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ライフ ―いのちをつなぐ物語―

9/5鑑賞

 生命のありのままを描くっていうと、厳しい生存競争だとか、子供のためにエサをとりに
いって命つきた親鳥だとか、そういうのを想像しがちですが、この映画は同じ自然ものでも
生きることをテーマにしているので、全体的にまったり見られます。
 なかなかよかったです。
 息抜きに見るにはいいんじゃないですかね。

 映画は「生きるということの意味を考えたことがありますか」という問いから始まります。
 まったくの無音なので事故か!?と思われるかもしれませんがこういう演出です。←事故かと
思ってソワソワした。

 冒頭は生命の誕生について、地球が若かった頃最初の生命が生まれ、地球は命に
満ち溢れた、とさらっと語られていますが、もともと今の生物にとっては有毒な成分が多かった
時期に、それを糧として生命活動を行う原始生物が生まれ、それがやがて酸素を生み出し、
この星は酸素が満ちた惑星となり、いっきに生命の多様化となりました。
 現在この地球上には500万種の生物がいるそうです。
 その中のたった1種に過ぎない人間が地球の王様きどり。
 他の生物は一体どう思ってるんでしょうね。
 ちなみにここのシーンでいろんな動物が登場しますが、おい…なんでカエルだけエサとるの
失敗してるとこ映ってんだ。他の動物みたくかっこいいとこ映してやれよ!

 さて場面は南極。
 ウェッテルアザラシが周囲に何もない雪原で子供を産んでました。
 アザラシの子供かわいすぎます。
 天敵がいないこの場所でこうやって子供を産むのは生命が生存競争の中で身に着けて
きた知恵なんでしょうね。
 で、氷に穴をあけて海の中に行くらしい。
 海中から映すシーンがあるのですが、見てると氷がすごい分厚いというのがわかります。
 アザラシは魚のように完全に水中だけで生活できるわけではないので、肺の中の空気が
なくなったら当然、顔を出して呼吸しないといけないんだけど、氷にあけた穴を見失ってしまって
呼吸できずに溺死する個体もいるらしいです。
 
 次は日本の地獄谷。
 すごい名前だな…。ニホンザルが出てくるんだけど、やっぱサルだけあってしぐさが
人間ぽくて面白いです。
 しかも温泉ですよ。源泉かけ流しですかぁコノヤロー。
 温度は38度ということで、わぁ、半身浴にはちょうどいい温度ですね…。
 ちなみに力の強いグループしか入れないらしい。
 なんだよ、空いてるんだから入れてやれよ。
 と思うのは人間の勝手ですかね。

 お次はコスタリカ。
 動物だって、グループが助け合って生きているわけではない、一人で子育てをしなければ
ならないこともある、とかナレーションが。
 つか、つがいで育てるのもいますが、シングルマザー的な子育ても多いでしょうよ。ライオンの
オスなんかほぼマダオだろあれ。
 ここで出てきたのはイチゴヤドクガエル。カエル嫌いな人にはたまらん構図です。
 このカエルは落ち葉の上に卵を産むという変わった生態らしいです。
(大抵のカエルは卵が乾燥しないよう、水中に生む)
 普通ならここで親は終わり、卵は勝手にかえって自然淘汰していく、みたいな流れですが、
このカエルは卵からオタマジャクシが孵化するまで見守り、孵化したら一匹一匹背中に背負って
木を上り、その木の上にある花の中に一匹ずつ入れていくらしいです。
 木の高さは10メートル。地上からの敵はまずあがってこられません。上からの敵も、花の奥に
水が溜まっているので直接攻撃できない。
 考えましたね。
 しかも一匹一匹別のところに入れていることで、生き残る確率も高くなるでしょう。
 このカエルはこのやり方をどうやって身に着けたんでしょう。
 ちなみにオタマジャクシのエサは無精卵。それをせっせと成長するまで運ぶらしいです。
 親ってすごいですね。

 さて次はコンゴです。
 木から何か落ちてきた。
 局長!近藤局長じゃないですか!(ゴリラですぅぅぅぅ!!)
 何してるかゴリ?
 子育てしてるのかと思ったら、子供は子供で好きに遊ばせてて、こいつもマダオ…かと
思いきや、他のオスが縄張りに入ってきた時にドラミングをして追っ払うという、大事な
役目があるらしい。…ワンピースの?←それドフラミンゴじゃね?

 次はケニア。
 アフリカゾウが初めて子供を産んで、その子供とともに水を求めて移動しているわけ
ですが、慣れてないから子供が足の間を歩いてて踏みそうになってて、ちょっとハラハラした。
 まあゾウは全体的に女系のグループで、皆で子育てを支援するので大体は何とかなります。
 今はめっきり減ってしまいましたが、かつての人間の生活のように、子育てを祖父母が手伝って
お母さん仕事頑張る、というようなパターンです。
 どの動物もだけど、この幼少期を乗り越えたら大体大丈夫だよなぁ。
 と、湿地帯で子ゾウが沼にはまってしまうのですが、焦った母ゾウ、助けようとして沼に子ゾウを
押し込んでしまう。
 うぉぉぉぉぉぃ!!!!これはスクアーロでなくても叫ぶわ!
 そこへおばあちゃんゾウがやってきて子ゾウは助かりました。
 いやあ、危なかったわ…。

 この後はアルゼンチンにてアリの大家族。大家族なんてもんじゃないだろこれ。何万単位だし。
 ハキリアリなんですけど、植物の葉は食べられないのにチマチマチマチマと砕いて巣に運んで
いく。それは、キノコを栽培するための肥料でした。
 このアリは地下にキノコ栽培農場を作っていました。
 すげぇ!
 ちなみに、キノコ栽培の過程でCO2が出るらしいのですが、それは地上に排気。…おい、エコは。
(人間の排出量に比べれば些少ですがな!)
 にしてもすごいですねこれは。
 
 今度はエチオピアです。
 誰も食べないものを食べる生物がいるらしい。
 それはヒゲワシでした。
 動物の死骸を他の生物がつついてるとこに降り立って、骨をとってきて、それを高いところから
落として砕き、丸のみらしい。骨の中の骨髄とかてっきり食べるのかと思ったら骨ごととは!
 いいですけどね…ホントに動物一匹残すとこなく食い尽くすって感じなんだなぁ。
 このヒゲワシの胃液は特殊で、骨を簡単に溶かすそうです。
 食べ物を他の生物と取り合わなくて済む、という点においてはこの鳥の進化は大変すばらしいですな。
 で、この後若いヒゲワシが高いところから骨を落として割る練習してんだけど、草原に何度も落として
失敗してるのが面白かった。他の鳥たち、大迷惑。
 ま、こうして成長していくのでしょうなぁ。(しみじみ)

 ブラジルにて、何世紀にもわたって調理道具として使われてきた岩がありました。
 使っているのはフサオマキザル。
 彼らはヤシの実が大好物なのだけど、外側の皮はむけても、中の実の殻は固いため、
まず皮をむいた後、一週間ほど乾燥させるそうです。
 というわけでこちらに用意しておきました、一週間ほど乾燥させた実がございます。
 つーかそれ別のサルがやったやつじゃないのか、おい。
 ともあれ、この実を持って岩場に上がり、彼らは手ごろな石を叩きつけて殻を割り、中の
実を食べるのでありました。
 つーか叩くシーンをスローにするとか何度も再生とか必要でしたかね。
 ナレーションが、道具を使う生き物は人間だけではなかった、と言われてますけど、それは
人間が知らないだけで、世の中道具を器用に使う動物は沢山います。人間だけとは
何と言うおこがましい発言。

 この後子供が真似して実を割ろうとするのですが、木の上でやったり、岩だと思ってたのが
土の塊でこっちが割れたりと、うまくいかないのが面白かった。
 そのうちできるようになる…と思ってたらナレーションで8年だって。
 職人技かよ!

 場所変わってイスラエル。
 アイベックスが子供を岩場で生んだらしいです。
 このアイベックスはヤギ科の動物。ヤギなので蹄はブイッであろー!
 岩場で生んだので敵には襲われなかったが、食べ物も水も遙か下。
 遠いな…。
 まあそうしないとたやすくやられちゃうんでしょうね。
 その時、子供を狙ってキツネが!
 大変です。
 ロレンツォ!ガリフエラ!こいつを返り討ちにしてくれるであろー!(自然界にヴァレンティーノ
ファミリーは存在しません!←「キューティクル探偵因幡」)
 何とか逃げのびたので良かったですが、岩場を駆け上がっていくのはさすがですね…。
 
 お次はマダガスカル。
 狩りをする方も大変というナレーションでカマキリが出てきたので、こいつの狩りか、と
思ってたら、カメレオンに食われたよ!捕食される方かよ!かっこつけて登場して主人公の
グーパンチ1発でやられたザコキャラみたいだな!
 カメレオン、歩きながら次々昆虫捕食。しまいには蜘蛛の巣のバッタまで捕食。
 それ他人様の食事でしょぉぉぉぉぉ!!!!
 仮面ライダー、出番です!(いくらバッタネタでもこれは苦しい)
 
 次はケニアです。
 チーターが兄弟で狩りをする映像が出てきました。
 普通チーターは単体で狩りをしますもんね。(これが災いして仕留め損ねることがある)
 今回は3匹でダチョウのメスを狙います。
 ダチョウといえば走鳥類なのでてっきりケリで応戦するかと思ったんだけど、さすがに
一対一ではないので分が悪いと思ったらしく、逃げたのですがやられてました。
 最初ペアの、オスが狙われたんだけど、メスが逃げ遅れたのでチーターの餌食に。
オスはさくっと逃げてしまいました。
 …カップルで見ている場合、ものすごーく男性の居心地が悪くなるかもしれません。
 つーかダチョウというか鳥って羽毛のわりに食うとこ少ないぞ。まあだから大きな鳥を
狙ったのかもしれませんが。
 この後ドヤ顔のチーターが映るのですが、逃げたくせに真ん中に映りこんでいる
ダチョウオスが邪魔です。

 アメリカでは、フロリダ湾の底に不思議な輪の跡が残ってました。
 これは、イルカの狩りの跡でした。
 バンドウイルカは簡単にエサとなる魚を捕まえる方法を見つけたらしい。
 それが、尾で海底に泥煙を起こして魚の視界を奪い、らせん状に輪を小さくして追い込んで
いくやり方でした。
 こうすれば行き場のなくなった魚が逃れようとしてジャンプして、イルカが口開けてたらその
中に飛び込んでいくという…。あれ、これだと追い込んでいる方のイルカは魚にありつけなくね?
 まあいいですけど。
 頭いいですねぇ。

 さてこの後の映像は、ハエジゴクが出てきます。
 ハエのアップとかあるので注意された方がいいと思います。
 ハエジゴクは実に巧妙にできていて、ハエがやってきて赤いトゲに一度触れただけでは
閉じない。20秒以内にまた触れた場合に素早く閉じます。
 日本ではハエジゴク、ハエトリグサなんて名前ですが、アメリカではVenus Flytrapという。
こっちの方が何かちょっとすてきですね。
 で、観葉植物として育てることもできますが、面白がってつついて葉を閉じさせたりすると、
これ相当エネルギーを使うので、しおれてしまうことがありますので注意して下さい。
 人間にとっては遊びのつもりでも、植物にとっては命がけ、ということです。
 ここでめいっぱいハエの死体のアップとか…。
 ともあれ、大体10日くらいで消化します。
 ちなみに、ハエジゴクとはいえ花粉を虫に運んでもらわないと繁殖できないので、この
仕掛けより30センチ上に花を咲かせるらしいです。ここは仕掛けがないのでハエも安心して
花粉を運んでいける。まさに板子一枚下は地獄、の世界ですなぁ。
 
 インドネシアからは、敵に回したくないハンターとしてコモドオオトカゲが。
 ああ、こいつか…。
 自分の体よりでかい水牛を狙っているので、どうやって仕留めるんだろうと思うのですが。
 まず、どこでもいいから一噛みする。
 水牛はこの時点では「いてぇなあ、何にでもかみつくギザギザハート世代ですかぁコノヤロー」
てな感じだと思うのですが、コモドオオトカゲはこのあと、何もせずひたすら仲間とともに待ち
続けます。時に数週間でも平気で待つそうです。
 その間に水牛は弱ってくる。
 ナレーションで毒と言ってましたが、正確には毒つーかそのような成分というか。
 もちろんこいつらの口の中は腐敗菌が繁殖していて、どれだけ歯を磨いてない奴でも
かないっこないくらい不潔な状態であるわけなのですが、これを利用してかみついた時に、
血液を固まりにくくする成分を注入します。また、牙もとがっているため傷口は比較的大きな
感じになる。毒蛇というより毒を持ったライオンに噛まれた感じと考えればいいかと。
 噛みつかれた相手は失血で弱っていき、また傷口からいろいろ感染して死に至る、みたいな
感じですね。ちなみに人間でも死亡例がありますので、うかつに生息地帯には近寄らない方が
いいでしょう。血液が固まりにくくなる成分もですが、噛みつかれての出血の方が怖いですから。
 こうして水牛はコモドオオトカゲの群れに食べつくされて骨になってしまいました。
 よーし、ヒゲワシを呼べ!

 この後はケニアにて、ハネジネズミ。
 可愛いです。
 なわばりの中の地形やら逃げ道やら全部把握しているらしいです。その少ない脳でか。
 たいしたもんですね。
 トカゲに襲われても余裕で逃げ切ってました。
 ベネズエラのコイシガエルは、天敵であるタランチュラに襲われたらどうするかというと、
その名のごとく小石のように転がり落ちてました。
 …それはいいけど、落ち切った下で襲われたらどうするんだろうこいつ。

 お次はベリーズのバシリスク。別名キリストトカゲ。
 その名は、水の上を歩いたと言われるキリストにちなんで…というのは有名ですね。
 右足を水の上に起き、その右足が沈む前に左足を出せばよい、という原理はわかってても
それを実践できる速さが人間にはないわけで…。
 人間がやろうとすると時速100キロは必要らしいです。
 
 お次は魚の群れ。
 群れでいれば敵の眼もくらますことができるとかナレーションで言った割にめっちゃ
囲まれて襲われてるんですけど。
 音楽変わるのもかっこよかった。
 バショウカジキが長い上あごで魚突き刺すみたいなこと言ってたから、刺したとしてどうやって
食べるんだと思ったら、ひっかけるような形にして、その後魚を食べに行くらしい。
 しかし魚も捕食されるままでは終わらない。
 ついに空中に飛び出したのでありました。
 トビウオです。
 彼らの頭の中には今、ネバーエンディングストーリーの曲がかかっているに違いない。

 アカハシネッタイという鳥が狩りをして魚を持って帰る途中なのですが、なんとここで
グンカンドリが集団カツアゲ。
 しつこく付きまとって取り上げるエネルギー考えたら、自分で取りに行った方が早い
だろうが!
 アカハシネッタイも敏捷性を生かして逃げたりして、なかなか面白かったです。
 何よりも大切な家族のために頑張りました。

 この後はカナダにてミズダコのすさまじい子育ての様子が。
 ミズダコは一生に一度しか卵を産まないらしいです。
 でもその数がすごいな。
 メスは卵を産み付けると、常に新鮮な海水を送り続け、何も口にする事なく6ヶ月もの間
寄り添い、その卵が孵化するのを待って一生を終えます。
 ミズダコは成体がかなり大きく、ほとんど敵なし状態らしいので、一生に何個も卵を産む
より、この生態の方が、バランス的にはいいのかも…。
 ともあれ、すべては生まれてくる子供のためというのがすごいですね。
 
 お次はアメリカのカイツブリ。
 あーこれは有名ですねー。
 ナレーションが、別々に暮らしていたつがいが北で再会して、オスがメスに素敵な贈り物を
渡すとか言ってましたが。
 今そこでとった魚ですよね?思い切り現地調達のプレゼントですよね?
 まあ「えーっカルティエがいいー」「グッチのカバンが欲しいなー」とかいうようなのは
カイツブリのメスにはいないでしょうから、現地調達でも許されるのであります。
 つか魚食べたメス、のどのあたりにつかえてる気がします。

 この後はペアで水の上を走ってました。バシリスクじゃなくてもできるんですね。

 チリではチリクワガタが嫁さがしのために木の上にあがっていってました。
 上ではメスが待ってる。
 いや、ナレーション、美人のメスとか言われてもちょっと違いがわからんのですが…。

 このメスを狙うオスは多いわけで、バッタバッタと顎を使って落とし合い。
 やっとオスがメスのとこにたどり着いたのはいいのですが。
 おい、メスまで落としてんじゃねぇよ!お前は将軍に触っちゃった九兵衛ですかぁ!
 どういう銀魂的オチだよこれ!

 生物の多くは、メスが相手を選ぶことが多い、ということで次に登場しましたのは
ザトウクジラのメス。
 メスがいることに気づいて寄ってきたザトウクジラのオスで戦いになってます。
 つーかあちこちから集まってきたんでしょうか。普段何してんだお前らは。
 このザトウクジラのメスが一年後、子供を連れて戻ってきたところで大体の映像は
終わります。
 
 生きる、ということはどういうことか。
 この映画を見てそれぞれが答えを出せるといいですね。

 ちなみに公式サイトからリンクされている、おもしろCMっていうのが、映画に
登場する映像にアテレコしたものなのですが、面白いので一度見てみられる
ことをオススメします。 



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ライフ ―いのちをつなぐ物語―