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コラテラル |
11/18鑑賞
コラテラルという言葉は「(不運な)巻き添え」という意味です。まあ確かに殺人の片棒を
担がされることほど不運な巻き添えもないでしょう。それが、プロの殺し屋ときては。
ここに、マックスというごく普通のタクシードライバーがいました。道に精通していて
頼りになるドライバー。乗っているのは有名な「イエローキャブ」。イエローキャブというと
すぐニタニタする人がいますが、アメリカでは普通に「cab」という単語は使われています。
でもってある夜マックスが乗せたのは、アニーという女性検事。ここでマックスの本領
発揮、早いルートを割り出してさくっとそちらへ。流石はタクシードライバーですなぁ。
日本のタクシーでもお客さんがよく「●●という道を使って」とか指示したりすることが
あるそうなのですが、その道に何か用事がある、とでもいうのでない限り、早く行きたい
場合はドライバーに任せておいた方がいいそうです。
ただし最近ではいわゆる「プロ」も減ってきており、最短ルートどころかものすごい
大回りをしてしまったり道に迷ってしまうドライバーもいるといいますからなかなか油断は
出来ません。つーかやられたことあるし…。
アニーはマックスが将来、ハイヤー会社を作りたいということを聞いていたく感心。
そしてマックスはアニーがお疲れという様子を見て自分がいつも気にいって見ていた
ポストカードを渡します。アニーは変わりに「会社を立ち上げる時には連絡してね。
力になれる」と名刺を渡します。…まあ普通に考えて本当に会社立ち上げる時に
連絡してもサッパリ覚えていないか有料ということになるかと思うのですが、あんまり
夢のないことを言ってもいけないので…。
名刺交換だけなら私も県議会議員の方とやったことがありますが、多分もうあちらは
微塵も覚えていないと思われます。
さて最高の客を降ろしたところでマックス、次は最低の客が乗り込んでくることに
なります。
その名を「ヴィンセント」。殺し屋でした。
ヴィンセントはタクシーの中でなんかあれこれ話をして、その中で、地下鉄で死んだ
男の話をします。地下鉄で男が死んでいて、他の乗客が入れ替わり立ち代わり彼の
隣に座るんだけど、誰も気がつかないっていう。
都市伝説やん。
あーでも山手線だとなんかありえそうな話ですね…。山手線ゲーム!(待て)
で、まあそんな話をいきなりふる方もどうかと思いますが、金をやるから今晩あちこち
行くのにつきあってくれと。
それを了承してマックス、最初の目的地で待ってたらあれですよ、「I can fly」ですよ。
男が飛び降りてきてもうこれ以上はないというくらいタクシーにジャストフィット。いや違うな
ジャストミートか?福澤さん出番です。
ともあれ下にタクシーがいないのを確かめて飛び降りろやとか思ったんですけども、
男は撃たれて落下した模様。
撃ったのはヴィンセント。しかも「お前が殺したのか?」とマックスに聞かれて、「いや、
弾丸が殺した」とか、カンニングが逆切れして言いそうなコントなみの屁理屈をこねて
います。(カンニングファンの方申し訳ございません)
んでその死体をタクシーのトランクに乗っけてランデブーですよ。というか男があの高さ
から落ちたら普通、走れないくらい大破しませんか?
それはともかく走り始めたタクシー。もう戻れません。まあ多少車が壊れていても見向きも
されないのはさすがアメリカ。こっちの方々は車の見栄えは特に気にしないので、多少
こすろうがベコってようが窓ガラスがなかろうが気にしません(実話)。というかむしろ軽い
方です。
誰だったかアメリカで見て仰天した車は、「えっこれ廃車置場の車をパクってきた?」と
いうくらいすごかったらしいです。フロントガラスはないわ、ウィンカーは出ないわ、サイド
ミラーなんてものもないわ、そもそも車自体がかしいでるわ…。アメリカだからいいんです。
ヴィンセントが言うには人口60億のうちの1人が死んだだけだから問題ない、と。なんか
正論なようでいてかなり暴論ですがな。うっかり納得しかけましたがな。
で、あれこれ言いながら進んでいたらポリに止められたわけですよ。タクシーが破損して
いるとなんか直ちに車庫に戻らないといけないみたいですね。
鹿をはねたとかあれこれ苦しい言い訳をしたりしていますがどうにも言い逃れが出来ず。
ヴィンセントはここを、警官を殺してでも突破しようとしたみたいですがギリギリ、緊急指令が
出てポリは行っちゃいました。いやー間一髪。そしてマックスにとってはアンラッキー。
…というかですね。仲間の1人を縛り上げて車を奪うとか、そこいらの車をかっぱらうとか
して車を変えた方がいいのでは…。だっていつエンジン止まるかわからんし。なんちゅーか、
同じ車で移動し続けるっていうのが、プロの殺し屋にしてはなんかうかつかなとは思わない
でもないです。
さて前回の失敗を踏まえましてヴィンセント。マックスの手をハンドルにしばっていきます。
これトイレいけないやん。あとオートマだったらこのまま逃げられなくもないですけどねぇ…
残念。
一方。えらいいかつい顔のおっさんが登場と思ったら、その例の屋上からダイブしてタクシー
のトランクに入った(中略するな)男を捜しています。どうやら殺された男は、とある麻薬組織を
起訴するのに必要な証人だったらしく。あわてて刑事たちが動き出しました。このおっさん
誰かに似てるなぁ…。
さてはてマックス。クラクション鳴らして人の注意をひきつけたはいいが、それがギャング
どもで財布もヴィンセントのアタッシュケースも持っていかれました。…何しとんあんた。
まあヴィンセントが戻ってきて財布を取り戻してはくれたみたいですが。うーんここは
お礼を言うべきなのか悩むところですね!マックスは言いませんでした(当たり前か)。
途中、ガソリンを入れているシーンがあるのですが、何故かそこのガソスタが韓国語の
看板。何でだ。というかアメリカでは結構セルフスタンドが多いですね。あんまり店員がいれて
いるというのを見たことがないです。物騒だからかな。
で、そこでヴィンセントがジャズを聞きに行くとか言い出すわけですよ。いいですねぇ、ジャズ。
全然わかりませんが。
普通こんなことを言われたらおかしいとか思うんですが、マックスは人がいいので疑いつつも
運転しちゃうわけですね。
ついた先のバーのマスターとヴィンセントは話をしてます。なんかジャズに関するクイズを
出して、それに答えられたら助けてやるとか言うてますが。間違ってたとかで殺されました。
絶対合ってても殺すなこいつは。せめて4択にしてファイナルアンサー?とか聞けば
盛り上がったのに(無理)。
マックスはいつも仕事が終われば母親の見舞いにいっていたのですが、いつもの行動
ということをヴィンセントが聞いて、「日課を突然やめれば疑われる。行け」と強要。仕方なく
ヴィンセントをつれて病院へ。
嫌だなあ、殺し屋連れて病院なんて。死神が天国にくるようなもんですねぇ。
でもってこの母親が典型的な、誰にでも息子のことを話したがる人。こういう母親って
どこにでもいますけど、本当子供のほうは迷惑ですよねぇ。第三者だろうが誰だろうが
関係なくプライバシーをしゃべられますから。ほっとくと子供の頃いつおねしょをして、
いつおむつがとれたかまで言い出すから気をつけろ!やつらは「子供さんが可愛いんですね」
という誉め言葉を狙ってる!間違いない!以上長井秀和でした。
その母親をヴィンセントが押し付けられている間にマックスは彼の鞄を取って逃げます。
お前置き引きやんそれ。しかももっとひねって逃げればいいものを、直線コースしかない
ところを延々逃げ続けてしまうという。どこにもいけないやんこれ。
この鞄を道路に投げてトラックがひいてしまったので、後のターゲット2人の住所氏名が
分からない、とヴィンセント激怒。お前もプロなら頭に叩き込んどけよ。たいがいだな。
この人多分、携帯を家に忘れてきたらその日1日仕事にならないタイプですね。いやまあ
殺し屋だから仕事にならない方がいいんですけども。
で、ヴィンセントは麻薬組織に乗り込んでデータをとってこいと。
これでマックスが失敗したら組織に消されるのはヴィンセントなわけですが、キミはそれで
いいのかね。
一方刑事さんたち。最初の男が殺された現場を見て、なんか不審なタクシーがいたという
情報を仕入れて少しずつマックスがたどった道を追い始めます。こっちも、証人が消されている
から必死ですな。つか早急に保護したれよ、証人を。
いやー、人間本当に危機に直面すると肝が据わるもんですな。マックス、逆切れですよ。
開き直って麻薬組織のボスを反対に脅しつけて、データを持ってきましたよ。すげぇ。
深夜、月もない真っ暗闇の中の斬り合いで、「こういう状態になったら刀を振り回したもん
勝ちだよ」とよく分からないことをいってた斎藤一よりもすごいような気がします。
ただそのデータでまた殺人が再開されるのですから、複雑な心境だったでしょうね。
そしてようやく警察も動き出し、次の証人を保護するべく向かいます。
そこはパーティ会場。なんやかんやで盛り上がっている中平気ですったかたーと
入っていくヴィンセントとマックス。遅れて到着した警察ご一行。
ところがどっこい、ヴィンセントはあの通り、いらちですからなかなかたどり着けないのに
業を煮やし、いかつい警備に向かって発砲、会場大騒ぎ。しかもマックスが警察にとっ
つかまりそうどころか警備側にも撃たれそうに。マックスとしてはここで警察に捕まった
方がよかったと思うのですが、ヴィンセントが、撃たれそうになったのを助けました。
えらいじゃん。
最初から出てきていた、お前の方が麻薬組織の人間ちゃうんかいといういかついおじさん
は、マックスは巻き込まれた人間とわかっていたみたいですね。マックスを保護しようと
するのですが、会場内乱射が始まっておりまして、もうヴィンセントも景気よく撃ちまくり
やがり、で、マックスを取り返すためにこの刑事にも発砲。
もう何がなにやら。
そんでタクシーはまた走り始めたわけですが、ヴィンセントは気づいていませんでした。
おとなしい人間ほど怒らせると怖いということを。
下り坂だろうがなんだろうが構わずマックスはスピードをあげ、結果車は乗り上げて
大破。この壊れ具合及び2人がシートベルトをしていなかったことから考えても、即死状態
間違いないと思うのですが、車から這い出したヴィンセントはタッタカター!と逃げていって
しまいました。お前は不死身か。
マックスも、やってきたパトの警察官から拳銃を奪い取って彼の後を追います。
彼は何故ココまで必死になるのか。
それは次のターゲットでした。彼が乗せたアニー。その写真がターゲットとして示されて
いたからです。
何とか彼女に知らせようとするのですが例えば道端の若者から奪った携帯電話が
ろくに充電もされてなくてすぐ切れたりとか、公衆電話使おうとしても十分な小銭がなかったり
とか踏んだり蹴ったりです。…どこぞの店に飛び込んで電話を借りればすむことだと思うの
ですが、なかなか物語はうまくいかないようです。
連絡ついても彼女は彼女で信用しません。確かにこのいきなりの「あんたが狙われて
いる」という電話、オレオレ詐欺なみの疑わしさがあると思います。ここで、「狙いを外す
ためには100万ドル必要だ。すぐ振り込め」とか言われたら詐欺決定なのですが、別に
この映画は犯罪防止啓蒙映画ではありません。
やっとこさ信用してもらえたものの今度は電話がつながらなくなるという有様。ヴィンセント
がすぐそこまで迫っているのを見てマックスは単身乗り込みます。警察に連絡しておこう
とかは思わないみたいです。
さあ息もつかせぬ攻防が始まりました。というより一方的に追い詰められまくってる気が
しないでもないですが、ビルから命からがら逃れてマックスはアニーをつれて地下鉄へ。
私なら玄関の窓ガラスを割っておいて、そこから逃げたと思わせて地下鉄にいきます
けどね。なかなかそんな余裕ないかー。
で、これがまたヴィンセントが野生のカンで彼らの乗った地下鉄に乗り込んでくる
わけですよ。
ギリギリのところでの撃ち合いはやっぱりというかまあラストだからというか、マックスの
逆切れ開き直り勝ち。
ヴィンセントはかつて自分が語ったように、地下鉄の座席に座りひっそりと息をひきとり
ました。うーん…。
この幕切れもどうかと思うのですが、全体的に「だからどうなんだ」という感じがあった
かなーと思います。いやだからといって最後の最後でヴィンセントがパラググライダーを
出してばびゅーんとか飛んでいっても困りますけども。
もっとも危険なトム・クルーズでしたっけ、キャッチフレーズは。…生え際はちょっと確かに
危険だったかなとか思わないでもないです。
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