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たたら侍

5/30鑑賞

 まずね、話はそんなに面白いってほどじゃない。(失礼)
 どちらかというとじんわり系だと思う。
 ただ演技は言われていたほどひどくはないなと思いました。端々気になる部分はあったけど。
 それより尼子だよ尼子。
 尼子の扱いひどすぎるの納得いかない。
 直系じゃないですかねあれ分家なんかね…びっくりしたわ。
 マジで「ちょ、待てよ」状態だった。

 開始早々村が襲われてるんだけど、これはたびたびこの村が襲われてきたってことなんかな?
それともたまたま、なんだろうか。
 どこの兵士かまったくえがかれなかったのでわからんのだけど、村が襲われている時に、尼子が
助けにきてくれた。
 その中に真之介という、なんか宇宙人と親睦を深めていそうな若殿がいました。
(それしんちゃんや)
 助けられた村の子、伍介は大きくなり、今は村下の跡取りとなっていました。
 村下ってのはたたら製鉄をしきる人のことで、いろいろな技術を一子相伝で受け継いでいきます。
んで、伍介の父である弥介が、伍介の祖父から村下を受け継いだと。その次は伍介の番。
 
 たたら製鉄の様子がすごい丁寧に描かれているのは見てて面白かったですね。
 ちゃんと再現してんだなあと。
 で、これだけ大変な作業をして生み出される玉鋼って少しほどなんですが、この出雲の
たたら製鉄で生み出される玉鋼は今の技術でも再現できないほど純度が高く、非常に貴重なものでした。
 なお、その他の物質とかは包丁とかナタとか、そういう刃物系に使われるので、無駄って
わけではないです。

 伍介の祖父が代を譲る最後の玉鋼が出来、村はこれを都に出荷。
 てかここら、誰に持ってくのかとかあんま情報がないなあ。
 物語に関係ないからスパッと切り落としてんだろうけど。
 
 伍介らは友達らとともに剣術の稽古をしています。
 弥介とかには、剣の腕はたたら製鉄に必要ないって言われてるけど、伍介は昔
村が襲われたから、それから村を守るために強くならないとって思ってんだろうね。
 でも友達同士で稽古しても意味ないと思うんだけどなあこういうのは。
 それこそ、尼子の真之介のとこいって稽古つけてもらった方がと思うんだけど。
 
 とか言ってたら真之介戻ってきた。
 何かと思ったら、京かな、いってたのがここら守るようにということで戻ってきたらしい。
それにしては真之介とともの女性しかいないんだけど。
 もう少しおつきの人とかおらんのかよ。
 
 伍介には許嫁がいて、その名をお國と言いました。
 あなたが出雲の…。(それ別の人や)
 てか許嫁がいるのすごいな。
 村下の跡継ぎだからなんかな。

 この後たたらの土台作りやってたけど本当に大変だなあと。
 神様に手を合わせてたけどこれは当然金屋子神様だろうなっ!
 と、なんか村のばば様(占い的なことしてる)が、災いが迫ってくるとか言ってます。
 すると、村人が、積み荷が野党に襲われたと言ってくる。
 伍介、作業を投げ出していってしまうんですね。

 てかここで、イチャモンつけていたのは山賊っぽいの2人(帯刀はしてたけど)だったのに、
なんでかけつけてきた村人らがただ見守っていただけだったんだろう。
 恐くて手もでなかったということなんかな?
 そういうわけで、伍介以下が皆見守る中、村で剣の指南をしてくれていた平次郎が
殺され、荷は山賊らに奪われたのでした。
 5、6人くらいいたのに何もしないって…。
 
 まあこういうことがあって伍介は、剣の腕がないと村を守れない、という思いを強く
したんでしょうね。
 つか真之介に教えてもらえばよかったのに。
 戦を経験してんだろうし。
 こういうあたりが、この映画、話がボロボロというか。
 変な流れになっていくなあーと首をひねってしまう。
 いや真之介と話をするシーンはあったんですけどね、稽古付けてくれって言うでもなく
「一生この村で生きてくんスかね」って言ってたもんで。

 そんな中この村に、近江の商人惣兵衛がやってきました。
 今京では鉄砲が戦いの主流になってきていて、良質の鉄が必要だから、ここでそれを
作って欲しい、と言いに来たのでした。
 出雲にはさびない鋼があると聞きつけて、ぜひそれを使いたいというわけです。
 でも弥介はそれを断る。
 まあそらそうですな。
 でもこの惣兵衛、腰が低すぎておかしいんだよなあ…。
 そんな惣兵衛に伍介は、この村を守るためにはどうしたらいいかを尋ねる。
 この時から惣兵衛は頭ん中でそろばんはじいてたのかもなあ。
 うまいことこの田舎モンをだまして儲ける算段とかさ。

 惣兵衛は、数日後に安来から出る船に話つけといてあげるから、それから京にいって
信長の領地に入れるよう手配したげるわ、と言う。
 話がうますぎて絶対やばいわこれ。
 伍介も結局人を疑うことしらなさそうだしなあ。
 伍介は村を出ることを友人の新平に話します。
 この人、首太いなあ。
 いやいいけど。
 まあなんつーか意外だったのは、弥介らが止めなかったことですかね。
 跡継ぎだろうに。
 黙って出たんだろうが、お國が知ってた時点で…。
 
 この後、田植えしてるシーンがあるんだけど、田がちっさすぎる!
 もっとでかい田んぼなかったんですか!歌うまでもなくすぐ終了するわ!
 
 さて、敦賀の港とかいうとこについて、伍介は惣兵衛と合流。ここで、与平という商人を
紹介されます。
 ちなみに紹介料で伍介は玉鋼を惣兵衛に持って来てた。
 惣兵衛はたいそう喜びます。
 そりゃそうでしょう。
 単に田舎モン(失礼)を知り合いの商人に紹介しただけで、こんな価値の高い玉鋼が
結構な量手に入るわけだしね。
 出雲の玉鋼には強い霊力が宿り、武運が得られるそうです。
 まあ神の国島根だしねえ。
 与平は、いずれは自分も玉鋼欲しいけど出世払いでいいわと言って、弥介を信長の
部下に紹介するという。
 それをこっそり聞いてた女がいましたが、これ、尼子の真之介さんとこのくのいちだな。
 
 まずは玉鋼で刀をこしらえようということで、鍛冶屋に出雲の玉鋼を持っていくと、
鍛冶屋もたいそう驚いてんですね。
 まあそらそうだ。
 でもここで鍛冶屋の人変な顔してたけど、その理由はなんも語られず。
 そこの伏線なんだったんだよ…。

 さて立派な打刀が出来まして、伍介はそれをもって与平とともに信長の部下の
井上というとこに向かう。
 つーかあっさり士官の道がかなったということは、下っ端も下っ端なのかな。
 このあたりの説明も一切ございません。
 うーん…。
 鎧は与平からのプレゼントですかね?
 まあそういうわけで、最初は飯炊きからということになるんだけど、毛利軍が攻めてきて
乱闘状態に。
 そーいやリーダー井上がここは戦場とか言ってたな。
 切りかかられた伍介が思わず刀を抜くけど(全部は抜けない)そこに、敵の刀が当たって
敵の刀の方が真っ二つってのは爽快だったな。
 さすが出雲の玉鋼。
 井上は勇敢に戦っててかっこよかったな。
 仙吉が鉄砲を撃って伍介を襲っていた敵を倒し、二人は命からがら逃げだします。
 ところが逃げた先でも農村が焼打ちにあってたりして、もうこの映画マジでどの方向に
向かってんだよみたいな。
 仙吉は、もう国に帰る、とさっさと逃げ出してしまい。
 伍介は伍介でいきなり山の中さまよってて、野党に襲われるのですが、目が覚めて
みたら鎧取られただけで刀は無事という有様。
 一体何がどうなってるんだってばよ…。
 で、陣をしいていたとこに戻って見たら皆死んでて仙吉もそこで死んでた。
 だからなんでそっち向かったんだ仙吉。
 ここに敵が確認にきて、伍介はとっさに死んでいるフリをして難を逃れるのですが、これは
画面のどこに伍介がいるのか探すのはたのしかった。(趣旨違う)

 そういうわけで伍介、ひたすら歩いて村へ帰ろうとします。
 マジ本当わけわからん。
 途中ヘバってたとこへ、あの様子を見ていたくのいちが声をかける。
 これからどうする、と。
 伍介は村が心配で、と答えます。
 だから村が心配ならなぜ村を離れたのかって話なんだけど。
 尼子で鍛えてもらえよ…。
 
 結局村に戻った伍介。
 まあどの面下げて戻ってきたと怒られますわな。
 それでもまあ皆、受け入れてはくれました。
 ここの伍介の泣き方が、ちょっと下手だなと思った。
 どう聞いても笑ってるようにしか聞こえなくて…。

 そんな中、与平が村にやってきました。
 織田軍が鉄を求めてここに攻め込んでくるとか言ってます。
 伍介がバカだなと思うのは、尼子は織田についてるんだから(というか羽柴秀吉の下)、
まずそっちに確認すればいいのに。
 商人の言うことと、部下の言うことどっちを信じるのかって思うんですが。
 このあたりの流れはちょっと強引に感じました。
 てか与平が「これをご覧ください」って出してきたの、長い定規かと思った。
 火筒(鉄砲)でした。
 最新式のやつらしい。
 伍介は、これがあれば織田軍を迎え撃てるとか言ってます。
 だからお前はアホか。
 この村に攻め込んだところで、たたら製鉄の技術を持ってる弥介と伍介だけでなく、
他の職人ら殺したらなんもならんのだから、織田軍がそんなことするわけなかろう。

 伍介は、戦の恐怖を経験したことから、なんていうか妄想に取りつかれてしまったん
だろうね。
 伍介は村の若い衆に、自分らで村を守ろうと呼びかけ、門やら監視台を作り始めて
しまいます。
 で、弥介に、自分で火筒のための鋼を作りたいというも却下されてました。
 そりゃそうだ。
 弥介だけでなく村の職人らは皆、自然からいただいたものをまっつぐな心で作って
いくのが当たり前という風に思ってたんだろうね。
 神から伝わった作法(たたら製鉄は金屋子神が伝えたとされている)だから、神に背くような
私利私欲で作っちゃダメだ、みたいな気持ちがあるんじゃないかと。

 憎しみの力からは何も生まれない、と諭されるも、伍介、話聞きませんでした。
 ダメだこいつ…早く何とかしないと…!
 そんな中、新平が神社の帰り、何者かに囲まれていました。
 そこに真之介がかけつけてきた。
 村では、新平が剣の稽古にいったきり、帰ってこないと騒ぎに。
 新平だけにしんぺーねーよ!(伊月、黙れ)
 また、若い衆が鉄砲のための鋼作ってるのが見つかってました。
 まあ純粋ゆえに、こうしないとと思い込んだら一直線になってしまったんだろうな。
 まずは真之介に話を聞けばいいのに…。

 と、織田軍がきたぞーとか騒ぎになってて、皆は砦を見に行く。
 与平、望遠鏡で覗いてて、斥候隊の中に新平がいるのを確認。
 ここで、鉄砲の操作誤ったやつが発砲してしまい、斥候隊は帰って行きます。
 与平は、鉄砲に驚いて退散しましたぞ!とか言ってる。
 いやその前に、なんできたか確認もせずにそれで済ませていいのかよ。
 いいようにされすぎだろ。
 なんかこれでますます誤解が広まったようで、女衆らも、私も村のためにとかいって
鉄砲を習うようになってしまった。
 
 石見神楽やってましたけど、オロチ一匹だけかよ…。
 あ、これ出雲神楽じゃなくて石見神楽です。オロチを見ればすぐにわかる。
 この時代は一匹だけだったのかなあ。
 まあ派手になったのは近年だったとは思うのですが。
 石見神楽のヤマタノオロチは、8匹全部出るとものすごい圧巻なので、是非これを見て
欲しい。
 出張とかの講演の場合狭い舞台でやることも多く、4匹とかだったりしていまいち迫力
足らないので。
 You Tubeとかでも石見神楽 ヤマタノオロチで検索すると、圧巻の映像見られると思います。
 閑話休題。

 その舞を村の衆が見てて盛り上がる中、伍介は人影に気付きます。
 たたら小屋に行くと新平がいた。
 彼は、鉄砲では村を守れない、目を覚ませと伝える。
 自分は今真之介のところにいると。
 ここで新平実は、与平のことを伝えようとしたんだと思う。
 だけどそれを伝える前に与平がやってきてしまったので彼は立ち去った。
 伍介がバカだと思うのは、後で話を聞きに行けばいいのにそれをしなかったことですよ。
 なんで本当にこんな立ち回りばっかなんだろう。

 このあと、鉄を打つシーンで、素手で鉄持ってたけどそれは大丈夫なんですか。
 と、村に人相のよくない連中が十数人ばかりやってきた。
 こいつらは神楽の舞台に土足であがったりしています。
 与平、人が足りないから招き入れたといってるけど、絶対これ村を乗っ取る気だろ。
 伍介もさすがにここにきてやばいと思ったんだろうね。

 と、またなんか斥候みたいなのが3人くるんだけど、真之介の使いだと名乗る。
 伍介、びっくりするんだけども、村の誰かが小柄かな、投げたのが柱にあたり、
斥候が思わず刀の柄に手をかけたところで与平が、攻撃する気だ、やれ、と鉄砲を
けしかけるんですよ。
 伍介が、敵か味方かもわからないのに、と言ってもやられる前にやれってな感じで。
 
 与平は弥介にも、鋼を作るよう言って断られてたけど、今に言うことを聞かざるを
えなくなる、と脅しています。
 
 ここに至ってようやく伍介、真之介のとこに会いに行ってました。
 今更おせーわボケ。
 真之介は、信長はたたらの伝承を途絶えさせるようなことはしない、と伝える。
 伍介がもっと早く真之介に相談しにいってたら…。
 ところでこれ話してるの、どこの神社だろう。
 天井に龍は大田の神社ですかね。
 この後、手合せしようと出た神社の裏手は、鰐淵寺っぽかったんだけど…うーむ。
 真之介は伍介に、刀を抜くということはそれすなわち、死を意味すると言います。
 …死を覚悟して刀を抜けというのならわかるんですがうーん…。
 まあいいや。
 心が強いからこそ争いを避ける、心が弱いものが刀を持てば驕りとなり、暴力となる、
というのは説得力あると思った。

 炭焼きのおじさんは伍介に、お前が巻いた種だ、お前が刈り取るしかない、と
まっとうなことを言うのでした。

 ある雨の日。
 あ、与平が連れてきたならず者一応見回りとかしとんのな。
 それとも村人が交代でやってるのかな。
 そこに新平とあのくのいちがやってくるも、新平見つかって囲まれてしまう。
 で、与平が完全に村長気取りで、裏切り者は斬れと命じる。
 新平果敢に戦うも、もともと話し合いをしにきたつもりだったのにこうなってしまって
結局多勢に無勢でやられてしまう。
 まあ話し合いをしようと訪れたがあんな対応されたから、こっそり夜にきたんだろうけど
逆効果でしたね。
 新平をかばいに伍介がかけつけてくるも、伍介も斬られたし。
 えーその展開は予想してなかったわ…。
 新平、信じてくれと言って息を引き取りました。
 この横で悶えてる伍介が、トイレ我慢してる感じに見えて、もうちょっと何とかならん
かったのかな、みたいな…。

 そんな彼らを弥介やお國らがかばう。
 老人らもやってきた。
 与平、引き下がらざるをえませんでした。

 つーかまあ、もう乗っ取られたも同然だよなあ、この村。
 尼子のとこには、本能寺で信長が明智に討ち取られたという報告が入る。
 さらに秀吉の中国大返しが早かったことから真之介は、明智の裏には秀吉が
いたのでは、と疑う。
 なるほどこの映画ではこの方向できたか…。
 真之介は、だから我らにこの地を守るように信長さまは言ったのかもしれない、と
考えます。
 まあここは鋼を生み出す上で大事なところだしね。
 もしかしたら与平も秀吉の手のものかもしれない、という真之介。
 与平を討たねばならぬのう、と言ったのかっこよかったです。

 というわけで村に尼子軍が攻め込んでくる。
 あのくのいちが先に見張りとか倒しててカッコ良かった。
 ならず者とちゃんとした武士なら圧倒的に武士が強いと思ったし、尼子軍有利だった
ように見えたんだけど、決着ついたら全滅してたあたり、やはり与平が連れてきた
連中は、ならず者に見せかけた、秀吉選り抜きの武士だったかも知れませんなあ。
 で、真之介はならず者のトップとの一対一の勝負になるんですが。
 これを討ち取ったと思いきや、与平の鉄砲に倒れた。
 いやいやいやいや!尼子ここで滅びたらあかんやろ!
 山中鹿介with尼子勝久の出番なくなるぅぅぅぅぅ!
 いやほんと、何全滅させてくれちゃってんだこの映画…。尼子十勇士が黙ってないぞ。

 伍介は真之介を鉄砲で撃った与平に詰め寄り、斬ろうとするも、真之介の言葉を思い出した
のか、火筒を真っ二つに。
 さすが出雲鋼。
 これは史実をもとにしたのかな。
 松江の刀工、高橋長信のこさえた刀は第二次世界大戦において、機関銃を真っ二つにした
ことで知られます。
 江戸時代に御様御用を務めてきた山田浅右衛門も良い刀と褒めてますしね。

 話題がそれましたが。
 そういうわけで伍介は、本当に強いというのはどういうことかをやっと理解したのでは
ないかと思います。
 払った犠牲はあまりにも大きかった気がするんだけども。
 なんかこのあと雪の中に幻覚見てる感じでちょっと怖かったぞ。

 エンドロール流れますがしばし待たれよ。
 この後惣兵衛がお侍とともに、出雲鋼を鍛冶屋に持ちこんで家康に献上するための
刀を作ってもらっています。
 この侍が佐野史郎さんで、ニヤッとできる感じだった。
 この刀は…架空の設定なのかな。
 この時代に作られて家康に献上されたもの、であてはまるものがなかったので。
 亀甲貞宗あたりやってくれればよかったなー。
 まあしゃーないですか。

 というわけで全体的に、話がもたもたしてるのと、だらだらしてるのとで、特に面白いと
いうわけではないんだけども、たたら製鉄の過程がえがかれていたり、尼子が出てくる
のと、「あーこれあそこかな」と思える景色とかが楽しめて良かったです。
 DVD買おうかなあ。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→たたら侍