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エラゴン
遺志を継ぐ者

12/27鑑賞

 見た感想。
 やばい、今年最後の映画にとんだクソを選んでしまった……………。
 まだブラックダリアの方が完結してる分マシだった…。


 あ、そうそう。
 海賊版撲滅キャンペーンのCMが新しくなっていました。私はこちらの方が断然好き。
見ていて面白い。
 海賊版DVDを男性が買おうとしている絵があったんですが、DVDタイトルが「スーパー
メソ」になってて笑いました。うん、こっちの方がいい。

 さてさて。
 ナレーションでプロローグ部分が語られます。
 昔ドラゴンライダーっつーのが沢山いたけど、勢力争いを始めてしまって、勝った
ガルバトリックスっつーのが国を支配しはじめたと。
 まあイントロダクションに過ぎないから、さくさくとこのあたりを語ってしまうのは時間
節約になって良かったです。

 そんでだ。
 女が「王から盗み出した石」を持って逃げるシーンから始まるのですが。
 後ろを走ってた男二人、てっきり敵勢だと思ってたらこの女の護衛だった(笑)。
 で、王の腹心の部下、ダーザとかいうのが出てきてあっさり女アーリアをとッ捕まえる。
 ところがどっこいアーリアもタッチの差でその石をどっかに転送。
 それをたまたま狩りにきていたこの物語の主人公、エラゴンが拾うわけです。つかその石を
転送されるまで見せないから、なんか魔法を使ったことによって出現した別のものかと
思ってみてたよ…。
 にしてもめっちゃ地味な主役やのう。なんか誰かに似てる…押尾学!?しかも主人公の
家が鬼太郎ハウスに見えます。

 んでエラゴンはその青色の石を持ち帰り、あーだこーだと。
 最初に肉屋にもってって、高級な肉との物々交換を試みようとするあたり、こいつの知性は
かなり低そうだとわかります。拾った石と貴重な肉を交換するバカがどこにいんだ。

 エラゴンには一緒に育った…いとこ?みたいなのがいて、そいつは王軍の兵隊にとられ
ないため、村を出ると言います。
 いやっ、思わせぶりに村を出たからには何か役に立とうよ!大抵の小説では後に出てきて
主人公を助けるとか、実は王軍の中にいて、立場上敵対することになってしまうとかあるわけ
ですが、本当にこいつは出て行ったきりでした…。シェーン!カムバーック!
 このあたりでもうこの話のクソ加減を感じます…。

 んであの石からいきなりドラゴン誕生!
 これはかわいかった。マジかわいい。卵の殻を嘴打ちするための骨がなかったという
ミスを除けば、よく出来てると思います。ここは目を皿のようにしてかわいいドラゴンの
赤たんをジックリ見るべきでしょう。あかたんかわいい。
 ドラゴンは生まれてすぐに立ち上がり、エサを自分で捕食していることからも、生物学に
おいては早生型であると考えられますね。ま、そうでないと生きてけないか…。

 一方王。ドラゴンが孵化したことを悟ります。…いやあんた、イスにもたれかかって寝て
んの?ちゃんとベッドで寝たほうがいいよ。あとパジャマとかナイトシャツに着替えないと、
鎧着たままだと体に悪いよ。
 みのもんたも言ってるよ。(言ってねぇよ)

 で、ドラゴン。
 成長するまでに結構時間かかるんじゃないかなと思ったのですが、時間節約のためか、
空を飛んでいるうちにギューンと若竜になりました。はやっ。
 そしてエラゴンに「私の名はサフィラ」と名乗ります。やはり言葉もしゃべれないうちから、
「タマ」とか「ミケ」とか、「ドラゴンだからドラ子」というような安易な名前をつけられたく
なかったものと思われます。
 私なら間違いなくドラミです。
 
 そうしてエラゴン…えっといきなり誰の家へ不法侵入してるんですか…?つーかずっと
思ってたんだが、お前には道徳観とか一般常識というものはないのか。
 不法侵入を見咎められた上に、出て行けといわれているのに、「ドラゴンのこともっと
話して」とか「あれは事実なんでしょ」とか笑顔で話しかけています。どう考えても精神的に
問題のある子としか見えないのですが。
 侵入された家主のブラムは渋い顔で追い払います。
 で、エラゴン。
 物々交換を持ちかけて断られた肉屋の親父が、恐らく王が手向けたであろう追っ手に
殺されるところを目撃。慌てて自宅へ向かおうとするのですが、サフィラがこれを持ち上げ、
行くのを妨害。
「あなたまで殺される」「おろせ」「ほってはおけない」「いいからおろせ」と、同じことをグルグル
言っている不毛な会話が続き、サフィラはエラゴンを叩き落しました。
 で、エラゴン駆けつけてみるとおじさんは殺されていましたとさ。
 サフィラのせいとか言う前に、お前が不法侵入しにいかなければもっと何とかなってたと
思うのですが。とにかく誰かのせいにしないと気にすまないこの主人公、私が王だったら
さっさとデスノートに名前を書いているところです。(作品違う)
「My uncle killed cause her.」だっけか。彼女のせい、ではなくあんたのせいなんだが。

 そこへ駆けつけてきたブロムに引きずられるような形で村を出たエラゴン。王を倒すために
結成された反乱軍、ヴァーデンへ向かうのですよ。
 …いやさ、この道のりが長いの長くないのって。上映時間約110分だったかな、えーその
うちの大体70分くらいが移動で終わりました…。いや肝心なのは道のりじゃなくて、王を
倒すシーンだと思うのですが!
 あと、向かうことを決めたのはいいのですが、空へ羽ばたいたサフィラがさっそく王の
軍勢に見つかってます。ダメだこいつ…早くなんとかしないと…!

 しかもブラムは早いトコヴァーデンへ向かおうと言ってるのに、エラゴンは「自分は強いから
大丈夫さ」みたいなこと言うんですね。
 その根拠は従兄を相手に昔からチャンバラやってたからだと。
 それ、「通信教育で柔道の黒帯持ってます」と言う奴と同じくらい信用できない根拠だと
思うけど。
 案の定ブラムにコテンパンにのされます。
 しかもその時の言い訳がすごい。年寄り相手だから手加減したんだってさ。
 おーい誰か、こいつヴォルデモートと対決させてこい。

 そんでやっとこさ中継地点みたいなとこについて、そこで敵に追いつかれて襲われて、
エラゴン無我夢中で魔法に目覚めて魔法発動、というのはまあいいにしても。
 ここで出てきた予言者は何か意味が…?本当に、出てくる人物に意味のない物語だな。
 そんでまあ、こっから先は飛んでいけ、という話をブラムが言うわけですが。
 その言葉に「今誰か飛ぶと言った?」とものすごい勢いでサフィラが駆けつけてきたのは
ちょっと笑った。

 ここで目一杯、最新映像技術を駆使した(ある意味無意味な時間)飛翔映像が見られる
わけですが。ドラゴンの早さは時速100kmくらいですか…?
 あと、ドラゴンと一体化することによって、ドラゴンの見ている景色が見られるというのは
ちょっとうらやましくていいな。飛ぶ動物である以上、鳥と同じような目をもってるわけ
ですから…。特定の場所ズームインとか。
 ま、それで呑気に遊んでいたエラゴンはブラムの危機を見つけ、駆けつけるのですが、
無茶しかけてサフィラを危険な目に。お前はいつになったら学習するんだ。

 その時にふとした拍子でエラゴンはブラムもドラゴンライダーであったことを知るわけです。
が、ブラムもまた若気の至りみたいなんで無茶して、庇ったドラゴンを失っていたのでした。
 その話が心に響くかと思いきや、エラゴンはアホですから聞き流していたり。
 映画が始まってから一時間経過したわけですが、目的地にたどり着くどころか、未だ
勇者の自覚がないエラゴンに泣けてきます。
 夢でアーリアが捕らわれているのを見たからと、ヴァーデンとは反対方向の、王のアジトへ
単身乗り込むのですよ…。
 あの…ほんっっっっとお願いだから、ろくに戦えない、魔法も使えない身で、「愛と勇気だけが
友達さ」のノリで敵の懐へ飛び込まないで下さい。

 案の定ワナでした。
 エラゴンさんへ。
 多分あなたを除く観客全員が、ワナだと分かっていたと思います。

 で、敵のダーザというのにやられかけたところをブラムが身を挺して救い、からくも
逃げ出したエラゴンですが、ブラムを失ったのでした。
 禁句だが言おう。
 ブラムの代わりにお前が死ねばよかったのに、エラゴン。
 私がもしこの一行に加わっていたら、エラゴンが単身王のもとへ向かった時点で見捨てて
ヴァーデンへ向かってますね。そこまで面倒見きれん。

 アーリアを救ったはいいけれど、毒に犯されていて一刻も早くヴァーデンにたどり着く
必要があり。ブラムは死に。
 エラゴンよ、無謀なことばかりやらかして、あんたはいつになったら勇者の自覚を持つのか。
 ちなみにサフィラが「これくらいしか出来ないけど」とブラムの墓に積み上げられた岩を
溶かす?か何かして水晶みたくしてました。あの、死体がモロ見えて怖いんですが…。
 それとここで「padfoot」という単語が出てきてちょっとだけ笑った。

 ここで、敵のアジトからついてきたという、一応味方のマータグという人が加わるのですが。
この人はすごくかっこよかった。主役を食うくらい存在感あったし。この人が勇者の方が
よかったかもな…。

 ともあれやっとこさヴァーデンにつきまして。
 ええと…ここで残り時間あと20分だったわけですが…。この後始末どうされるつもりで。
 ちなみに王、この時点に至ってもチョイ役でしか出てきてません。(気の毒)
 
 で、追いついてきた王の軍と戦うことを決心するわけですが、マータグは、ブラムと戦い
ブラムのドラゴンを殺したモーガンだっけ、あれの息子ということが判明、捕らえられてしまう
わけです。
 そんな急展開されてもついてけんよ…。
 一方回復したアーリアは戦線に加わります。
 さてさて。
 敵と戦ってダーザを倒して、傷ついたサフィラを助けるために力が目覚めたけどそこで
力尽きて失神。
 目覚めたらマータグがいました。
 サフィラのことを尋ねるエラゴンに対して彼は…
「かけがえのない友だった…」

 がっくりするエラゴンのもとに羽ばたきが。
 そう、サフィラは助かっていたのです。
 自国へと旅立ったアーリアを追いかけ、一言別れの言葉を述べて、エラゴンはサフィラに
またがり飛び立っていきました。

 一方、苦々しげに自分の竜を登場させる王。
 




 ここで終わりやがった。
 

 王のドラゴンなんか1秒出ただけですよ?


 作った奴何考えてんだか…。
 流石にこれを「ファンタジー巨編」というのは気がひけますし、他の作品に失礼であると
思います。原作がどんなもんかは知らないけど少なくともこの映画は最低です。
 城でイスに座りっぱなしだった王の立場がねーよ。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→エラゴン 遺志を継ぐ者