多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→第9地区


地区

4/11鑑賞

 えーと、映画を見ながら飲食する習慣のある方は、この映画では我慢しておいた
方がいいかも知れません。
 はっきり言って、もらいゲ●しそうになるだろうがぁぁぁ!そこまで描写いるんか!
と新八のように突っ込みたくなるシーン満載です。
  
 あと、頭の部分にカメラのかぶりものした、盗撮防止を呼び掛けるCMを見たことあると
思うんですが。新しくなってました。新しくなったのはいいけど依然としてダサさが抜けない。
もっとセンスの良いものは作れないもんか…。

 
 さて冒頭からいきなりインタビューみたいな風景が入ります。
 なんていうか…こういう、起きた事件と並行してインタビュー挿入していく方法もありだと
思うけど、これの場合は、主人公に関する真相がわかったわけではなし、落ちとして持って
くる伏線にはかなり弱いです。
 それだったらちょっとネタばらししてしまいますけど、主人公の行動が、最初は利己的な
行動だったとはいえ、実は人類を救うためのものだったとわかった、そこでインタビュー内容が
生きてくる、という雰囲気に持って行くべきだったと思います。
 すっごい中途半端だこの展開方法は。

 えーこの後胸元にピンマイクつけてインタビュー受けてるらしいのは、MNUという会社の
ヴィカスさん。
 通称「エビ」と呼ばれている、突然やってきたエイリアン居住区に対しての対策を任された
人物です。
 
 エイリアンはある日突然やってきて、ヨハネスブルグ上空に巨大なUFOを停止させた。
 んでずーっといるもんだから人間達が意を決してなかに入ってみたら、ものすごく劣悪な
環境のなかにエイリアンがいたと。
 …なんか…失礼かも知れませんが難民を思い出しました…。
 あとヨハネスブルグって。ワールドカップが今年開催されるから?
 
 それで見すてておけないからと保護したらしいのですが、それをいいことに宇宙人たち、
通称エビはそこらの居住区を占拠してしまったと。
 んでスラム化したそこは、第9地区と呼ばれるようになった。
 なんで9なんでしょうかねぇ…。

 UFOは上空に停止したまま、20年が経過していました。そのまま浮いていられると
いうのもある意味すごいような気がしますが…。
 ある時人間達がこの第9地区からエイリアンが隠し持っていた武器を発見してからは
さらに騒ぎになり、どうにかして立ち退いてもらいたい、という声が大きくなっていった
らしいです。
 そのうちエビらは外に出て強盗を行ったりするようになった。
 どうでもいいけどおばさん、「奴らはものをとっていく」とかインタビュー受けてる後ろで
そのエビがもの盗んでんぞー!

 そういうわけで国はMNUにたちのき作業を委託し、それの責任者がヴィカスであったと。
 今180万のエビがいるらしいです。
 …増えすぎだろ…。
 
 ヴィカス周囲へのインタビューらしい映像がこの間もあれこれ挿入されていきますが、
「まさか彼がこんなことに」と意味深なことを言った人がいました。
 それは後でわかります。

 ヴィカスは、立ち退き要求に向かう傍らで皆に、エビは土地の権利の概念がない、
だからここは自分達の土地だと平気で占拠していると言います。
 あー…なんかやな例え思い出しちゃったなー。まあこれは言わずにおきます。
 MNUが第9地区に乗り込んでくると、人権団体が、エビの人権守れとか大騒ぎして
ました。
 こういう人達っていつも騒ぐだけ騒ぐけど自分達はその相手のために何もしないですよね。
保護をとかというのなら自分達がお金出し合って収容施設くらい作ればいいのに。

 ヴィカスは、ひとつひとつの居住区を訪ねて立ち退きの承諾サインをもらう仕事を
やるらしいです。どんだけあるのこれ…。
 でも、エビの一人が怒ってて書類をバーン!とはねのけたんだけど、「手のあとが
ついてる。これサインってことでいいよな」とか言ってたのはちょっと笑った。
 最初は警戒していたヴィカスもだんだんと大胆になってきて行動がかなり過激って
いうか豪快になってきます。
 この辺はなんだかなーとちょっと思った。
 そりゃ相手は人間じゃないんだから、という気持ちがあるにしても、人間扱いしない
というのとはまた違う気がする。

 この第9地区には人間でありながらここに住んでいる連中もいて、要するにギャング
ですね。エビ相手に法外な値段で食い物を売ったりして私腹を肥やしてるらしいけど、
彼らの狙いはもっと別のところにあったのです。

 なんかエビの卵を燃やして笑い転げてるヴィカスはちょっとひきました。
 これがイルカとかクジラだったら大騒ぎするんだろうになぁー…。
 
 んであちこち探したりして武器を押収。
 実はこの武器はMNUが武器メーカーであるため、転用を狙っているらしいのですが、
これらの武器はエビのDNAにしか反応しないため、調べることすらできないらしいんですね。
なるほど、そういうところでは高い文明力といいますか…。

 そんな中、ごみをいろいろ調べているエビの親子がおりました。
「液体」を探しているらしい。
 それを使って何か生成しています。彼らの会話から、20年かかってここまで集めた
ものだということがわかります。
 んでそんなところにヴィカスが来て。
 エビの一人はもう一人を、武器を隠した後逃げるように伝えます。
 結局このエビの方は、そのエビを逃がすために暴れて殺されてしまうんだけど(エビエビで
なにがなにやらわけわからん)、ヴィカスは部屋に入って彼らが何かをやっていたことを
知ります。
 んでよせばいいのに、彼らが作っていた武器をなんだこれ?といじって、その液体を
浴びてしまう。
 やべぇこのおっさん、起爆装置とかいじくり回していてスイッチ入れちゃうタイプの人だ…。

 で、ヴィカスはケガをしたりして、皆が心配して病院にいかないととか言うんだけど、
彼はそのまま仕事続行。もう調子に乗っているから止まりません。
 さっきの、逃げたエビのところに、それとは知らず行くんですね。
 子供がいたのでキャンディあげようとかあからさまにご機嫌取りしてんだけど、それを
バッと投げ返されていたのはメチャクチャ笑いました。あげく逆切れだし…。
 
 そのエビは結構頭がよくて、立ち退きには24時間の猶予があるはずだ、とか言ってる
わけですよ。
 それでヴィカスは、こういうところに居住していてはいけない、子供を施設に収容させる
ことになる、だから立ち退けとか言うのですが。
 その時にヴィカスの調子が悪くなって、それで結局彼らは引き揚げて行くことになります。

 会社に帰っても調子が悪いのでヴィカスはそのまま家に帰りました。
 えーと、エビの親子は隠していた武器をヴィカスが押収していたともしらず、それがないのに
慌てています。

 でもってロボット作ったエビが、ギャングのボスにキャットフードと交換してもらってました。
あんたこんな高性能のロボをキャットフード100個でいいのか…。
 このロボは中に人が入って操作できるタイプですが、多分これもエビでないと動かせない
タイプのものだと思う。アバターに出てきた、敵側が使ってた感じのロボだった。

 このボスは使えもしないのにエビの武器を集めていました。
 というのも、死んだエビの体を食べたりして自分の中にこのパワーを取り入れて使える
ようになりたかったっぽい。
 ただ、DNAがどのように作用しているかをわからないと無理だと思いますよ。例えば
エビの手なら切り離されたものでも反応するのかとか、生体反応がないとダメなのかとか。

 グダグダになって帰宅したヴィカス。出迎える奥さんに、先にトイレに行かせて…と
言うのですが。
 なんとっ!家族や友達が彼の指揮官就任祝いのために集まってくれていた!
 ありますよねぇ、トイレ行きたいのにどうしても行けない時。てめぇふざけんなどけよコラ
という言葉が、この時のヴィカスの頭の中をぐーるぐるしていたことと思います。
 ヘロヘロになりながら友達に挨拶してとりあえずトイレに行こうとした彼の前に立ち
ふさがったのは!奥さんの父親だった!
 なんかエビをむやみに殺すなとか言うのですが。
 ラスボスですかこのヤロー。トイレに行きたいと言ってるのがわからねーのか!どうでも
いいから早くどきやがれ!ゲ●まみれにすんぞ!←ヴィカスの心の中を再現してみた。

 その後倒れたヴィカスは病院に担ぎ込まれるのですが。
 ケガをしていた左腕の包帯を切っていた看護婦が悲鳴をあげて、初めてヴィカスは自分の
左腕がエビに変化していたことに気づくんですね。
 あーなんか右手だか左手がモンスターになったとかいうコントやってた芸人思い出した…。

 こっからヴィカスは、MNUに強制収容されます。
 しかもベッドにくくりつけられて強制的な実験の日々に。
 その中には、エビにしか使えなかった武器の使用実験も含まれていました。

 つまりMNUは彼がエビとして武器が使えるということを知り、その臓器を利用することを
思いついたのです。
 でもさー、それなら今まで収容したエビとかで実験できてたと思うんですよね。アレな
言い方だけど。
 ということはそのDNAを組み込んで人間がエビの武器を使えるようになるためには、
人間が今のヴィカスのように生きながら変化する必要があるんじゃないのかなと。単なる
臓器置き換えだけで使えるようになるかどうか…。
 それを考えれば今彼らがやろうとしていることは、金の卵を産むガチョウの腹を裂こうと
してるのと同じような気がします。でもアホっぽいからこいつらにゃわからんだろうなぁ。

 そういうわけで生きたまま解体されそうになったヴィカスは逃亡。
 奥さんの父親はMNUの偉い人だったんですが、奥さんにはヴィカスは今治療中、会うことは
出来ないとか好き放題言ってるのがなー。関係者にはヴィカスの臓器摘出を承諾してるん
ですよ。すっごい軽い感じに。自分達の実験のためなら子供悲しませても平気かい、みたいな。
 
 ヴィカスは逃亡し、第9地区に逃げ込むのですが。
 ギャングのとこに食糧もらいに行くのはいいんだけど、あんた肉焼いてるとこにハンバーガー
ない?か言っても。それすし屋でカレーライス注文するのと同じじゃん。
(ちなみに私は餃子の王将に行って、そこが餃子専門店とは知らずにラーメンだけ注文して
お店の人が「餃子をご一緒にいかがですか」と聞いてくるのへ、変なこと聞くなぁと思いながら
「いりません」と言ったことがあります)

 で、キャットフードを買って食うヴィカス。まあ吐くわ泣くわ大変なことになってますがな。
 あとついでに歯も抜けた。大変だ!このキャットフード堅いぞ!(違います)

 この時奥さんから電話かかってくるんですが。
 すごいんですよ。
 ヴィカス当然逃亡犯として指名手配になってたんだけど、それが、エビと性行為した
結果ウィルスに感染したというすごいもので、それをでっちあげる方も方だけど、信じる
奥さんも奥さんだと思いました。なんで父親とか周囲が言ったことは信じるのに、ヴィカスが
言ったことは「信じられない」になるんでしょうかねぇ…。
 ヴィカスは明るく、腕を直したら戻るって言うんだけど、なんか戻ったら戻ったで修羅場が
待ってそうな感じです。

 …つか義手はめるのは無理ですかね。
 作る技術がないか。
 義手を外したら下からかっこよくサイコガンが!(それコブラじゃねーか!)

 んでヘリが来たのでヴィカス慌てて避難。
 それがあの、エビ親子の家でした。
 とことん迷惑かけられとんのー!

 このエビの親、えーとクリストファー・ジョンソンか。お前はジョンソン&ジョンソンか
ベン・ジョンソンの友人なのかこら。ベンがくるよー、ベンが。(銀魂ネタ使わない)
 ヴィカス迷惑はかけないとか、ちょっとだけかくまってすぐ出て行くから、とか言ってた
わりに倒れて失神しました。
 クリスはこいつ放り出しても許されると思う。

 で、この症状に思い当たるところがあったクリスは、ヴィカスを地下へ隠します。
 目が覚めた彼に、液体はどこだと尋ねるクリス。
 ヴィカスは重大性が分かってませんから、MNUのラボに取り上げられたとかるーく回答。

 あの液体は、この、地下室と見せかけた司令機を動かすのに必要なものであり、
それで上に浮かぶ母船に戻って、皆を連れて惑星に戻るつもりだったらしいんですね。
なんだよ、あの時ヴィカスが邪魔しなければすべて解決してたんじゃねーか。
 …なんか…いらんことしかせんのー!
 
 しかもヴィカス逃げるつもりかとかさんざん文句言っといて「残念だなぁ、母船に
戻ればお前の手戻せるのに」みたいなこと言われて、よし早く液体集め直そうとか
調子いいこと言ってます。
 でも「20年かけてやっと集めた」と聞かされてまた逆切れですよ。忙しい男だのー!
 んで、クリスの息子のちびすけがいるんですが、これがなんかヴィカスをなぜか
気に入ってるようでちょっと動きがかわいかった。

 このままではどんどん変化は進むと言われて不安になるヴィカス。
 残念だなぁ君がもう少し頭が良ければあることに気づけたのに。

 惑星に帰りたいという息子に対してクリスが、「我々が行くのはこの、新しい施設だ」
と言っているのを聞いたヴィカスは、新しい施設はここより狭いし住み心地は悪いと
教えます。
 まあこうなったら死なばもろともだもんなぁ。
 
 武器はあるとすごい自信満々で出かけたヴィカス。
 あのギャングのボスに、金はあるから武器くれと言ったんだけど逆に脅されて、腕を
斬り落されそうになります。
 ところが偶然つかんだエビの武器が作動し、ギャングをぶっ倒す形に。
 そうです、ヴィカス君やっと気づきました。
「あれ?俺エビの武器使えるんじゃね?」
 うん、それ実験段階で使えてたからもっと早く思い出してほしかった!

 いくつか武器をもぎ取ったヴィカスはクリスとともにMNUへうぉりゃー!と突入。
 ここでクリスは、自分の仲間たちが実験材料に使われていたという残酷な事実を
知ります。
 そりゃ立ちつくすわなぁ。
 傭兵部隊に追いつめられてピンチになったんだけど、とっさにクリスが爆弾を
その場で作って脱出に成功。
 なんかこのエイリアンは武器に関する能力はものすごい高いんですね。
 
 とにかく液体を取りかえした彼らは戻ってきて、司令機を起動させようとします。
 で、ヴィカスは「俺の腕を治すのにどれくらいかかる?」と聞くわけですよ。
 うん…一分一秒を争う時に、あとにしてくれないかなぁ…。
 クリスも慌ててますからそのまま、「先に仲間を救いたいから、それの後になる
ので3年くらいかな」とか言うわけですよ。
 この後のヴィカスのセリフに笑いました。
「え?それって地球時間で?」

 この後ブチ切れたヴィカスはなんとクリスを張り倒し、自分がさっさと地下に降りて
カギを閉じて指令機を出そうとするわけですよ。
 いやいやいや、命の恩人だろうが!
 つーか自分も一緒に惑星にいってそこで直してもらったらどうなんよヴィカス。
したらこっちへ送ってきてもらえばいいじゃん。
 
 クリスの息子を騙してうまいこと指令機を飛ばしたヴィカスですが。
 日本にはこういう言葉があります。
「そうは問屋がおろさぬ」
 操縦に慣れてないもんですから、飛ばしはしたが、もたもたしている間に、MNUの
傭兵によって撃墜されました。10秒くらいしか飛んでねぇぇぇえ!クリスらの努力
台無し!

 息子は何とか影に隠れてやり過ごしましたが、これによってヴィカスはとっ捕まり、
クリスともども連行されます。
 バカだこいつ…。
 ところがそこにギャング団がやってきて、コケにされたボスがヴィカス殺そうとするん
ですね。そりゃそうだー。
 ところがどっこいもうラストもラストですから逆転につぐ逆転劇ですよ。
 あの、エビが作ったロボがなんと自動操縦もできたらしくて、エビ(ヴィカス)のピンチを
感知し、そこにいた人間全員を殺すわけです。ここのアイディアはなかなかよかったと思う。
かっこよかったし。

 指令機の方はクリスの息子が頑張っていじくってて、母船をこの上空に呼び寄せて
たんですな。すげぇ。
 …あ、忘れてましたが、クリスはひっくり返った車の中に取り残されてて、んで傭兵と
ゲリラが外でドンパチやり合ってました。
 もう少し話に絡んできて!

 ロボに乗り込んだヴィカスは「うぇーい無敵ー!」みたいな感じで外に出て行くの
ですが。
 クリスが殺されそうになってるのを知らんプイプイしやがったよこいつ!
 最後までゲスになんのかおい。
 と思ったけどやっぱ戻ってきてクリスを助けました。ヴィカス、人間はやっぱりそうで
あるべきなんだよ。

 指令機に走って行く2人。
 ヴィカスはここで、もう自分が生きることを諦めて、クリスを逃がすんですね。
なんだよ最後にかっこよくなりやがって。
 それで指令機に乗り込んだクリスは必ず迎えに来ると彼に約束して、息子とともに
飛び立ち、母船へ。

 集中砲火でヨレヨレになっていたヴィカスですが最後に、指令機めがけて放たれた
ミサイルをばっと受け止めていたのはちょっとコミカルだったけどなかなか良かった。
アイアンマン思い出すなぁ。そういう、シリアスとギャグ入り混じった空気が。
 あとブタを弾代わりに飛ばすなヴィカス。
※ここで使ったブタはスタッフが後でおいしくいただ…けるか!

 ついに力尽きたヴィカス。
 このまま傭兵にやられる展開かなーと思ってみていたんだけど。
 なるほど、そうきたかって感じでした。

 「これがヴィカスを最後にとらえた映像」とナレーションが流れます。
 その後いろいろあったけど、人類にとっては、立ち去った母船がどういう意図を
持っていたのかまだ不明。
 MNUでは、ヴィカスの後輩が、この企業が隠れてエビを実験に使っていたということを
暴いたらしいです。
 
 そしてヴィカスの奥さんのもとにはある日、ちょっとしたおもちゃ細工の花が届いて
いました。
 まるで以前のヴィカスが作ってくれたもののように。

 第9地区では一人のエビがちまちまと何かを作っていました。
 それは花のように見えました。



 全体的にグロい表現があるので、苦手な人は気をつけた方がいいです。
 ただ普通のハッピーエンドにはならなくて面白かったと思う。
 ある意味、人間の尊厳とはみたいな重いテーマもあるかも知れません。
 いつか必ずクリスは帰ってくると思います。



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