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Disney's
クリスマス・キャロル

11/15鑑賞

 例えどんなに散々な一年だったとしても、人々にとってクリスマスとは、神の祝福を
祈りあい、生きていることの幸せを分かち合う日です。
 そんな日に仏頂面をしている人間がいるとしたら…その人物はスクルージにほかなりません。
 
 クリスマス・キャロルはとても有名なクリスマスのお話ですが、何度も本で読んだことが
あるという人も、せっかくですから映像で楽しんではと思います。
 ディズニーの名にふさわしい、ファンタジーあふれる光景が広がったかと思えば、いきなり
極寒の風景が広がる、その映像がすごいです。
 見終わったらきっとクリスマスの日に「MerryChristmas! God bless you!」と言いたくなるでしょう。

 関係ないけどゲイリー・オールドマンさんが声あててた!もっとちゃんと聞いておけば
よかったぁぁぁぁ!DVD買うしかないねコレ。

 
 えー物語はいきなり死体から始まります。どうなのよ。ファンタジーあふれる物語序盤が
いきなりおっさんの死体!
 彼の名はマーレイ。スクルージの共同経営者でした。
 死亡証明書にサインしたスクルージは、めっちゃ嫌な感じでコインを墓掘り人(だと思うけど)
に一枚渡しました。しかしそれでは足りなかったと見えて、さらに手を出す墓掘り人。
 スクルージ、ブルブル手を震わせながらコインをもう一枚差し出します。彼にとってはお金は
命にも等しいものであり、お金を払うくらいなら死んだ方がマシ、という人のようですね。
 どっかにおったのー!小銭と金儲けが大好きなしもぶくれ国王が!

 しかもそのお返しとばかりに、マーレイの目の上におかれたコインをかすめとるスクルージ。
死者が天国に行けず彷徨おうがどうでもいいらしい。
(日本で言う、三途の川の渡し賃と同じ考え方)
 それくらいケチなスクルージですから、町中で浮かれているすべての人々を睨みつけ
ながら仕事場に帰宅。
 なんかもうここだけシベリアのようだな!

 それから7年後。
 スクルージは、クラチットという人を雇っていました。
 が、ケチですから暖炉の火も「ふーけーばとぶよーな」といった感じで、しかも石炭は
鍵をかけて勝手に取り出せないようにしている有様。
 必要だから雇っているのでしょうが、賃金でさえもったいないのに、どうして暖める火が
いるものかってな感じですね。
 ケチもここに極まれり。

 そんな彼のところに、甥であるところのフレッドがやってきます。およそスクルージの親類
とは思えないくらいバカに明るい。
 スクルージが「浮かれるな、貧乏人のクセに」と言えば「伯父さんは不機嫌だな、金持ち
なのに」と返してくる有様。気をつけろ!こいつ結構突っ込み慣れてるぞ!
 ともかくスクルージ曰く、クリスマスが大嫌いだそうで、メリークリスマスという連中を
全部殺したいらしいです。そうしますとお宅様のお客様もいなくなるわけですがそれで
よろしいか。
 
 そういうわけでフレッドは神の祝福をーって言うけどもスクルージは追いかえしてしまいます。
 明日夕食を、と誘ったけどとてもじゃないですが来る気なんてまったくないみたいですね。
 クラチットが親切にフレッドを送り出していたのが唯一の救いでした。
 スクルージはフレッドを「あいつは週給15シリングで働いとるんだぞ」とバカにしています。
 この当時の価格だとメイドとかが給与1ポンドでしたから(4万円)、週給30000円くらいと
いうことになります。今の日本だとアレな額ですが19世紀なら十分な給料です。ちなみに
今現在だとたった105円くらい。生きていけるか!

 さてさて。
 スクルージのところに別の人が訪ねてきました。
 正しくはマーレイを訪ねてきたのですが、彼らは客かと思いきや、寄付を募る人達でした。
後ろでこっそりとクラチットが逃げているのが笑えます。スクルージがすごい剣幕で怒りだす
ことを予測してでしょうか。
 スクルージは、貧乏人を救うために救貧院があるだろう、そこに行けばいいだろう、なんの
ために救貧税を払ってると思ってんだ、と一蹴。
 助けてもらえないものは死ねばいい。余計な人口が減る。
 お話になりませぬ。

 救貧税というのは日本の生活保護にもつながるような、ヨーロッパで始まった制度で、まずしい
人を皆が助けて当然であるという考え方からきたもの。
 しかし悪いことを考える奴はどこにでもいるもので、賃金をもらって働いていても、最低限の
生活費に足りない分は救貧税から差額が支払われたため、悪い雇用主が「だったら賃金を
そんなに多く払う必要ないじゃん」と引き下げてしまったんですね。そのため救貧費の支出が
増大し、丁度このスクルージの頃には救貧税が3倍になっています。真面目に働いているものが
重税に苦しみ、貧富層が何もしなくても楽に暮らせてしまうという有様に。
 スクルージがこの実態を知ったら発狂しそうですな。

 仕事を終えて帰ろうとするスクルージに、クラチットが、明日、クリスマスに一日休みを
もらいたいと言います。
 つーことは他の日はずっと働きっぱなしという労働基準法ぶっちぎりな状況のようですが、
それでもクラチットは優しいので頑張っているんでしょう。
 そんな彼に「明日一日働かないのにその分の賃金を払わねばいかんとは」と嘆きも
ひとしおです。しかも、明後日の朝は早く出て来いとか言ってます。
 こいついつか殺されるんじゃないのか…。

 ま、立ち去ったクラチットがひゃっほーい、クリスマス万歳!って感じで子供達と遊んで
いたのはかわいかったです。

 そういうわけで帰宅したスクルージ。
 鍵を取り出して開けようとしている時に、ノッカーが変なおっさんの顔になった。マーレイ
でしょうか?そりゃ怖いわ!
 でもびびっておきながら、もとのノッカーに戻っているのを確認すると、途端に強気になる
スクルージ。いますねー、こういう人。
 
 つか二階に上がる階段をろうそくつけてあがっていったけど、そのじゅうたんを取り去って
売っぱらえばいくばくかの金になるんじゃないのかスクルージ。自分一人で住んでいる
ところにそれはいらんやろ。

 暖炉の前で見るからにまずそうな御飯を鍋から食べているスクルージ。どうやらイギリスの
メシがまずいというのは本当のようだな…!灰色とか。どんな料理だよ。
 多分この人のことだから安くてまずいペースト状のものとかなんじゃないのかと。
 さてそんなスクルージ、奇妙な物音がするのに気付きます。
 見上げればベルがぐわーんとなりだしました。
 いや鳴るのはいいけどマジにうるせぇー!
 しかも地響きがしたよ!
 それで収まったので安心しているところに、今度はドアが開くような音が。
 その足音は一歩一歩階段を上がってきます。
 ホラーものでもそうだけど、少しずつ自分のところに近づいてくるのって怖いよねって
いうかどうして幽霊は律儀に階段を一歩一歩あがるのか。ものをすり抜けて出てくるクセに。

 しかもその音はジャラジャラと、何か鎖のようなものを引きずっている音までついています。
 そうだね、クリスマスプレゼントだね!(違う)
 そうして向こうからぶわーっと飛んできたのは、鎖に繋がれた箱(透けてる)と、全身縛られた
幽霊でした。
 …遊んでいたら絡まって外れなくなっちゃった人?

 誰だ、何の用だ、と聞くスクルージに「誰だったのかと聞け」と結構細かいことを指摘
する幽霊。
 実体ないからあれだが、あったらブン殴ってるところだぞ!
 彼はマーレイだと名乗ります。
 お前が知ってる奴じゃねーかスクルージ!誰だじゃねぇよ!
 つーかマーレイ、普通に椅子に座るんだ!
 
 そんなわけでいろいろ突っ込みどころ満載なのですが、マーレイは生前の行いの結果で
こんな風に鎖でがんじがらめにされている、と話します。
 つまり彼もスクルージと同じようにケチで心が狭かったために、死してこうして苦しんで
いると。
 もっといい話を聞かせろと意味不明なことを言うスクルージに、いい話はないという
マーレイ。そりゃそうだ。
 そういうわけで死後ずっとさまよう身になったというマーレイ。…死体からスクルージが
コインをくすねたからじゃないのか?
 あとマーレイは幽霊なのに顎外れて慌てないように。何がしたいんだお前は!

 マーレイはスクルージに、こうなる運命を逃れるチャンスがある、と言います。
 これから3人の精霊がお前を訪ねる。それがチャンスだと。

 マーレイは出て行こうとするのですが、鎖が椅子に絡まって、窓際に引き寄せられて
慌てるスクルージが笑える。つーか迷惑だな!
 外には幽霊がいっぱい浮かんでて、箱を持っている者、何もなくて笑ってる者
様々でした。
 そういうわけでスクルージ、窓を閉めてカーテンも閉めてベッドで震えていました。

 つかヨーロッパのベッドってこういう、四方をカーテンでシャーッとしめて寝るのが
多いけどなんか圧迫感強そうで怖い感じがする。

 ともかくそんな彼のもとを一番に訪れた精霊。
 …ろうそくじゃねーか!
 なんだ、あなたの心に明かりをともしますってか。やかましいわ!(一人ツッコミをしない
ように)
 彼はスクルージの周りをウロウロしながらどっかに連れて行こうとします。
 ちなみに彼は過去のクリスマスの精霊らしい。

 彼はスクルージとともに空を飛んでどこかに向かいます。
 向かうのはいいけどスクルージ、ナイトウェアのままだから後ろから映すとパンチラに
なるぅー!こんなおっさんのパンチラ嬉しくねぇー!(実際にはそんなシーンはありません
でしたのでご安心を)
 彼らがやってきたのはスクルージの故郷でした。
 顔がほころぶスクルージ。彼は楽しそうに何もかも覚えている、と語ります。
 
 学校にやってきて、一人ぼっちの子を見る2人。
 つーかなんか教室がサイレント・ヒルみたいでこぇー!なんかクリーチャーがずりずりっと
でてきそう!
 ともかくですね、一人でぼへーとしている少年こそ若き日のスクルージでした。
 それからしばらくして青年に成長したスクルージを、妹が迎えにきます。
 なんかいろいろ家庭の問題があったらしいけど帰れるようになって、妹が迎えに
来たらしい。彼にはこんな幸せな時もあったのですね。
 ここで妹に、確か子がいたと言われてますがだからそれがおめー、昨日訪ねて
きたフレッドだろうが!確か子供がいた、じゃねぇよ!

 そしてまたしばらくして。
 フェジウィッグ、という人のお店に到着します。
 ここはスクルージが初めて働いた場所らしいです。
 フェジウィッグさんはとても陽気で楽しい人で、クリスマスは皆を呼んでお祝いするような
人でした。
 もちろんその中にスクルージも含まれています。
 つかフェジウィッグさん、奥さんと踊ってるけど、奥さんの回転ハンパねー!空飛べてん
じゃん!
 この奥さんなら言いそうだ!「飛ばない豚はただの豚だ」(失礼だから!)

 そしてそんな中でスクルージは素敵な女性に出会うのですね。
 2人はこのままうまくいけば結婚するはずでした。
 ところが…。

 事務所を構えてバリバリ仕事を始めたスクルージに、女性は「私よりお金が大事なのね」
と言っています。
 これが普通の男性なら「バカだな、一番は君だよ」とごまかしているところでしょうが、
相手はあのスクルージです。
 さっぱりわからないといった感じで、今でも君を選ぶよって言うけれど、女性に「両親が
いなくて持参金のない私でも?」と言われて言葉に詰まってしまいます。
 それがつまり、金がすべてと語ってるも同然なわけで。
 そういうわけで女性は彼の前から去ってしまいます。

 スクルージは精霊に、家へ帰してくれというのですが、精霊全然話を聞いていません。
 なんか顔をいろんな人の顔にしています。
 お前は何がしたいんだ!
 そういうわけで、精霊の火を消してしまうスクルージ。
 ホッとしたのもつかの間、火消し蓋がいきなりロケットみたくなって噴射。スクルージ、夜空に
スッ飛んで行きます。
 おいどうした!オチがそれか!(違)

 なんか落下してどうなることかと思ったけど、実際はベッドから落ちただけだった。
 まあ幻ではないでしょうが。
 そうして彼は光が差し込むドアを開けます。
 するとそこには高らかに笑う髭男爵が!(待て)
 いやだって、やたら笑うところとか、右手にワイン持ってるとことかそっくりだし!
スクルージ、「ボンジュール!」って言いながらどつくんだ!

 彼は現在のクリスマスの精霊。だからこんなに陽気らしい。
 かなり昔に流行った笑い袋みたいなおっさんやなぁ…。
 彼はスクルージに「私みたいな奴は見たことがないだろう!」って言ってます。
 日本のテレビに出てましたよあんた。(だからそれは髭男爵だっつの)
 兄弟は1842人いるんだ!とかどうでもいいことを言う精霊。酔っ払いはタチ悪いな!

 というわけで彼が差し出すヒモにつかまってスクルージは、透けた床から、人々の
暮らしを見下ろすことになるのです。
 ここで精霊が右手に持った聖火みたいな感じのものを振りまわすと、光があふれて
景色が変化していくのがなんかかっこよくてよかったです。

 クリスマスを楽しんでいる人たちがそこには映し出されていました。
 あと、製パン所とかいうところにきたときクリスマスが、人間の中には私達の名を
使って悪い行いをする奴がいる、それは聖職者だって言ってたけどこれはキリスト教
的にセーフなんでしょうかね。まあどうでもいいけど。

 そうして彼らはクラチットの家にたどり着くんですね。
 そこは貧しくても笑いの絶えない家庭でした。
 ティムという子がいるんですが、どうやら足が悪いらしい。それでも明るいティムに
スクルージは目を奪われます。
 そんな彼にクリスマスの精霊は囁きます。
 空いた席が一つ見える。持主のない松葉づえが大切に置かれていると。
 ここでは意味がわからなかったんですが、近い未来のことを精霊は言っていた
わけです。

 さて皆がそろって乾杯という時になってクラチットは、スクルージに感謝して乾杯、
と言うんですね。
 おおっとそこに奥さんから物言いがついたー!
 なんであんなケチな男に感謝しなければいけないのか、という奥さん。怖いです。
 まあクラチットからしてみれば、ケチであっても彼のおかげで賃金がもらえるわけ
ですからね。心根の優しいヒトだと思います。

 ティムが長生きすると言ってくれ、というスクルージに、影が変わらない限り
あの子は死ぬ、という精霊。
 精霊は「死ぬ運命なら死ねばいい。余計な人口が減る」とスクルージが
あの日言ったセリフを言ってみせます。
 この時スクルージは初めて、自分がなんとひどいことを言ってしまったのだろう、
と気づいたのではないでしょうか。
 
「あなたが虚しく生きた今日は、昨日死んでいった者が あれほど生きたいと願った明日」
 こういう言葉があります。
 今日はなんて不運なんだ、と嘆いている人がいる一方で、その日を生きたくても
生きられなかった人がいる。スクルージは今日このことを知ったのです。

 さて場面は変わり、皆が楽しくパーティをやっています。
 何だかロンドンに生息する、ある生き物のことをクイズにしているようですが…。
誰かが正解しました。「スクルージ伯父さんね!」と。
 彼らは親類の集まりのようですが、スクルージが来ないことを本当に残念がって
いました。
 おい…誰だ。「彼はごちそうのがした」とか言ってる奴は。スクルージはそんなことで
残念がったりしないぞ!いや「売ればいい金になったのに」くらいは言うかもしれんが…。
(そっちの方がひどい)
 彼らはスクルージの健康を祝って乾杯までしてくれていました。

 そうしてスクルージは精霊とともに、ぽつんと、大きな時計が浮かぶ場所に連れて
こられます。
 私の命は今夜限りだ、という精霊。
 つかまあクリスマス終わったら正月ですしね!←そういう問題ではない。

 そんな中スクルージは、精霊の服の裾から奇妙なものが出ているのに気付きます…って
手じゃねーか!びびるわ!
 彼の服の中にいたのは、人間の子供らしいんですが、名前は「無知」と「貧困」らしい
です。誰だこんな名前をつけたのは!ひどい親だな!
 彼らに用心しろ、というクリスマスですがそんな注意をしている間に死んだー!
 あと無知と貧困兄弟は勝手にとっ捕まっていました。よくわからんけど用心する前に
どっかいったぞ!
 あとクリスマスは死体になっても笑わないように。最後まで髭男爵!

 そしてスクルージの影がえらい長くなったかと思うと、最後の精霊が現れたのです。
そういや午前0時に来るって言ってたな。
 なんか死神みたいだぞこれ。いやだー!こんな死神なら、きゃしゃな体格の女の子が
妹にいて、素ボケをよくかます、桜吹雪とともに現れる死神の方がいいー!
(それ朽木のびゃっくん!)
 ちなみに「お前は俺が守る!」と誰にでも言っておきながら序盤はわりとあっさり
やられるオレンジ頭の主人公は遠慮しておきます。
 つーかこんな黒いフードかぶっておけば死神に見えんべ?みたいな奴はいやだー!
 ああそうさ、銀さんなら迷わず「チェンジ!」って言ってただろうさ!

 まあなんかチェンジできないみたいなんで、この影に導かれて、これから先に
起こることを見せられるらしいですよ。
 でもスクルージがもう開き直ってて、「ワシのためなんだな(誰もそんなことは言って
ない)、覚悟はできている。案内しろ」って言ったあと、影がノーリアクションだったために
「時間は貴重だ。案内しろ」っていったら、めっさ「ボエー!」って感じで襲いかかられて
びびってたのは笑える。階段転がり落ちてんじゃねーかスクルージ!
 
 しかも案内してくれると思いきや、思い切りあちこち追いかけられとるし。
 この影が何をしたいかよくわからんのだけどなんかご立腹のようだ!
 えーしばらくここからは追いかけっこをお楽しみください!

 つか逃げてる間に、街並みが両サイドから迫ってきたけど、スクルージを押しつぶす
より先に、追いかけている黒い馬車の方がつぶれると思うんですが。精霊は結構
おバカなのか?
 
 さて逃げた先で彼が見たのは、家政婦と誰だったかなわからんのだけどおっさんが、
死体や家屋から持ってきたものの話をしているところでした。
 ここで誰のことかは明かされないけど内容からして、スクルージが死んで、服やら
ベッドのカーテンやらを売りさばこうと持ってきた会話だ、ということが推測できます。
 ま、憎まれて死んだから誰も同情するどころか、少しでも金目のものを持って帰ろう
ってな感じなんですな。

 んで次にやってきた場所で精霊は、シーツのかけられた死体を指さすのですが、
さすがにそれをめくる勇気はスクルージにはありませんでした。
 そんでスクルージは「この者の死に誰か心動かされる者はいないのか、会わせて
くれ」って言ってます。

 そうしてやってきたのはなんか知らない夫婦の家。
 彼らはスクルージが死んだことによって借金チャラじゃーん、ばんざーいと喜んで
いたのでした。
 …心動かされるの意味が違う!
 いやある意味合ってるけど!

 と、今度はクラチットさんの家でした。
 落ち込んで帰って来たクラチット。
 墓地に行っていたようでした。
 それは、ティムのお墓でした。
 …うん、いや心動かされている人はいるけど今度は死んだ相手が違うよね!
 この精霊わかっててやってんのか!?

 悲しむクラチットを見て、さっき死んでいたのは誰だと質問するスクルージ。
 どう見てもティムではないと思いますが。
 んで精霊はどっかの墓地にスクルージを連れてきます。
 つーか名前がモロにスクルージじゃねーか!
 やっぱりさっきのはスクルージだろうが!
 避けられぬ未来か、と問うスクルージに答えない精霊。
 …てかこの精霊しゃべれないんじゃないでしょうか…?

 んで墓穴があいてスクルージ、その中へ落下していくのですが。

 スクルージが目覚めたのはクリスマスの朝。カーテンが足に絡まっていたのは笑えた
けど、案外これが現世につなぎ止めたのかも知れませんね。
 
 そういうわけでスクルージは、生きていることのすばらしさを知ったのです。
 つーか朝からステップふんどる場合かおっさん!
 しかも精霊の笑い声マネしてみとるし。
 いや一人コントはいいんだけどさ。

 彼は歩いていた少年にターキーを買ってきてくれと頼み、それを匿名でクラチットさんに
届けます。しかも馬車で送り届けてあげるのです。
 彼は下に降りて家政婦に「メリークリスマス!」と声をかけます。すっかりびびった
家政婦さん、「やだ、どうしよう!スクルージさんがいかれちまったよ!」とひどいセリフを
吐いて逃げていきました。でも彼は気にしません。
 つーか階段の手すりを滑り降りてくるな!

 そしてさっきのターキーを届ける馬車を見送った後、走っていた別の馬車に、また
ナイトウェアのままつかまって遊ぶという能天気ぶり。
 まあいいですけどね…。

 死んだら何もかも終わり。
 楽しんだ方がいい。
 彼はやっとそのことを知りました。
 生きていることの喜びを。
 聖歌隊の前をわざと怖い顔をして通り過ぎ、一緒になって歌ってきちんと寄付もして通り
過ぎたり、昨日寄付をこっぴどく断ったおっさんを見つけて、さかのぼって寄付をしたい、と
話しかけたり。楽しそうです。
 おっさんもあまりの変わりようにスクルージさんだと気付かなかったみたいでした。

 でもさしものスクルージさんも変わったとはいえ、おいの家には入りづらかったみたいで。
あの例のクイズに合わせてもじもじと入って行くのはかわいいなと思いました。
 そうして皆はスクルージがいなかった時と変わりなく、温かく彼を受け入れたのです。
 夕食をとりながらスクルージさん、来年はワシの家でやろう、と言いました。
 きっと来年は近所に響き渡るくらい楽しいクリスマスになりそうですね。
「豪勢にするぞ!天国でお金は使えんからな!」
(字幕では「あの世」となってましたが、あまりふさわしくないと思ったので直しました)

 さて翌日です。
 クラチットには早くから出て来い、と言っていたスクルージ。
 時計を見ながら「16分の遅刻だな」とつぶやきつつ、こわーい顔をして待ち構えて
います。
 息を切らして入ってくるクラチットさん。

 スクルージはしかめっつらをして彼を呼び付け、遅れたことの言い訳をする彼に
「もうどうしても我慢ならんのだ」と言ったあとこう言います。
「お前の給与を上げてやる。家族の援助もしたい」と。
 そして午後からは酒を飲みながら相談しよう、まず石炭を買ってきてくれ、とお金を
たんまり渡します。
 あまりのことに口を半開きにしたままクラチットさん、外に出て行ってしまいました。
大丈夫でしょうか。セリフまったくありませんでしたが。

 そうしてこのあとクラチットさんは、スクルージがとても素晴らしい行いをしていった
こと、ティムの病気も治って第二の父親と呼ばれたこと、スクルージがロンドン1の
好人物になったことを告げるのでした。
 

 すべての人々に、神のめぐみがあらんことを。
 MerryChristmas. God bless you!




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