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森のリトルギャング |
8/12鑑賞
これはッ!ぜひぜひ親子だけでなく友達とも家族とも、そして大人同士でも見て欲しい
映画です。
1時間半という、普通の映画見慣れてたら物足りない時間ですけど、なんていうか、
「あっはっは、一番のボンクラは人間ですのう」というのが堪能できて良いです。…なんか
他にもっといい言葉なかったのか…。
ただ非常に残念だなーと思ったのが、日本語吹替やった人たちはとてもうまいなと
思ったんですけど、友近さんがちょっと個人的にあまり好きではなくて、声にキャラクター
そのまんま出てる感じで、あの声を聞く度にフッと冷めてしまい、なんかあまり楽しめ
ませんでした。それと最後。武田鉄矢さんに「このバカチンが」と言わせる必要はあった
んでしょうか?なんでわざわざ金八先生をさせるんですか?面白かった映画台無しですよ。
このセリフ入れたやつ、二度と仕事するな。映画バカにしすぎ。
まず主役の動物が何かわからんというのは大問題だと思いますが、調べたらアライグマ
だった。アライグマだったらアライグマらしくちったぁ物洗わんかい!なんだその素敵マユゲ。
(氷河さん、顔の模様です)
登場するキャラクターは子供向けで分かりやすくて良かったけど、オポッサムは結構
マイナーどころ選んだかなぁ…いや死んだフリが得意な動物っていうので選んだのだと
思うけど最初何の動物かなと思ってましたし。
あとはコミカルでかわいいキャラでよかったですね。
さてさて。物語は、このアライグマのRJがさまよっているところから始まります。彼が
ハリーポッターきっての貧乏先生、ルーピン先生と何か係わり合いがあるのか(彼はR・J・ルーピン)
気になるところですが、多分まったく関係ないと思われます。フルハウスにも「DJ」という名前の
女の子が出てきますが、文字の響き自体が名前になるってのもあちらさんの言語独特で
面白いかもしれませんね。
まあそういうのはおいといてだ。(最初から激しく脱線)
自販機のスナックを取ろうとしたけど失敗。お金入れたように見えたけど出てこないって
ことは入れてないのかな?ご自慢のバッグからいろんなもの取り出して取ろうとしますが無理。
はっはっは、ガラスを壊せばいいのにそれに気がつかないのはさすが畜生の哀しさですね。
(子供も見る映画で何言ってんだ)
つかこのバッグ、ドラえもんの4次元ポケットなみの収納力があるんですけど。
で、腹ペコに耐えられなくなったRJは、冬眠しているクマのぷーさん…だったら良かった
のですが、グリズリーっぽいクマのヴィンセントの貯蓄したエサを狙うわけです…ってこれ
全部お菓子ですやん!あとヴィンセントって!
ヴィンセントというのはラテン語で「征服する」という意味の単語からきています。ま、
ピッタリといやピッタリだけど。
あとグリズリーとアライグマの組み合わせはコロンビア映画「グリズリー」の、ツーショット
からのパロディなんでしょうか?ま、いいけど。
ヴィンセントが目を覚まして逃げようとしたものの大失敗、お菓子は転落して車にひかれて
ペシャンコ。RJはそのお菓子の弁償を約束させられます。
というわけで困った彼が狙ったのは、冬眠から覚めて自分達の森が半分以上消えている
ことに呆然としている森の仲間達。垣根の向こうが住宅街であり、食べ物が豊富であることを
教えてそそのかし、食料を手に入れるのに協力させようという魂胆です。
森の仲間達は、亀でリーダーのヴァーン。常に界王券8倍くらい発動してそうなリスのハミー。
スカンクのステラ、ヤマアラシファミリー、オポッサム親子と。リアル現実ではどう考えても共存は
ムリな組み合わせです。(夢台無し)
で、彼らはまた冬眠するために食料を集めなくてはならず、この森の広さでは難しいので
悩んでいたところへ、RJは人間の食べ物を見せてそそのかし、垣根を越えて食べ物を集めようと
提案するわけです。
慎重なリーダーのヴァーンは皆を止めますが、一度便利な生活を知ってしまったらなかなか
元へ戻れないように、一度人間の食料のおいしさを知ってしまった彼らは誘惑に勝てず次々と
侵入。最初はびっくりしていたものの慣れるに従って行動が大胆に。
動物園とか、いろんなパークで飼われている動物もやはり、一度手抜きを覚えると二度と
面倒なことはしなくなるそうです。また、こうやるとエサがもらえる、ということを学習するのも
早いそうです。まあ逆に言えばこういった習性を利用して、より楽しく「動物を見せられる」ように
出来れば、マンネリ、客減少から脱却できるのでは?それに成功したのが北海道の旭山動物園
でしょう。
また、人間の食料がおいしいのは、化学調味料を使っているから。あれは神経へダイレクトに
ひびくから「おいしい」のです。子供はこういうのが好きだからまあ多少は与えるにしても、
「素材の美味しさ」を教えることもまた大切です。子供の、味覚があまり十分発達してないうちから
インスタント食品、スナック菓子に慣れさせすぎると生活習慣病になりやすくなります。
もちろん、こんなもの絶対に動物に与えてはいけません。(これは映画の中での話です)
…でもう一つ。昔ハムスターを飼っておりましたが、一度高い豆腐やら果物やらをやると、次から
安いものを与えると、受け取りはするものの、投げ捨てやがりました。動物はものの味に、本当に
素直です。ちくしょうめ。
また話がずれました。
RJが食料を一杯に溜め込んで安心したのもつかの間、ヴァーンが勝手に荷物をまとめて、
それを人間に返そうとしていました。彼は、これを返せば人間達の騒ぎも静まると考えての
ことだったのですが、そんなことされたらたまらんRJ。あわてて止めようとして、遊び好きの
犬に絡まれ大変なことに。この犬が「あそぼ」だけのセリフなんですけどすごい面白い。
でもってまた食料は台無しに。ここでヴァーンの甲羅が外れるというハプニングが(笑)。
責任を感じたヴァーンはRJに協力を申し出て、彼らは今度こそちゃんと食料をゲットしよう!
という計画を立てます。ところが今度はRJの方が、こんな親切で一生懸命な仲間達に対して
罪悪感を持ち始めるのです。
今まで一人で生きてきたRJに、ここまで優しくしてくれる森の仲間達。
それをふりきって、食料ゲット計画を立てるRJ。
このミッションはM:I-3顔負けですよ(笑)。
ハミーが侵入してトラップ解除、ステラが猫に化けて飼い猫をまるめこみ、家のカギをゲット。
で、皆が侵入して食料を盗むと。
ところがここまではうまくいっていたものの、RJが欲を出して、棚の中にあるチップスを取ろうと
して、家人のグラディスに気づかれ大騒ぎに。
逃げられたのはRJだけ。後は全員ハンターのヴァーミネーターにとッ捕まってしまいました。
RJはヴィンセントへ食料を届けにいくわけですけど、今自分が本当にしなければならないことは
何なのか、ということに気づきます。
食料の乗ったワゴンをヴァーミネーターのトラックに突っ込ませたはいいけれど、そっから
ヴィンセントものっかってきたりして、人間顔負けのカーチェイスですよ(笑)。
ここで一番笑ったのは、結局これ引き返してグラディスの家に突っ込むんですけど、カーナビが
最後「目的地に到着しました」と言う事。ここで文章にするとあんま面白くないんだけど、これは
是非場面を実際に見てゲラゲラ笑っていただきたいですね。
これで済むわけがないのが映画のいいところ。逃げようとしたら垣根の向こう側にヴィンセント、
こちら側は人間と大ピンチ。ここでまたまた皆大活躍。
なんといってもRJとヴァーンの連係プレイでしょうか。
で、ヴィンセントもサヨウナラ、グラディスもヴァーミネーターも逮捕されてめでたしめでたし。
森には平和が戻ったのでした。
最後ぐっとくるのが、RJの本当の理由を聞いてヴァーンが「なんだそんなこと」というんですね。
「(ヴィンセントのために)食料が必要なら言ってくれれば僕たちは手伝ったよ」と。
森の開発によって日々、生活の場所がなくなっていく動物たち。
危険な場所と分からず人里へ食料を求め、下りてきて射殺される熊たち。
捨てられているコンビニ袋をエサだと思って口にし、窒息して死ぬ鳥たち。
この映画は子供向けに、動物達のドタバタを描いたコメディーですが、裏にはこんな皮肉が
めいっぱいこめられていると思います。
ただ笑うだけでなく、これは現実問題だと、見た人が学ぶべきではないかとちょっと思ったり
します。
動物が冬眠から目覚めた時、そこに眠る前の風景があるように。
私達人間は便利な生活を求めるのではなく、そういった「当たり前のこと」を求めるべきなの
かもしれません。
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