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よなよなペンギン

12/30鑑賞

 「やられたよ 大人の鑑賞にも耐えうる映画だ。いや大人にこそ見てほしい映画だ グスグス」
(by土方十四郎)
 とまではいかなくても、なかなか面白い映画でした。
 でもココのお父さん、小さな子供に高いところからジャンプさせるのは育児的にどうかと思います。


 物語は、夜の街をペンギンの着ぐるみを着た女の子が飛び跳ねながら歩いているという、
日本だと間違いなくお巡りさんに保護されて話が終わってしまいそうなシーンから始まります。
 というか着ぐるみの割になんで左手の先はわざわざ白い布が縫い付けてあるのかわから
ないんですが。ストレンジ・プラスの米良のマネか?(ねぇよ)
 彼女の名はココ。
 よーなよなペンギンとか歌いながら夜の町を歩く将来がちょっと心配な純粋な女の子です。
 彼女の前に立ちふさがったのがですね、ペンギンが飛べるわけねーとか言ってる悪ガキ3人組
なのですが、からかうだけからかっておいて、本当にココが飛び降りると、びびって逃げるくらいなら
最初からからかうんじゃねーよっていうかココ飛びやがった!冒頭から死ぬなー!

 あ、死んでませんでした。下が草むらだったから顔にケガした程度で済みました。
 映画だから3メートルくらいの高さから飛んでも「イテテ」で済みますが、実際に飛ぶと本当に
「飛べないペンギンはただのペンギンだぜ」みたいなことになるのでやめましょう。
(もはや何が言いたいかわからない)
 ちなみにこれ以降まったく出番のない悪ガキですが、ブリーチの日番谷隊長こと、朴さんが
声をあててます。もったいないちょい役だのー!

 いやー、この映画のCM見てて、不思議な国にやってきたと言ってたからこれで死んでてっきり
あの世の体験かと思ってましたが、流石に子供向けにそんなシビアな展開はありませんでした。

 そういうわけで、からかわれるといきなりジャンプかましてしまう危険な少女だとわかって若干
引き気味ですが、そんなココの目の前に空から羽根が降ってきます。
 それを持って町の広場の、でっかい木のところに行くココ。
 いまいちこの町がよくわかりませんが、そこの木には七福神の石像があるんですね。それで
噴水に触れるとピアノのような音がする。ハイテクすぎます。この町が何を目指しているのか
よくわかりません。
 で、そこに現れた、ココの知り合いらしいじーさんが、ココの顔の擦り傷を治してくれる。見ていた
人の中には擦り傷より頭の中を直してやってくれと思った人もいるかも知れませんが。
 ココは、傷を治してくれたお礼と言って、たった今そこで拾っただけにすぎない羽根をじいさんに
あげて去って行きます。間に合わせにもほどがあります。

 で、さらにどこからかペンギンのおもちゃみたいなのが降ってきて、それをココは手に入れて
家に帰ります。
 ここで、夜の街かと思っていたらまだ夕方のような時間帯だったことがわかります。
 背景が夜の街だったんですが…フランスでは夕方にはもう真っ暗なんでしょうか。いまいち
時間帯のわかりにくい映画です。
 
 ペンギンの缶詰みたいなおもちゃを開けるとなんか人形のパーツみたいなのが入っていて、
それを何の疑問も抱かず組み立てるココ。この手の映画の主人公としてはありがたい部類だと
思われます。
 そうして組み立てるとそのおもちゃが、「ペンギンストア開店セールにご招待します」とかいきなり
言いだします。
 何の疑問も持たずについて行くココ。突っ込みどころ総スルーするつもりらしいです。

 ペンギンストアというのは文字通りペンギンのグッズてんこもりのお店でした。
 日本人は世界一ペンギン大好きらしいですよ。グッズの多さは世界一だそうです。どうでも
いいことですが。
 無料でもらえるということであれこれカートに積め込み始めるココ。がっちり主婦の片鱗が
見えています。
 で、おもちゃはいつの間にかゴブリンの姿になっていて、ココをあるソファに導くわけですね。
 まあこの後の展開は「タダより高いものはない」という教訓そのものの感じでした。
 しかしココにはまったく通じてなかったようです。
 あと、ココのことを見守っていたじいさんがソファの足にくっついてゴブリンの国にやってきたん
ですが、落下した際に姿が見えなくなっていて「え!?死んだ!?」とか思ってました。
(生きてます)

 そういうわけでペンギングッズが無料、と言う言葉にまんまと騙されゴブリンの村へ強制的に
連れてこられたココ。まだことの次第が飲み込めていないようです。
 まあ連れてきた、ゴブリンのチャリーも悪意があって連れてきたのではないわけなんですが。

 ついた場所にはゴブリンの長老がいて、「勇者飛べない鳥様ようこそ」と迎えるわけです。
 ココとしてはペンギンは飛べると思っているので自分のことと言われてようやく「えー」とか
言ってますが、その前にもっと突っ込みどころがあっただろう!なんでチャリーは裸にズボン
なんだとか!(そこかよ)

 事の次第を簡単に説明すると、ゴブリンは昔から人間に親しまれている存在だったけれども、
それを気に入らないブッカ・ブーという闇の帝王がいて、最近また力をつけて来て襲ってくる
ようになったので何とかしてくれと。
 空は常に黒のオーロラに覆われて畑は荒らされてゴブリン達は大変みたいです。

 と言ってる間にそのブッカブーとかいう奴の手下がやってきました。
 見るからにメタボ気味なガキと悪魔4人です。どう見てもはじけばどこまでも飛んで行きそうな
見かけですが…。
 メタボ気味なガキの名はザミー。
 ココ、全然怖がらず、「どこの世界にもいばりんぼうはいるものね」とか挑発。
 さすが相手の実力もわからないうちから挑発するのは子供の特権なだけあります。
 まあそれで何しにきたんだかよくわからないまま、ザミーと悪魔どもは帰って行くわけですが。

 ゴブリンは、ココがザミーを追い返したと大喜びです。
 どう見ても何もしていません。
 ココ、喜んでいるゴブリン一同に空気読まずに「私は勇者じゃない」発言。
 これもペンギンコートなのよと言ってます。
 ここはウソでも勇者といっておいてさんざん貢がせた後、こっそり帰るのが正しいような
気もします。(ワンピースのナミじゃないですかそれじゃあ!←極悪人か!)

 がっかりしながらも、やってきたソファを直してすぐに送ってあげるというチャリー父。
いい人です。しかしこいつも裸に半ズボンです。何なんでしょうかゴブリン一族。

 チャリーがココを連れてきたのは、ラピスの泉という聖なる泉があるのですが、ある時
そこにペンギンの姿が映って、それでココを間違えて連れてきたらしい。連れてくる前に
ココはフードかぶってなかったから、ペンギンと間違えるなんて相当目が悪いような気も
しますが。
 
 その頃ザミーは、ココのことを生意気だとか言ってました。
 どうでもいいがお前、寝るときくらいは服着替えろ。

 んでココとチャリーは、音楽が聞こえたという方向に向かっていたのですが、不思議なことに
森の奥に、ココの町にあったのと同じ木があったんですね。
 その中にいたのはパラケケという、おっさんの割にはいてる靴は厚底な大地の精霊でした。
 シークレットシューズか!そうなのか!

 この精霊にいきなり助けを求める2人。
 ブッカブーは強いからほっておけばこの世界が壊される、という、どう考えても誰にでも
わかることを答えるパラケケ。
 …どうやら時間の無駄だったようだな。

 またザミーがくるんだけど、ココが触ると黒い煙みたいなのが出るんですね。
 それで慌てて「お前プックプク!」とか言ってザミー帰って行きました。
 メタボのブタにプックプクと言われる筋合いはねーわ!…とはさすがにココ、言いませんでした。
(子供むけ映画です)
 ココはそんなザミーの様子を見て、本当は悪いやつじゃないと思う、という割とありがちな
感想を言います。
 パラケケも何か知っているのか、まったく役に立たなかった割に「そう見えたなら大丈夫」と
いって帰って行きました。
 上から落ちた、とザミーのことを言っていますが…。

 その夜、ペンギンコートを着たまま寝るというとんでもないことをしているココは、物音に
目を覚まします。
 外にはザミーが。
 っておい何してんだこのガキは。
 俺一人で来たとか偉そうに言われてもどう突っ込んだらいいかわかりません。
 しかもいきなり「俺は天使」とか言い出すザミー。
 ここが人間界だったら間違いなく救急車を呼ばれる場面です。

 まあそれは妄想でもなんでもなくて本当にザミーは天使で、見習だったんですが、
天界から足を滑らせて落ちたらしいです。
 それならそれで天使も迎えにくりゃいいのに、放置されてるあたり、天界における彼の
ポジションはうっすら分かった気もしますが、そんな彼にココは「私のお父さんに会った?」と
ナナメ上の質問をかまします。
 ちなみにザミーの先生だとかいう天使は銀魂の松陽先生に似てました。ザミーが下に
落ちて来て「俺はこの腐った世の中を壊したいんだ」とか言い出さなくてよかったです。
 
 そんなほのぼの会話をしているところに、悪魔がやってきて、ザミーをさらっていって
しまう。
 あれだ、こいつ戦隊ものに出てくる、本当は正義の味方なのに洗脳されて悪方についてる
イケメン戦士のパターンだ。ちょっと顔は残念な感じですが。(失礼だから!)

 ザミーの態度が急に変わった、何かある、ということで、残り時間も少ないことですし、
いきなり城に乗りこむことを決意するココ。なんかもういろんな手順スッ飛ばしてる気も
しますがどうでもいいです。

 しかも子供向きですから、ブッカ・ブーの城もセキュリティ激甘です。細い道があるだけで
門もなく、簡単に誰でも侵入出来てしまいます。セコム導入したほうがいいと思います。
 そんな激甘だと知ってか知らずか響き渡る足音を立てて中に入って行くココ。城も城なら
侵入者も侵入者です。
 さらにココらが覗き込んだ場所はブッカ・ブーの真後ろという、いくら帝王でもそこは
気づこうよ!的な場所でした。おいおい、跡部なら指パッチンで「勝つのは氷帝!」って
やるぞ!←それテニスの帝王ですやん。

 ブッカ・ブーがザミーからパワーを吸い取っているのを目にしたココ。
 チャリーは頭いいですから、帝王が力をつけてきたのは、ザミーの天使パワーを吸い取って
いたからだと気づきます。
 闇の帝王が天使のパワー吸い取って力に出来るっていうのがすごい設定だと思いますが、
多分、変換装置でも体の中にあるんでしょう。

 それでザミーを叩き起こし彼らは城を脱出することにします。
 天国に戻らないと存在が消えてしまうかも、ということでザミーは早く戻りたいらしいの
ですが、天界から落ちる時に羽をなくしたらしい。…羽ってそんな簡単に外れるもんなん
スか…?
 というわけで思い出したココですが、羽根はじいさんにあげちまったということで一旦
人間界に戻らないといけないことが判明。一時のテンションでじいさんに羽根をあげるから
こんなことになるんだろうが!

 つか…脱出する時に歩いて脱出してんですが、またザミーがウロウロしてるって
設定であの飛ぶ乗り物に乗って行くことはできんのか。こういう時だけ徒歩かよ。
道を歩くのでも、その頭の重そうな帽子捨てるだけでもかなり何とかなりそうな
気がしました、ザミー。
 
 ここでザミーを励ますのに皆でキャンディを食べているシーンがあって、ここはなんか
ほほえましくていいなぁと思いました。
 あと唐突に気づいたのですが、ザミーも上半身裸に、こしみの、マントみたいな恰好なん
ですが、この国では上半身裸はデフォなんでしょうか。ここで死ぬ気の綱吉が暴れていても
全然違和感ないな。

 で。
 ここでやっとじいさんがこちらの世界に来ていることを知るココ。
 羽根のことを思い出して返してもらおうとしますが、じいさん「七福神にあげちゃった」。
 何してくれやがるんだこのジジィー!

 そういうわけであとちょっとだけ続くよ。

 ゴブリン村にやってきて、ザミーにおびえる村人たちに、天使であることをいきなりばらし
まくるココとチャリー。もうちょっと話の道筋立てて説明しようとか思わないんでしょうか。
 ともかく、そこに悪魔がやってきてゴブリン村は大混乱になりますが…。
 じいさん結構強かった。
 あと、役に立たないと思われていたパラケケが人間界から七福神を呼び寄せるという、
「最初からそれをしておけば楽に勝てたんじゃないでしょうか」的なものすごい展開を
見せてくれます。

 七福神から羽根を返してもらおうとしたものの、それをコウモリが取って逃げてしまうん
ですが、ここでココ、なんと飛んでそのコウモリを追うんですね。
 ここのシーンで昔父親が生きていた頃に、高い場所にココを立たせて「飛んでごらん、
飛べるから」とムチャ振りする記憶がよみがえるんですが。
 なんていうか…いいシーンではあるんでしょうが、「いやお父さん普通は飛べないからね?
身長より高い場所だからねそこ。今回はお父さん受けとめたからいいものの、誰もいないところで
飛んだら大けがだからね?」的な、新八のような突っ込みが頭をよぎりました。
 
 んでブッカ・ブーの方は七福神が放ったかめはめ波にのった神龍みたいな感じの龍が
倒してました。
 …ココが倒すんじゃないんだ…。まあいいですけど…。
 つーか飛べない鳥だったんじゃないですか、勇者。めっちゃ飛んでますけど。勇者の予言
全否定じゃねーかこれ!

 
 えー、何事もなかったかのように村には平和が戻りまして、ザミーも羽を取り戻し、天界へ。
 そうしてココも人間界に戻りました。
 最後チャリーが元の人形に戻ってたんですが、あれはたまたま姿を借りていたというだけで
チャリーそのものはゴブリン村に戻ったと考えてもいいんでしょうか?
 でないとずっと人形のままで人間界にいるっていうのも可哀想だしねぇ。

 
 というわけでココの不思議な冒険は終わりましたが、この映画を見た子供さんがペンギン
フードをかぶって高いところから飛び降りたりしないことを願います。(ねぇよ)
 あと、悪魔の声を当ててた中に「ヒロシ」がいて、途中で「悪魔です」っていうセリフがあって
面白かったです。
 エンディングのスタッフロールもかわいかったです。
 まあ、すごい面白い!っていうわけではないんだけど、ゴブリンのチャリーがすごい可愛かった
ので、ヒマつぶしに選択する作品としてはいいかも知れません。



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