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THE DEPARTED |
1/31鑑賞
これ、暴力的表現が多いことからR−15指定なんですが。
それ以前にこの物語の意味自体が理解できないのですがどうしたらいいんでしょうか。
まあ唯一の収穫は、ハリポタ最新CMが見られたということでしょうか。prof.スネイプが
すげぇかっこよかったです。「奴の手にかかればお前などたった2秒で支配される!」と。
3秒でも1秒でもなく2秒なあたりが、微妙にハリーに対する複雑な気持ちを表していると
思います。(どこがだ)
ストーリーとしてはね、単純なんスよ。
マフィアに潜入捜査してる警察官が頑張ってその組織を壊滅させるまでの話。そして、
実はマフィアが潜ませていた警察内のスパイが情報を流したり、この潜入捜査している
警察官の正体を探ろうとする話。
と、こう書けばいかにも面白そうな展開なんですが。
話がまったく進展しないんですよ。
マフィアに潜入捜査を命じられた警察官ビリー。潜入して信用を得て、トラブルに巻き込まれ
ては警察官の上司に「早くコステロ(マフィアのボス)を起訴してくれ」とくってかかり、なだめられ、
苦悩する。これが延々2時間続きます。はい、これだけです。
で、最後らへんでやっとこさ緊迫する展開になりますが、はっきりいって「これまでの
苦労は何?」というくらいあっさりとアホ展開になります。
…ではどうぞ。
えーその昔。
ケネディ大統領のエピソード。彼が大統領になって良かったことは、黒人だけでなくアイルランド系の
人達にも就職のあてがついたということだそうです。へぇー。
んでなんかガキが、マフィアのボスっぽいやつにいろいろ奢ってもらってる。すげぇなおい。子供の
ころから甘やかされまくってるな。
次に場面変わって警察官の研修みたいな場面なのですが、人間の体内に入った9ミリの
ハローポイント弾がどのように炸裂するかなんてどうでもいい。っつーかその詳しい講義シーンは
何か意味あんのか。伏線かと思ったら特に何もなかったから余計に腹立つ(笑)。
んで、サリバンという男が、SIUという部署に呼びつけられて話をしています。
あれか、いわゆる昇進というやつか。
このエリートめ!
次にビリー。
彼も呼ばれたことは呼ばれたけれどもなんと、警察を辞めて5年間、マフィアに潜入
することを命じられます。
危険度はサリバンの比じゃねーわな。
アメリカではこういった潜入捜査が日常的に行われていて、テレビなどでよく逮捕劇を
やっていますが、その裏には警察官であることがばれて殺された人も沢山いるわけです。
また、中には、マフィアと接触中に別の部署の警察の取り締まりとかFBIのガサ入れに遭い、
本来味方同士なのに銃撃戦に加わらざるを得なかった人もいるようで(なんとかして逃げた
そうですが)、日本と違い安月給の割りに仕事はハード、ってな感じのようです。
さてサリバンがつくことになった任務は、マフィア、コステロの逮捕。なんかねぇ、すごいブツを
中国に売り渡そうとしてるみたいです。ただこのこと自体はこの話に特に重要ではありません。
説明すんのに死体写真見せて「これが近影だ」っつーのもすごいブラックジョークですが、
ビリーに潜入捜査を命じた上司クィーナンとディグナムも一癖ありそうな人物だぁ。
特にディグナムは口が悪い。Mother Fucker、Fuck off!、その他いろいろ、普通のテレビ
だとピー音入りそうな言葉の連発です。ビリーも応酬してるからどーしよーもないですが。
ここからビリーの孤独で長い戦いが始まります。
あとサリバン。エレベーターのドア押さえて延々人と話すんな。乗ってる人がすごい
迷惑な顔してるだろ。シンドラー社製エレベーターだったらドア開いてても上昇して
クビチョンパだぞ(不謹慎なこと言うな)。
降りて話しろ。
んで精神科医の女医さんをディナーに誘ったんはいいんですが、デザートをどうやって
食うかなんて話してるし。どういったらいいんですかねー。見た目にはカステラにクラッカー
刺したようなのが微妙なバランスで立ってるタワーみたいな菓子、としか…。
いやこれギャルソン呼んで切り分けさせればいいじゃない?
一方ビリー。
たまたまメシ食ってて叩きのめした相手がコステロの親友の知り合いっつーか関係者で、
そっから皮肉なことに潜入成功でした。
サリバンが電話をしていて、次のシーンでコステロがそれに答えて電話で話してる、という
シーンがあり。
こりゃてっきり名探偵コナン「天国へのカウントダウン」で出てきた、灰原さんと黒の組織の
会話のように見せたミスリードかと思ってたんですが。別にひっかけでもなんでもなく本当に
話していたようです。あっさりネタバレしやがって。
つまり警察に潜入していたコステロの手先はサリバン。
そしてサリバンは、「SIUの情報がコステロに漏れてる。やつのネズミがいるんだ。俺達は
俺達で動こうぜ」みたいなことを新しく採用されたメンバーに持ちかけて、ディグナムらを
信用しないように仕向けていくのかな。まあ知りませんが、うまいこと情報を使った形です。
あとビリー。
薬を酒で飲むな。
まあビリーの方は、いつ終わるとも知れない潜入捜査ですから、もう精神安定剤とか、
睡眠薬なしでは過ごせなくなっているわけですね。
そんで何の皮肉か、サリバンが付き合っているあの女医さんのところへ通うわけです。
そしてサリバンはコステロに、「警察のネズミが入った」と告げました。
まあSIUで長年やってるくらいですから、サリバンの不審な動きに気がつかないディグナムでは
ないわけで。
彼は彼でどうも独自に動いているっぽい。唯一この作品の中で私は彼が好きですね。
いよいよ大きな取引現場。
警察が携帯から位置を特定しようとしていると知ったサリバンは、携帯は使うなとメールで
メッセージ。
電源を切るように通知が来ます。ところがそれをしてしまうとビリーがいても位置が特定
出来なくなり困ってしまう。かといって携帯の電源を入れておくと自分がネズミだとばれて
しまう。
苦肉の策でビリーはギリギリ「$」の文字をメール送信。つまり、ドルが動いた→取引が
行われたというメッセージですね。かっこいいわービリー。
ここのやり取りはなかなか良かったです。コナン見てるようでした。
ところが、急いだあまりカメラがちゃんと仕掛けられてなくて、サリバンによってその死角で
取引が行われたことだとか、車で脱出と見せかけて船で逃げたとかいろいろあり、計画は
散々。警察は内部で取っ組み合い。
なんつーか、コステロは笑いが止まらんでしょうな。
まんまと一杯食わせたわけだから。
で、女医さんは付き合うことになったらしく、サリバンに朝食でフレンチドーナツどうぞって
渡してるんですけど。あの…それどう見てもクロワッサンに見えるのですが。
さてさて。
その取引現場で、メールを送信した人間がいるということがサリバンの話で分かり、コステロは
あの日の取引メンバーにネズミがいると絞込みを始めました。
まあ一番怪しいのは新入りのビリーですわな。
それで、社会保障番号だっけ、あれと本名を書かせて調べることにするわけですね。
この番号っつーのは日本で言う住民基本台帳の番号みたいなもんで、一人として同じものは
なく、国民誰もが必ず持っている番号だそうです。いやそれはいいとしても、何桁か知りませんが、
全員そらでかけることに驚いたよ。
で、一人、シチズンのスペルがわからんとかいう人がいるので親切に書いてあげるビリー。
優しいなぁ。
SIUもやっと自分達の中にネズミが潜入していることに気づいて、そのあぶり出しを始める
わけなんですが。よりによってサリバンに頼むなよド畜生がー!!!!
これは流石に、わざと頼んだのだと思っていましたが、本当に知らずに頼んだようです。
ビリー、コステロの動向を見守りにいって、警察に侵入しているネズミのあぶり出しをしようと
するのですが、あと一歩のところで逃げられちまいました。残念。
この後、ビリーをネズミじゃないかとカマかけるコステロが彼を呼び出して、二人の会話が
延々続くのですが、レンタルDVDなどでご覧になられる場合、思いっきり飛ばして良いと
思います。
サリバンは例のメンバーの社会保障番号と名前を手に入れて警察のサーチにかけますが
怪しい人間はおらず。
そんである作戦に出るわけです。
クィーナンが怪しいといって尾行させる。
まあシロですから何も出ませんが、マフィアに潜入しているネズミの正体は知っているわけ
ですからいつかどこかで接触すると。
それを適当な理由つけて捕まえればネズミの正体がわかると。
しっかし…クィーナン、警察のクセに尾行に気がつかないってどういうことやねん。
なんか二人が会うまでの過程がデスノートみたいでした。電車の中でいろいろレイ・イワマツに
指示する月、みたいな。
それはともかく、どっかのビルの屋上でこっそり会ってるはずなのに声でけーよビリー。
あたり一面に響き渡るくらいの声でしゃべってんじゃねーよ。
お前はしゃべりながら逃げておもくそ見つかって発砲された「16 Blocks」のエディかよ。
ここで二人はサリバンの罠にはまり追い詰められます。コステロの部下も、警察も駆けつけて
大ピンチ。ビリーが見つかれば始末されるか捜査が台無しになるかのどちらかしかない。
で、ビリーを逃がしクィーナンはその場に留まるのですが…。
先に駆けつけたのはコステロの手先。
そいつらによってクィーナンは屋上から落とされ死亡します。呆然と立ちすくむビリー。
ここに、仲間から連絡が入り、「すぐに314通りへこい!」と言われます。
んで屋上から降りてきた仲間達に「ビリーお前何やってんだよ」みたいなこと言われて
逃げようとしますが、事態に気づいた警察と撃ち合い。命からがら逃げ出します。
この時に銃で撃たれて致命傷を負った仲間が。
ビリーを呼び、こういいます。
「俺はあの時間違えて314通りへ来いといった。だがお前は正確な344通りにいた」
焦ったビリーは口止めしようとするんですが、それをさらに押さえてその仲間はこう
言います。
「だが俺は黙っていた。何故だかわかるか」
…………そこで絶命すんなよおっさぁぁぁぁぁぁん!!!!!
ま、その謎は数日後明らかになります。
その死体を別の仲間達が湖に沈めたのですが、あっさり発見されまして。
彼もまた覆面警官であったことが判明するのです。
そう、仲間だと分かったからビリーのことを言わなかった。
このエピソードはとても良かったです。
そういうわけで、「ネズミ」が偶然とはいえ始末されたと安心するコステロの仲間達。
で、サリバン。
何とかしてネズミの情報を出そうとするのですが、ディグナムの方が上手。
パスワードを明かさないまま休暇をとっちまいました。やるな(笑)。
ところが。
クィーナンの携帯電話に注目。
最後の履歴にかけるわけです。
ビリーもバカだからわざわざ出て、その後かけなおして会話してるし。アホかお前。
なんとか物語も大詰めで。
クィーナンの後任と聞いてサリバン信用してるビリーはあれこれ情報を流し。それを
サリバンがあれこれ操作して、その後コステロに流し。もうきみらはね、クリスマスパーティで
輪になってプレゼント右から左へ渡してるんじゃないんだから。
大きな取引現場に乗り込んだサリバンはそこでコステロをなんと殺害しちまいます。
理由は、コステロがFBIの犬だったから。
コステロが捕まらない理由はここにあったんですね。適当に情報流して自分以外を
逮捕させ、その見返りで自分はノータッチみたいな。サリバンもいつか自分が売られる
と危惧してこんなことしたみたいです。
つーか何の思い入れもなくというか、あっさりと殺せる神経はすごいな。
こうして一応捜査は終了。ディグナムは勢いあまったのか辞職。
ビリーは警察に戻ってきますが。
そこであの、自分が「シチズン」と書いてやった封筒を見つけるわけです。
急いで立ち去るビリー。
自分の正体がばれたことを知り、ビリーから聞き出していたパスワードを使って
ビリーが警察官であるという記録を抹殺するサリバン。
双方やっとこさ正体に気づきました。おっせーよ。
っていうかそこでは何も気がつかないフリして、身分戻させてから立ち去れば
よかったのに、ビリー。…なんか双方最後のツメが甘いように思います。
で、ビリーはあの女医さんに「自分に何かあったら見て」と頼みました。これが
何だったかは結局わかんないんですけども。
少ししてサリバン宛にビリーから封筒が送られてきました。女医さんはそれを
あけてCDであるのを確認して聞きます。
そうしてサリバンの正体を知るんですね。
サリバンはビリーに呼び出され、身分を戻せとか言われるのですが。
えー。
そこに警察官がやってきて、マフィアの残党(サリバンと同じように警察に潜り
こんでた)もやってきたから余計に事態がややこしくなったわけで。
最後生き残ったサリバンはそこを立ち去ります。ええ、あっさりとビリーは
殺されましたとも。
女医さんにも去られて一人になったサリバンですが、まだ警察内に正体は
ばれてない。
ブツブツ言いながら帰宅したところに待ち構えていたのはディグナム。
And then there were none leaving "DEPARTED".
departedはdeadが単なる死体を示すのに対し、宗教的な意味合いが強く、この映画に
合わせて言うならば、くそったれな現世からちょっとはマシなあの世に行った連中、と
いうところでしょうか。
まああんまし内容的にも倫理的にもどうかなって映画ではありましたが、タイトルセンスは
まあまあ良かったんじゃないかと勝手に思ったり。
ちなみに最初あたりでこの単語は出てきますので、よく言葉を聞いておかれると良いかと。
話の方向性があちらこちらに飛んでしまいましたね。
二人の騙しあいというか、頭脳戦をもっと押し出してよかったんじゃないかと。サリバンが
情報を流し、コステロが警察の包囲網を脱出する。そのそばでビリーが息を潜めながら
警察に情報を送っている、みたいな感じが。
まあ登場人物殆ど殺しちまって一掃して終わるのは逆に潔くて良いですが(笑)。
終わった後で浮かんだのはあの有名な「そして誰もいなくなった」でした。
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