多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→DESTINY 鎌倉ものがたり


DESTINY 鎌倉ものがたり

12/26鑑賞

 悪くなかったけど、奥さん救出の話そのものは短いんですね。
 わりとあっさり終わって拍子抜けだった。
 もちろんそこまでの話に伏線がいくつかあるというのはわかるんだけども。
 もっとあの世を逃げ回る話なのかと思ってた。
 それで、関わった人たち(死者)が助けてくれる的な展開があるのかと。

 さてさて。
 車で新婚旅行から戻ってくるシーンから始まったけど、シートベルトしてないあたり、
昭和40年代くらいの設定なのかな。
(あの頃は努力義務といって義務ではなかったので、シートベルトが搭載されてない車も
まだ多かった)
 左ハンドルだしねー。
 ただここ気になるのは、道路の描写。
 最近の道路ですよあれ。
 もっと細かく気を遣って欲しい。
 ここはがっかりでした。

 お嫁さんの亜紀子は先生と結婚できるなんて夢みたいとかいっててほほえましいです。
 結婚についてのなれそめ話はあとでおいおい。
 しっかし家も古風な感じなのに車だけ左ハンドルか。
 車を車庫に入れたあと、家の前に立ってるカットではすでに車庫の門扉が閉まってて
ちょっと笑った。
 亜紀子が「この町はゆったりしているように見える」というのへ、一色は「鎌倉は時間の
進み方が違うからね」と言います。
 それは出雲時間ってやつですか!(あれは時間守らんだけや…!)

 一色と亜紀子の生活が始まったのですが一色早くも原稿煮詰まっていて、それを取りに
きた担当者の本田もわかってるっぽいのが面白い。
 亜紀子が時間稼ぐから、というも、覗きにいくと一色、プラレール作ってた。
 何しとんじゃお前はァァァ!!!
 と思ったんだけど、本田曰く、この状態は「下りてきた」状態っぽい。
 あっという間に原稿しあげてました。
 なるほど。
 まあこういうのってあるからねえ。
 と、本田を送り出したあと亜紀子が、庭先を河童が走っていった!とびびってる。
 でも一色はただの河童だろ、と。
 奥さん怖い話嫌いなのか…でも悪さしない河童ならそんなに怖がることないと思うんだけどなあ。
 トイレにつきあわせてて笑える。
 ちなみに23歳だそうです。
 亜紀子わっか!
 年の差夫婦か。

 朝、一色は出かけて行くんだけど、納戸には絶対入るな、とすごいしつこく念押ししていきました。
 最後亜紀子笑ったの絶対素だよなあ…。
 ともあれ、そういわれたらまあ大体入りたくなるよなあ。
 怖がりな亜紀子は興味ない感じだったけど、納戸の中で変な音がしたので扉を開けてみることに。
つかこれ音がしたの結局なんだったんだろう…。
 ともあれ、中は一色のコレクションルームでした。
 電車の模型に、原稿に、干し首みたいな。干し首はさすがに趣味悪いけど、あとは結構価値あり
そうなもんがいっぱいあるなあ。
 それと掛け軸とか不用意に広げない方がいいとは思うけど。(そこらに適当にかけると傷む)
 そういうのを見ていたら、向こうにおばあさん立ってて亜紀子悲鳴。
 気持ちはわかる。
 妖怪ババアかと思った(笑)。
 このばあさんはキンさんといって、一色の祖父の時代からこのお屋敷に勤めているそうです。
 …妖怪で間違いなさそうだな。
 あとキンさん、茶の入れ方雑だよ!
 茶は2人分だったら均等につがないと!それとその急須、お湯洩れてるぞ!
(すみませんねえ、こまかい事が気になるタチでして。←右京さんか)

 キンは亜紀子に、一色は早くに両親をなくした(母が亡くなってその後を追うように父も亡くなった)
からよく嫁にきてくれた、と喜びの言葉を口にします。
 ここから伏線始まっていたかー!
 亜紀子はもともと、出版社のアルバイトで原稿を取りにきた時に、一色に一目ぼれし、「この人と
結婚すると思った」ということをキンに話します。
 なるほど、すごい縁ですね。
 んで一色が帰宅するも、また模型買ってきてて、亜紀子はそれを怒ります。
 でもまあ生活していけるんだからいいとは思うんだけどねえ。
 子供が生まれてもろくに生活費入れず遊び歩いてるようなのは論外だけど、自分で稼いだ金で
何か買っても、それは咎められるようなことではないと思うのですが。
 あれこれ一色の無駄遣いを怒る亜紀子。
 一色はキーホルダーはただだよとか言い出す。
 生まれた時に手に握ってたらしいです。
 んなバカな。
 それと亜紀子は納戸で見つけた原稿を手渡すのだけど、一色はこれは自分のではないという。
 甲滝という作家の未発表原稿、つまり絶筆だと。
 これから自分の家の納戸から発見されたということは…と気にしている一色。
 何があるんでしょうね。
 
 ちなみにキンさん、85歳だそうですが。
 日露戦争の時にご主人なくしたそうなので100歳は越えてると驚く亜紀子。
 一色はそこまで気にしてないみたいですね。
 二人は夜市にいくのですが…。
 そこは妖怪が開いている夜市でした。
 亜紀子完全にコスプレだと思ってる。
 ここで亜紀子は300円でマツタケを買います。
 いやそれ安すぎだから!
 絶対何かあるだろ!
 一色も妖怪には慣れてるのにこういうのは疑わないのかなあ。
 ここで一色はある女性と出会います。
 優子さんという女性でした。
 去年亡くなったと聞いて亜紀子はビックリ。
 死神に頼んでこの世にとどまれる制度を使っているんだそうです。
 旦那さんのために。
 いい夫婦ですねえ。
 亜紀子は優子の話を聞いて、この鎌倉にいる限り、もし自分が先に死んでも一色の世話が
できる、と言いますが。
 一色は年齢からいけば自分が先だという。
 つーかフラグ…。

 朝。
 亜紀子、マツタケを調理してるけど、どう見ても毒キノコじゃねーかこれ。
 味噌汁にしてたけど、食べた一色が倒れた。
 やっぱりそうか。
 キンがやってきて対応したおかげで何とか死ぬのは免れましたが、亜紀子も味見して
しまったので、口から霊体が出やすくなってるらしく、マスクして過ごすことに。
 これはマカイマツタケという、人間が食べたら死ぬものらしいです。
 やはり妖怪の夜市で売ってるものは気をつけないとあかんな。

 そんな中、警察官がやってきます。
 亜紀子はビックリするけど、一色は警察の特別顧問らしい。
 殺人事件の現場を見て欲しいと頼みにきたのでした。
 被害者は金満麗子。
 後ろから灰皿で頭を殴られて死んだらしいです。
 つーかカップラーメン食べてる最中にやられたのかよ。
 意味深にカップラーメンがたくさん並んでるの出てたけど、あまり意味なかった。
 鎌倉警察署はこの被害者の霊を呼び出して話を聞くも、後ろから突然殴られたから
犯人を見てないという。
 死んで霊体になった後も立ち去る姿とか見てないのかよ!
 容疑者は一人いて、別居している夫、和夫らしい。
 今はまだ離婚成立してないから、麗子が死んだら財産が手に入ってくる、しかし最近
麗子は何かに取りつかれたかのように散財していて、財産の目減りを危惧した和夫が
殺したのでは、と警察は見ているわけです。
 しかし彼は犯行時、実家にいたという鉄壁のアリバイがありました。
 
 話を聞いた亜紀子は、愛し合った夫婦が殺すようなことにはならないでしょう、というけど
一色はよくある話だよと。
 それはそうだ。
 ここのシーン、一色の顔が少しアップになったけど、堺さん唇の端ケガしてる?
 まあいいや。

 で、和夫の実家に聞き込みにいったんだけど、一緒に出てくる子供の言動がすごい
ウザくて面白かった。このキャラいいなあ。
 和夫は事件当時実家にはいたものの、7時から一時間、2階の自分の部屋にいって
いたことがわかる。
 一色は調べていて、部屋のすぐ下を通る江ノ電を見て、これに飛び移り犯行現場に
いったのだ、と見事推理します。
 なるほどね。
 中に乗り込んでないから駅とかでは目撃者がいない、でも屋根に乗って移動すれば
かなり早く移動できるしアリバイにもなると。
 …帰りが大変そうな気もするけど…。まあいいか。

 解決した報道記事を見て一色は亜紀子に、夫婦だからといって愛し合ってるとは限らない
と言います。
 それは確かにそうかも知れないけど、新婚の亜紀子にわざわざ言わなくてもいいと思うん
だけどなあ。
 ここらがちょっと、一色の気が利かないところというか鈍いというか。
 亜紀子は一色の両親の話を聞こうとやっきになるも、話したくない一色は怒る。
 まあそれは…仕方ないことだと思う。
 私は、人の触れられたくない部分に無理に触れようとした亜紀子の方が悪いと思いました。
 気まずくなった一色は、行きつけの小料理屋へ。
 そんで帰宅途中に、あの優子が旦那さんをつれて出てくるのを目撃する。
 旦那さんが寿命で亡くなったから、一緒にあの世にいくらしい。
 後ろに死神もいました。
 つーか軽いな!
 私が見えてます?と死神、一色に言ってきて、見えてるってことは最近死にかけました?って。
 ああなるほど。
 ちなみに顔はお面で、それ外すと定番のガイコツ顔になるらしい。
 なるほど、営業用マスクか…!

 2人はこれからあの世ゆきの江ノ電に乗るという。
 どうしても見たい一色は死神に頼み込み、遠くから見るという約束で、亜紀子を呼んできて
見に向かいます。
 亜紀子はまだ怒ってたけど、優子さんが手を振ってくれてるんだから、それにくらいは手を
降り返せよ。失礼だよ。
 で、一色は両親のことを話し始めます。
 父親が家を空けることがあったんだけど、そんな時母親はいそいそと身支度を整えて
出かけていくんだと。
 気になって後をつけたら、とある家で知らない男と母親が会っているのを目撃してしまった。
その男が甲滝という作家だったのは大人になってから知ったのだけれども、ひょっとしたら
自分は甲滝の息子なのかも知れない、と思いながら生きてきたんだと。
 それで一色は夫婦に対して冷めた目で見てるのがあるんだろうなあ。
 でも亜紀子と結婚してるんだし、あくまでも自分の両親がそうだった、で済ませられない
もんかね。
 
 そんな中ちょっとした問題が。
 編集者の本田が病気で、余命一月と告げられたのです。
 一色は、死神に頼んでこの世にとどまる制度を使っては、というけど、それも気休めに
なりそうでならんような…。
 
 ここらからちょくちょくと、亜紀子を見る天井裏からの目線が入ってきます。
 そんな中、亜紀子は料理失敗して魚をダメにし、一色はコーヒーカップの取っ手がもげて
コーヒーを原稿にぶちまける状態に。
 さらに、電話がかかってきて、その仕事の依頼そのものがなくなってしまった。
 これは…!
 ドン、と一色が机叩いたら、あれなんていうんだっけ、ピタゴラスイッチ?のごとくものが
連動していって電燈が落下したのは笑いました。ドリフか!

 キンが何か悪い物を連れてきましたな、と一色に言う。
 そんで天井をつつけば、落ちてきたのはおっさん。
 …貧乏神でした。
 ああ、なるほど…。
 一色、麗子の家からついてきたな、とピーンときます。
 確かに。
 供え物をするがいい、という貧乏神。
 亜紀子はあっけにとられていますが一色が「こういうのをマッチポンブと言うんだよ」と
説明してたの笑った。確かに!
 一色に出て行けと言われて「老人にひどいことを」という貧乏神。
 一色は「あんた老人じゃない、貧乏神だろ。都合のいい時ばっか老人と言いやがって」と
ミソクソですな。
 まあなんやかんやで結局家にいつくことになって。
 亜紀子がご飯用意してあげてて優しかった。
 貧乏神は、こんなにやさしくしてもらったことはない、とたいそう喜んでいました。
 まあ貧乏神とて一応神ですからね。
 ただ、研究者によっては妖怪のくくりに入れられることもあります。
 
 一色、病院に見舞にいくのですが。
 本田、亡くなってた。
 というかちょうど幽霊になって死神と歩いてくるところでした。
 それで、この世に残る幽霊申請をお願いします、と言うのだけど、あの世からのエネルギー
供給が、幽霊申請が多すぎて不足しがちになり、制度が見直されることになった、という死神。
 幽霊としてとどまるには、家族の寿命をもらう必要がある、と言われるんですね。
 そんなん、死んだ方としてはそこまでして幽霊でいたくないって思いますよねえ。
 もう一つ、この世にとどまる方法があるにはあるらしいんですが…。
 今の記憶を持ったまま、魔物に転生する方法だそうです。
 イケメンの魔物にしてください!(いや選べないから)

 一色、原稿してると窓の外にカエルの化けモノみたいなのがきてた。
 これが本田らしい。
 一色、転生が人気ないわけだと納得。
 というかさ、鎌倉だったら一応受け入れてもらえるなら、これで出版社に再就職とか
無理なのかな。 
 記憶持ってるならそのまま仕事できるでしょ。
 そういう話が出てこないあたり、魔物はそこらにはいても、あまり人と同じように働いたりは
しないのかな?
 本田は奥さんと子供が気になって、一色に頼んで車で家を見に行くのだけど、奥さんは家賃が
払えなくなって困ってました。
 生命保険とかないんかい。
 で、本田はこっそりまとまったお金をポストに入れていく。
 優しいですねえ。
 
 その頃亜紀子は貧乏神とお茶してました。
 彼は自分が持っている茶碗を亜紀子にもらって欲しいという。
 優しくしてもらったお礼だと。
 亜紀子はただもらうのでは申し訳ないと考え、貧乏神が珍しがっていたごはん茶碗(100均)を
代わりにあげました。
 こういう、心根の優しい子だから貧乏神も心動かされるんでしょうなあ。
 貧乏神は次の仕事が入った、といってます。
 つーか次に取りつく先のあっせんとかあるんかい!
 一色家にきたのなんだったんだ…。

 貧乏神は、ここは居心地が良すぎて自分のようなものには毒だ、あんたがたに幸多からん
ことを、と言って消えました。
 貧乏神にここまで言わせるとは、亜紀子は本当にいい人なんだろうねえ。
 
 一色、本田にお見舞いの金というか少し渡してるけど、本田に「先生の原稿料知ってますから」
と言われてひっこめてたの笑った。 
 あれからたびたび2人で本田の奥さんの様子をみにいってるのだけど、同僚っぽい男性と
奥さんが歩いてるんですね。
 まあ本田にしたら心穏やかではないだろうなあ。
 てか魔物の姿になっても会いに行くことを選ばなかった時点で、どうこういう権利はないとも
思うけども。
 一色は本田を慰めるため小料理屋に連れて行きます。
 自宅では亜紀子が出版者からの電話を受けて大慌てで一色を探しに行く。
 帰宅するの待ってればよかったのに…。
 彼女、途中の階段で何者かに足をつかまれ転んでしまいます。
 そのまま走っていって一色と会うのですが…。
 ここはわかりやすかったな。
 亜紀子に何か起きたんだな、みたいな。

 ともあれ、一色は原稿の依頼がきたとしり、あわてて帰宅します。
 奥さん置いてくなよオイ。
 で、亜紀子は何かに気付いて戸惑う。
 必死に探していましたが…。

 それからしばらく一色は原稿でてんてこまい。
 亜紀子が相談しようとしても「後にしてくれ」と取り合いませんでした。
 これを一色は悔やむことになるでしょうね。

 本田は遊園地で風船をあげるバイトみたいなのしてて、まあ適材適所だなとは思うのだけど、
奥さんとあの同僚とのデートを見守っていたわけです。
 娘さんが風船ちょうだい、ってきて、全部あげたら喜んで抱きついてきた娘さんを抱きしめ返して
しまうのも気持ちわかるなあ。
 と、ここで本田、家族連れでにぎわう中に亜紀子の姿を見かけます。

 本田は一色のところにきて、亜紀子が最近よく出かけるというのを聞く。
 先週の遊園地の話をしてみるも、一色は出かけてないと。
 それはそれで終わったのですが…。

 本田の方はあの同僚に会って怒ってました。
 でも同僚が奥さんのために気持ちを変えないと知るや黙って去って行きました。
 まあこれはこれで…。

 小料理屋で本田と飲んでる一色ですが、おかみさんが一色に何かタチのよくないものが
取りついている、という。
 それでお札をくれるのだけれども…。
 帰宅して早速はった一色ですが、ちょうど戻ってきた亜紀子がそのお札のせいで入れない
ことに気付いた。
 彼女は幽霊になっていたのです。
 そばにいた分一色の寿命を吸い取っていたから、一色の具合が悪くなってしまっていた。
 こないだ一色を呼びにきた時に体を失ったと気付いて体を探しにいこうとする一色ですが。
 死神が、亜紀子はもうなくなっている、と知らせてきます。
 一色が倒れたのでゆっくり布団に寝かせて、亜紀子は死神に幽霊申請を申し出るも、それが
一色の寿命を削ることだと聞かされ、あの世に行く決意をする。
 気持ちわかるなあ。
 というか死んだのではなくて、体がなくなっただけなのに死んだ扱いとか、案外融通きかないなと。
 
 一色と語らう亜紀子のシーン良かったです。

 一色が目を覚ますと亜紀子の姿はなく、置手紙であの世に行くと知った一色。
 急いで追いかけます。
 ここ、亜紀子が江ノ電に乗ってそれを一色が見守るシーンかと思ってたんだけど、ちゃんと一色が
追いついて亜紀子をつなぎとめようとするシーンでした。
 亜紀子はもう決めたことだから黙って見送って欲しい、と言いました。
 ここ後ろの死神の演技がすごく良い感じだなと思った。
 いつもはお調子者の死神が黙って顔をそむけるとこが。

 それと、一色の、どうしようもない悲しみの表現もいいなと思いました。
 変にベラベラしゃべるのでもなく、泣きわめくのでもなく。

 死神、あんなに寿命も残っていたのに、こんなに早くいく人じゃなかったと一色に話します。
 それを知って一色怒るけど、体が見つからないからどうにもできないという死神。
 ずいぶん死神局にかけあったみたいですね。
 で、一色は本田の話を思い出す。
 遊園地で亜紀子を見かけたってやつです。
 刑事に調べてもらった一色、その亜紀子の体がある家を探し当てた。
 なんでも、この家の奥さんは一度死んだんだけどその時に「こっちだ」という声がして、そこに
あった亜紀子の体に入ったらしいです。
 そうして家族のもとにいき、楽しく過ごしていたと。
 返さねばと思いつつ、ついつい長居してしまったそうです。
 あんたがそんなことしてる間に亜紀子があの世にいってんだからさぁ…。
 一色の思いたるや、どんなものでしょうね。
 
 一色、甲滝の小説原稿を読んでいて、亜紀子を取り戻しにいくと決意します。
 彼の絶筆となった原稿はあの世の話を描いていて、てっきり絵空物語だと思っていたけれども
これは実際に、あの世に行く話なんだと。
 ただし原稿は未完で終わっているため帰ってくる方法は実際に向こうにいる甲滝に聞くしかない。
 するとキンが、向こうの甲滝が住んでいる住所です、と出してくる。
 なぜこれをもっているのかは向こうで本人に聞いて下さい、と。

 そういうわけであの、食べて死にかけたマカイマツタケを食べて幽体になった一色。
 いざ、あの世へです。
 この展開面白かったけどここまでが長かったなあ…。
 江ノ電にこっそり乗り込んだ一色。
 死神が見つけて声かけてきます。
 どうやら死者には一対一で死神がついてる様子。
 一色は亜紀子の体が見つかった、と話します。
 この死神も協力的で良かったですね。

 ここの景色がすごかった。
 ジブリの世界のよう…といったら失礼だけど、それだけ幻想的でとても美しかったです。
 どなたでしたか、名言にあったけど「あの世はきっとすばらしいところなのでしょう。だって帰ってきた
人が一人もいないんですもの!」というのを思い出しました。

 この時点で思ってたんですけど、どうせ最後は帰る電車がなくて困るんだろうな、と予測して
いたのですが、江ノ電も死者迎えに行く車両があるはずだから、現世に迎えに行く時に乗って
行けばいい話なのでは…。そう簡単にはいかないか。

 さてさて。
 早速死神に頼んで亜紀子のことを調べてもらった一色。
 死神は困ったことになったと言ってくる。
 天頭鬼っていうやつがいるんだけど、人間の欲の塊が命を持った存在で、ずっと亜紀子に
執心していたやつらしいです。
 それに死神が手を出せないってのも変な話だな。
 ともあれ、一色はまず甲滝を訪ねた。
 するとそこには母がいたのです。
 一色は、やはり甲滝が自分の父だったと確信するのですが…。
 甲滝がアワアワと何かしてるので何かと思ったら。
 実は甲滝は父だったのでした。
 つまりですね、祖父から研究者になることを望まれていた父は、小説家の夢が捨てられず、
研究者の仕事もこなしつつ、ひそかに隠れ家で身を変えて小説家として作品を出していた。
 母もそれを知っていたから、いそいそ出かけてあの隠れ家で二人の暮らしを楽しんでいた、
ということだったのでした。
 なるほど。
 ちなみに母が死んだ時に連れ戻そうとこっちにきたんだけど、ここの暮らしが良かったから
そのまま住み着いたらしいですよ父。
 キンの言った「後を追うようになくなった」というのは間違ってなかったわけですな。
 つーか迷惑だろうがよ!子供に説明しときなさいよ!

 そんで天頭鬼が亜紀子をさらったと聞いた父、想像で戦えと言う。
 この世界はそれぞれの想像によって見え方が違うらしいです。
 一色が見えてる世界と、父が見えてる世界は違うんだって。
 ノラガミの、恵比寿様が見たイザナミ様と夜卜が見たイザナミ様が異なってたようなもんだね。
 ちなみに地獄もあるんだけど、それもまた、そこにいった人たちの想像の地獄らしいです。
 私がいったら鬼灯様やその他獄卒がいる地獄になるのか…!これは楽し…いや地獄は
いきたくないです(笑)。

 このあと亜紀子は天頭鬼の屋敷ですごい丁寧な扱い受けてるのがわかるんだけど、
あっさり一色が助けにきた。
 えー忍び込む苦労話とかないの…?
 天頭鬼は前世も前々世も夫婦になって許せんとか怒り狂ってます。
 亜紀子にずっと執心で何とか手に入れようとするも、生まれ変わるたびに一色と結婚して
しまうらしいよ。
 今回は生まれる年代をずらせたと思ってたのにやっぱり結婚してしまったって。
 そんな前前前世から結ばれてるんなら無理やん。(歌みたいに言うな)
 そしてここで一色が生まれた時に握っていたというキーホルダーの秘密が明らかに。なるほど。

 天頭鬼のもとから逃げ出すも、現世に行く江ノ電はない。
 ここで一色の想像力ですよ。
 電車を作り上げた。
 想像力で戦うとはいえ、あっさりモノにしてる展開もご都合主義すぎてなあ。
 うまくいかない描写とかまったくなかったし。

 一色、部下を竹刀でぶちのめしていたけどさすが山南さん、つええな!(大河ドラマ「新撰組!」で
山南敬助役を好演)
 天頭鬼に対しても、話してる最中に面食らわせてるの笑った。
 まあそうなりますよね。
 江ノ電で線路つたって天頭鬼から逃げるのに扉よりは、線路をなくして落とした方が早いと思うん
だけどな、一色さんよ。
 で、追いつめられていよいよピンチになり、亜紀子が結婚を誓わされそうになった時に、あの
貧乏神の茶碗がどこからか飛んでくる。
 唐突すぎてびっくりしたわ。
 もっとはよから何とかならんのですかね。
 というかこの結婚を誓わされるシーンもやたら長くて「まだかな…」という感じだったので、もう
少しテンポ考えて欲しかったな。もったいない。
 あと意地悪いツッコミをすると、誓ったところで一色が殺されないという保証はないよねっていう。

 天頭鬼は貧乏神の茶碗が二人を救ったことに対し、なぜ神々の道具を人間が持っている、と
驚く。
 亜紀子の行いが良かったからですね。
 そうして二人はその茶碗のゴンドラに乗って現世に戻ってきたのでした。
 あっさり。
 天頭鬼はなんの罰も受けないのかっていうか、ここで何とかしとかんとまた次の転生に
ちょっかい出されるんじゃないの?
 
 途中死神がうまくいったんすね、と手を振っていて、次の寿命が来るまでお幸せにって
言ってました。
 
 そうして現世に戻ってきた2人。
 力を使い果たして割れた茶碗もうまく継いで、亜紀子が使ってました。
 一色は甲滝というペンネームが父の名のアナグラムだったと気付きます。
 まあこれでひとまずは安心ということでしょうね。

 エンドロールで死神が「電車に飛び乗る表現がありますが法律で禁止されています」という
文字を示してるの面白かったです。

 エピソードが盛り沢山でわちゃわちゃしてる感じはあったけど、うまくまとまっててよかったです。
ただその分、奥さんのエピソードがえらい駆け足になったなとは感じた。
 庭にいる妖怪たちと一切絡みがなかったのはもったいない。
 あれだけキャッキャ遊んでるのだから、一色さんだけでなく、慣れた亜紀子がお菓子わけて
あげるシーン、とかあっても良かったのでは。
 もう少し夫婦仲良くの描写は欲しかったですね。
 前半原稿で忙しくてケンカしたりもあったけど、あまり亜紀子とのシーンがなくて、後半になって
死んだ妻を命かけても取り戻しにいく、という唐突さがもったいない。
 本田のエピソードはバッサリ削ってもう少し夫婦の話入れてたら良かったかな、とちょっと思いました。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→DESTINY 鎌倉ものがたり