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のぼうの城 |
11/07鑑賞
これはぜひ歴史に興味ない人でも見に行ってほしいなぁ。
こういうことを成し遂げた人が過去にいたのだ、というのを知るとワクワクします。
てか、「あの秀吉にも落とせない城があった」とはこのことだったのか、と。
ただ冒頭40分はかなり退屈なんで、それはどうしても仕方ないんだけど寝そうになりました(笑)。
長いけど映画館で見た方が楽しめると思う。
私は夜見にいったので冷えてトイレ行きたくなって大変だった。別の意味で堤防決壊しそうだよ!←
あ、今回「戦国BASARA」ネタが多いかもしれませんが、知らなくてもどうということはないので
適当にスルーして下さい。
えーと、この作品は実は去年公開予定だったのですが、3.11の影響があり一年延期され
ました。
その時は「水責めのシーンがあるからってなぁ」と思っていたんですが、確かに冒頭のシーンが
ちょっとショッキング過ぎたので仕方ないかもと思った。
もし3.11がなかったらショッキングに感じることもなかったのだろうな、と思うのだけれど。
始まる前に「この作品は400年前の史実に基づいている」という字幕が出ます。
いいですねぇ。
物語は秀吉が岡山県にある城を水責めにしているシーンから始まります。
石田三成はこの様子を見て「水責めすげぇ、自分もいつかこんな戦をしたい」と思ったのでありました。
お前は秀吉の命で敵を殲滅してればいいんだよ。(それ戦国BASARAですやん)
ここの水責めのシーンが悲鳴がすごくてやたらリアルなので、多分公開延期になったんではと。
でも削って上映していたら、のちの水責めのシーンがまったく生きてこないので、延期にしたのは
正解だったと思います。
この戦いから8年後。
秀吉は信長亡き後全国統一に動いていて、あとは関東一円の北条一族を残すのみとなりました。
時政殿!あなたの子孫は頑張っておりますぞ!(平清盛を今ドラマでやってんで…)
秀吉は皆に、いよいよ北条一族を討伐するよ!ミッチーには支城攻めを任せるよ!と言いました。
竹中半兵衛出てこないと思ったらこの時期はもう亡くなってるのか。
秀吉としては、石田三成をいつまでも、三献茶の男と呼ばせておきたくないらしい。
ミッチー、そんなあだ名が…。
「秀吉様!私にあの者を殲滅する許可を!」とでも言っておけば、前髪すだれ男というあだ名になったのに。
(そっちの方がイヤだろ!)
目をかけているからこそ、今回の戦いで武功を立てさせたい、と思ってるようですね。
上司にここまで思われたら部下としては本望だよなぁ。
ただこの作品のミッチーはバ………根がまっすぐすぎるんで秀吉としても、わからないように周りから
フォローさせるの大変みたいですけど。
さてそんなことが起きているとは知らない小田原の地。
丹波という男が馬である人間を方々探し回っています。
まあのぼうなんですけども。
のぼう探してやってきた寺の坊さんとの会話から、でくのぼうからきている「のぼう」という名前
だとか、いろいろ地域に丹波ものぼうも親しまれているみたいなのがよくわかります。
そののぼうですが、麦踏を見学していて、農民たちは「目を合わせるな、合わせると手伝おうかとか
言ってくるから」みたいなこと言ってて笑える。前に田植えをのぼうが手伝ったとこは三日三晩かかって
植え直したらしい。それでも、手伝おうかと言われて断りきれないあたり、皆がのぼう好きなんだなって
いうのが分かりますね。断るより自分らが直す方選んじゃうみたいな。
子供が空気読まずに「のぼう、手伝え」とか言って皆が「ああー」ってなるのも笑える。
あれぇこれってもしかしてロマーリオのいないディーノ…。(by「家庭教師ヒットマン リボーン」)
と、そんなところで丹波にめっかって連れ戻されるわけですが、馬上に引き上げられる時の恰好
とかめっちゃ面白いです。さすが野村さん、こういうおどけ者の演技がうまい。
しかも戻ってきたら靱負が隙ありみたいな感じで襲ってくるんだけど、丹波がなんなく避けたため、
のぼうに攻撃炸裂。反撃した丹波の攻撃もなぜかのぼうに炸裂。
…君らはあれか、ひょっとして城主を暗殺する命令受けてる草の者か。
靱負は、隙あらば襲っていいと言ったから襲ったとか言ってるけど、ターゲットくらいちゃんと見定めんか!
それと毘沙門天の守りが自分にはついてると靱負言ってるけど、毘沙門天は上杉さんとこのネタだから
ダメですぅー!(大人気ない!)
えーここで北条さんとこからの使者が来まして、のぼうの上司にあたる当主氏長に小田原城へ入城
するよう伝えてくる。要するに豊臣勢と戦うからお前もこいってわけですわ。
でものぼうは呑気に、えー、皆が普通に暮らす方がいいじゃないですかーみたいなこと言って
怒られてます。お前は空気を読め。エアーをリーディングしろ。
そんで割って入った老中が、今日中に行きますんでと使者に話をして事なきを得るんですが、この
老中が具合悪くして倒れる。のぼうの父親でもあった老中は泰季。ええいもう漢字が難しくて変換が
大変。
あと、泰季を心配してやってきた氏長の奥さんがわざと憎まれ口叩いてるのもいいですねぇ。
こういう飄々とした人は面白い。
氏長の娘、甲斐姫を見て靱負はポーッとなってしまうんだけど、丹波は惚れるなよと言う。
以前ある武士が農民を手籠めにした時にこの甲斐姫、迷わず討ち取ったらしいです。
それが大問題になりかけた時にうまいことおさめたのがのぼうらしい。
のぼうが納めた話はまさかぁって感じらしいけど、姫の武勇伝は有名らしく、手に負えるような
人ではないらしい。
で、氏長は出かけていくんだけど、のぼう以下には全員城に残れという。
これからの生き残りのために氏長は秀吉と通じて速やかに城を明け渡すことにすると。
まあ犠牲を考えたらこの選択も間違いではないと思います。
ただ一応、北条に悟られないために迎え撃つための準備はしておけと。そのために皆を残すと
いうわけですか。
農民を避難させている途中で部下の和泉がついでかい声で作戦をバラしちゃって、農民らは
戦わずに開城するんかよ、とザワザワ。
丹波は皆に内密にしてくれというけど、のぼうは、隠せば逆に噂が広まる、と話そうとして丹波に
止められてるのが面白い。てーか一応今の時点ではトップなのに話しかけようとして「あのねー」は
ないだろオイ。
本当に飄々としてんな!
ともあれ、今北条に作戦がバレたらまずいので籠城の用意は続ける、ということになるのですが。
靱負がのぼうに、自分に活躍の場を与えてとか言っててすごいウザい。
自分はすごい、自分は才能があるとかいうやつに限って大したことないんだよなぁ。
まあ靱負も一応活躍はするんだけどやっぱし、そういう風に「自分はすごい」と自負する奴と、
なんもできないでくのぼうだよーんとか言ってるのぼうとの対比がすごいので面白いです。
あと、小田原から使者が来たらしいんだけど、籠城の用意をしているのを見て、大丈夫だなみたいな
感じで帰って行ったらしい。
用意しといてよかったですのー!
秀吉の方はなんか女が入ってる露天風呂に入ってて、スケベジジイ丸出しなわけですが、テルマエ・
ロマエからこっち風呂入りっぱなしですが大丈夫ですか市村さん!
それはともかくここで秀吉は大谷吉継に、ミッチーは才能には乏しいから周りが支えてあげてよ、あと
氏長が内通するって言ってるからと話すのでありました。
…吉継って病気してて思うように動けなかったかと思うけどそれはいいのかな。まあこのあたりの会話は
フィクションだろうからなぁ。実際あったとしても風呂じゃないだろうし。
ともかく秀吉は、周りがフォローしてミッチーに武功を立てさせてあげて、でも内通の話は言わないでと
結構ムチャ振りをするのでありました。
のぼうらのところでは、皆が降伏したらのぼうって失業すんじゃないのとか言ってる。
彼ならどうとでもやりそうだけどなぁ。
あと農村では、ある百姓が村を出ていくとか言ってました。
侍が嫌いらしいんだけど、その理由は奥さんが武士に手籠めにされたらしいから。
つまりあの騒動の人らしいですね。
さていよいよ三成の軍がのぼうがいる城の近くに到着しまして。
三成は、正家を使者として行かせるという。
吉継は驚きます。
この正家というのが、上にはこびへつらい、下にはでかい態度で出るという、サラリーマンが見たら
「うちの上司もまさにそうなんだよ」と愚痴大会が始まりそうな男でありまして、およそ使者には
向かないタイプらしい。
彼を行かせるには三成何か理由があるらしいんですが。
ともかく正家らがやってきまして、皆は500騎しか戦う人間がいないんだから2万の軍にあらがえる
わけがない、大殿の言うとおり開城を伝えようとか言ってます。
そういうわけでのぼうらが会いにゆきますと。
正家はぞんざいに秀吉の要求を伝える。
城を明け渡すこと、そして、甲斐姫も秀吉に差し出すこと。
ここでのぼうは言います。
「腹は決めていなかったが今決めた。戦いまする」
もう、皆「エーッ!?」って感じですよ。
まさに「聞いてないよ!」的な。
のぼう、別室に引きずり出されていくんだけど、正家にガー!とか猿の威嚇みたいなのやってて
超笑った。
で、別の部屋で皆説教ですよ。
でものぼうは下るのが嫌になったと言い出す。
恐らく私としては、甲斐姫のことを言われたのがブッツンきちゃったんじゃないかな、とか思うん
ですけどね。
嫌なものは嫌だ、と珍しくブチ切れまくるのぼう。
丹波も、やっちまうか、とか言い出して。
ここよかったなぁ。
皆も結局好きで「開城」の命令を受けたわけじゃないですからね。
そして多分三成も正家を寄越したのはこういうことなのではないかと。
普通に、軍勢にビビって明け渡されたのでは面白くない的な。
だからこいつバ……考えないなと思うんですけどね。
秀吉からしたら無用な戦いは避けるべきってのがあるだろうし。
信長だったら三成の作戦もよっしゃよっしゃだったかも知れないけど秀吉だったら、わざと怒らせて
戦いをすれば、こっちが優勢だとはいえ時間も手間も金もかかるし面倒くさい、それに傘下に入れる
兵力も減るみたいな感じだっただろうし。もちろん史実はどうだったか知りませんけどね。
本当ミッチーってバ……後先考えないなぁ。
燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや。
ここでのぼう、正家に向かってドヤ顔で改めて戦いの意思を告げる。
皆が、右に置いていた刀を左に置くのも面白い。
これは、右に置いているとすぐに抜いて戦うことができないから、戦う意思がないことを示します。
逆に左に置くのはそのまま抜けるから、つまり「ここで戦ってもいいんだぞオラ」という意味になる。
ヒヒヒヒと笑うのぼうも良かったですねぇ。
そういうわけで正家はプリプリしながら帰りました。
三成はやはりそういう考えだったらしくて「ニヤリ、計画通り」みたいな感じですが。
バッドエンドへの選択肢チョイスしちゃったなぁこいつ。
まあこれだけの結果になっても怒られないのは、秀吉が三成を気に入ってたからなんでしょうが。
そんな中、泰季が亡くなります。
そういうわけでのぼうが総大将になりました。
丹波が「皆異存ないな」とか言ってて、金打をするのが良い。
金打とは「約束をたがえない」「秘密を守る」という意味で使われる、刀を少しだけ抜いておさめる
行為です。クレヨンしんちゃんの「戦国大合戦」にも登場します。
のぼう、氏長の言いつけにはそむくんだけど…とすごい心配しているんだけど、奥さんがやってきて、
好きにすればよいと言ってくれるのがいいですね。
あと軍議が始まるんだけど、待ってましたとばかりに自称天才の靱負が口出そうとするんだけど
誰も相手にせずざかざか進めていくのが面白い。…のぼうは見切れてました…。(オイ)
靱負は、自分は百姓50人と矢が2本あればいい!とか言い出してるし。
まあそれはともかくとして、いよいよ戦が始まります。
丹波が農民らに戦のことを知らせているんだけど、農民らは、だからといって入城は断る、自分らは
この地にとどまると聞き入れない。
しかし、戦をすると言ったのがのぼうだと聞かされると、コロッと態度が変わって、のぼうが戦いをすると
言うのなら仕方ないな、協力してやるか、となる。
皆のぼうのことをすごく愛して信頼してるんだなあ、というのがよくわかるエピソードです。
あと皆結構甲冑とか隠し持ってた!
そういうわけで集まった農民にのぼうが一言。
「みんな、ごめーん!」
ええー……。
まあ戦争になってごめんということらしいんだけど、父が死んだのもあり、のぼうめっちゃ泣いてる
わけですよ。丹波は士気が下がると心配するのだけれど、農民らがのぼうのことを思って声をあげる
のが良かった。
その声は三成の軍まで届き大いに驚かせます。
吉継も、もしやあの男を敵に回したのは間違いだったか、と。
もうおせーわ。
この夜皆準備してんだけど、見回りの武士がたいまつ持ってきたのへ、百姓があわてて「危ない!」
とか言ってるの面白かった。どうやら靱負の計画で油を用意していたらしい。その靱負というと熱心に
計画を考えていて、百姓に休んで下さいと言われても起きてるのはいいですね。
そういう上司に部下はついてくるからね。
一方のぼうのとこには甲斐姫が来ていて、秀吉が自分を差し出すように言ったから怒ったのか、と
聞いてくるけどのぼうは違うという。
したら甲斐姫、暴力に訴えたよ!
のぼうを組み伏せて、わしのためだと言え!と。
それで無理やり言わせても恋愛フラグ立ちませんから!むしろボッキリ折れまくってるから!というか
のぼうの腕もボッキリいっちゃうからやめてあげて!
さて翌日開戦ですよ。
…正家の軍に軍師?だか参謀だか知らんけど、変な羽根つけてるのがいるんだけど。
え、コスプレ?おっさんが羽根つけてたって天使にも堕天使にもなれませんよ?(失礼だろ!)
あれだ、絵面的には美川べるのさんの作品に出てくるような、妖精おっさんを想像すると大体間違ってない。
そんで鉄砲隊が歩き出したはいいけど、水田に足を取られて思うようにすすめないのが面白い。
田植え直前だったもんなぁ。
この時の水田は本当に沈み具合半端ないですよ。素人が足突っ込むと沈むだけでマジ抜けなく
なるという。百姓だからこそスタスタ進んでるように見えますが。あれはすげぇ。
そんなところに丹波率いる武士らが突撃。
鉄砲兵は焦って発砲するが届かない。
その間に丹波は、馬へ二人乗りさせていた兵らを配置。
つまり、前にのってる人が馬を操り、後ろは鉄砲兵というわけですよ。
考えたな。
最初発砲してしまえば弾込めには時間がかかるし、何と言っても水田で足を取られているから
思うように動けない。
案の定、正家の軍は散り散りに。
のぼうの方は、戦が始まったという知らせを「ハイ」みたいな裏声で聞いてて笑えます。
すっごい緊張してる。
しかも使者が次々やってくる中で一人コケたし。演出でしょうけど。
それが、和泉のとこがピンチだと知らせてくるんですね。
この知らせに待ってました、と靱負が出かけていく。
その和泉の方は門を守ってるんだけど破られそうでピンチ。
あ、相対してるのは吉継の軍です。
でも和泉がまさに一騎当千の戦いをしていてすごい。
どんどん吉継の兵が田んぼに転落…って田んぼに不法投棄しないで下さい!←
えーと、正家with羽根おっさんの方は、羽根おっさんの方がなんか丹波に因縁あるらしくて
一騎打ちを申し込んでいたけど、かなりあっさりやられてました。
おっさん出番数十秒で終わったぞ!
和泉の方ですが、まだまだ負けてなるものか!みたいな感じで頑張ってたんだけど、
投石が始まるにあたりいよいよみたいな感じで仕方なく靱負にバトンタッチ。
てか和泉がいるせいで味方も危ないから発砲できなくて攻めあぐねてた部分もありますしね。
というわけで吉継の兵が門に入ってくるんだけど、入った途端に豪快に転ぶわけですよ。
それはもうドリフなみに。
ここには油がたっぷりひいてあったんですな。
これは面白い。
農民らもクソ笑ってるのが良かった。
ここに靱負は火を放ちドカーンなわけですよ。
一番ピンチと思われていたとこが一番強かった。
吉継だったかな、ここが鬼門であったかとか言ったのは面白かった。
そんで引き上げていく吉継に和泉は、総大将はのぼう、ここを守っていたのは自分だ、名前を
記しておけ!というのですが、ちゃっかり靱負は矢文を放って自分の名も知らせており、吉継は
靱負ともども和泉の名は記しておくと帰って行って、和泉が靱負を見てたの超笑った。こういう
アピールだけはちゃんとしてんのな!
そういうわけで大勝利に終わったのですが、やはり多少の犠牲は出てまして、あの坊主が
お経あげてたりしてました。
あと丹波がおにぎり配ってる子に俺にもくれとか言ってるんだけど、子は「馬に乗って楽を
していたからダメ」と。この人結構働いたんですけど!?
最終的にはもらえました。
そうしてのぼうは勝利の知らせを聞いて、ちょっと横になると言ってバタンキュー。
どんだけ気を張っていたかというのがよくわかって良かったです。
三成の方は、これだけの武将を使いこなすのぼうとは一体どんな人物なのか…と噂し合って
おりました。
ここで三成は、まだ策はある、水責めすんぞー!と言ってました。
お前はそれがしたくてたまらなかっただけだろうが。
そんなんしてるから負けるんだよ。
他の武将らはめっちゃ怒るわけですよ。
吉継も、「水責めにすると他の武将が手柄を立てられるチャンスがなくなる」といさめるけど
全然聞きやしねぇ。
ダメだこいつ。おい、天海呼んでこい!ドMの、CV速水さんの方!(あれ出すと敵味方構わず
切り刻んじゃうからダメ!)
一方氏長の方はまあいろいろ大変なようでして。
戦になってるとか聞いてビックリですよ。
あれ、俺開城するように言ったよね、的な。
さて水責め作戦の方が進んでいますが、雇われた付近の百姓の中に、村を出て行ったあの
農民もいるのが何とも…。自分の家族を殺す作戦によく平気で加われるな。
のぼうらの方も水責めに出てきたのは把握していて、どうすると丹波が心配してんだけど、
そんな彼にのぼうは、丹波もバカじゃなとか言ってきた。
バカに馬鹿と言われたぞおい!
堤防を作っているのは百姓だぞ、というわけですが…。
三成の方は、死力を尽くす相手に圧倒的力で叩き伏せるの云々かんぬん言ってるけど、要するに
これをやりたかっただけだろうと。
小さくても死力尽くしてくる相手に、普通に戦うならともかく、水責めという、ある意味スライム相手に
ギガデイン使うようなアホなことして戦うもなにもないもんだ。
吉継も勝手にしろ、とあきれています。
そういうわけで水責めは始まり、丹波らは急いで農民らを避難させる。
本丸が高いところにあるから皆その中に逃げ込め、というんだけど、皆はなぜか入り口で止まってる。
甲斐姫とのぼうがやってきて見れば、農民らは当然素足だから、泥だらけなわけですよ。
だから、きれいな屋敷に上がるのを遠慮していた。
そういう心遣いがにくいじゃないですか。
瞬時に悟ったのぼうが姫とともに「えーい」みたいな感じでその泥に降り立って、泥のぬりつけあいを
するのもいい。
自分らもこの通りだから気兼ねなくあがれと、そういうのをのぼうは黙って示したわけです。
「ワシだけ土足じゃ丹波に叱られる」って。
やっぱいいなぁ。
ただ、皆上がって水責めから助かったのはいいけれど、田は水の底、皆がひしめきあって大変な
中では皆の精神状態も追い詰められているわけで。
さらに水かさはどんどん増してくるから明日はやばいかも知れないという状態。
そこに、農民の死体が流れ着いたという知らせが。
それはのぼうがまだ戦うと決める前に逃げた農民らで、のぼうは三成軍に下れば殺されないから
みたいな感じで逃がしていたらしい。
けれど女子供、赤ん坊に至るまで切り殺されて、恐らく見せしめだと思うんですが舟で流れ着いたのを
見て、のぼうは内心ものすごくブチ切れたと思うんですよ。
そうして、水責めを破ろう、と言う。
決めた、ワシは悪人になる、って。
のぼうが考えた策は、敵軍の前に舟をこぎ出し、それに乗って田楽を踊ってみせることでした。
ちなみにこの舟、何かに固定されたりしていないそうです。
監督さんが水中からダイバーが支えましょうか、と言ったらしいんだけど野村さんは、揺れるなりに
それを吸収して自分で踊りますので、って。
プロ根性を見た気がします。
実際本当にゆらゆらと揺れるのですが、それすら演出かと思うくらいすごい。
この踊りはいつのまにか敵味方巻き込んで盛り上がっていくことに。
三成も大層感心して見入ってるわけですが。
ここで正家が余計なことを。
あれはのぼうだと言う。総大将だと。
つーか夜で遠目でさらに顔を白塗りにしてるのによくわかったな!貴様さては原作読んだな!(オイ)
三成は鉄砲を持ってこさせ直ちに討ち取れという。
けれど吉継はこの作戦を見抜いた。
ここでもしのぼうが殺されることがあれば、敵方の士気はあがり、のぼうの仇を討てと死ぬ気で
反抗してくるだろうって。
例え数が少なくてもそういう死に物狂いになった人間の怖さを吉継は知ってるんでしょうね。
そうなったらどんだけこっちの手勢がやられるかわからない。
それに気づいて吉継はやめろと言うんだけど、三成はバ……バカだから気づかない。(言っちゃったよ!)
吉継が、すでに氏長は服従を伝えてきている、戦うだけムダだと秀吉の策を明かしましたがそれでも
ダメでした。
本当にこいつどうしようもないな…。
で、のぼうは撃たれたわけだけども、控えていた丹波が助けにいきました。
吉継は撃たれたのぼうを見て、この戦いは泥沼になってしまった、とつぶやきます。
翌日。
案の定農民らはのぼうの弔い合戦だ!とメチャクチャ怒っていました。
昨日疲れ果てていたのが嘘のようです。
のぼう自体は肩に当たっただけだったので命に別状はなかったんだけど、心配していた姫がめっちゃ
怒りまくってて、けが人なのに馬乗りになって殴ってて笑った。
てーか死ぬから!これトドメになっちゃうから!
ここで丹波やら和泉が止めに入るんだけど、三成の軍をあっさり退けた二人が何度も投げ飛ばされて
いて超笑えます。このシーンメチャクチャ好き。
姫つぇぇぇぇぇ!!!!
そしてその頃。
あの村から逃げ出して堤防作りに参加していた農民が堤防を壊していました。
のぼうの姿を見て彼は彼なりに感じるところがあったらしい。
そこに、近くの村から協力しにきた農民らがいるんですが、彼らの力を借りるまでもなく堤防
決壊しました。
てーか!
こいつらこれでよく助かったな!
のぼうのところにも水が引いているという知らせが。
城外の百姓にものぼうの味方はいたということで丹波は改めて、のぼうのすごさに驚くんですな。
これほどまでに広く慕われていたのか、みたいな。
三成の方は、堤防壊していた農民を捕まえました!みたいな感じで知らせが来ていたけど、この
男をはなしてやれという。
のぼうを討たれ、田をダメにされた百姓が黙っているかと思ったか、みたいなことを聞いて、
自分のミスに気付いた…んならいいんだけどなぁ。
水が引いて三成軍が総勢で攻めてくるだろうなと思った丹波は、農民は全員逃がせ、武士は
それを守れと命じる。
ここに残るという農民らに、戦に命をかけるのは馬鹿のすること、という丹波。
でも丹波は単騎、門の外に駈け出していくわけですよ。
自分はその馬鹿者だからな、と。
かっこよすぎる。
そうして丹波があわや鉄砲隊にやられるかと思った時に使者が来るんですね。
これ以上の戦いは無用、小田原城が落城したからここの城も開城せよって。
そういう形であっけなく戦いの勝負はついたのでありました。
まあこうなったら開城するしかないわけですけども。
のぼうのところに三成、吉継、正家がやってきました。
城を明け渡せという三成にのぼうはわかったと答える。
でも条件はまだあって、城の中のものはすべておいて行けとか言うんですよ。
戦利品がいるだろとか正家は言ってるけど。
のぼうはなんか、んーて感じで後ろで和泉が、まだ戦は終わってないというつもりかとか
言うと、ア、ソレとか言いだす。
つまり、米とかの持ち出しまで禁止されたら、追放された武士は飢えるしかない、ならば
こちらの手勢は全然減ってないからここからまた戦ってもいいんだぞというわけです。
正勝、吉継に「お前が言い出したことなんだから責任とれよ」と言われて仕方なく、持ち出したい
ものがあったら持ち出していいと承知する。
ここでのぼう、自分にも条件があると言い出すんですね。
文句を言う正家にまたまた威嚇してるの面白かった。
ともかく、一つ目は、攻めてくる時に水たまりとかに敷いた土俵を撤去して全部持って帰れと。
農民が田を元に戻せないからだそうで。
そしてもう一つは、三成のところに下った百姓を切ったやつがいる、それを見つけ出して首を
差し出せと。
三成、これには驚いて、それは確かに承知したという。
そりゃそうですわなぁ。
この時代、自分から降伏した者を切るというのは武士の恥ですから。
そんで三成もう一つ忘れていたといい、甲斐姫を秀吉に差し出せと言います。
のぼうはこれを承諾する。
外でこっそり聞いていた甲斐姫は大層驚いて走り去っていくんですね。
すべての話が終わって三成はのぼうに、そのケガは何かと聞く。
のぼうは飄々と、田楽を踊っていたらやられたという。
策でしたな、という三成にまさか、というのぼう。
してやられたお前がドヤ顔なのはどういうことだ、三成。
あと帰りがけに丹波が、ほかに城はどれだけ残っているかと聞くけれど、三成は、この城
だけだという。
この城だけが落城しなかったと。
そんで100年の世もこのことは語り継がれるでしょう、という。
400年後でも語り継がれてますけどね!
そうして、良い戦だった、と帰っていくのでありました。
道すがら三成は吉継に、いつか領地の半分を与えてでも、この大ふへんものを召し抱えたいと
語ります。
…前田慶次がいるじゃないか!(年代的に合いません!)
甲斐姫は、のぼうは領地のことにはこだわったのに自分のことはあっさりくれてやると言った、と
靱負にプンスカ怒ってた。
私はてっきり、城のものは好きに持って行ってもいいという条件を引き出して、その中に
甲斐姫も含むというのぼうの策かと思ったら全然違った!
恋愛のことにはからっきしでくのぼうだな!
靱負はそんな姫に、どうせ秀吉のところに行かねばならないのなら、のぼうに気持ちを
伝えろと後押ししてやるんですね。いい奴だ。それでこその男ですね。
ちなみに甲斐姫はこのあと、秀吉の寵愛を受けて大阪城で暮らしたらしいです。
それぞれのその後が語られるのですが、のぼうは部下の士官先に努めたらしいです。その
部下は家康が喜んで迎えたとか。まあ三成と敵対したわけだからなぁ。これだけの戦いっぷりを
聞けば召し抱えたいと思うだろうし。
その後はどっかに移って67歳で亡くなったようです。
調べてみたら、蒲生氏郷のとこに一時期身を寄せていたらしい。
なんか…平清盛でもそうだけど最近やたらこの名前出てくるな。いいけどさ。
あれか、戦国BASARAに出てくるという布石か!(ありません)
ちなみにエンドロールでは、今の小田原の様子とか出てきてなかなかいい感じです。
はるか400年前、不利な状況を知己で戦った男がいた。
この先もずっと語り継がれていくことでしょう。
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