動の再会を果たす父と娘。
 けれどもアーサーはもうすぐに立ち去らなくてはならない。ここにいると年をとって
しまうから。
 約束通り戻ってきてくれた父に、ルシンダは、「今度は私も一緒にいく」と手を
伸ばします。
 するとどうでしょう。ルシンダはみるみるうちに若返り、小さな女の子となって
アーサーとともにまた天へのぼっていったのでした。
 いやーもうここはほんっとにいいシーンでした。
 このシーンがなかったら単なるファンタジーだったけど、こうしてアーサーと
ルシンダが出会えたことですんごい良い作品になったと思います。

 で、ラストはホグスクィールが飛んでいるグリフィンに対して「いつかお前も食って
やるー!」と言ったところで終わり。
 いやー愉快なファンタジーでした。

 ところであの本結局どうしたんだろう。



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