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オズ はじまりの戦い

3/13鑑賞

 これは文句なしに面白かったですねー。ちゃんとオズの魔法使いにつながるように、あちこち
伏線ばらまいてあったし。
 確かオズの魔法使いだと、会いに行って彼がただの人間だってことがわかるんじゃなかったっけ。
なぜ彼がただの人間なのに魔法使いと思われているのか、そういうとこをディズニーらしく表現した
作品だと思います。

 えーと最初はモノクロで始まりますが、別に映写機が壊れたわけではないのでご安心を。

 1905年、カンザスでサーカスが行われていた時のこと。
 そこの芸人に所属しているオズは、女たらしでいつも同じ「君になら祖母の形見のオルゴールを
あげてもいい」と口説き文句を使っては、女性をたらしこんでいるような奴でした。
 てかマジシャンなんだからマジシャンで売ればいいと思うんだけど、不思議な力があるとして
売れば、ショーの最中車いすの女の子が「歩けるようにしてください」って言っても対応できないよなぁ…。
 ともあれ、ショーを開けば半分くらいしか客の入りがなく、あらかじめサクラとして出番をお願いしていた
女性も、「どなたか」って言った時に手を挙げる約束だったのに、ぼけらーとしているありさま。
 誰だよこんな女を雇ったのは!(オズだよ!)
 ただこの後、女性を吊り上げて、ワイヤーが見えるぞ!と言われた時に、そのワイヤーを切って
みせても女性が浮いているというのは良かったですね。つまり下から支えているという二重のトリック
だったわけです。
 心理的に人間は一度疑いが晴れれば二度は疑わないものですからな。
 ここの演出はさすがペテン師といいましょうか。
 ただうまくいったのもつかの間、さっきも書いたけど、車いすの子が私を歩けるようにして、と
言ってきてショーは台無しに。
 気持ちはわかるがこの女の子も空気読めよと思ってしまうなぁ。

 そういうわけで自室に戻ったオズ。
 そこにある女性が訪ねてきます。
 この女性は会話からして恐らく、ここの街に巡業に来た時に付き合ってた人だと思うんだけど、
別の人と婚約が決まったと。
 そういう話をしていたら、サーカスのメンバーが怒り狂った感じで「オズゥゥゥゥ!!!」とか言いながら
やってきた。
 どうやらメンバーの女性も同じオルゴールの手口でたらしこんでいたのが他のメンバーの耳に
入り激怒になった様子。
 あわてて逃げ出したオズは、気球に乗って飛び去って行きます。
 ところがそこで竜巻に巻き込まれる。
 気球はモミクチャ、もう落下寸前です。
 うーん…ちょっと事故のニュースがあったからあれとかぶるなぁ…。

 ともかくそうして彼は振り回されたあげくに、見たこともない世界にたどり着いたのです。
 ここから映像がカラーになります。
 たどり着いた世界は不思議な世界でした。
 川に着地しておぼれるぅぅぅぅとか騒いでいたら、めっちゃ足がつく場所だった。
 そこに赤い服の女性が現れる。
 彼女は笑いながら、早く水から出た方がいいわよ、川の妖精は鋭い歯をもってるから、という。
 オズは何のことかわからないでいたら、妖精にかみつかれるわ、水ぶっかけられるわ
散々な目にあってて笑った。
 彼女は、ここはオズという世界だと言う。
 オズが「偶然だね、僕の名前もオズだよ」と言うと彼女は驚く。
 この国には同じ名の魔法使いが空から現れ、世界を救うという予言があったからです。
 …世界を救うじゃなくて世界が掬われそうな気がしますけどね。(シッ)
 というわけでとても喜んだこの女性、もうオズが魔法使いだと信じて疑ってない。
 たいそう喜んでます。
 オズが否定する間もなく、なんか悪い魔女の使いみたいなのが襲ってきて二人は
逃げるわけだけれども、鳩を囮に使ってその間に隠れてたのはよかったな。
 ってかあのハリケーンの中で生きてた鳩がすげぇわ!
 
 そういうわけで何とか逃げ延びた二人。
 女性の名はセオドラ。
 良い魔女と名乗ります。
 でもってセオドラは、悪い魔女は自分の父親である王を毒殺し、王位を手に入れようと
したのだと言う。
 それを、セオドラの姉であるエヴァノラが追放したのだと。
 うーん。
 悪い魔女が追放されたのならなんでまた襲ってくるんでしょうな。それこそ力を取り上げ
られててもおかしくないような。
 ともあれセオドラは、悪い魔女がオズがやってきたことを知って無きものにしようとしている
のだと説明、姉にあわせたいと言います。
 でもって懲りないオズは、まーたオルゴール出してセオドラをナンパ。
 こんな状況にあっても本当にそういうことはこまめな奴だな!
 あと、セオドラの喜びようからして、オズは遊びだと思ってても絶対彼女はそう思ってない
よなあ、と思いました。
 夜が明けて、あなたは王様、私は王妃にしてもらえるのね、みたいなこと言ってるし。
 さて二人が森の中を歩いていくと(この時点で魔法使って飛んで帰れよとか思ったんだけど)、
翼のある猿がツルにまきつかれているのを発見。 
 オズはナイフで切ってあげようとするけど、サルが本当に恐れているのは後ろにいたライオン
だった。
 これは超笑いましたね。
 とっさの煙幕でライオンは逃げていくんだけど、セオドラが見ていたので適当に呪文唱えて
魔法で撃退したフリをするオズ。
 お前ってやつは…。
 ともあれこういうわけで、助けていただいたと恩義を感じているサル…フィンリーが加わりました。
ちなみに魔法使いだと思って一生仕える誓いを立ててしまったので、オズがただの人間だと
分かってもその誓いは継続されるらしいです。
 気の毒に…。
 てか、鞄をお持ちしますっ!と言っといて重さに墜落したのはちょっと笑いました。

 というわけで城につきまして、オズはこんなすごいものが自分のものだキャッホーと浮かれて
いるものの、セオドラの姉であるエヴァノラは彼の正体に気づいてるようで、表向きは愛想よく
迎えるものの、なんであんなのを連れてきたと激怒中。
 本物の魔法使いだという証拠が必要だ、と。
 財宝の部屋に案内されてまたまたキャッホーなオズですが、そんな彼にエヴァノラは、悪い魔女を
退治したらあなたは王になれる、つまり現段階であなたは王ではないからこれはやれない
というわけですよ。

 そういうわけでオズは、魔法の杖を奪って折れば悪い魔女は死ぬと聞き、魔女退治に軽〜く
出かけていきます。フィンリーも一緒に。
 ところがその道の途中、黒煙が上がっている村があり、駆けつけてみるとそこは陶器の村
でした。
 うわあ…暮らしにくそう…。
 村人は全滅しており、そこにいた陶器の少女(名前がついてないので今後もこれで)をオズは
助けてやります。
 足が折られていたのを接着剤でくっつけてあげるとか、優しいとこがあるんですね。
 もってて安心、アロンアルファ!(宣伝したので何か下さい。←コラ)
 ところが、直してあげてバイバイ、みたいなことをしようとすると、この少女、いく所がないから
ついてくるという。
 意外に負けん気が強いとこもかわいくていいなと思ったけど、壊れたら怖いからエアキャップに
包まれていておくれよ(笑)。
 というわけで旅の仲間を増やしつつ、彼等は結構あっさりと、悪い魔女がいる森へ。
 っていうかさ、日が暮れたよね!
 なんで夜が明けてから出直すっていう選択肢がないんだろうか!
 妖精かバケモノか知りませんが襲われて、走り抜けたら魔女の住む家の前。
 魔女がいるのを見つけて作戦を地面に書いてあれこれやってたらフィンリーがクシャミして、
作戦が消えるの面白かった。
 ともあれ、オズがこっそり杖をとりにいってくるから、フィンリーは獣の鳴き声をやって意識を
そっちに向けろというわけです。
 で、作戦決行したのはいいんだけど。
 おい、サル。
 なんで牛の鳴き声なんだよ!
 そこはオオカミとかライオンとかもっとあるだろうが!
 ともかく杖を取ってきたオズがそれを折ろうとした時。
 その魔法使い本人が声をかけてくる。
 彼女は自分のことを良い魔女、グリンダと名乗りました。
 てかよく考えたらよい魔女って名乗ってないのはエヴァノラだけだな。名乗ったっけ?
 この国の魔女はそういうのに関しては嘘がつけない決まりでもあるんでしょうかね。
 ともかくグリンダは、悪い魔女はエヴァノラである、と言います。
 自分が父親を殺したと思わせていると。
 陶器の街を壊したのもエヴァノラの仕業のようです。
 セオドラは知らないんでしょうね。
 
 この様子を水晶で見ていたエヴァノラはあわてる。
 そこにセオドラが入ってきて、エヴァノラも例のオルゴールを持っていることに気づく。
 ハッハー、姉妹そろって騙されてやんの。
 そういうわけでエヴァノラは化け物と兵士をグリンダの元に差し向けます。
 グリンダの方もそれには気づいていて一生懸命逃げていく。
 でもって、シャボンの玉に入って、ある国に向かうのです。
 ここで面白かったのが「善良な魂ならバリアの中へ入れる」ってグリンダが言ってて、
オズが内心めっちゃあわててるとこ。
 でも彼がギリギリ通り抜けたのを見てグリンダはほっとしていたから多分、彼女はオズが
本当は魔法使いではないことを知ってるのではないかな、と思いましたね。
 てかこんな国があるのならどうしてグリンダは、暗い森の奥に住んでいたのかって話
なんだけども。それともエヴァノラの迫害を恐れた人たちが隠れ住んでいたということなんだろうか?

 ともあれここでグリンダは、自分はオズの正体に気づいていることを明かし、それでもここの
人達にとっては、予言の魔法使いが現れたということが大事なのだということを伝える。
 
 そうしてオズがグリンダの方についてしまったことを知ったエヴァノラは、セオドラに、このリンゴを
食べれば力を得られるみたいなことを言って渡す。
 セオドラとしてもオズが許せないというわけでそれをためらいなく食べるのですが。
 その姿は醜く変貌していました。
 あれ、あなた「マスク」に出演されてませんでした?
 あとこのリンゴを食べると真実を知る力も備わるようで、その時初めてセオドラは、エヴァノラ
こそが悪い魔女であったことを知るのです。おせぇよ。

 オズの方はいざ皆で戦うとなったものの、兵士そのものはいないと知ってがっかり。
 何でも作れる職人さんとか、いい服作れる人とかはいるんですけども。
 そんな中、マジックバリアをやぶって現れたのが変貌したセオドラでした。
 彼女は皆を脅しつけたあげく、出会ったころにオズが言っていた「魔女はホウキに乗らないとね」
と言ってホウキを奪い取ってそれに乗り、去っていくのでありました。
 …魔女はもともとホウキに乗らなかったのに、オズのせいでホウキにのるようになり、それが
後世に語り継がれていって、それを見た人が魔女はホウキに乗っていると思うようになった、と。
(ややこしい)

 グリンダは何とか対抗する手があるはずだと考えるけれども、オズはさっさと帰り支度して
いました。
 どうしようもないな。
 陶器の少女をベッドに寝かせてやったオズは彼女から、家族を取り戻したいという話を聞き
その願いを聞き届けるのは無理だと言う。
 本当は自分の世界には本物の魔法使いは一人もいないのだと。
 ただ一人、エジソンを除いては。
 エジソンだけは未来にあるようなものを作っていた、そんな魔法使いに自分もなりたかったんだ
というオズ。
 彼は気づきます。
 何も魔法が使えなくても十分、自分には対抗できる技があったことに。

 魔法使いにはなれなくても欺くのは得意。
 そうして彼の一世一代のショーが始まります。
 いやーこっからの展開はなかなかに面白かったですよ。
 いろいろとものを作っていってもらっている中、オズは一つだけ頼みがある、熱気球を作って
ほしいと頼みます。
 ここは騙されましたね。
 私は、まさかここまで改心したんだから途中で逃げ出すわけはない、でもまさか終わった後で
帰るつもりなら今作らなくてもいいだろう、という風に考えていたんですが…。

 あとは乗り込む段階ということになってグリンダはオズに、あなたが騙しているのは自分だけよ、
と告げる。
 自分を信じてと。
 
 さて、どうやって中に仕掛けを持ち込むかなんだけど、なんと城にいたドアマン、ナックはこちらの
味方だったのです。嫌々、姉妹に仕えていたようですな。
 で、それが駆けつけてくれて、仕掛けの入っている馬車を城の中に入れようとして、門番に
止められても「戦争のための機材を持ってきた」とかいって門番が四の五の言うのへ殴りつける
のが面白かった。しかも入る直前もう一回殴りやがった。ひでぇぇぇぇ!!!
 一方グリンダは、城の近くにある、敵も味方も危険なため避けて通るというケシ畑に大量の霧を
発生させていました。
 それを見ていた姉妹は、その霧の中を軍隊が進んでくるのに気づく。
 迎え撃ってやる、というわけで翼のある化け物が投入されていくわけですが。
 この軍隊はカカシの人形だった。写輪眼!←そのカカシじゃねぇよ!!!!
 気づいて引き上げようとするも遅く、化け物はケシにやられて次々脱落。
 ここでエヴァノラはグリンダを攻撃してとらえ、連れて行ってしまう。
 でも機転を利かせた陶器少女が、杖をパッと拾い上げて隠すんですな。
 これ折られたらグリンダが死ぬのわかってるからね。
 エヴァノラは探していたようだけれど見つからず、諦めて飛んでいった。
 あの伏線がこんなところで生きてくるとは!
 そういうわけで陶器少女はケシ畑を突っ切って城の中へ。陶器だからケシ関係ないね!まさに
適材適所だね!
 
 一方馬車で中に入ったオズらですが。
 オズが気球を作ってもらっていたことがばれてお前逃げんのかよ状態に。
 オズは、君たちならやれる!とかいって走り去ってしまいます。
 いや皆作戦知らされてないんですけど!?

 グリンダをとっ捕まえたエヴァノラ達は、屋上でオズが金貨を気球に積み込んでいるのを見る。
 フィンリーもそれを望遠鏡で見ていて、オイオイまさか嘘だろ、みたいな感じだったけど、気球は
そのまま飛び立ってしまい、セオドラが燃やしてしまうわけです。
 まあここまでの作戦をオズが読んでなかったはずはないから、何かあるんでしょうけどね。
 がっかりする一同の中。
 いきなり城の火が消えて、広間中央から火が上がる。
 それはオズの顔でした。
 つまり映写機で煙に顔を映し出していたというか。
 人間としての器を捨てたことによって本来の魔法使いの力を取り戻したというオズ。
 いやー面白いですね。
 これから星をはなとう、って言って花火打ち上げてるし。
 グリンダも「これが花火なのね」って随分余裕だなお前的なことを言ってました。
 そんな彼女のところに陶器少女が杖を持ってきて二人は脱出。
 すっかりオズが本物の魔法使いだと信じたエヴァノラは逃げ出し、セオドラもホウキに乗って
逃げ去って行きます。
 この時にオズが、お前の邪悪さは本来のものではない、善良さを取り戻したらこの街は受け入れる、
と言ったけどセオドラが悪態ついて逃げ去っていったのが、ちょっとかわいそうかなぁと思いました。
 オズも一応は気にしてたんですね。

 そうしてエヴァノラが城の中をつっきっているとグリンダがいた。
 こっからは女同士の対決であります。(怖い)
 たまたまもみ合ううちにエヴァノラの宝石をグリンダが壊したことで、彼女は力を失い、
グリンダによって追放されました。でめたしでめたし。(しんちゃんじゃないんだから)

 その後オズは皆とともに栄光をたたえ、誰が訪ねてきてもいいように、映写機で顔が玉座に
映し出される仕掛けを作ったのでありました。
 グリンダといい雰囲気になってて、ナックが「いまだ」って言われてあわててラッパふくのも
面白かったです。これがオチかよっていう。
(ナックは劇中たびたびラッパを吹こうとして「今じゃない」「まだ後で」と止められていた)

 偉大なるオズの魔法使いはこうして誕生したのでありました。

 うちは3Dしか上映されてなかった関係上3Dで見たのですが、初めて3Dで見て面白い
なあと思う映画だったと思います。今までも3Dしか上映してないのがあって仕方なく観た
けど、これ3Dで作る必要ないでしょってのが殆どだったので。
 その点もくわえて評価しておきたいですね。



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