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戦国自衛隊1549

6/21鑑賞

 最初この映画は、演習中何らかのミスで過去に迷い込んだ自衛隊が、未来にもどるべく
何らかの鍵を握る信長と戦うのかなと思っておりましたが、そんなチャチなストーリーでは
ありませんでした。
 二転三転する展開は非常に面白かったです。

 さてある自衛隊演習場でのこと。ある実験を行っていた小隊が突然消滅。替わりにそこの
場所には、草むらが出現しました。
 …ドラえもんの「空間入れ替え機」の発明でもしていたんでしょうか?
 ところがどっこい、入れ替えられた方はとんでもない場所にいました。そう、あの合戦場!
多くの人が涙したという!ラストサムライの撮影場所!
 ではありません。
 とにかく、クレヨンしんちゃんの戦国大合戦のように突然、合戦の真っ只中に出現して
しまったのでした。戸惑う的場一佐。顔を出した自衛隊員が次々と矢にやられました。
 うーん現代人ってこんなあっさりやられてしまうもんなんでかね。

 それから2年後。ある居酒屋。そこに保健所からきましたというまるでどっかの詐欺セールス
のような二人組みが。
 と思ったら自衛隊の人でした。保健所から言うな!消防署言え!(どっちも同じじゃ!)
 居酒屋のマスターこと鹿島元二尉に用事があったようですが、うむを言わさず連れて行く
あたり「えぇっ!?」という観客の戸惑いを誘います。
 そんな、あまりにも強引な展開をしつつ、更に、的場さん達に対しても「彼らは過去に飛ばされた」
という更にぶっとんだ説明をして平然としている、ごくせんの白金学園元教頭こと森三佐。
転職ですかぁ?
 という冗談はさておき、さらに、過去へ的場さん達を救出にいくプロジェクトに当然のように
鹿島さんを組み込んでいるあたりもう、彼らの強引っぷりには観客も置き去りです。

 神埼二尉は、このプロジェクトで場所が過去に飛んでいるのは72時間と何分だかと計算、
ようするに過去にいって的場さんを助けてそこの場所に戻れば自動的に戻ってこられるから
やれ、と。で、なんでそんなことをするかというと、的場さん達が過去にいったために歴史が
乱れ、大きなブラックホールが開いているからだそうです。
 つまり歴史が自動修正に入っているということですな。いいですなぁ、自動修正機能付歴史。
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 ところで当然のように階級つきで呼ばれてますけど、「尉」のつく人よりは「佐」の方が上
なんですよね…?うーん分かりにくい。
 
 迷っている鹿島さんのところに、的場さんの時の実験で紛れ込んだ飯沼七兵衛という人が
シャツにズボンといういでたちで現れます。あれから2年経過しているから歩き方もまっとう
ですしちゃんと右側通行してるのにビックリ。
 江戸時代から先はあまり知識がないのですが(←江戸時代も怪しい)、刀の時代は歩くときは
右手右足、左手左足という風に出して歩くのが当たり前だった上に左側通行でしたので。
2年は人を変えるなぁ。でもこの、戻らなければならない人がこんなに現代になじんでしまっても
良いのでしょうか?
 野生の鳥とかもケガをしていたのを保護して、治ったら森へ返さなければいけないといい
ますしね。
 まあともあれ、七兵衛に「武士が刀を捨てて商いか」といかにも「ここでボケて!」といわれん
ばかりのフリをふられたわけですが、真面目な鹿島は「今はそういう時代じゃない」と返します。
アホー!そこは「ものが商いだけにいつまでやっても飽きないわい」と言ってハリセンで
七兵衛に叩かれるシーンやろ!
 誰が大喜利映画にしろといった。
 あ、言い忘れましたが七兵衛は斎藤道三ことまむしの臣下だそうです。

 で、そんなこんなあって結局鹿島は一緒に過去へ。
 自然分解される原料で作った弾など、過去に影響を与えない武器を持っていくという通達が。
そこで鹿島は疑問をぶつけます。「非常事態にしか実弾が使えないのはどうしてだ」
 ところが軽く受け流されておしまい。
 つまり、自分達がどれだけ傷つけられても現地人には発砲するなと。なんだかサマワに行った
自衛隊への皮肉ですかねぇ、これは。
 ところでこの計画、ロメオという名前ですが、なんか意味あるの?
 ハムレットの大ファンだったとか?ほれ、「おおロメオ、あなたは何故ロメオなの?」…それは
ロミオじゃー!!!!

 そんなボケをかましている間にいつの間にか1549年へ到着いたしましたロメオ隊。えー
お降りの際は落し物、お忘れ物、ヘリの落下にご注意下さい。まもなく、戦国時代ー戦国時代ー。
運転手はボクだ、車掌もボクだ、の青木さやかがお送りいたしました。

 さて早速自衛隊のメンバーが、行き倒れそうになっていた少年を助けました。いきなり現地人と
接触。人の話を聞けというに。
 まあ人として、目の前で要救助者がいたら助けられずにはいられませんよね。命令といえども。
自衛隊はそこまで人でなしではないでしょう。
 かばった鹿島に御礼を言いにやってきたのは三國陸曹長こと嶋大輔。ええええええええ!?
この人(失礼ですが)こんなに太ってたっけ?超獣戦隊ライブマン、レッドファルコンの面影はどこに。
 
 助けられた少年は、織田信長に村人が殺されたと供述。
 ところがそんなのんびりしている場合ではありませんでした。
 何故か突然、斥候にいっていたヘリが「ミサイル」で打ち落とされ消息を絶ち、陣営を築いていた
自衛隊員らも敵襲を受けます。現地人に接触しないどころの話じゃねぇ。
 彼らは少年こと藤介のナビゲーターに従い移動を開始。ところがどっこい、何故かゲリラ戦を
マスターしていた織田軍の襲撃であちらこちらで脱落。かなりの痛手を負ってしまいます。
いやーやっぱり人間の知恵の方が恐ろしいということでしょうか。
 というかああいう戦車とか車って、炎に包まれても大丈夫な設計にはなってないんでしょうか?
炎に包まれてあわてて「外へ出るぞ!」と出て、やられてましたけど…。燃料の油が燃え尽きる
のを待てばなんとかなったんじゃないでしょうかね…?
 
 散々な目にあった自衛隊。戦力の1/3くらいを持っていかれた感じでしょうか?この期に及んでも
実弾の使用を認めない森三佐にいらつく鹿島。
 鹿島ガツンと言ってやれ!
 「仲間が撃たれた。どうして現場に血が流れるんだ!」
 それ違う映画ですから。
 ここで口を滑らせた森から、この部隊の本当の目的を聞き、愕然とします。
 的場らの殲滅が、ここにきた目的。
 
 藤介の話から、的場さんたちは「天導衆」と呼ばれていること、まむしの娘お濃が信長と政略
結婚したことなどが判明してきます。
 うーん何やら歴史が大変なことに。
 鹿島らの前にその天導衆らが現れ、天母山にあるという信長の砦へ連れて行かれることに
なりました。だからお前ら本当に強引だっての。
 その砦はなんと、原油を発掘し、現代の知識をもって作られた要塞のような感じでした。鹿島らは
ただただ圧倒されるばかり。
 確か日本でも昔は原油が出ていたという記録もありますからありえなくはないですね。ちゅーか
この時代のこの材料でこんだけ作ってしまえるのがすごいというか。電力はどこからひいてるのか
気になるところですが。
 ところでここで鹿島らをとっ捕まえにきた与田さん。鹿島「元」二尉と言ってくださいよ。
 最初「鹿島に…」と言ってるのかと思って、止まってるから、「おおい、次は誰呼ぶんじゃい」
とか映画館で突っ込んでたよ。

 飯沼七兵衛はまむしのところへ挨拶に。鹿島らのことを聞かれて、的場の部下だ、
と伝えますがまむしは「的場…ああ、信長のことだ」と恐ろしいことを。
 なんと的場は織田信長を殺し自分が成り代わっていたのです。
 そんな、いかにもドラクエで勇者がやってきたらこんなことになってました的な展開をせんでも。
ていうかどいつもこいつも織田信長ったらあの髪型にしやがって。残ってる肖像画とかちゃんと
ちょんまげやん。なんでそんなバカ殿と同じ髪型にしたがるのか。
 要するに的場は歴史を知っていることを利用して自分が歴史をかえ、ひいては日本の未来を
変えようとしたと。野望に目覚めちゃったわけですな。
 はっっっっこれは「信長の野望」の遠まわしな宣伝か!(違う)
 確かに、秀吉が朝鮮出兵で勝っていたらとか、日本が戦争で勝っていたらというifはあります
よね。
 しかし、もしそういう風に、日本が負け知らずの国だったとしたら果たして今この世の中は
平和だったでしょうか?まだまだ戦争は続いていたかも知れません。
 人の痛みが分からない国であったかも知れません。
 今の日本人が日本に誇りを持っていないから、強い国に変えると。
 そんなことは歴史が許さないと思うのです。

 自分が信長になって歴史を変えようと思った時点でもしかしたら、歴史はこの「的場」という
男を排除することに決めたのかもしれません。

 演習の時に持ってきた新型電池を利用して作った、核ミサイルともいえる爆弾。これが
的場信長の切り札。
 一方七兵衛は、彼らに恩義があるからと助命を嘆願していますが、聞き届けられない
みたいです。
 そして藤介。しっかり城内に侵入しておりました。やるな、おぬし!
 悩む七兵衛に濃姫は励ましの言葉をかけます。
 つか「顔色がすぐれぬ」ってそこは「顔がすぐれぬようじゃが」ってボケるとこでしょ!
そんなことではいつまでたっても吉本の舞台には立てませんよ!
 しかも「わらわは星じゃ」とか言い始めるし。そういうセリフを言う人は大抵後で死にますよ?

 返事を迫られた鹿島。要求を突っぱねます。
 そんな鹿島に、七兵衛との立会いを命じる信長。つまりはこの戦いに勝ったら帰してやる、と。
はぁ?あんた何言ってんの?
 剣の達人に刀を持たせるのは当然として、銃の訓練しか受けてない人間に刀持たせてって
おもいきり不公平ですやん。アホですかあんたは。
 七兵衛はそういう空気を読んだのか(読んでない読んでない)、延命を申し出ますがかなり
微妙な空気。そこへ、藤介が盗み出した戦車突入!すごい!強引にオチをつけましたよ!
 次々と戦車とヘリを奪還し撤退する鹿島ら。ところがどっこいなんでか乗り遅れてピンチに。
そこをかばったのは森三佐。
 彼は最後まで現地人には発砲せず、二人を守って死んでゆきました。
 最後いいところもっていったなぁ…。

 と、せっかく森さんがかばったにも関わらず、矢を受けてヘリから落下する神崎。ええっ!?
あの高さで落ちて無傷ですかあんた。

 なんとか命からがら抜け出したものの、当初の半分以下にまでなってしまった部隊。
三國は、自分達の命をかけてでも信長を討伐すべき、という苦渋の決断を下しました。
 このあたり流石は自衛隊ですね。任務に忠実、最後まで諦めない。
 とはいえ、決め手に欠けるのも事実。
 あれこれ七兵衛と藤介がいいあいをしているのを聞いた鹿島は、藤介の父が「蜂須賀小六正勝」
であると聞き仰天します。
 そう、歴史の切り札はこちらの手の内にあったと。

 蜂須賀小六正勝というのは実在の人物で、この時代、織田軍や斎藤軍にも屈せず、野武士
を集めて徒党をなしていた人であり、有名なのは秀吉の「一夜城」を作る際に、攻撃を
防ぎつつ城の工事をしたというエピソードです。つまり、ゲリラ戦、だまし討ちにめっぽう強いと
いうこと。
 ちなみに彼の出生家系図についてですが、諸説さまざまあり、正確な出自はわかって
いません。
 まあ歴史オンチの私なんかより世の中の方々の方が詳しいでしょうな。

 一方七兵衛も策を持ってまむしの元へ。さてさて…?
 その後まむしは急いで信長のところへ向かいました。鹿島らが上洛して、朝廷を信長討伐に
動かそうというのです。今川の軍勢も動くとか。
 はっはっは、ここまで行くと私歴史、ワカリマセーン。というかこの映画を見るまで、1600年の
なんとかの戦い(名前すら覚えてない)は信長が戦ったと思ってたくらいですから。頭の悪さ
には自信があります。
 しかし気になるのはまむしの意味深長な言動ですが…?

 偵察に飛び立ったコブラ(という名前のヘリ)を確認し、変装を解いた鹿島ら。いよいよ乗り込む
時がきました。七兵衛からもらった鎖帷子を手にとりつけて、プロジェクト開始です。

 現地人を傷つけることなく、という命令をチャラにしたわけですから、それはもう気持ちいいくらい
爆発させまくり。もうこっぱ微塵。原油を掘り出すとこも爆破させて、ここから原油が噴出して
それに引火したらとんでもない大爆発になるだとか、大体この爆発したかけらとか残って後世
にて掘り出されたら大騒ぎになるとかおかまいなし(細かいな)。
 でもって藤介は朝廷からの兵士達をつれてやってきました。多分これは野武士の変装かな?
と思うのですが。時間もなかったし。
 ただここで、ちょっと微妙に間に合わなかったのが悔しい。

 あわてる信長に向かって斎藤は、「お濃一人を幸せにできない男が歴史を変えるとは片腹痛い」
と、神崎さんを助けます。ええ、すっかり影の薄くなっていた神崎さん。
 しかし返り討ちにされてまむし転落。おいおいおい、歴史の重要人物そんな簡単に殺すなや。
そこへやってきた鹿島。まむしの存在をすっかり忘れて、「歴史は元に戻ろうとしている」と言います。
ここですごいネタばらしが。
 ああなるほど!という展開なのは爽快。まあでも藤介の口から「蜂須賀小六正勝」の名前が
出た時点で鋭い人は気づくでしょうな。つかその名前で謎が解けたということは、鹿島も歴史
小説よく読む人だったんでしょうか。太閤記とか。やはり知識というのは人を助けるものですなぁ。
 でもここで残念だったのは、パンフレットに配慮がなかったということ。思い切りネタ晴らしされて
ます。ここは観客が「ああそうかぁ!」と伏線の意味を知るところで、あのパンフレットのやった
ことは、推理小説の犯人を1ページ目に書いておくことじゃないかと…。外国小説を訳したものだと
親切のつもりか登場人物説明に加えて「この小説の犯人」とかクソいらんこと書いてあったり
しますが。

 まあいろいろあって的場信長を倒すわけですが、問題は終わったわけじゃない。敵がよく倒される
間際にやる、爆弾のボタンをポチッとなと押すお約束を、的場さんも忘れずやってくれました。というか、
追い詰められる前に押しちゃダメだろ!!!!何しとんー!!!!!!

 一方生きていたまむし。なんで?とか思ったら自衛隊の防弾チョッキを着込んでいました。あれ?
でもやりにさされてもピンピンしてましたけど。防弾チョッキは確か、防刃性はなかったはず…。
まあいいや。その防弾チョッキの下に少年ジャンプでも仕込んでいたのだと思います。(ありえねぇ)
 私は最初、歴史が彼を失っては困るので不死身にしたのかと思いましたよ。鹿島とかも撃たれても
ピンピンしてたから。違いましたね。いやー別の意味でビックリ。

 最後に的場は真人間になって神埼に何かいいましたが聞こえん。ああっ的場さん死なずに
もう一度!リピートアフターミー!←それじゃ「私の後に続いて下さい」やろ!
(聞き返そうとして本当にこう言った人がいた)
 で、与田さんこと的場さんが崩れ落ちた柱を支えて、鹿島らの脱出を助けます。彼もまた、
これからに賭けようと思った人物であったと…。しかし役名の的場さんと、役者名の的場さんは
ややこしいな。
 
 ともあれ最後の脅威はまだ目の前にあるわけで…。
 ここでも鹿島の奇策が光ります。
 さあ歴史と自衛隊、消えるのはどっち!?(どっちの料理ショーのポーズで)

 ところで最後のシーンで、まったく穴のことが話題にも出てこなかったのと、あれだけの犠牲者
を出したことについて何のフォローもなかったのは非常に残念に思います。
 私自身この映画、最初のメンバーからあれこれ脱落していくとは思っていなかったので、その
点だけが非常に残念。特に、話をしたり、ちょっと目立つシーンがあった人は全滅ってのが気に
いらない。
 やっぱり全員帰還できてこそ本当の、任務達成ではないかと思うのですが。
 途中で犠牲者が出るというのもこういう映画を盛り上げる要素なんでしょうけども…。
 これがなければ好きな映画になってたんですけどね。

 過去を変えて未来をより良いものにする。
 誰もが一度は思うことです。
 しかし、過去は取り返しのつかないものであるからこそ、今の一瞬一瞬を大切に生きなければ
ならないのであり、どんな未来が良いものであるかなんて誰にも判断できません。
 良い未来があるとすれば、皆が幸せに生きていけること。笑顔があふれていること。
 そんな未来は必ずやってきます。
 私達が諦めない限り。


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追記

1.<R>ロメオですが、軍隊での通信などでは聞き間違い等が無いようにアルファベットに
それぞれ呼び名がついています<A>ならアルファー、<B>ならブラボーというように。
つまり<R>に当たるのがロメオというわけです。戦国自衛隊の設定の中では、綴りは
忘れましたが「レスキュー」と(歴史の)「リカバリー」といった意味合いも含まれていたと思います。

2.自衛隊の装甲車ですが火炎瓶に包まれた程度ではびくともしません。っていうかあの
装甲車は空調完備してます(笑

3.防弾チョッキですが、防刃効果はありません。銃弾も拳銃弾なら止まりますがライフル弾は
貫通してしまいます。今現在イラクに派遣されている自衛隊員は二重に改良した防弾チョッキを
着用しています。

以上、映画の感想中の氷河さんの疑問に答えてみましたw

情報提供:上等兵様

ありがとうございました。


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