多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→魔界転生


魔界転生

5/13鑑賞

 見に行ってきましたよ!
 もう言えることはただ一つ! にゃんこかわぇぇー!!!!!
(…待て)

 ええ別に普通のにゃんこが変身して化け猫になったり、正義のロボットになるわけでは
まったくなく、単にちょいと出てきただけです。

 さてさてまずこれを語る前に、島原の乱について、歴史で赤点をとり続けた私から
説明させていただきましょう。
 島原の乱といえば誰もが思い浮かべるのが天草四郎時貞。なまじこんな、この時代には
もったいないいい名前を持っていたがために、後世になって美少年だっただのいや実は
天使だっただのいやいや実は女だっただの、ネタに困った作家さんたちの絶好のカモ
なっていたりするのですが(嘘ですすいません)、確かに15、6歳の少年にしてはずばぬけた
才能を持っていたことは確かなようです。映画では窪塚氏が演じているため、
とんでもなくふけた青年のようですが、見た目は本当に凡庸な少年だったとのことです。
で、本名は益田四郎と言います。うわぁ…いきなり田舎臭い名前になってしまいました。
(全国の益田四郎さんに謹んでお詫び申し上げます)

 さてこの天草四郎ですが、映画の中でもしきりに我こそは天草四郎時貞と語っている
ことから、よっぽど益田四郎が気に入らなかったものと思われますが、戦いの中でも
自分が先頭に立って戦ったというのではないようです。むしろ、彼がいるから安心
して戦えるといったような、精神面での支えになっていたと言われています。同じ
キリスト教に身を置き、神の教えに従い自ら兵を率いて戦ったジャンヌ・ダルクとは
大違いです。ただ、食料がなくて断食せざるを得なかった時は自分から断食していたり
してたようなので、まあそれなりにいいリーダーではあったようです。
 また、いかにも最後に大将として残り首を切られたかのように書かれていますが、
実際は幕府軍も顔を知らぬまま四郎の首を落とし、後になって母により、四郎と
確認されたとのことです。まあ今のように、全国一斉指名手配など出来ませんから、
こうやってクビをとってから後で誰か確認するという、間違われた人間にとっては
甚だ迷惑でしかない手段がとられていました。

 さてやっとここで、島原の乱が起きた原因ですが、例のごとく赤点を取り続けていた
ため何故起きたのかまったく覚えていないのですが世間では、徳川幕府の
キリシタン弾圧に反抗したとなっていますが、学者の見解は違うようです。かねてより
この地方は地域的に農業がうまくいかずそれほど豊かではありませんでした。
それをよせばいいのに松倉というアホ領主が、幕府には「うちはもっともっと米が
とれまっせー」と言い、農民には「ほらー飛んでみろよー、ポケットでチャリチャリ
小銭が鳴ってるだろー(このギャグ分かる人いるんだろうか…)」と年貢の取立てを
非常に厳しく行い、収められないものには水攻めなど拷問を行ったがために、重税に
あえぐ農民らが一揆を打ち立てることになったのです。
 ただし、この背景には、大名が力をつけないように参勤交代をさせたりなんだかんだ
させたりした幕府のムチャクチャな政治があり、幕府はそれを隠すために、この島原の
乱を治めた後、領主松倉を打ち首としました。このムチャクチャな政治がのちの明治維新
につながるとかつながらないとか。

 さてやっとお待たせしました。映画の内容に入ります。あっっお客さん、寝ないで
下さいよう、これからでやんすよー。

 世は徳川家光の時代。この頃が一番落ち着いていたと言われていますが、落ちつか
ないおっさん…いやいや偉い人が1人。その名を徳川頼宣といいました。要するに
「俺の実力はこんなもんじゃない、まだまだ上にいけるぞ」っていう野望持ちですな。
いますね、こういう男。ただ、そう思い込む人間に限って自分を過大評価している
ことが多く、大抵部下に裏切られるものです。野望というものは誰の力も借りず、
不言実行してこそです。ハッ(鼻で笑っている)
 その頼宣が鷹狩をしていると、空からええ歳こいたおっさんが変なコスプレをして
大きな翼を広げた何者かが舞い降りてくるではありませんか。その男こそ天草四郎
時貞。あの清純そうな面影はまったくありません。夏休み前は普通だった女の子が、
夏休み終わって登校していたらレディースに入っちゃってて髪の毛染めまくり化粧
ケバケバっていう感じです。衣装も、キャバクラのねーちゃんもビックリです。これが
天草四郎のセンスだったとしたら、もう私なら黙って肩を叩きそうです。
「いいから帰れ」と。

 まあそんなこんなで頼宣は四郎の手を借りまして、天下をのっとるべく行動を
起こすことになります。せっかく平穏となった徳川の世を力ずくでのっとればどういう
ことになるかわかりそうなものですが、頼宣はもう自分が天下人たるべきと思って
いるのでそこまで頭が回らないようです。
 そんなことが起きている一方で、何も知らずのんびり碁をやっているのは我らが
柳生十兵衛。碁をやっているからといって別にヒカルの碁を見て始めた訳でもなく、
佐為がとりついているわけでもありません。囲碁と将棋は武士のたしなみでもあり
暇つぶしのゲームでもありました。
 平和な空気を一瞬にしてかき乱したのが、馬に乗って逃げてきた女性、お雛。
そして、彼女を逃がしたじっちゃんは、魔界からよみがえった剣豪、荒木又右衛門
に倒されます。この荒木又右衛門は日本三大仇討ちの1人に数えられている人物
ですが、紆余曲折あって職務に復職したのですが、何故か彼を召抱えた鳥取藩は
彼の死亡を発表したという、謎に包まれた人物でもあります。ちなみに36人切りとして
有名ですが、あれは誇張です。そしてこの話でも十兵衛と対決したいとかダダこねて
かっこよく転生したわりにはあっさり話半ばで魔界に戻されてしまい、非常に微妙な
キャラとなってしまいました。
 えーちょっと話が飛びましたが、つまりは十兵衛の活躍で荒木を撃退、彼らは
お雛の話から今紀州藩で何かよからぬことが起きていること、魔界から復活して
いる人間がいることを知ります。お雛の姉おひろを助けるためにも紀州藩へ参上
する必要があるようです。

 で、天草四郎はいいとして、当然のようによりそっている女性の名前が最後まで
出てこなかったのですが、彼女はクララお品。多分原作者山田氏の完全な創作
キャラクターと思われます。ところで彼女を妖術でよみがえらせた時、四郎はやっぱり
「立った!クララが立った!」とか思ったりしたのでしょうか。

 えー…そして十兵衛の父、柳生但馬守のもとにあるムサイおっさんがやってきます。
なんや槍で十兵衛と勝負したいとかゆーてますが、どうでもいいから風呂入れや
ハゲとか思ったのは私だけでしょうか。(文中お見苦しい表記がありましたことをお詫び
致します)
 なんか名前が難しくて覚えられないので坊さんとしますが、まるでコナンの映画に
出てくる弁慶役でさっきまで出てきましたといわんばかりのかなり体格のいい坊さんは、
十兵衛の代わりに但馬守と対決し、負けます。
 んでもって天草四郎にスカウトされるわけです。スカウトといっても「やぁ、そこの君!
君のような人を探していたんだよ!今ボクの事務所ではね…」というさわやかなものでは
ありませんでした。まああんな四郎にさわやかにされてもイヤですが。
 そして但馬守のもとにも天草の手が…。但馬守は病に体を蝕まれており、永遠の命と
引き換えに魂を売り渡すわけです。しかし仮にも柳生の流れを汲む者、たやすく魔界
に寝返ってしまうというのも悲しいものではありますね。親子対決というのを描きたかった
のだと思いますが、ちょっとだけ悲しいです。

 ところで将軍家では家光が病に臥せっておりまして、しばらく忘れ去られていた頼宣は
これが絶好のチャーンス!将軍の座ゲットだぜ!と江戸に行くことを決めます。ところが
どっこい、見舞いという大義名分でありながら、たかが数泊の旅行に、パンパンになった
旅行カバン5つも6つも持っていく女の子のように家臣やらなにやらを沢山引き連れて
いったため、かなりの日程を要すことになりそうです。その期間実に8日。え…?
 参勤交代でも大体半月以上かかっていったはずなのですが、8日で到着ってあんた
ジンジャーにでも乗っていく気ですか(いやあれそんなに早くないし)。
 18日の聞き間違いであればいいのですが、流石に8日でたどり着くことは無理だと
思われます。馬なら別ですけどね。
 
 さて、オヤジさんに負けたとかいう坊さんも倒し、十兵衛は天草四郎と対峙します。
もー四郎ってばどこでもかしこでも出現するので大変です。お前そんなに移動簡単に
できるなら、18日といわず今すぐ頼宣を江戸に連れて行ってやれよとか思うんですが。
 四郎の申し出を十兵衛は突っぱねます。まあ地獄を見たことがあるかとか唐突に
言われても、私らみたいに「カットを貼っても貼ってもおわらない」だの「アンケートを
編集しても終わらない」だの「〆切前なのに原稿が真っ白」という地獄を見た人間なら
ともかく、普通の人はそうそう地獄を見ることはないと思います。だからといって、
初めて対峙した時にいきなり地獄につれて行っちゃう四郎さんもどうかと思うのですが。
魔界の女をはべらせて、今魔界転生すればもれなくこのねーちゃん達に囲まれて
ウッハウハ!
とか言えば十兵衛も迷ったかもしれんのに…。
 ともかく二度目の対峙でも十兵衛は考えを曲げません。四郎さんは勝手に「じゃあ
君が死ぬ時はおいらが転生させちゃうからねっ☆」とかアホなことをいいます。
(セリフは多少誇張してあります)
 そんなことより、敗れて死んだ人間を片っ端から転生させていけば、倒したと思った
のにまた同じ敵が現れるということで、十兵衛側の気勢をそぐことが出来ると思うの
ですが、四郎ちゃんは頭が回らないようですね。

 一方頼宣は江戸に入る前に松平伊豆守という人に「武器を入れることはまかりならん、
武家諸法度に従い、自分だけで入れ」といわれてしまいます。これは家康が再び
江戸が混乱するのを防ぐために「入り鉄砲に出女」といって警戒していたものです。
 つーか普通、見舞いというのにあんだけ人数連れて行ったら警戒されそうなもの
なのに、のこのこやって来て指摘されてされてから気づくあたり、やはり頼宣は将軍の
器には程遠いようです。まあ、大体一代目が頑張って築きあげたのを食いつぶすのが
二代目三代目とは言われていますが。
 困った頼宣。そこらクララお品がやってきます。頼宣は彼女につかみかかろうとします
が、彼女は既に自らの肉体に死人を宿していたのです、よみがえったのは家康。
 クララは四郎の刀によって、静かに魔界へと戻っていきました。言葉をかけずに
クララを送った四郎。何を思いながら送ったのでしょうか?

 つーかジジイてめぇ血だらけ丸裸で何言っても説得力ねーんだよとか思ったり
こいたりするんですけども。
 四郎も、よみがえる時は気を利かせて魔界から服を持ってくるよう指導しとけば
いいのに…。
 
 一方まだ江戸入りしていない十兵衛らの前に、宮本武蔵が立ちはだかります。
なんだかNHKの大河ドラマ、大ゴケしているとの噂ですが、視聴率稼ぎのために
他作品にも出演して宣伝…といったところでしょうか。しかし、魔界衆として目覚めた
おひろにあっけなく刺されて魔界へ戻りました。というか武蔵のようにあっけらかん
と生きている人間によみがえれもクソもないと思うのですが。ともあれ、おひろも
反撃に会い魔界へ。きっと今頃向こうで取っ組み合いの大喧嘩だと思います。

 どうでもいいのですが、ここまで戦ってきたのが殆ど十兵衛1人というのは、ストーリー
として少し無理があると思います。魔界側の人間、こちら側の人間として何人か
別れているので、それぞれで対決すると思ったのですが、十兵衛以外が殆ど
ちょい役の扱いで悲しいです。

 江戸城では、僧による祈祷が行われていました。なんやこんなもん聞かされる
方が具合が悪くなりそうですが、こっそり屋根に降り立った四郎君。雨は降らすわ
江戸城に逆十字を書くは、やりたい放題です。あんたそんな、暴走族みたいなこと
して楽しいですか…。
 ともあれ、江戸城はぐっちゃぐっちゃのメッタめた。目覚めた家光はそこに、家康
の姿を発見!ゆめか現かとかほざいていますが、そらーあんた江戸城がこんな
状態ならゆめかとでもほざきたくなりますな。
 家光を切り捨てようとした家康、父との対決を果たし、ギリギリ駆けつけた十兵衛に
よって倒されます。
 出番、時間にして約3分。何のために魔界から戻ってきたのか分かりません。
敵を倒して去っていく分、まだウルトラマンの方が魔界転生すれば役に立ちます。

 そしてやっとラスボスです。もう十兵衛満身創痍なんですが。誰か1人ぐらい
同じレベルで戦える人いなかったんでしょうかねぇ。最近の戦隊物でも最低3人で
戦っているというのに。(ただし敵1人を集団でボコるというと激しく聞こえが悪い
ですが)
 雨の代わりに火花が降り注ぎ、激しく剣を交える2人。果たしてその結末は…?
 それは映画館でお確かめ下さい。
 いつの世も正義が勝つとは限りません。
 最後に。
 四郎君。気合をいれるつもりの君の動作が、あくびにしか見えませんでした。

 こんな天草四郎やったら、金田一の天草四郎伝説に出てくる財宝も、さぞかし
見つけにくかったことでしょうなぁ…。それ以前に中身だけ抜いた空箱とか隠して
いそうですが。
 人間素直が一番というお話でした。(そうか?)


ホーム金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→魔界転生