多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→ファイヤーウォール


ファイヤーウォール

4/19鑑賞

 これは久々良かったです。どうもイーオン、ナイトウォッチと微妙な映画を続けて見ちゃった
もんで…。プロデューサーズも良かったですけど、ミュージカルにつかりすぎて途中進行イライラ
しちゃったことがあったので。

 この映画の何が凄いって、たかだか(あえてたかだかと言いますが)1億ドル盗むために
犯人グループが、主役一家を何年もストーキングし続けたということでしょうか。その努力を
もっと別のことに生かせよと思うのですが。しかもこのストーキングした結果あまり役に立って
ないし…。(しょっぱなから予定通りにいかなくなってるあたり)

 さてさて主役のジャック・スタンフィールドさん。彼はなんちゃらかんちゃら銀行の幹部です。
(いきなり銀行名忘れたのかよ…)
 この銀行は彼が築いた鉄壁のセキュリティシステムに守られており、一度として侵入を許した
こともなくまた、彼も絶対の自信をもっておりました。
 ただこの銀行には今、合併の話が持ち上がっておりましてでっけぇ銀行と合併するとかなんとか。
相手銀行は支店数1000といくらか。こっちは支店数27。こういう数は覚えてんだな…。まあいいや、
それで今大忙しの状態。
 ここでジャックが言った言葉。銀行関係者の皆さんにはぜひとも聞いていただきたいですね。
「防犯対策の費用を(様々な手数料に)上乗せなんて出来ない。顧客に負担させるな」
 本筋とは外れますけど、本来、こういったセキュリティにかかる費用は銀行側が負担するもので
あって、それによって信用という、お金では得られない強力なサービスを作っていくものだと
思います、ハイ。ウィニーでばんばん情報流しちゃってる企業・機関も同じことっス。

 で。
 家では子供達が大暴れ中。奥さんの趣味はジャックの世話という、「てめぇ何遠まわしに
のろけてんだこのやろう」という幸せいっぱいの一家ですがある時突然その平和は崩される
のでした。
 出勤してきたジャックは、してもいないギャンブルの負債が9万5000ドルくらいあるのに
気がつきました。誰かがIDを不正に利用してやったらしいと。
 これがまず意味不明なんですが、IDは銀行と家とで共通していたんでしょうか?もし銀行の
だけであったなら、その負債を負うほどギャンブルをやった時刻に何をしていたか、で誰かが
不正に使用したと分かると思うのですが。家とで共通していたなら通信記録を調べれば
わかるし。それとも無線LANだったのかな…。これなら電波を拾うという手で侵入は可能です
けど、でもセキュリティは万全にしてそうだしなぁ…。
 と考え出すときりがないので先にいきましょう。

 そんでジャックは合併先の銀行と会議やったり、飲み会に誘われたりと忙しいわけです。
ここで出てきた人間関係を私あんまり注目して見ていなくてのちのち大混乱してしまいました。
 なんとかネットで調べましたが、チェックしておくべきなのは元同僚のハリーと、今の上司で
ジャックとはソリがあわない(経営方針があわない)ゲイリー。
 で、飲み会で会ったのはビル・コックスという男。企業家と名乗ります。
 マイホームパパなジャックは家族が心配だからすぐに帰るんですが…おいおいビルが車に
乗り込んできたよ。送れってか。と思ったら違うようで。

 一方家では。
 チャイムを鳴らす相手に対して警戒もせずピザだとドアを開けた奥さんが襲撃にあっておりました。
いやぁ、周囲に民家もないとこなんだから、そんな相手を確かめもせずあけちゃダメだろ…。

 で、ジャックが帰ってきてビックリですよ。
 家がテロリストに占領されてる状態。
 なんかもう機材も沢山持ち込まれてるし、すごいですねぇ。
 
 誰にも事情を話せないまま出勤していったジャック。窓の方を向いたままハリーにヘルプメールを
うとうとして失敗したり。秘書のジャネットに抱きついたスキにペン型カメラを移し変えて、その間に
ハリーの元へ行こうとしたり。ハリーが不在で失敗。
 …私なら、ペンカメラを移し変えた後、ジャネットに「そのまま座っていて」といい、手紙の口述を
頼んでいるわけですからそこで堂々とメモを書き(音がしても疑われない)、「私の家族が銀行強盗を
企む連中の人質にとられている。行動もカメラと盗聴器で監視されている。キミはこのまま何事も
ない風を装ってハリーに連絡をとり、私の家へ警察を向かわせて欲しい。その間私自身には
絶対に接触しないこと。私の行動は見られている」というのを完成させますけど。
 これで万事解決。何しろ犯人達は、ジャックが誰にも話せない、という絶対の自信を持ってる
わけだから。
 いや、確かに実際こんな目にあったら大変ですけど。
 でも何が大変って、ジャックを一日監視しないといけなくて、トイレも監視させられていたテロリスト
だろうな。

 途中、自宅にハリーから「元気かい?」みたいな電話がかかってくるのですが、無邪気に
その電話を取ろうとした息子をテロリストが全力タックルで阻止。すげぇ。だがしかしおっさんおっさん!
子供の鼻と口ふさいどるがな!死ぬがな!

 さて。
 騒ぎを起こして子供と妻だけでも脱出させようとしたジャックですがこれも失敗。上の、ジャックの
監視に失敗したテロリストが殺されて積まれていた車に、奥さん達乗り込んだ時点で悲鳴あげてもう
発車どころじゃねーし…。
 ビルはビルでジャックに案内させて銀行のセキュリティシステムを見て回るのですが、いろいろと
操作できる機械が合併のため撤去されており、ジャックが直接システムに侵入することは出来ない
というのを知り、イライラ状態。なまじ自分の計画が完璧だと思っていただけに、肝心要の部分が
出来なくなっていることに愕然としたというか。ジャックのことを調べるのに熱中しすぎてこっちを
おろそかにしていたなんてとんだ阿呆ですな。やーいやーい眉なし!(突っ込みどころ違う)

 しかもビルの脅し方が狡猾ですごい。ジャックの息子がナッツアレルギーだというのを知って
いながら、ナッツの入ったクッキーを食わせアレルギーを起こさせ、で、「言うことを聞くから薬を
返せ」とジャックに言わせたし。
 この息子はビルが何もしないということに対して心を開いてしまったわけですけど、なんつーか、
これが大人の怖いところだよなぁ。隠した牙をまったく見せずに子供に擦り寄ることが出来るん
だから。大人が本気になれば子供をさらうのは簡単、というのも分かる気がします。どれだけ子供
が警戒していたとしても、大人はそれをほぐす手段をいくつも知っている。ほんに、注意しないと
いけませんなぁ。

 息子が倒れる前にジャックは思いついていたことがありまして。
 FAXの受信部と、娘のアイポッドですか、あれを使って口座を読み取るとかなんとか。このあたりは
よくわからんけどまあすごい発想ですね。
 んで見事金の送金に成功して、カメラの映像システムも削除、この時にちょいと細工をしておいて、
なんとか計画は終了。ビルは送金を確認して去っていきますが、大変なのはジャック。
 事態に気づいたゲイリーが追ってきますがジャックはそれどころじゃねぇ。
 そうして家に帰るとなんと、家族もテロリストもいやしねぇ。
 呆然としているところにテロリストの一人が「ついてこい」と外に連れ出そうとします。
 が、もうジャックはブチキレ状態ですよ。キレてないデスヨ…(違う違う)。
 そのテロリストを殴り倒し、携帯電話を持ってハリーのところへ。これがすげぇんですわ。
マンション屋上に昇ってそこから伝い下りる。こぇぇぇぇぇ!映像が怖い!高所恐怖症には
たまらん!
 で、ハリーの部屋に入ったジャック。これ窓あいてたから良かったけどあいてなかったら…
ぶち破っただろうな。
 その部屋でパソコンを我が物のように構い始めるし。いいのかおい。そうしたところ、
暗号化されたファイルがあるのを確認。でもって留守電も当たり前のように聞いていたら、
奥さんの声で「夫と別れた。愛してるわハリー」という、どう聞いても涙声ですありがとうございました、
なメッセージを聞いて「これは何かある」と確信したジャック。
 ハリーが帰ってきたんであわてて寝室に隠れたら、ビルもついてきましたよ。で、ビルが
ハリーを射殺して逃走。アワワワワ。
 これはまずいと逃げ出したジャックは、今度はビルに脅されて仕方なく解雇したジャネット
のところへ向かいます。なんとか事情を説明して協力してもらうことに。

 ここでジャネットがあっさり協力するのはおかしい、みたいな指摘がヤフーのレビューに
あったのですが、私としては秘書をするくらいの人だし何よりあのビルに「あの女を解雇
しろ。俺のことを怪しんでる」と言わせた人物です。数日前からのジャックの様子とか、
「家族が銀行強盗の人質にとられている。協力してくれ」という言葉は嘘ではないと思った
んじゃないでしょうか。それくらい頭が回らないと秘書はやってらんないでしょう。

 ジャックは、えーとどこだっけ、何部か忘れましたが、ビルの口座に送金するとこで、
部下の男性の携帯電話を使ってビルの口座を撮影したので、まずはその彼と連絡をとりたい
と言います。…ビルの口座ってそう簡単にたどれるんだぁ…。いやあここまで大掛かりな
ことをする人だったらスイスあたりに口座持ってそうですけど。あの世界屈指のセキュリティ
を誇るスイス銀行です。
 つーてもトリビアでやっていたとおり、「スイス銀行」というものは存在せず、スイスにある、
スイス連邦銀行業に基づく運営をしている銀行を総称してそう呼ぶだけです。
 そんでこの銀行が世界屈指のセキュリティを誇ると言われるのは、どんな権力もこの
銀行から口座を聞き出すことは出来ないと定められているからで、また、ブライベートバンク
の場合、入金は自由に出来るのですがお金を引き出すことは非常に難しく、1ヶ月以上前の
申請及び、定められた時間の来訪が決められています。それを守らなければ、口座の持ち主
当人であってもスイス銀行は絶対にお金を渡しません。
 つまりはスイス銀行こそが、ジャックの求める理想の銀行かもしれません。
 閑話休題。

 そんで男性から携帯を借り受けて口座番号を知ったジャックは、空港に立ち寄って
送金サービス窓口を利用させてもらいます。ここの受付女性が、ジャックが腹にさしていた
拳銃を見て銀行強盗と勘違い。コッソリ警察への通報ブザーを踏んでしまいましたよ。
 ビルにかけた電話の内容からそうではない事態と知ったこの女性、謝罪しつつ警察が
来るから早く逃げて、とジャックを逃がしました。いい女性ですねぇ。

 一方ビル。
 送金が終わって鼻歌でも歌っていたところへ、ジャックに逆に口座へ侵入されて大慌て。
腹いせに郊外で家族を殺すつもりなんでしょうね。
 ところがどっこいここからジャックの猛反撃ですよ。犬の首輪についていたGPSシステム
で犯人大追跡。後を追っかけて乗り込んでいきます。
 ラストは肉弾戦でしたが、最後までハラハラドキドキでした。

 まあ頭脳戦というよりは心理戦みたいな感じでしたが、展開としては面白かったですね。
 つかこの手の映画、結末がどうなるか分からなくてハラハラドキドキで苦手で、開始
10分後早くも帰りたくなりました。つか見るなって感じですけども。
 あとテロリストが全滅ってのが皮肉というか凄いなと。半分くらいはキレたビルが殺して
るんですが…。
 ジャック、無事解決はしたけど後始末が大変だろうなぁ。
 あとあの部下の男。ジャネットとうまくいくんですかねぇ。ジャネットはボスのカッコイイ
とこ見ちゃってるから、彼だとちょっと頼りないと思うかも知れん(笑)。

 セキュリティシステムが破れないのなら、それを作った人間の家族を人質にとって、
自らシステムに侵入させればいいというのはいいアイディアですね。
 ただ現実に実行しようとすれば恐らく不可能でしょう。そういうことをされないように、
現代のシステムは複数の人間が分担して作るようになっているわけですから、一人に
言うことを聞かせようとしたところで、ブラックボックスが存在するのでシステム突破は
出来ないですし。
 
 セキュリティシステムもですが、個人情報を把握されることの恐ろしさもまた、この映画は
教えてくれます。
 こないだATMで離れて立っていた嫁さんらしき人に大声で、「これ、****でいいん
だよねぇ」と暗証番号を怒鳴っているお姑さんがいましたが恐ろしい話だ…(笑)。
 つーかともかく、チャイムが鳴ったからといって「あっピザがきた」と玄関開けちゃいけ
ませんって話だろ。




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