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オーシャンズ |
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2/2鑑賞
正直な感想を言わせてもらえば、「海の入門編」といった感じだと思います。広く浅く
海の生物をカバーって感じで、壮大な映像は美しいけれども、真新しい情報とかはない
ので、親子で自然を知ろう、ってな感じでかるーく見るといいかと。
海洋学者さんが海を初めて見た少年に「海ってなに?海とはどういうものなの」と聞かれた
らしいです。
人それぞれ答えはあるでしょうが、私ならありきたりですがこう答えます。
「あらゆる生物の祖先が生まれた場所」
ウミイグアナがせっせとごはんを食べているシーンから始まるんですが、これ音声も
実際の音を録音されてるんでしょうか。このリアル感はアースだとかディープブルーには
なかったのですごいと思いました。
このイグアナ達がたくさんいて、彼らが見つめている先には真っ赤な炎とともに打ち上げ
られたロケットが。
なんかこの対比がすごいと思いました。
人間の一生ほどの短い時間で、自然界のバランスが崩れようとしている、とナレーションは
呼びかけます。
確かに数十億かけて培われてきたものが壊れるのはあっという間です。船ができて大海原に
乗り出して、世界が丸かったことを知ってあちこちに行き交うようになって、人間の暮らしが豊かに
なればなるほど自然は破壊されてきました。
この後映像は海の中に移り、クラゲやらクラゲやらようするにクラゲじゃん的な場面に。
これがシーネットルかな。
絡まれたらヤクザよりやっかいそうなクラゲです。
ちなみにクラゲはプランクトンです。一生懸命泳いでいるようにみせかけて実は流れ
任せだったりします。
次に出てきたのがハセイルカ。
イワシめっちゃおいこんで食べようとしてんだけど、そこにケープシロカツオドリという鳥が
上からざかざかもぐってきて、イワシもう大ピンチみたいな感じです。
満腹したのか今は食べるつもりがないのか知らんけど、仲間のカツオドリが波間に浮かんで
たんですが、ぼこぼこ飛び込んで行くカツオドリにめっちゃ迷惑そうな顔しててちょっと笑いました。
のけばいいのに!
人間が海に乗り出した大航海時代、資源は豊富にあった。いろいろな船が海を行き来した。
ここで帆船出てくるけど、めっちゃ傾いてますけど大丈夫ですかこの船。
この頃はまだ人間は、海の神秘なんてまったく知らなかったらしいです。
次に登場したのがハダカイワシの群れ。
…魚は皆裸ァー!と思ったんですが、鱗がはがれやすくて、釣りあげられた時なんかほとんど
取れてしまっているために、こんな和名になったらしいです。進化の過程ではがれにくいうろこに
することはできなかったんでしょうか。
次の登場はムラサキダコ。
これは島根県の沖で撮影された映像です。
びらびらとした膜を持っている非常に特徴的なタコですが、見ていてあれだ、ハリポタの
ヴォルデモード思い出した。これ代わりに出しておいても誰も気がつかないんじゃね?
(気づくよ!)
つか後ろから泳ぐ姿見てたら、一反もめんみたいでした。
こんなのが「鬼太郎ど〜ん!」とかいいながらやってきたら鬼太郎の髪の毛針が炸裂するな。
お次はオニイトマキエイ。
5メートルもの大きさでありながら、食べるのはプランクトンとか小魚と意外と質素。
んでその先にはギンカメアジがタワーみたいなん作ってぐるぐる泳いでいました。
…あれ?これ同じとこばっかぐるぐるしてて先に進めなくね?
ガラパゴスオットセイというのがだらーんと陸にあがって日光浴してるんですが、それがまた
おっさんがだらーんとしてる感じでおもしろかったです。ごろごろ転がってたし。
ザトウクジラの歌声もすごかった。
彼らは、暖かい海で子育てをし、冷たい海で餌を得るために、何千キロも往復するらしい
です。すごいですね。これだけ体がでかいと餌の量もたくさんいるだろうし。
映画「アース」でもザトウクジラは出てきますが、情報量的にはアースの方が多かったかなぁ。
この後飛んでるペリカンが出てきますが…え?それだけですか?もっとこう、捕食の
瞬間を写すとかそういうのはないんでしょうか!?
多分あれ、カッショクペリカンの群れだと思います。昔はフォーゲルパークにもいたんだけどねぇ。
ウミウもいました。多分ウミウ。
オットセイが陸で昼寝してる映像があったんだけど、顔を水たまりに突っ込んで昼寝してて
「寝るな死ぬぅー!」って思いました。呼吸できるとは思うけどどういう寝方だよそれは。
(多分顔にハエがとまってうざいのでその対策かも)
朝、ミナミアフリカオットセイが群れのところに帰ろうとしていました。
え?朝帰りっスかー!
そんなことしてっからサメに襲われるんだろうが!
オタリア(ヘタリアじゃないよ)の方もシャチに襲われてました。
シャチの方がすごいかもねー。ブィープブルーとかでもやってたけど、サメが海中で主に
襲うのに対してシャチは波打ち際にでかい体をうちあげてその勢いで襲うことも多いし。
ナレーションが冷たく「これも一つの結果です」。
それはそうですが。
次にシロナガスクジラ。
地球最大の恐竜より大きく、一日に4千万匹のオキアミを食べるらしい。
私確かアースでも書いてたと思うんだけどどうして彼らはこういう食料を選んだんで
しょうね。熱効率の問題だとは思うのですが。
で、大きさに関しては、陸上は重力の関係で大きくなるのに限界がある、海はそれが
ないからこんな大きな生物が存在していられる、ということを聞いたことがあります。
海に夜がやってきました。
ガンガゼだとかヒトデ、ウツボとかが動き始めます。
で、ここで、巣穴の掃除をせっせとしていたシャコがいたわけですよ。
したら家の前にカニがいるわけですよ。
人間でいえばさしずめ、玄関の掃除してたら家の前で携帯で「オレオレー」とかでかい声で
言ってるやつがいると。
シャコ、じゃまだと思ったらしく、突然シャコとカニのバトルが始まってて、ここは面白かったです。
最後はシャコがバッチン!って感じでカニをひっくり返して勝利って感じでした。カニ、ぴくりとも
動かなかったけど…多分死んではないと思うのですが(笑)。
ジュゴン、アオウミガメなどが出てきました。
人魚に見間違えられたという伝説があるジュゴン。一属一種の哺乳類です。以前は確か
二種だっけ、だったけどもう一種は絶滅してしまいました。
食性が偏っているので、エサの藻がなくなればそれだけで絶滅してしまうほど神経質な
動物です。つーか要するに綺麗な海でないと棲めないっつーことですよ。
カメのヒナが次々孵化していくのですが、そこにやってきたのがグンカンドリ。
彼らにとっては絶好のエサですよ。
でもこれでヒナ全部が捕食されてしまうというようなことはなく、生き伸びて海に入り、成長
したものが、次の世代をつむいでいきます。
自然の食物連鎖というものはかくもこのように、人間が手をくわえなくても勝手に
バランスが取れているものです。
この後は共存ていうかそういうような関係の映像が流れます。
面白いです。
コシマガニというのがものすごい数集まってきて、「おいおいそのまま「私が天に立つby藍染」
とかやるんじゃないだろうな」とか思ってたら、集団脱皮らしい。こうすれば、敵に襲われ
にくいとか、危険最小限にできるとからしいけど、詳しいことはまだわかってないようです。
…どちらかといえば、捕食者から見れば「ごちそういっぱい!」だと思うんですけど。
このあとイルカの群れがどっか泳いでいってたんだけど、別に海面に出て飛び跳ねるな
とは言いませんが、浅田真央なみの三回転ジャンプとか、誰が評価するんだそれは的な
エネルギーの浪費は彼ら的にはいいんでしょうか?
少しして映画の雰囲気ががらりとかわり、網に捕らえられた魚たちの映像が流れます。
私がひどいと思ったのは、オーストラリアの漁船。
サメからヒレをとった後まだ生きてもがいている、ヒレのなくなったサメを平気で海に捨てて
るんですよ。エラから血を吐き出して苦しみもがくサメの映像が可哀想でなりませんでした。
オーストラリアは日本に「捕鯨やめろ」というけれども、あんたたちのしているこれは残酷
ではないのかと。そう言いたかった。
あまりにもひどすぎる光景でした。
フカヒレを食べる人が悪いと、そう言うかも知れないけど。この捕り方はないですよ。
あまりにも命を冒涜しすぎ。
こうして人間達の乱獲によって絶滅、消えて行った生物の剥製が博物館に飾られています。
この中に、本来ペンギンと呼ばれるべき種の「オオウミガラス」もいました。
警戒心がなかったために人間に乱獲され、あっという間に姿を消した鳥です。まだ人間が
「絶滅」という危機を考えていない頃の乱獲でした。
無関心でいることが生き物を絶滅においやっているのかも、とナレーションでは言っていた
けど、これは微妙だと思いますね。
「絶滅危惧種」「輸入禁止動物」というものに指定されたために、かえって収集家が高値を
出して飼いたがったりして、余計に数を減らしている動物もいるからです。
だからゴミを捨てないとか、生き物を乱雑に扱わないということは大前提として大切
だけれども、他の動物に無関心であること、というのもある程度は必要なんじゃないでしょうか。
この後も、いつか他の生物と和解して調和して暮らすこと…と言ってたけど…。
ま、なかなか難しいかも知れませんね。
あとサメが、人間が一緒に泳いでいるのをまったく気にしてない感じで泳ぎ去ったのは
なんかかっこ良かった。
この後荒れ狂う海が映るんだけど、船がものすごいことになってて、大丈夫か…と思いました。
遊園地のアトラクションなんか目じゃないくらい上下してるなぁと。
そして人間は宇宙に人工衛星を飛ばし、海を調査し、汚染物質が大量に海へ流れ込んで
いることを発見しました。
汚れてない海を探すのが難しいかも知れませんね。
汚さがハンパなかった。
まだそんな風になっていない聖域、南極に場面は移ります。
確かにすごい奇麗でした。
皇帝ペンギンとアデリーペンギンが出てきました。アデリーの方が、せっかく水中から上に
上がったのに、先に上がってた奴にぶつかってまた沈んでいく奴がいてちょっと笑った。
セイウチが、子供が呼吸できるように水面に抱えあげているシーンはかわいかったです。
海のカナリア、シロイルカもどっかで出て来てたなぁ。
そうして場面は水族館に移ります。
いつか本物の自然がなくなるかも知れない。
すべての生き物と地球を分かちあっていく必要がある。
映画はそう訴えて幕を閉じます。
それはいいけどリーフィーシードラゴン出てこなかったんですけど…。
(きれいに終わろうよ!)
しっかし魚の群れ見たら某風紀委員長なんかブチ切れそうだよなぁ、と思いながら映画館を
後にしたのでありました。
映像はめちゃくちゃ奇麗で、まず映像ありきなので、ナレーションは少ないです。それは
よかったかと。こういった映画で始終ナレーションがあると集中できないですからね。
ちなみに出てきた博物館は存在しないそうです。この映画のためだけに一時的に
作られたものらしい。世界の黒澤か!
これが3D映画だったらもっと面白かったかもなぁ。
ともあれ、ゴミや火のついたタバコを投げ捨てて平気な人、キャンプやリゾートにやってきて
平気でゴミを放置していく人、「採取しないで下さい」と書いてある場所で、平気で動植物を
とっていく人、そういう人種が早く絶滅してくれるといいなぁと本気で思った映画でした。
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