多分花鳥風月→金田一、コナン的読み物ページ→映画の感想レビュー→クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃
クレヨンしんちゃん |
4/19鑑賞
もしもスーパーヒーローになれるとしたら。子供の頃あこがれた、正義のために戦って
悪をやっつける存在になれるとしたら。
誰もが一度は考えたことがあるでしょう。
しかし一生ヒーローでいることは難しい。24時間正義のために戦うことは難しい。
誰もあなたの活躍を知らなくて、誰も感謝してくれない。傷ついても誰も味方はいない。
あなたはそれでもヒーローになりたいですか?
いきなりしょっぱなから怪獣に襲われてらと思ったらしんちゃんの夢でした。毎度毎度
ストーリー性のある夢でうらやましいことです。私なんか突然実家にテニプリのメインキャラ
がやってきて当たり前のようにバーベキューをして食べているという、展開もへったくれも
ない夢を見て、朝から悩んだことがあります。ちなみに手塚部長はタマネギを食ってました。
跡部はなべ奉行になってました(バーベキューなのになぜかなべ奉行)。
今日もアクション仮面と元気よく怪人をやっつけたしんちゃんは、珍しく考えているよう
です。
「オラ、正義というものがまだよくわからないぞー」
アクション仮面は笑ってこう言いました。「正義というのは君の中にある。君ならわかる」と。
さてはていつの間にか朝です。みさえさんの忙しい朝が始まります。これがまたこの手際の
良さはさすがスーパー主婦というくらいすごいですよ。つーか前日に洗いものくらいしとけよ。
そんでもってまた例に漏れずしんちゃんはお迎えのバスに間に合わなかったわけで、これまた
すごい坂を自転車でみさえさんは平然と上っていくわけで。
朝からインタスントラーメンを食べられるみさえさんをちょっと尊敬しました。私はどう頑張っても
カレーライス大盛りが限界です。(食うな)
しんちゃんはみさえさんをぐうたらというけどもなかなかどうして、頑張ってると思いますよ。
ちなみにここは一切セリフなしでアップテンポのBGMとともに進んでいくのですが、見ていて
よくわかるので面白いです。
カップラーメンが出来るまでしばし眠ってしまうみさえさん。おっと床の間にかけられた不自然な
掛け軸から何か出てきましたよ。ってーか居間に床の間って…どういう家やねん。それはそうと、
その光のたまは怪獣シリマルダシの中に入ってカップラーメンを食い始めましたよ。あの怪獣
のどこに入っていくのかとか、そもそもそのまま食べてやけどしないのかとか思うところはありますが、
しんちゃん映画でそんなこと気にしちゃいけません。
ちなみに私は日清のカップラーメン塩が好きです。
それにしてもみさえさん、ラーメンを食べている怪獣(宙に浮いている)を見てもおもちゃだと思って
いるあたり、さすがはスーパー主婦。多分デスノートを拾って死神が見えたとしても「何その
趣味の悪いコスプレ」で物語を終了させると思います。
しんちゃんが帰ってきたら、みさえさんが変になってました。どれくらい変かというとコナンで
言えば毛利蘭ちゃんがいきなりさとう珠緒になった、みたいな(余計わかりませんから)。
でもってひろしが帰宅すると家族は誰もいない。そしてあの掛け軸の後ろに空間が。それは
別の世界につながっていました。
入るとそこには町を壊す怪獣が。そして「出たな怪獣」とか言いながら向かっていく魔女っ子
アイドルみたいな感じのキャラが。いやえーと、怪獣ときたら大抵はなんとか戦隊とかウルトラマン
では。怪獣対魔女っ子って前にあった、新撰組VSデカレンジャーという気がしないでもないんですが。
ともあれ怪獣は倒され、ミライマンが野原一家の前で説明を始めます。
要するに、時空の乱れが出来て怪獣が出てきてそれを倒すために派遣された、と。そのための
時間が3分間と。3分って長いようで短いですからねー、結構微妙。
ちなみにカップラーメンが3分になった理由というのは、1分では短すぎ(麺を戻すのに)、5分では
長すぎて待っている間に忘れてしまう、3分というのが丁度(作っていたのを忘れていても)「あっ
どうなったっけ」と思い出す時間だからだそうです。何度も試行錯誤の末にこの時間が割り出された
とのこと。なかなか奥が深いですね。
こうして実は地球の存亡に関わる大切なことであるにも関わらず、まるで契約させる時に必死
こいてメリットばかり主張してデメリットについては一切知らせないような悪徳商法ともいえるノリで
ミライマンは正義の味方を依頼したようです。クーリングオフできなさそうな感じですね。
ところで「ラブレター フロム カナダ」とか言ってるあたり、みさえさんの技に対するネーミング
センスのなさは、腕を組んだ後開いて攻撃するから「クロスバーン」とか名付けたウイングマンの
広野健太を彷彿とさせます。
(広野健太の名前の由来は、「ヒーローのけんた」からだそうです)
で、ひろしに交代したんですがひろしの場合はコスチュームに対するセンスのなさが伺え
ます。初心者マークってなんやねん。まだ車にマークを張っている私へのあてつけでしょうか。
ともかく、額のマークをはずしてブーメランにするくらいはして欲しいです。ただ、セーラームーン
みたいに、投げたはいいが回収できなくなるということも往々にしてあるので、注意が必要
です。
正義の味方、武器を敵に取られて逆に利用されることほど間抜けなことはありません。
というかヒモつけとけ。
そんなこんなでヒーロー野原一家参上です。ミスターインクレディブルのご一家とは仲良く
やれそうです。
張り切って怪獣退治を引き受けたはいいけれど…。彼らは知っているのでしょうか?
正義の味方は24時間営業だということを。
しんちゃんは相変わらず妄想に忙しい。未来で大学生になったひまわりが「カッコイイ
お兄さんいるの?キャー」といわれている図を想像しております。それはサザエさん一家の
カツオが「ボクはこんなお父さんになりたい」と言ってるくらい不毛な想像ですから!
自分の理想像とするヒーローに変身したひろし。いいですねぇ、考えたとおりに変身できる
というのはちょっとうらやましいです。確かに想像力いりますけど。少なくともマントは欠かせません
よね、マントは。でもあれ実際に装着すると自分で踏みかねないので、理想の長さは足首
くらいまでだぞ!(誰に言っている)
あと、洗濯するときは単独でやらないと色移りしちゃうぞ!干すときは陰干しで、ちゃんと
シワをのばしてね。
さてさて忙しいみさえさんに変わってなんとひまわりが変身したわけですが、こちらは
かわいらしいです。藤子不二雄のウルトラBを思い出しますね。わからない人はそのまま
流しましょう。
みさえさんが変身した時はメイドさんタイプやらお姉さまキャラやらもう日ごろのコンプレックス
がそのまま出た感じです。しかし武器が掃除機なあたりはまだまだ主婦です。あれはサイクロン
方式ですかねぇ。
毎回服が違うヒロインと言えば思い出すのは「バトルガール藍」ですが、こちらも知らない
人はさっさと流しましょう。
まあ正義の味方になるといっても、パンチ力・キック力・技などはミライマンが増強してくれる
みたいですから、自分自身を鍛える必要がないというのはいいですね。その上戦っている
間はまったくの別人になれる。
それは麻薬のように人の心をとらえることでしょう。
その中でしんちゃんだけはそうかっこよくなるわけでもなく、どちらかというとウルトラマン
そのものという感じ。おまけに尻まで出ています。
これからしてもしんちゃんは、ヒーローに特別な憧れを持っているというのではなく、どちらか
というと一緒に戦う立場として自分をとらえているのではないか、と思えるのです。大人が
もってしまう「こんな自分だったらなぁ」というのがまだなく、自分の理想は自分、といったところ
なのかも知れません。等身大のヒーロー、それがしんちゃん。やっぱりかっこいいですねぇ。
怪獣と戦ううちに野原一家はヒーローとしての自分を強く渇望するようになります。未来の
世界では自分たちは正義の味方としてチヤホヤされ、感謝され、注目を浴びるからです。
現実世界のストレス発散に、遊び感覚で怪獣を倒せてカッコイイ自分に変身できて、人から
感謝されるのですから確かに気持ちがいいですよね。
と、そこにギター侍怪獣が。お前何しとんねん。
お決まりのギャグを言った後しんちゃんに見事に切り返されて切腹してました。残念。
2時間待ちの出番1分斬り。…またつまらぬものを斬ってしまった…(番組違ってますから)。
さて。
理想の自分でありたい、現実の自分を見たくないという思いから現実の野原家は散らかり
放題、食事はカップラーメンという有様になりつつあります。
しかもひろしに至っては有給をとって掛け軸の前に張り込む始末。
家事もしない、一日中掛け軸の前で待機してすごす、順番を争って喧嘩ばかり。どうやら
一家の心は少しずつすさんでいる感じですね。
夢中になるものはあってもいいけれど、生活を犠牲にしてはダメなのです。
とはいえそれがわかればこんな状態にならないわけで。
あちらの世界でチヤホヤされていい気分の野原一家です。
まあいつまでも怪獣と戦って倒すだけでは天下のジャンプでも10週打ち切りとなりかねない
わけで。そろそろ強い敵が出てくる必要があります。
ちなみにジャンプではどれだけ鳴り物入りで登場した作家であってもアンケート結果が
悪ければ週を追うごとに段々と後ろに掲載されて行き、1話で広げられた伏線を回収しきれず
「俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ」で終わったり、突然ラスボスが出てきて戦いはじめて
みたりと非常にわかりやすい締め方をしてくれます。まあ中には某K先生のように、巻末
コメントで他の先生に話しかけて生き残ろうとあがいたあげく最後に、「痛みを知らないこどもが
きらい 心をなくした大人がきらい やさしいマンガが好き」といったようなとんでもねーボムを
落としていく人もいます。
話がずれましたが、ついにやってきた、ひろしとみさえがやっとのことで倒した強敵出現。
しかも次はもっと強いといいます。
ここにきて初めて「正義の味方」であることの厳しさを知った野原一家。しかもここで人に
譲るということもできません。
怪獣出現の知らせに布団にもぐってやり過ごそうとするひろしとみさえ。
そんな中、アクション仮面とカンタムロボとぶりぶりざいもんをミライマンに自慢していた
しんちゃんが立ち上がります。
「オラ、ひまわりの素敵なお兄様だから!ひまが女子大生になる未来を怪獣なんかに
壊させないぞ!強い人が弱い人をお守りするのは当たり前だから!」
その言葉に立ち上がる野原一家。
「俺達は正義のヒーローなんかじゃない。子供の未来を守りたいと思っている父ちゃんだ」
「母ちゃんよ」
そして現れる強大な敵。
苦戦するしんちゃんの前に何と強力な味方が現れました。
ボスひとつ前の敵を倒したみんなの前に現れたラスボスとは…?
これから先は是非劇場でどうぞ。
ちなみに私は最後ラスボスに向かってみさえさんが叫ぶ「あんたなんかより、しんのすけ
の方がかっこいいんだから!」というセリフも好きです。
正義のヒーローではないけれど、大切な未来を守りたい。
ハウルやハリーポッターのように魔法が使えるわけでもない、コナンのように頭がいい
わけでもない。足も臭いし最近白髪が気になる。けれどガッツなら誰にも負けない。
そんな一家がまた、地球を救いました。
オトナ帝国、戦国大合戦、ヤキニクロード、カスカベボーイズ。しんちゃんの映画は
カッコイイと適当だらだらが交互にあるように思います。今回はどちらかというとだらだら
といった感じでしたが、クライマックス30分でものの見事にそれをひっくり返されました。
やっぱりしんちゃんは誰よりもかっこいいヒーローです。
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