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チャーリー・モルデカイ |
2/18鑑賞
これは珍しくクソな映画作りましたねー。
ツーリストみたくラストにすべてがわかる、というのでもなく、ずっとダラダラした感じで
話が進んでいく。
これはどちらかというと思い切って、ジョニーデップを脇役にしてジョアンナが一晩で
やってくれました(それジョバンニ)、的なオチにした方が面白かったと思う。
もちろんテイストとしてはそんな感じなので、そこをもっと前面に押し出した方が、終わった
時の面白さが違ってたと思いますよ。
これは…かなり中途半端でした。前半くっそ面白くないから半分寝かけてたし。
なので、見たいと思う方は地上波で放送されてから見るので十分だと思います。
てか私字幕で見たんだけど、声が平田さんだったんなら吹き替えで見ればよかった…!
さてさて。
どっかのこれカジノかクラブか知らんけど、モルデカイが中国人相手にウソ臭い
ツボを高額で売りつけようとしているところから始まります。
もとからモルデカイはインチキバイヤーで、何の価値もないようなものを高く売りつけることで
稼いできたらしい。
こんなんがよく商売やってられるな。
この中国人も以前だまされたことがあるみたいで、今回モルデカイが出してきたツボの
価値をまったく信用せず。
指を切り落とされそうになって(指をつめるというやり方は日本だと思うんですが…)、モルデカイは
あわてて使用人兼ボディガードのジョックを呼ぶ。
彼、後ろにスタンバイしてました。
最初から横に立ってればいいのに。
そんで銃撃戦になって、モルデカイは何とか指を落とさずにすみましたが、ここでアルコールに
火がついて、しかもモルデカイのせいでジョックの両腕に火が。
このジョック、モルデカイのせいでずっとこんな感じで災難続きです。
気の毒すぎる。
ま、そういうわけで大したやけどではなかったみたいですが、二人はロンドンの自宅に戻ってくる。
実はモルデカイのせいだと思うんだけど、財政的にやばいらしくて、何とかしないといけないらしい。
ここでモルデカイの愛する奥さん、ジョアンナも帰宅。
ところが彼女は、モルデカイがはやしているチョビヒゲがたいそうご不満だったらしいです。
寝室別にして、みたいなこと言い出すし。モルデカイのために客室の寝室用意して、的な。
しかも、ジョックが用意してございますって言っててめっちゃ笑った。
準備良すぎ。
モルデカイは、月末までにお金用意できるよ、とか言うんだけど、その月末までにあとたった
6日らしい。
日付くらい把握しとけアホ!
そんでジョアンナは、シェリダンの絵をオークションに出す、と言い出す。
確かにそれはいい案ですな。
モルデカイは奥さんに頭が上がらないみたいだし。
ここは後で伏線になってくるのでちょびっとだけ、どんな絵なのか覚えておいて下さい。
あと、ジョックは女にだらしがない、というエピソードが出てくるけど、これは結構どうでもいい
エピソードかな。
ま、この映画自体がそういう下ネタ多いので、それ系でってことでしょうが。
そんな中、ある絵画修復師が殺害される事件が起きます。
殺害されてその修復中の絵が盗まれるんですな。
ところが、その絵を盗んだ奴もまた何者かに殴られて、絵は第三者に持ち去られてしまった。
そんで、この修復師が殺されているところにやってきたのがMI5。
この映画では捜査したり逮捕したりしてるけど、実際のMI5はCIAみたいな感じではないかと
思います。
で。
このMI5のマートランドがいい味出してて私は好きですねぇ。
彼はモルデカイ夫妻と大学時代の同級生であり、ジョアンナが今でも好きみたいです。
そんでモルデカイのとこへ、裏稼業黙っててやるわりに、盗まれた絵を探せといってくる。
あと税金滞納が800万ポンドくらいあるらしいよ。
どんだけ滞納してんだよ!
実はこの盗まれた絵はゴヤの絵でして、ひそかに取り戻す必要があるみたいなのでした。
なんで彼らが追ってるかはこの後わかる。
で、マートランドがやっすいワインを飲んでるからとモルデカイは腐りきってひどいチーズを
わざと出してやったけど、さすがに彼は食べるほどバカではありませんでした。
その頃、絵画を盗もうとしてまんまと誰かに取られてしまったテロリストのストラーゴは、
モルデカイが取ったと思い込んでいた。
なんでそんな展開になるのかよくわからんですが。まあいいや。
モルデカイは絵を探しにいくことにするけど、ジョアンナとのくだりが、本当にくだらなさすぎて
笑えた。
ジョアンナはヒゲアレルギーなので、ちょびヒゲはやしてるモルデカイとキスすると吐きそうに
なるらしい。そんでモルデカイはもらいゲロしやすいので吐きそうになると。銀魂か!
さてまずはグラハムという男に会いにいきました。
ゴヤ専門の美術商らしい。
彼は心当たりなかったみたいだけど逆に、興味持っちゃったみたいですね。
そらそうだ。
なんつーか、何の計画もなく行動してんなぁ、モルデカイ。
グラハムは彼の顧客の一人であるロマノフに、ゴヤの情報を流します。
そら珍しい作品と言われたら収集家は動き出すだろうねぇ。
その頃ジョアンナはというと、こっちはこっちで動き出してて、マートランドから情報を
引きだしてるんですな。
この人の方がよっぽど頭いいわ。
つーか優秀なスパイだったんじゃないか、っていうくらい動きにムダがなくて、こっちを
主役に据えた方が面白かったと思う。
しかもマートランドが何もしゃべってないのに、絵画修復師の事件に巻き込まれたのね、
とか見破ってるし。
モルデカイの方は、スピノザのとこへ。
彼もまた修復師らしいんですが、モルデカイとは長い付き合いで、あれこれ話をしていた
とこへストラーゴに狙撃されてあっさり死亡。
で、モルデカイはスピノザの持ってた拳銃で反撃しようとするのですが、撃ったのはジョック
でした。
お前相手確認して撃てよ。敵には当たらないクセになんでジョックには確実にヒットするんだよ。
で、ジョックがストラーゴの相手してる間に逃げてって言われて、ロールスロイスに乗り込んで
発進させたら、勢いよくバックしてジョック轢いてるし。
お前は何がしたいんだ。
ジョック殺す気か!
ちなみにモルデカイは過去何度かこうやってジョックにケガさせている模様。
よくやめないなジョック…。
んでモルデカイは走って逃げるわけですけども。
逃げてる間もめっちゃウザくて笑う。
ここでチラッとカミソリのシーン出てきたけど、スイーニートッドみたいだなぁ。
ジョニーデップの過去出演作を彷彿とさせるシーンが結構あちこちあるんですよ。
チャリチョコの話し方とか。
まあいいや。
で、車に乗ってあーだこーだしてるシーンは、完全にコントなので面白い。
なぜか天井から乗り込んだストラーゴが運転したりとか、モルデカイが運転してストラーゴに
殴られたりとかメチャクチャですわ。
何がしたいんだよお前ら。
そんでストラーゴを振り落とした後、どっかの店に突っ込んだけど、マートランドらが助けにきて
くれて二人は脱出、と。
このグダグダっぷりは笑えますが。
モルデカイは修復師が殺された時の写真を見て、これはゴヤの絵を修復していたのではないと
気付く。
図書館にきて調べたモルデカイは、ウェリントンの婦人とかなんとかいう幻の絵画であり、ゴヤの
幻の作品であると指摘。
さらにこの絵には、とあるテロリストが裏にスイス銀行の口座番号を記したという話があり、
ストラーゴが追っているのはその口座番号の方だというのがわかる。
数百億ドルだったらすごい金額ですもんね。テロを起こすための軍資金にはもってこい。
ちなみにストラーゴさんにお伝えしたいのですが、いわゆるスイス銀行、スイスにある銀行は
確かに資金管理にはもってこいですが、そのかわりお金を下ろす場合、本人が銀行に出向かなければ
引き出しには応じてくれません。
つまり、そのテロリストが死んだ時点で口座は永久凍結ってわけですよ。
閑話休題。
んでそんな話をしていたのですがモルデカイ、トイレにいった隙にロマノフの手下にさらわれてた。
バカだなぁこいつ。
たまたま見かけたジョックは彼を助けるため追っていきます。
この人、従者の鏡のような人やで…!
その頃ジョアンナはボケ老人…アージャンボローニン公爵という人のところにいました。
この人は、スイス銀行の口座番号を書いたテロリストの逮捕現場に居合わせたという人らしいです。
あの修復師と手紙のやりとりがあったらしい。
ただ会話見る限り、この人かなり痴呆が進んでるみたいなんですな。
あと、トイレに絵がある、見に行こうとか言い出した。
バニーが隠した絵を持ってるよと。
残念なのはジョアンナが、ボケてる変態じいさんと決めつけてるから、話をちゃんと聞いてない
ことですな。
私この会話聞いてなんでトイレいかないんだ、って思ったもん。
あの修復師からもらった絵をトイレに飾ってる、とまんま言ってるじゃないかって。
モルデカイはロマノフに尋問受けかけるのですが、ジョックが助けにきてくれました。
つーか。
「私の部下が窓から脱出しろと言っている」となんで言っちゃうんだよ!
バカか!
あ、こいつバカだった。
それと飛び降りたのはいいけどズボンあげろ!
もうね、ここはジョックめっちゃかっこよかったわ。
それで彼らはイギリス大使館に逃げ込むんですな。
頭いい。
これは割と現実的な対応だと思いました。
日本人でも海外でトラブルに巻き込まれたらまず日本大使館へ。
で、連絡を受けたマートランド。
モルデカイの心配なんか最初からしてないでしょうなあ。
部下が「次の飛行機に乗っけてイギリスにもどってくるらしいです」と報告した時は、
あーはいはいって対応だったんだけど、ジョアンナから電話が入ってると言われて
バッと頭あげたのは笑いました。
奥さんが、一人じゃ怖いって言ってたら、家の周り見張ろうか、とか言ってて、この
一途さはかわいいなと思いましたね。
彼にも良い相手が見つかればいいんですけど。
そんでマートランドは、そうだ、モルデカイが帰れなければ二人で会う口実ができるぞ、
みたいなことを考え付く。
そのモルデカイはというと、安心しきったのか酒のんでベロベロになってたし。
こいつ緊張感ないなぁ…。
そんな彼らに空港で待っていたマートランドは、アメリカに行けという。
クランプを調べろと。
…カードキャプターさくら?(それCLUMPや!)
クランプとはモルデカイの顧客の一人で、アメリカの富豪でした。
なんだっけ、モルデカイが売りに出した車を買う約束もしてたんだっけ。
ホテルの部屋をとろうとするモルデカイだけど、なんつーかマイペースというか、フロントと
会話がまったく成立してなくて、ジョックがとってあげてたのはめっちゃ笑いました。
モルデカイ無能すぎる!
しかも、奥さんに電話かけた時に、隣の部屋でジョックが女性らとよろしくやってたのを
自分が浮気してると勘違いされたし。
まあともかくクランプのとこに車を届けにいったモルデカイですが。
なんとその車にゴヤの絵は隠されていたんですよ。
スピノザがやったらしい。
こいつら、わざわざ探してる絵を持ってきちゃったのね…。
その夜クランプは幻のゴヤを手に入れたということでパーティを開くという。
モルデカイはこのパーティに乗じて絵を盗もうとする。
まあジョックが提案したんだけど。
そんで、ハシゴかけて上がっていくジョックにモルデカイが「(この計画で)大丈夫か」って声
かけた時にジョックが「知るかっつーの!」って言ったの笑った。
さしものジョックも切れた!
あと、ジョージナというクランプの娘にモルデカイが迫られてたら、ジョアンナがそこに
立っていたというすごい展開。
どっからどうやってここにきたんだよ!
まあともかく。
モルデカイはなんとかごまかしてクランプの部屋に行くんだけども、すでに彼は何者かに
よって殺されており、絵も盗まれていた。
それはすっかり存在を忘れていたストラーゴによるものでした。
さらに、クランプの娘ジョージナもストラーゴとつながっていた。
そう来ましたか。
でもここにマートランドもきてメチャクチャな展開ですよ。
多分ジョアンナが行きたいっていったんだとは思うんですが。
そういうわけで絵は盗まれちゃって、それを追いかけるモルデカイら。
モーテルに逃げ込んだストラーゴとジョージナを追って中に入った時に、もみあって落ちた
ガスバーナーが燃料に引火、部屋爆発、絵は焼失というすごい展開になりました。
おい…。
ところがジョアンナ気付くのです。
本物の絵を持っている人物がいると。
修復師は絵を修復していたのではなく、複製を描いていてそれを盗まれたんだと。
つまりすり替えて返すつもりだったということですか。
修復師が絵を持っていることをクランプが知り、その時にジョージナはストラーゴに
連絡した。
ところが絵がすり替えられていることを知らずにストラーゴが盗もうとし、スピノザが
殴り倒して盗んでクランプに指示された通り車に隠したと。
ジョージナもアホですね。
自分の父親が手に入れるのわかってたなら待ってれば自動的に手に入ったのに。
で、ジョアンナは修復師と関係のあったアージャンボローニン公爵がトイレで絵を見せる
と言ってたのを思い出し、彼が持ってると気付く。
ところがロンドンに戻ってみるとアージャンボローニン公爵は老衰で死んでいた。
この後トイレにいってあっさり盗むわけですけども。
ただ自分らもお金がいるから、このままマートランドに渡してしまえばもらえるのは
わずかな報酬ぱかり。
そこでジョアンナは考えます。
オークションに出すはずだったシェリダンをすり替えればいいと。
つまり彼女の案としては、シェリダンの絵にこの絵を隠して売る、ということをそれぞれ
手に入れたがっている連中に思い込ませればいいというわけです。
誰か一人に見せれば噂は勝手に広まっていく。
それでモルデカイはまずグラハムに見せるんですね。
ブラックライトかな、あてると、シェリダンの絵の下にこのゴヤの絵が浮かび上がるという
寸法でした。
グラハムは当然顧客のロマノフに伝える。
また、冒頭出てきた中国人とか、ストラーゴらも情報を手に入れた。
あとはオークション会場の倉庫に保管してあるシェリダンをこれと入れ替えるだけ。
この後のドタバタもなかなか面白かったですが。
うーん、ジョックが中国人の部下に捕まってモルデカイの代わりに指を切りおとされ
そうになり、モルデカイが助けるくだりは良かったけど、ちょっとぐだぐだ話をしている
のが長すぎたなあ。
もうちょっとパッパッとすすめて欲しかった。
また、シェリダンの絵をすり替えにいく時に、ストラーゴと遭遇して戦いになるんだけど、
木箱がモルデカイの上に落ちるのはドリフみたいで面白かったし、絵を入れ替える人が
来ると戦闘やめて静かにしてるのは面白かった。
ジョーカーゲームと何となく似てるんだよなぁ雰囲気的に。
それとジョアンナが気を聞かせて停電起こしたりとかね。
この後、ストラーゴがジョアンナにナイフを突きつけて人質を取ろうとするも、失敗して
マートランドに連行されていくとか、連行されながらオークションの値を吊り上げてて
主催側がちゃんと対応してるとか、ギャグチックで面白かったけど。
ナイフ突きつけられてるとはわからないから、ジョアンナが競りに参加して、主催側が
「ご自身で競り落とすんですか?馬を散歩させにいらした?」というのは皮肉きいてて
良かった。
最終的に落札したのはグラハムでした。
ところがお金を受け取る段階で、モルデカイらは2000ドルあまりしかもらえなかったんですよ。
手数料運送料を差っ引いて、そのあとイギリス政府に対する税金800万ドルをそこから
差っ引いたらしい。
マートランドやりますな。
ま、何とか屋敷は手放さないで済んだことですし、まんまと本物の絵はモルデカイの自宅に
飾られていて、グラハムはロマノフに報復されることになったようですし。
何の絵が仕込まれていたのか、はここでわかる。
まあ予想通りのオチって感じではありました。
しっかしこれはB級通り越して三流ですぞ。
ちょっと厳しい映画でしたね。