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地球が静止する日

1/9鑑賞

 あらすじ:「…全部悪いのはアメリカさんですよね?」(byヘタリアの日本)


 んー、面白いことは面白いんだけど、結構あっけないもんだなという印象を受けました。
物足りないんですね。
 ただ実際に起きたとしたらこんなもんかなって気もする。
 劇中の中の私の好きなセリフは、
アメリカの国防長官「話を聞くわ」
使者「人類の代表として?」
長官「大統領の代理としてよ。私達の星に何の用?」
使者「君達の星?」
長官「私達の星よ」
使者「それは違う」 
 ここですね。つーかこの映画のアメリカの態度は、わざと脚本上でやってるのかも知れないけど
まさに良くも悪くもアメリカって感じでした。

 さてさて。物語が始まる前に一言。
 ドラゴンボール実写のCM新しくなってたけど、ブルマがやたら武闘派になってた。これは…
悟空と最後ハッピーエンドってオチですか!?

 ともあれ。
 1928年インドにて、雪山でビバークしていた男性がおりました。彼は山中に落下した
ナゾの物体に近づいていき、よしゃいいのにそれをピッケルで壊しました。
 おまえぇぇぇ!いきなり何しとんじゃぁぁぁぁ!
 中身はなんか雲が流れてるみたいで、面白かったです。っていうかこういう映像は
嫌いじゃない。
 あふれんばかりの光に包まれて彼が目を覚ました時、物体はどこにもありませんでした
とさ。
 ただここでわからんのが、のちに現れる使者はこの彼の姿をコピーしただけなのか、この
彼自身をのっとっていたのかということですな。
 どっちなんでしょうな。小さなことですが。

 場所変わって大学。
 講義をしている女性教授が多分ヒロインですね。
 なんか電話を受けていきなり警察に拘束されました。こういう拘束の仕方は大抵、
お偉いさんが呼びつける時のやり方ですね。高速道路封鎖してるし…。
 この教授ことヘレンには小生意気な息子ジェイコブがいるのですが、ひとりで留守番させる
わけにはいかないからってんで、友人に頼んでた。
 このねー、ジェイコブがねー、ほんっっっと腹立つんですよ。地峡が滅びかけた原因の1/3
くらいはお前に責任あるぞってくらいむかつく。子供にありがちな、大人ぶった行動だという
のは見ててわかるんだけど、そんなら自分一人になった時にあわてんなよと。
 ともあれヘレンは軍の施設へ。そこには、他の科学とか宇宙学とかの専門家もたくさんいて、
何やら不穏な雰囲気がありました。
 国家の危機らしいですよおくさん!
 で、携帯電話とか取り上げられそうになったんだけど、知り合いが中にいたからたまたま
ヘレンはノーチェックで入れた模様。

 事態は何かというと、要するに宇宙から飛来してるものが地球に当たりそうで、これが
見事にヒットする位置なんでお前ら対策を考えろと。
 お得意のミサイルで撃ち落とせや。
 あとアメリカさんならヒーローで地球おおえばいいじゃん!(ヘタリアネタ)
 しかも衝突の時間があと1時間とちょっととか、お前こんな時間になって専門家呼んで
間に合うわけないだろ!あと1時間ゆーたらロケットでも発射準備しとる間に衝突して
しまうわ!お前はほんとうのアホだな、アメリカ!
 とか突っ込みながら見てたわけですよ。
 んでヘレンはジェイコブに平静装って電話してんですね。トイレで。
 したらドアをどんどんどんと兵士が叩いたわけですよ。見つかったか…と観念して
所持が禁止されているはずの携帯を持ってドア開けたら、その女兵士が、「携帯を貸して
いただけますか」って。
 気持ちわかる気がする。パニックを避けるために外への連絡が一切禁止されてるわけだから。
 ここのシーンはほんっとに何気ないんだけど好きです。

 一応アメリカ、迎撃しようとするんだけれどもなぜかミサイルが発射できない。
 んでなんもしないうちにあっさり衝突の時間…となったのですが、光る物体は減速し、静かに
地球へ降り立ったのでした。
 よしゃいいのに軍隊とか、ヘレンらの乗ったヘリがそこへ降り立ちましてですね。
 ばらばらと出てきたんですよ。
 …もし攻撃されてこの専門家全滅したら対策立てるもクソもありませんけど…。
 まあいいや。
 そんでこわごわ皆が近寄って行くと、中から何かが下りてきた。ヘレンは一人勇敢にも
歩み寄ります。握手しようとしたその時。
 いきなり使者撃たれたよ!誰だよ撃ったやつ!空気読めよ!
 そんで中から出てきた、サイクロップスが宇宙服きたらこうなりましたみたいなのが攻撃
して、そこら一帯停電したりとか大変なことに。当たり前といや当たり前ですが。

 撃たれた使者を軍の施設に運び込んで手術になるのですが、ヘレンは、中のものが
人間と同じ体の構造をしていることに驚きます。つまり、外の銀色のは分解する宇宙服
だったと。こらすげぇ。…帰るときどうするつもりなんだこの宇宙服。
 あと、血が赤かったのも人間の体になっていたからかも知れませんね。

 中からあらわれた彼は、すぐに言葉も話せるようになりました。
 んで、そこにやってきたのが国防長官ですよ。これがまたいけすかない。人類代表の
ようなつもりでいやがる。いやこれは大統領の意志か。
 使者ことクラトゥが、各国の首脳と話し合いたいと言ってるのになんか人類代表気取りで
話してるし。
 ここで冒頭に書いたような会話が交わされるのですが、クラトゥが「この星は人間のものでは
ない」とすっぱり言い切ったのは気持ち良かった。
 
 少し前にとあるCMで、「環境を守りましょう。何何しないと人が〜できない」みたいなのを
やってました。ちょっと詳細覚えてないんだけど、つまりは地球上で人達が生活していけ
ないみたいな感じだったんですね。
 私はこれを見て「何を思いあがってるんだろう」って思ったのを覚えてます。環境破壊しないことは
もちろん大切だけど、この地球には人間以外の命がいくつあると思ってんだと。
 
 話がそれましたけど、長官は話し合うつもりもまったくなくて、ヘレンに薬を投与させて、
監禁しいろいろ聞きだすつもりのようなんですね。
 軍を襲ったからとか言ってますが、最初にクラトゥを撃ったのはあんたらですけど。

 納得いかないヘレンは薬をうまくすり替えてクラトゥに「逃げろ」と言った。
 アメリカには「対等に話し合う」っていう選択肢はないのか…。まあこれが使者来たのが
日本だったら「善処します」「また今度」「考えます」答えは全部イイエです!だな…。
 ともあれクラトゥはうまいこと逃げ出しましたよ。
 ネクタイのしめかた知ってんだな…。
 でも逃げる時に線路を歩くのはよくないと思います!お前はあれか、UFOの中で
スタンドバイミーのDVDでも見てたんか。

 駅にたどり着いておなかがすいてたクラトゥ。自販機を操作してお金を入れずに
食べ物を取りました。子供が見てるじゃないか!子供の前でこんなことしちゃダメ
だろう!っていうかサンドウィッチ好きですかそうですか。
 そこの駅では避難騒ぎが起きていて、切符の奪い合いとかもあるんですね。
クラトゥはそれを見てますます「人間は排除すべきもの」という考えを強めるわけです。
 この星は人間がいなくなれば助かることができる、と。
 こういう考え方は昔から、人間を滅ぼそうとやってくる宇宙人には共通したテーマですね。
ただいつも不思議なのが、そんな高度な文明持ってるなら、地球の状態をまずリセットして
人間を取り除いた方が早いんじゃないかなーと。まあそんなことしたらストーリーが立ちゆかない
からでしょうけども。
 クラトゥ、なんか具合悪くなって倒れた。大丈夫ですか。サンドウィッチ腐ってたのか?

 ヘレンはそのまま帰宅してたんですけど、駅から電話受けていくとクラトゥがおりました。
薬がいるとかなんとか。よくわからんけど、ヘレンはいい人だから彼を連れて帰りました。
ああ、傷薬が欲しかったらしい。塗るとすぐ治ってんだけど。これはガマの油からとった
有名な傷薬ですか?(クラトゥの体質だろ)
 しかも後部座席に乗ってたジェイコブはクラトゥのこと「殺した方がいいよ」とか言うん
ですよ。
 失礼ながらこの子の教育は間違ったとしか思えない。殺した方がいいという言葉が
すんなり出てくること自体異常だよ。それが「パパならすぐ殺してた」というものであっても。
おかしいですよこの子。

 どうも変だと思ったらヘレンは、ジェイコブの父と再婚した女性であり、血のつながりは
ないっぽいんですね。んでその父は死んでしまったと。だからまだ他人同士っていう意識が
ジェイコブには強いんでしょうね。それはいいけどジェイコブの教育は問題ありすぎだ。
 で、そんなことも気にせずクラトゥはマクドナルドに車をとめてくれるよう指示。
 なんだよサンドウィッチの次はハンバーガーかよ。どんだけアメリカ好き!?
 と思ったら、中に入り、同志と思われるご老人と話してました。
 連れてきた男性は老人の家族ではあっても正体までは知らない様子。

 それで、人間を滅ぼすことにしたと話すクラトゥに対して老人は、自分は人間達と
運命をともにするって言うんですね。
 戦争もしてるけど人間の別の面もたくさん見てきたから見捨てられないみたいな。
 彼ら(人間)が好きなんだよ、と。
 ああなんか気持ちわかるなぁ。
 ただしクラトゥはまだそういうのを見てないから理解が出来ない。
 
 それで彼らは森に行くのですが、はっきりいってクラトゥがヘレンと逃げてるってのが
ばれまくってますから当然追跡もされてます。車かえるとか考えんのか。
 あと、ジェイコブに車に残るよういって、中からロックかけとけって言ってますが、あの
ヘレンさん…後部座席のジェイコブが乗ってるとこだけロックしても意味がないような気がします。

 森の中に入って行ったクラトゥは、湖から出てきた光の球体に手をかざしています。交信
してるのかもしんないですね。よしヘレンさん、後ろからドーンと行くんだ!(やめなさい)
 各地でこの球体が出現しているところから、これはさしずめノアの方舟といったところ
でしょう。…っていやいやいや救済はいいですが絶滅危惧種とかどさくさにまぎれて
持ってってないですか。
 まあでもトキとか増やしてくれそうだな。(そういう問題ではない)

 ここでひと悶着ありまして、また例によってジェイコブが問題起こしてくれるわけ
ですがひとまずヘレンは、本当の人類の代表と話し合って、みたいなことを言って
クラトゥを連れて行くのですよ。

 クラトゥは、この星は死にかけている、人類が殺そうとしているとヘレンに話し、
ヘレンは私達を助けてってお願いするんですね。けれどもクラトゥは「ひとつの種のために
星を犠牲に出来ない」ってごく当たり前のことを言います。人類が滅びれば地球を救うことは
出来るって。
 ヘレンは「私達は変われる」と言いますが…。
 でも人間は環境保護をと言いながら今日もまた環境破壊をやってるわけで。変われる変われる
って言って変わらんのは「明日こそダイエット始める」と言いながらケーキ食ってるのと変わらん
わけで。(なんか例がものすごくこじんまりとしたものになったぞ)
 この手の映画のオチは大抵、人間が変わろうとするというものですが現実的に、私はいつも
「のど元過ぎれば」ではないかなぁとか思ったりするわけです。
 私自身エコなことしてないからたいそうなこと言えませんけどね。

 さてヘレンの友人でありノーベル賞受賞してる学者さんのカールという人のところへ
一同やってまいりました。
 黒板に書かれている公式を見てクラトゥが無言で直し始めてて、それを見たカールも
いろいろ書き添えたりして、こういうシーンは無言で分かり合える専門家みたいな感じで
かっこいいなと思いました。
 いやホントむっちゃかっこいい。
 それでカールは、動物の利他行動について研究している人なわけです。
 利他行動ってのはぶっちゃけて言うと自分の損得関係なしに人を助ける行為のことです。
これは人間だけでなく動物にもあることがわかっており、今でも沢山研究が進んでいます。
 ライオンに襲われたわが子を牛が徒党を組んで助けるとかいうのはこの行動ではなくて
本能っつかそゆものだった気がしますが。
 
 つまりヘレンは、人間は自己的なだけでなくて、いろいろ助け合える面もあるよ、みたいな
とこを説明しようとしたわけですな。うん、これは納得。
 ところがどっこい。
 話し合ってる最中にジェイコブがテレビ報道見て、クラトゥがここにいると通報してしまったわけ
ですよ。ほんっとにチャンスをことごとくダメにしてくれるガキだな。
 
 一方でクラトゥを守るためにいたサイクロップスの宇宙版みたいなのはロボットだった
らしいんですけど、それをアメリカが押収して調べていました。だからー。そういう勝手な
ことをするからますます人類の立場がやばくなるわけで…。
 
 話し合いがいいところに行きかけたところで、クラトゥ、追手に気付きました。脱出
したのはいいけども、またジェイコブが「身の安全」がどうとか言って一人すたすた
歩き出すし。それを追いかけたヘレンがさらわれました。さらわれたっていうか身柄
確保されたっていうか。
 見ろジェイコブ。お前が無責任にしゃしゃり出てやった結果がこのざまだ。お前は
自分の手で人類が助かる選択肢をひとつつぶしたんだぞ。
 もうこのシーンはほんっとにメチャクチャ腹が立ちましたね。事態を理解しようとして
ないこともだけれども、ヘレンが必死にこの地球を救おうと行動してたのを台無しにして
平気ってことでしょ。国防長官がやってることと何らかわらんじゃん。
 ともあれ一人クラトゥと残されて急に心細くなったジェイコブ。クラトゥはこいつ放置しても
許されると思うんだけど、優しいから連れ帰ってあげるんですなぁ。いい人だぁ。ほろり。

 一方であのロボットの方はなんかちっちゃな虫みたいになった。
 いよいよ攻撃が始まったらしいです。
 こっからはすごかったですよ。
 まさに「基地封鎖できません!室井さん、俺はあんたの命令を聞く」状態でした。
 あと字幕に出てた0524時って何時ですか?05時24分ということでいいんでしょうか?

 ジェイコブ、自分の父の墓に連れて来て、クラトゥに「パパ生き返らせてよ。出来るんでしょ」
とか言ってますよ。はぁぁぁぁ!?あんた何厚かましい要求してんだ!?自分でクラトゥを
ピンチに追い込んでおいて今度は要求ですか?しかもクラトゥができないとか言うと
「あっちへ行け」だし。
 …ちょっとこいつミサイルで地球外に放り出してもいいんじゃないですか?

 そこへ長官を説得したヘレンが帰ってきます。クラトゥと交渉してみるからってんで帰って
きたらしい。
 あとはまあ、こんなガキでも必死に守ろうとするヘレンの姿を見て感動したクラトゥが、
交渉してなんとかして、そんで自分も帰って行くってな感じでしたが。
 だから余計に最後あっさり終わっちゃったな、という気がしないでもない。
 ともかく、人類の危機というテーマでは、よくあるパターンの話だなという感じがあったかなぁ。
それと、クラトゥが人間の汚い面を見たりとか、その一方で良い面を見たりっていうシーンが
少なくて結局、人類がアワアワしてるうちに解決しちゃいました感は否めない。
 なので、見てておいてけぼり〜みたいな雰囲気はありました。
 まあ、話の持っていき方はそんなに悪くないので、こういうテーマのものを見たことがない
人にはいいんじゃないかなと。
 教訓めいてなくて押しつけがましくはありませんでしたね。むしろいいのかアメリカって
くらいアメリカ国防が悪者でしたが(笑)。
 人類が地球のために出来ることは何かって言われたら…そうだなぁ。
 現状を知ること、だと思います。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→地球が静止する日