多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→バブルへGO!!〜タイムマシンはドラム式〜


バブルへGO!!
〜タイムマシンはドラム式〜

3/5鑑賞

 この映画はいい感じに力が抜けてて良かったですね。
 良い意味でのグダグダな映画。
 ギャグとして楽しめばいいと思います。
 リアルタイムでバブル時代を知らなくても、昔はこんなだったという雰囲気はわかるかと
思いますので。ただまあ、予算の関係上か、あんましバブル時代の背景が十分描かれて
いたとはいえず、それはちと残念でした。

 バブルは崩壊して初めてバブルとわかる(アラン・グリーンスパン前米国中央銀行(FRB)議長)

 わたくしこの言葉を書きとめたつもりで、FBIと書いておりました。FBIがバブルに何の用だ。
 ところでごはんって食べてから初めて食べすぎたってわかるよね!(黙れブタ)
 
 物語はある土砂降りの雨の日の葬式から始まります。
 お母さんが亡くなったらしい真弓という女性が主役のようです。
 にしても梵字のついた位牌なんて初めて見た。梵字ちゃんとチェックしてなかったけど天台宗か
真言宗、浄土宗のどれかだと思うんですが…。
 何か特別なこだわりでもあるんでしょうか?役者さんの宗教の都合かもしれませんね。

 さて。
 真弓は同棲してた男に騙されて200万の借金を支払うハメになったらしいです。は?いや
普通そんなの払う義務ないけど。よっぽど無知で名義貸しでもしたか、カードでも持ち出された
のでしょうかねー。
 ともかく。
 借金の取立て屋が香典をそのままもらっていくんですが、これ現実じゃありえねーな。
香典泥棒ですもん。通報したら一発逮捕でっせ。いくら借金があるからといっても認められない。
いやー腹立つなぁ。
 ただびっくりしたのはこの人が劇団ひとりだということ。演技うまいなこの人。
 あと、真弓の知り合いらしき女性が二人、ヒソヒソ話をしているのですが、宝石ジャラジャラ、
胸の大きく開いた服と、とても葬式に来るような格好ではなかったのが気になりました。

 そこへやってきた男が一人。大分くたびれてはいますが、政府の偉い人みたいな感じ。
これが阿部寛かー。

 借金取りこと田島は真弓を追い掛け回して借金取立てをしてますが、これも現在の法律に
照らし合わせればホントはアウト。
 まあいいや。
 田島に500円借りてハンバーガー食ってる場合じゃないだろ真弓。小銭ポッケに入れるな。
失くすぞ。
 家に帰るとあの葬式の時のおっさんが待っていました。
 名前を下川路。なんだそのめっちゃ覚えにくい・言いにくい名前は。
 彼は母が死んでいないこと、政府が秘密裏に進めている計画があることとかしゃべって
帰って行きました。

 んでまあ真弓は財務省にやってきて話を聞き、1990年にタイムスリップして行方不明に
なっているという母を助けるためと、あと自分の借金を帳消しするために過去へ旅立つ
ことにしたのでした。動機が不純だ。
 ちなみに他の奴が行けばいいだろうがよとか思っていたのですが、そこはほれ、ご都合
主義で、体格的に他の人は適合しないとか。ええい財務省には女はおらんのか。
 ここで出てくる、下川路の相棒みたいな存在の菅井という人は、踊る大捜査線で室井さんと
張り合っていた、現段階での捜査一課課長の役をしてた人。この人シリアスもギャグも出来る
から好きなんですよねー。結構名脇役さんと言っては失礼ですが、なくてはならない存在の
人だと思います。
 菅井さんもタイムマシンで過去にいけるか試した一人ですが、靴下が色落ちしただけだった
そうです。残念!

 あとタイムマシンおいてあるところが「MOF」のテープ張り巡らせてあって、「現在官僚系もふ」
を知ってるわたくしとしましては思わずニヤリとした一面でした。

 で、ママさんの研究室だというところに連れてこられた真弓。ものめずらしさにそこらのものを
さわりまくってます。
「あっそれは!」と下川路が制止するのも一歩遅く、扇風機のスイッチを入れれば爆風とともに
それは吹っ飛び、掃除機のスイッチを入れればあらゆるものを吸い込み。
 …真弓。いいからお前は何も触るな。
 それにしても何故下川路さんはこのことを知っていたのでしょうね?

 ちなみにタイムマシンはドラム式でした。えっと…昔からあるとかなんとか言ってますが、主に
ヨーロッパで使われていた形式で、日本では業務用として主に使われ、ナナメ式のものが家庭用に
登場したのはごく最近のことです。
 使う水が少なくて済むのですがその分洗濯に時間がかかるのが欠点で、ナナメ式のものはこれを
うまく改良したんでしょうかね。
 ちなみにバブル崩壊よりも前の80年代には日本に登場していたとのことです。
 だから最先端の家電製品として、システムキッチンとともにこのドラム式洗濯機は導入されて
いるので、バブルを堪能していた人の中には、この映画にドラム式洗濯機が使われているという
ことでニヤリとした人もいるかも知れません。トレンディドラマではよく出てきてましたね。

 余談が長くなりましたが、ともあれこの中に水着で入った真弓は過去へまっしぐら。…で、これ
どうやって帰って来るんですか?
 あと、バブル崩壊を止めるのはいいですが、その前に歴史も変わると思います。

 キーパーソンは芹沢局長ってのだそうてす。芹沢鴨ですか!?新撰組ですか!?(違う)
 …真弓が財務省に行った時にすれ違いに出てきた、芹沢ファンドの代表の、過去の姿と
いうことですな。

 タイムマシン、ムダに光放つのはいいけどさ、そこの研究者、溶接用のマスクかぶってんぞ。

 さて過去にやってまいりました。
 携帯も圏外。まだ基地局がないからというよりは周波数の関係で圏外なのかな?まあわからん
けども。
 真弓はそのまま芹沢に会いにいっております。
 えっとー。大事なことを下川路らは忘れていたと思うんですけど。
 真弓のこの計画性のない行き当たりばったりな行動だと、バブル崩壊を止める前に日本が
崩壊しそうです。
 しっかし芹沢の周囲におる女ども、けばいのー。ワンレンボディコンだよ。質問してるアナ、
17年後と同じようにマイク、額にぶつけてて笑えますが。
 んで、真弓は芹沢に会って「この女性を知りませんか」と母親の写真見せるのですが、
知らないといわれてしまいます。で、あっさり引き上げていく真弓。…はぁぁぁぁぁぁぁああ…。
 何か不審なものを感じた芹沢はどこかへ英語で連絡しております。
 あとテーブルに2007年3月のダイヤモンド(経済誌)が。
 つまり芹沢は少なくともバブル崩壊を知ってるつてことじゃないか。
 陰謀の匂いがプンプンしますねー!
 つーかさ!真弓がいきなりストレートにここ行かなければいきなり警戒されることも
なかったんでは…?

 ともかく何とかしないとと思った真弓はそこで、下川路の姿を見つけます。
 しかもそこで「あなたに言われて過去からタイムマシンでやってきた」と言ってます。
 いやだから本当にこのバカ何とかしてくれよ。
 未来ならともかく、過去でそれ言って誰が信じるんだよ。
 が、下川路はわかったわかったと言ってなんか彼女を連れ出しております。

 街中は90年ですから、かなり懐かしい曲やらいろいろ流れております。平成2年だから
ギリギリ消費税はあった頃ですね。
 ローライズ、「ジーンズがずり落ちてる」と言われて笑える。
 連れてこられたのはディスコー。もうディスコって言うと死語に近いですね。この頃の
全盛期ではいわゆる高級ディスコの類が流行っており、ドレスコードをしいて入店規制を
かける店も珍しくありませんでした。ちなみに女性はフリーパスか料金を取ったとしても
安いものであり、男性は数千円かかりました。まあ女性がいるってなれば男は沢山
入ってくるということだったらしいです。
 お立ち台、羽根付き扇子といった流行を生み出した「ジュリアナ東京」は意外にもこの
バブル崩壊の後です。過激なファッションやらTバック、テクノサウンドはここから生まれました。

 ここで真弓はいろんな、現在の有名人に出会うのですね。
 飯島愛がおとなしめのメイクだー!
 ラモスにも出会って、「ドーハの、ロスタイムコーナーキックに気をつけて!」って言ってます。
お前はコナンかよ。(ベーカー街の亡霊、という映画でモリアーティ教授に対し、「3年後の
ライヘンバッハの滝にご注意を!」と言っている)
 なんかもう歴史を変える事に気持ちいいくらいためらいないな、お前。
 あ。八木亜希子アナもいました。
 こういうちまちまとした演出、嫌いじゃないです。
 ちなみに連れて来てくれたはずの下川路は、何股かかけてた女に問い詰められて真弓を
おいてさっさと逃げ出してました。

 そんで田島にナンパされて逃げるのですが、この時代別に借金はなかったことを思い出し、
話を聞くと、なんかダンスのパートナーとしてちょっと出て欲しいと。大金渡されて真弓は
フラフラついていくわけです。
 この頃の大学生は非常にバブリーでしたからねぇ。ディスコとか借り切ってパーティもよく
やってたようですし。
 パーティに行くと、真弓の奇抜なファッションはえらい目立つようです。まあこの時代は
ファッションだの流行りだの言うと一つの方向性しかなかったからなぁ。ワンレンならワンレン
だけ、みたいなの。今はどんなものでも「個性」というものになりますけど。
 で、真弓はノリノリで踊るのはいいけどその踊りがこれまた奇抜すぎて浮いてます。
 まるでバックトゥザフューチャーのマーティが両親の学園パーティで乗りすぎて一人引かれた
時のような。あれのもじりなんでしょうね多分。
 しっかしまぁ…なんつーか、こうして客観的に見るとバブルの時代って誰もがずっと酔っ払ってた
ような時代だったんですね。まさにバッドトリップ。
 つーかさ。
 真弓さん。あんた本当に母親探す気があるんか。

 ともあれ下川路と再会した真弓。電話するにも公衆電話の時代でしたから小銭を貸してくれ
といわれて、ポッケに入ってた100円玉を渡します。が、あることに気づいてあわてて電話を
切りました。
 そう、その小銭こそ、田島から借りた500円で食ったハンバーガーのお釣りであり、平成19年
からきたという紛れもない証拠。
 なるほど、やるな!
 これを菅井に鑑定させたところ、本物の100円玉であることが判明。
 芹沢のところに忍び込んで奪ってきたダイヤモンドもあることだし…と真弓は説明して
ますが、この頃バックトゥザフューチャーはもう映画公開されていたわけで、タイムマシンが
洗濯機と聞いてまた逆戻り。まあ普通、洗濯機がタイムマシンとか言われたら間違いなく
その中に叩き込みますね、言ってる相手を。

 真弓を家に泊めてやって、一人雑誌をめくる下川路。ところがはさんであった母親の写真を
見つけ、それが大学同期の知り合いであったことから下川路はやっと真弓が未来から来た
人間だと信じるわけです。おっせーよ。
 まあそれで、雑誌を読みつつ明日発表されるという「不動産取引融資の規制」には重大な
欠点かあること、これを本当に発表したら日本に来るのは破滅だけということを悟るわけですな。

 慌てて自宅に電話する下川路。真弓は待ち合わせに対して「じゃ、駅についたら電話するー」
と切ってしまいますが…。
 あんたどこから、どうやって、誰に電話するつもりなんだ…。
 まあ下川路が見つけたからいいけどさ。
 テレビ局に行くと飯島直子がいました。まだまだ下積み?か知らないけど真弓は励まして
います。未来を知ってればねー。ついでだから前田亘輝とは結婚するなよとも言っといてやれ。

 で、テレビ局の薫に、母親探しを依頼するわけです。薫は真弓のことに興味津津であれこれ
聞きたがるんですね。携帯を目にしていよいよ本物だと思ったんでしょう。
 ええい、ノストラダムスはどうでもいい。

 喫茶店で茶しばいてたら真理子さんが来ましたよ。ええ、真弓の母。彼女はシングルマザー
として真弓を育てていたのでした。今年5歳になるそうです。
 あの写真から「ひょっとして…」という思いを抱いていた下川路は、娘の名前を教えない
という彼女に対し「真弓だろ」と当ててみせます。
 それで驚くかと思ったら真理子は怒り出すわけです。「数日前から私の周囲で黒服の男が
ウロウロしていたのはやっぱりあなたのせいね!」と。
 こん時はまあグダグダで別れるわけですけども。
 そうして席に戻った下川路ですが、「この頃のママは私が5歳の頃かー」と昔の話を始めた
ことでようやく、目の前の女性が自分の未来の娘であるということを確信します。
 なんつーか、仰天どころの話じゃないでしょうね。一日前は下心ありありで手を出す気
まんまんでしたから(笑)。それと同時になんていうか、守りたいって気持ちもわいてきた
んじゃないでしょうか?

 帰路を歩いていた二人は、薫ら取材クルーが尾行しているのに気づき、彼女(真弓)は
俺が守る!と宣言します。薫はまあ娘だとは夢にも思わないわけですから、本命か、とか
勘違いするわけですが。
 しかも寝る時に真弓に対して説教しちゃってるし。もう接する態度が父親のそれになってて
笑えます。
 
 さて。
 今度は本気で芹沢に忠告しにいった下川路ら。世界でこの危機に気づいているのは下川路と
菅井だけ。
 芹沢は「規制発表は白紙撤回する」と言いましたが果たして…?
 案の定、警察の拘留から開放されていた2007年の真理子が芹沢に電話してきて、今夜
6時に料亭で会う約束をしたと、芹沢の秘書から下川路に連絡が入ります。
 いよいよ大詰めです。

 ところが料亭は厳重な警戒でまったく入れません。そこに通りかかったのが、真弓が
現在勤めるキャバクラのママであり過去では芸者をやっていたという玉枝さん。彼女に
頼んで芸者として潜入。
 何も知らない真理子はやってきて、芹沢らに話をします。
 ここで意外な話がもたらされます。
 芹沢はバブル崩壊を招くことを分かっていて規制を発表しようとしていたわけです。
狙いは、株を買占め売りさばいたりして、ここに集まった連中に数兆の儲けを出すこと
だとか。確かに、下がるのが分かってれば簡単に儲けられるでしょうな。
 で、始末されそうになった真理子を助けるべく奮闘する真弓と下川路。ところが
取り押さえられてあわや…となったとこへ駆けつけたのは薫率いるテレビクルー!
しかも生中継!
 ちなみにここの見所は「またお呼びだよ」って、乱闘の中またやってきて呑気に
踊ってる玉枝さんたちです。何やってんの…。

 ここで芹沢はなんかどっかに連絡してるのですが…携帯でけー!この頃はまだ
あんなんでしたね。電話代も何十万とかかかったはずだし。
 それを見ていた菅井は不信感を抱きます。
 そう、バブル崩壊は食い止められたけれども、もう一つ、未来を悪い方向へ変える
手段がある。つまり、今の真理子を殺してしまうということ。

 下川路と真弓は慌てて現在の真理子のところへ駆けつけます。
 が、拳銃相手にうかつに手は出せず。
 そこで真弓が思い出したのが、真理子が発明した品々。
 扇風機と掃除機で見事黒服を退治した後は、警察がやってきてめでたしめでたし。

 こうしてバブル崩壊は避けられ、真理子と真弓は現代に戻ってきたのでした。
 だからどうやって戻ったんだよ。
 まあいいけど。
 戻ってみたら田島がいて仰天…したのもつかの間、お嬢様と呼びかけられてさらに
びっくりします。
 やってきた車に乗っていたのは下川路『総理』。

 そう、未来はもう痕跡をとどめないほど変えられ、ドーハの悲劇ではなくドーハの
英雄だったり、薫も大出世していたりと、相当やったな、みたいな。
 ちなみに菅井さんは官房長官になってました。
 
 恐らくバブル崩壊はなくても、同じようなことはあったのではないかと思うのですね。
でも下川路と菅井は頑張って立ち直らせてきたのではないかと。
 レインボーブリッジいくつ作っとんねん!

 ま、こういう未来の変え方というか、「未来が変わっちゃう!」という心配なしに、好き勝手
やった映画も珍しいです。面白くていいんでは。
 ちなみに製作と脚本はあの踊るコンビです。
 
 つか最後に「この映画はフィクションなので洗濯機には入らないでね」みたいなのを
流す意味はあんのか(笑)。

 とりあえず最近の邦画の中では、どろろに続いて面白い作品だったと思いました。
 劇団ひとりはすごいと思う。森口博子さんもすごい、なんつーかこういう静かな役も
似合うなーって思いました。
 いろんな意味で肩の力を抜いて見られる、面白い映画でした。
 バブルがはじけてよかったのか悪かったのかは分かりませんが、とりあえす国は
国の借金自分で何とかしろや。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→バブルへGO!!〜タイムマシンはドラム式〜