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20世紀少年

9/21鑑賞

 まず話の内容とは別にこの映画、原作を読んでいない人間にはずいぶんと不親切な
展開だなぁと思います。
 もちろんこの手のはいろんな謎がだだーっと積み重ねっていって、話が進むにつれて
解き明かされるというのがパターンですけども、飛び過ぎてて何が何だかわけがわかんない
んですね。多分原作でまとめて読むと面白いんじゃないか、とは思うのですが、その話の
流れをそのまま映像化したって、読むのと見るのとは入ってくる情報が違うわけで、原作
知らないとわかりづらいんですよ。
 しかも中だるみしてたしなぁ…。
 つーわけで出来れば、映画で使う話の流れを大まかに作った後に、映画用にそれを
組み立てなおしてほしかったですねぇ。この映画、結末を知っている人の視点から話の
流れが作られてるから、原作を知らないとあっちこっちエピソードが飛んで、見づらいったら
ないんですよ。結局2部への流れがバッサリ断ち切られた感じで終わってしまっているのは
残念でした。つーか直してこれだったらちょっと困りますが…。
 せっかくなんだから、原作を読んでない人間に読ませたいと思うような作りをして欲しかった。
 
 さて時は1973年から始まります。
 この頃は昭和後半あたりですっけ?昭和が大体70年前後続いててこの年が昭和48年だから
大体昭和初期・中期・後期の、後期に差し掛かる頃ですなぁ。
 んでロックを放送室でかけている悪ガキが出たところで今度は唐突に2015年。とぶねぇ…。
 海ほたる刑務所というところに入れられてるマンガ家が、ドア向かい合わせの囚人に文句
たれてます。なんかえー…なんだっけ?描いた漫画がこの年代の法律にひっかかってネットで
流していたら逮捕されたらしい。つかマンガの話されても話しかけられた方も困るだろとか
思うんですが。
 んで向かい側に入ってる囚人。この正体はおいおい明らかになります。
 あ、マンガのあらすじは、世界征服をたくらむ男がいて、それを倒すヒーローが現れた。
しかしそのヒーローこそが地球を滅ぼす本人だったと。これで逮捕されるって…おめーこれは
面白いマンガの王道パターンだろ。
 それで、向かい側の囚人が「俺は本当の正義の味方を知っている。悪に立ち向かった
そいつは俺の友達だ」と言うわけですよ。

 そんで年代は97年。
 コンビニの店員であるところの、さえない男がこの物語の主人公です。
 名前…なんだっけケンジ?ケンヂだったかな。
 ってかケンヂくんのおかあさん!売り物食べちゃダメ!ケンヂくんの言ってるようにそれ
万引きと同じだから!そうやって損失みたいな扱いしてると税務署にやられますよってマルサの
女でやってました。
 
 そこに警察が来たんですけど、警察手帳見せてるけど97年だからさすがに古い。昔の
タイプのやつだー。
 なんでも、ビールをケンヂがちょくちょく配達していた、敷島教授宅が一家全員行方不明なんだ
そうです。
 そういうことであわてて集金にいきますが当然誰もいるわけはなく。
 ケンヂは家の壁に、変な、見覚えのあるマークを見つけます。
 それで悩んでいたら幼馴染のマルオに出会って、明日同窓会だって知らされます。

 このあたりの導入部はまあまあいいんですけどねぇ…こっから結構ダレてたなぁ…。

 一方で、敷島教授のゼミ生の一人が、全身の血が流れ出た死体で発見されます。
それを刑事は、今アフリカで発生している伝染病ではないかと推理するのですが…つーか
もう現場に踏み込んでる時点で感染するならしちゃってると思いますけど。

 ケンヂは同窓会に参加してしばらく昔の話になります。
 その中で最近ジワジワと広がっている、変な宗教団体の話が出てくるんですね。
 教主は「友達」と呼ばれていて、予言を行っている。その予言が昔ケンヂが秘密基地で
せっせと書いていた「予言の書」の内容と同じなので、同級生達はその秘密基地のメンバーの
誰かが「友達」ではないかと考えているわけです。
 ここは結構重要なポイントですね。あ、ちなみにその予言は全部現実のものになって
いるそうです。そういうのは結構やろうと思えばできないことはないと思いますけど。

 で、木戸ことドンキーという名前の、遊び友達が飛び降りて死んだことを知らされ、
ケンヂはショック受けるわけですね。
 しかもそのドンキーから一週間前に「会って話がしたい」と手紙が来ている。つーか
お前それ下駄箱の後ろに落ちてたとか大変なことじゃないですか。
 まあミステリーとかって大抵こういう手紙は間に合わないと相場が決まっているもの
ですが。もしくは呼び出されて行ってみたらそこで相手が死んでいて、犯人として逃亡
するハメになる展開。こっちは金田一とかでよくありますわな。
 わかっちゃいるけどそういう展開は面白いのですが。
 こっちは全然気がついてなかったわけだからどうしようもないというか…。
 
 ドンキーのエピソードでひとつ、夜の学校へ行くことになって、入れ忘れていた水槽の
スイッチを入れて来てとドンキーに頼んだらしいんですが、その学校で彼は何かを
見たらしい。が、これを彼は話さなかったというのがあります。
 これは何か関係あるのかなぁ?

 ともあれ、映画の方は相変わらずあっちゃこっちゃに話が飛んでややこしいんですが、
ともかく秘密基地に埋めたタイムカプセルの中に、予言の書が入ってるはずだという
ことで、現在はマンションになっているところに忍び込んで大の大人が発掘作業。
 これ通報されたらマジやばいと思うんですが、なんで大人だからこそきちんと許可
とって掘ろうとか考えないんだ。
 どうも彼らは思いついたら即行動というとこは子供のころから変わってないらしい。

 結局掘り当てたカプセルの中には予言の書はなかったのですが、新興宗教がマークに
しているのと同じマークが出てきたことで全員思わず無言に。
 あとロボットのスケッチとかも出てきました。

 一方で、死んだドンキーの教え子もこの宗教にはまっていたらしいんですが、別の
宗教の教主を刺し殺すという凶行に及びました。
 まあこういうのはよくあることですなぁ。捨てゴマに使われるってやつで。
 
 ここでようやく、仲間の一人ゆきじがケンヂに会いに来るんだけど、結構な美人に
なってましたねー。今は麻薬Gメンとのこと。
 実は友人が宗教団体被害者の会みたいなのを作っていて、そのマークがあれだった
から、ケンヂに会いにきたらしい。
 これを考えたのはオッチョだ、というのですが。
 オッチョは9年前バンコクで失踪したらしいです。
 いや失踪は珍しくないことだろうけど、その後現れた彼を見て私は、この9年間に
一体何があったんだと思いましたね。お前はケンシロウかよ。

 えー。
 これは太陽にほえろか?というような、チョーさんヤマさんのコンビがでてきまして、
チョーさんはヤマさんに、自分は「友達」の正体を突き止めたって言ってんですね。
だけれどももう退職だから仕事を全部引き継いでほしいと。
 ヤマさんはチョーさんを笑顔で送り出したのですが…。
 帰宅途中チョーさんは謎のウィルスに全身を侵されて死亡。実はこのヤマさんも
あの宗教のメンバーだったわけですよ。
 この辺は面白かったなぁ。

 さていよいよ話がこんがらがってきましたが、ケンヂが今日もコンビニで働いて
いると、ホームレスらが集団万引きするわけですよ。
 それを追っていくと、彼らの家に、死にかけの男がいて、予言の書の話だとか、
ドンキーは実は殺されたんだとか、レーザー銃を渡したりして力つきました。
 あああと、世界を救える正義の味方はお前だ、とも。
 自分が適当に子供のころ書いた予言がすべて的中していると知って驚くケンヂ。
 まあ人海戦術でできなくはない予言ですけどね。それを見抜かなければ相手の
術中にはまるぞ、ケンヂ。相手は不思議な力を持った特別な存在なんじゃなくて、
単にトリックを用いて自分を大きく見せようとしているただの人間なんだ。
 怪人20面相なんか準備8割実行2割の力配分だぞ。(何の話をしている)

 あ、もうひとつ。
 男は、ケンヂが世話している姉の子供であるところの、カンナについても気を
つけろと言います。
 このカンナは姿を消した姉が世話をして欲しいと産んだ子供らしいんですが、
父親もわかんねーし、結婚するかも知れなかった諸星という男の子供でもないしと
謎だらけ。
 つーかこの姉もそういえばどこ行ったんだ。

 そういうわけでケンヂは次の予言が、飛行場爆破だったことを思い出し、成田には
ユキジが勤めていたからとあわてて連れ出しにいきます。
 そこにいた不思議なおっさんが、「子供のころここはあったかね?」と問いかけます。
つまり爆破されたのは羽田の方だった。
 そんなこと知らねーよ。
 あわてて帰宅してみればコンビニが満員御礼(ただし全員宗教のメンバー)になってるし。
 カンナを狙ってやってきたらしいですが、間一髪ケンヂが助けます。というかこのお母さん
達ものんきというか。
 このコンビニには防犯ブザーはないのか。
 ともかくこの宗教バカが失敗したからと仲間に火をつけて殺したのはいいがそれが
コンビニの中という、とんでもねーところでやったためコンビニ全焼。いやもう、失敗とか
なんとかいう前にお前ら全員人生に失敗してるよ。

 怒りまくりのケンヂは「友達コンサート」というのに乗り込んでいくのですが、「友達」に
会ったところで叩きだされました。
 つかこういうとこに乗り込んでいくエピソードってよくあるパターンだけど、周囲がノリノリ
なのにその本人だけまったくのってないからすぐバレるんですよねぇ。もうちょっと演技
しましょう。
 で。
 コンビニの焼け跡に戻ってきて偶然、そこに埋もれた予言の書を発掘したケンヂ。
 
 というわけで2000年?よくわからんのだけど、ケンヂはテロリストとして指名手配
されてて、地下に潜伏して過ごしてました。これまでのことがすべて彼のせいにされて
いるらしいです。
 まあ当たってなくもないけどどう見ても実現不可能なわけだし。
 ただ、警察やマスコミなどに、宗教メンバーが入り込んでいることを考えると、でっち
あげるのはわけないですなぁ。
 つーわけで「友達」を倒すために仲間を集めることに。

 一方で。
 遅れてやってきたヒーロー・オッチョ登場。めっちゃつえぇぇぇ!CMで「やらしやろー!」
と言ってる人と同一人物とは思えねぇぇぇ!(蚊取り線香のCMだったかと)
 オッチョはケンヂからの連絡を受けて帰国。つーか仲間の中で一番頼もしい人じゃ
ないですか、オッチョ。
 地下にゆきじもやってきて一応メンバー揃ったんだけど…。
 ここでヨシツネが、昔自分達をいじめていたヤン坊・マー坊にも計画を話して仲間に
加わるか伝えるんですが、なんと彼らは「友達」の友達だった。(ややこしい)
 つーわけで地下のアジトを追われることになってしまいます。

 ヤン坊・マー坊は佐野史郎さんが二役されてて面白かったです。不気味な感じが
よく出てた。

 んでまぁ、いよいよ人類滅亡と予言の書に書いてある、2000年12月31日前後に
なりまして、国会議事堂も爆破されちゃって、あーだこーだしていたら、突如でっけぇ
ロボが出現しまして、彼らはいよいよ戦うことに…。
 って普通はこのあたりで次回に続くとかなるかと思うのですが、巨大ロボを止めようと
中に乗り込んだらもぬけの殻で、驚くケンヂの前に、塔の上に「友達」が立っていて
ケンヂにかぶっていたお面をとってみせるのですが…。
 ケンヂが「お前は!」と驚いたところで、仕掛けていた爆弾が爆発して木っ端みじん。
 いやこれは突っ込まないとだめだろいろいろ!
 時限爆弾仕掛けておいて逃げない奴があるかとか、そもそもその時限爆弾で周辺
ビル全体が吹き飛ぶなんてどんだけ威力でかいんだよとか、結局何がしたかったん
だか全然わかんねぇよとか。

 つーわけで独房の中のオッチョが「俺たちにはまだ希望がある」といったところで
2015年になりまして、成長したカンナ登場。
 えーっと…予言の書にあった「9人の戦士」とかいいながら7人しかそろってねーよ
とか、年代が飛び飛びでさっぱりわかんねーよとか最後あたりグダグダな気がするの
ですが。
 これで続かれても困るというかなんというか…。

 ちなみにあのマークのネタは、少年サンデーの、左ページにある手のマークと
瞳を組み合わせたものだそうで。そういや少年サンデーってそうでしたね。
 
 この映画の中ではオッチョが一番かっこいいなぁーと思いました。ケンヂも、普通の
人が頑張っているというので嫌いじゃないんだけどいかんせん「お前はアホか!」という
突っ込みどころが多い。
 で、オッチョ以外皆死んじゃって(はいないのかな。予告で出てたし)どうするつもり
なんでしょうか。さすがにこのメンバーに2015年になって戦えというのは酷でしょう。
 戦う前に老衰で死ぬぞこいつら。
 


多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→20世紀少年