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デジャヴ

3/18鑑賞

 想像していたよりは面白かったです。つかもっと別のストーリーを想像してました。
過去に戻って彼女を死から守るべく戦う、みたいなの。大筋では合ってるんですけど、
その手段というか流れがまったく想像と違ってたので。
 というか、下手に頭が切れるのも良し悪しだなぁ、と思った映画でした(笑)。

 物語は、笑顔で歩いてる人達のスローモーション映像から始まります。つか水兵は
どうでもいいので、その他の人達をめっちゃガン見しといて下さい。特にカップル。
まあ顔は覚えなくてもいいけど、どういうシーンだったか覚えておくと、後でニヤリと
出来ます。

 フェリーに乗り込み笑顔で手を振る人達。
 警備員がフェリーに積み込んだ車を見て回っているのですが、中に、キーがついた
ままの車が。ドアを開けようとするとロックされています。つまり、故意にキーをつけた
まま放置したということで。プレートナンバーはなし。
 不審に思って通報しようとした途端爆発。それはもうすごい規模で。
 これはもう生存者いねーんじゃねーかってくらい豪快に爆発しました。
 このフェリー爆発が後々まで絡んできます。のでこのシーンは結構ちゃんと見ておかれると
良いかと。(あ、フェリー爆発はどうでもいいんだ…)

 さてさて。
 アルコール、タバコ、火器局略してATFの人間がやってきましたが、遺体のそばを通るとき
なんか不審な動きをしていたので何かと思ったら、遺体の袋の中にあった携帯が鳴った
のを自分の携帯が鳴ったと勘違いしたっぽい。いやそんな小技いりませんがな。つか
着信音変えとけ。
 この人、ラリーかと話しかけられるのですが、「ラリーは休暇中」と答え、ダグだと名乗りました。
 …うーん、フォーゲルパークにいる鳥の名前と同じだ。
 ダグと名乗られた瞬間私の頭にオニオオハシのダグのイメージが。ダメだ、もう今後
ダグ言うたびにこの鳥が出てきますがな。
 まあいいや。
 鳥でない方のダグは、爆発位置とかを調べたりして、橋の下から雨などで洗い流されて
ない爆発物の残りを、川に流れ着いた様々なもののなかから爆発物の破片を見つけ
出しました。この人すごい優秀ですね。あっという間に見つけてる。(時間の関係ですから)
 で、そういうのが見つかったもんですから、事故ではなく犯罪と断定。

 一方で、橋の防犯カメラに不審人物が映っていた事からそれの洗い出しも進めることに
なりました。いやいやいや展開はぇーなおい。
 と思っていたら、この爆破事故自体はどうでもいいらしく、かなりあっさり犯人の手がかり
やらいろいろ見つかりました。そうか、どうでもよかったのか…。
 ここでダグは「伝言を受けてるよ」と同僚に言われて折り返し電話をしてみましたが、
生憎と留守。「お電話下さい」とメッセージを入れて切ります。
 
 ダグは事件を追っている最中、「変な死体がある」という連絡を受けるんですね。
行ってみれば、あの爆発事故に巻き込まれたような死体ではあるけれども、見つかって
通報があったのは爆発前。しかも右手の指が何本か切断されていると。
 ダグのすごいところは、その観察眼でもって、口に粘着テープが貼られていた、拉致監禁
されてて殺された可能性があるとすぐに見抜いたところですね。展開はゃっ。
 更にその足で、その死体ことクレアの遺族に会いにいってますよ。はぇぇっつの。

 クレアの父の言うことには、朝帰って来るはずだった自分を出迎えなかったのでおかしく
思ったと。で、娘の家にいったら車がなかったと。元婚約者が車を売った可能性とかもあって
怪しいと。いろいろな情報が出てまいりました。あと、友人のベスという人が、昨日の夜誰か
と会う予定だった、という情報をもたらします。

 さらにその足でクレアの家へ。
 ここからは物語後半でダグが頭の中のパズルピースがはまっていくのとあわせて観客も
「これか!」と思うシーンに必要なので、部屋の中をくまなくじっくり見ておかれることを
お勧めします。
 まず入ると猫がきました。いやこれはどうでもいい。
 冷蔵庫かな、ドアに「U can save her」のメッセージが。首をかしげるダグ。
(Uはイコール「YOU」の意味です)
 シンクに血のついたシャツ。
 車の広告。
 その他様々な、「不審な」ものがあります。
 そうして電話を見つけ、何気なく留守電を再生しているダグ。
 その時自分の声を発見してビックリするわけです。

 そう。
 今朝死体で見つかったはずの女性から、少し前に自分宛てに電話が入っており、それに
折り返し電話をしてメッセージを吹き込んだ。何故?
 これは衝撃ですね。
 自分自身確かに死体を確認しているし、この時点で誰かがクレアのふりをしていたずら
するメリットもない。
 
 この謎はもちろんラスト辺りて解けるのですが、なるほどうまいことやったな、という感じ
でしたね。
 ただ、私なんかは「あーこれゃ最後に種明かしになるんだろうな」と思って見てたからいい
けど、最初に謎がばんばんばんと出てくるタイプの映画なので、今すぐ意味がわからないと
つまらない、という人にとっては前半退屈かも知れません、この映画。ただ、前半をキッチリ
見ておかないと後半まったく意味がわからなくなるので…。

 でもって、ダグの相棒だったラリーは、フェリーに乗船しており、あの不幸な事故に巻き込まれた
ということが判明します。
 何故休暇をとってこのフェリーに乗り込んだかは不明ですが、ダグにとっては二重のショック
といった感じです。

 ところがそれだけでなく何か微妙な空気が職場に流れていることを察したダグ。
 彼は「一緒に来て欲しい」と声をかけられて連れて行かれるんですね。

 連れて行かれたところはなんと。政府の最高機密の場所。
 4日前の映像が見られるところだそうです。
 録画してある映像を全方向から見られるて。
 でもそれなんか不自然ですやん…。
 ともあれ、これで3日後に、見るべきところを見れば犯人が映ってるはずだと。で、この映像は
1度こっきりで巻き戻しは出来ないので、その見るべきポイントをダグの鋭い観察眼で絞り込んで
欲しいということだったのでした。
 ダグは迷うことなくクレアの家を指示します。
 
 実際のクレアの家は今捜査が入ってるらしいんですね。で何故か「ダグの指紋だらけだ」と
捜査官がいいます。この時、最初に入ったとき彼はちゃんとゴム手袋をしていたので「あれっ」と
思った後「あーなるほどね」とその理由はわかりました。そういう意味ではここの伏線はちょっと
わざとらしかったかな。
 ともかく、ダグに「今何が見える」っていわれて、同僚の尻が見えると答える捜査官が笑えます。
 そうしてクレアを見張っているのですが、ダグは変なことに気づきます。
 クレアが何かの気配に怯えていると。
 
 現実の世界ではダグはクレアの葬儀に出てるのですが、ハイヤーの数と運転手の数が
合わないことから、犯人がそこに来ていたと判断。すっげぇなこの人。
 過去の世界ではクレアに車を買いたいと電話がかかってきていて、そいつが犯人だ…と
映像の割り出しをしようとするのですね。
 爆薬が仕掛けられていた車が、クレアの所持しているものと特徴が合うので絞り込めた
らしいのですが、なんつーか作品のメインに絡まないからか、フェリー爆発事件の犯人
探しについてはかなりあっさりヒントが出てきたりします(笑)。

 そんで顔の照合は出来なかったけど、おいてあったバッグの映像を人相照合システムで、
48時間内にどこにあったかを検索して、あっという間にフェリーに乗り込む犯人の映像から
割り出すわけです。すげぇ。
 こういうシステムは今現在実際に発明されてるんですかね?膨大な数の録画映像がいる
とは思うのですが。あったらすごいね。

 で、ダグはあることを思いついて試すわけです。即ち、映像に向かってライトの光をあて、
クレアがどういう反応をするかを。
 思ったとおりクレアは光に気づいてビックリ。それでダグはこの映像は録画されたものでは
なく、実際に今リアルタイムで過去を見ていると確信するんてす。本当に頭いいなこの人。
 
 それで急いでダグは自分あてに爆発が起きるからそれを止めろみたいなメモを書いて、
過去に送る事を試みるんですね。
 でもここで意味分からなかったのが、人に代書させてること。自分で書いたらいいのに、
という人に対して「自分の筆跡だったらビックリする」って言ってるけど、でも逆に頭の
切れるダグだからこそ、自分の筆跡だったら何かあると推理して、本当の警告だと判断
すると思うんですけどね…。
 まあ私なんか私の筆跡でメモ来ても読めないので意味ないです。(ほんとに役にたたねーな)

 そのメモを過去に送ることには成功したのですが。
 場面が悪かった。
 そう、丁度ラリーと口論になってダグは立ち去った直後。メモはラリーが見てしまった
のです。その結果どうしたか。
 ラリーは向かいました。その犯人がいるところへ。
 ダグはそれだけでラリーがどうして休暇なのにあの場所にいて、どうして巻き込まれて
死んだのかを悟ったんでしょうね。
 思ったとおり、犯人と接触したラリーは撃たれ、車で連れ去られます。
 つかなして応援を呼ばんのだ。スタンドプレーは危険だと思うのですが。

 犯人の過去映像を追おうとしたところ、可能な範囲外に出てしまうと知り、移動追跡
システム、ゴーグルの搭載された車に乗り込みダグは追いかけます。
 ここのシーンはすごい。
 考えてもみてください。
 目の前の景色は4日前。今走ってるのは別の景色。
 怖いッスよ…。つーか何故片目で見ながらおわんのだダグ。
 というよりもさ、ダグは別に見なくてもよくて、部屋で待機してる人達が「今犯人の車は
どちら方面に向かった」「どっち方面にずれたからゴーグルをそちらに向けて」っていえば
いいんじゃないですか?無理に見ながらおわんでも。
 やっぱり脳が処理しきれなくなったと見えて、現実の道路でガンガンぶつかってるんです
けど、ダグ。
 あと「気をつけろ、奴は真正面にいる」って誰か警告してたけど、それ4日前ですから!残念!
むしろ4日間もその場にいられる方がこぇーだろ。
 
 で。
 何とか尾行して敵の本拠地に乗り込みました。
 過去の映像では建物は壊れてないけど、今の目の前の建物は壊れていて、なんと救急車が
さかさまになって突っ込んでいます。あと爆発したみたいなすごい壊れようが。一体何が
ここであったんだか。
(ここは流石に展開読めなかったです)

 そうして探していくうちに、ダグはむごたらしい現場を見つけたんですね。
 即ち、ラリーに燃料をかけて燃やした跡を。
 これは…過去をどうしようとしても助けられなかったでしょうね。つかもうその場面は過ぎて
しまったのでどうしようもないというのもあるし…。
 そこらの切り替えはダグ、早いと思います。
 そうして、その時点での過去で犯人が所持している車はラリーを乗せて走ったわけだから
後ろ血だらけで使えない。早々にクレアの車が必要になるはず。
 あとその現場でタグはピアスの片方を見つけました。あのクリアの死体の左耳からなくなって
いたピアスです。

 犯人の身元は割れたので、そこにも捜査が入りまして。
 爆弾の証拠とかも見つかります…って犯人あっさり捕まったがな!
 事情聴取もダグがすんのかー。
 この犯人はちょっと頭おかしい人なんでしょうかね。
 自分は熱心な愛国者だったから、軍に志願してもはねられたと。それてあんな爆発事件
起こしたって。このクレイジー野郎が。
 しかもこれは復讐ではなく運命とか言っとるし。知らんよそんなのは。
 お前その無駄に長いまつげ引っこ抜いてやろうか。

 ところがダグは、もうこれでフェリーの事件捜査が終了になるといわれてビックリします。
何故ならこれ以上追求するとなると証拠を見つけた経路を出さなければいけなくなり、
そうするとあのトップシークレットの映像を明るみに出さないといけなくなるからです。
 つかそんなんお前らが頭集めて言い訳考えろや。ヒミツの匿名通報があったとか。
某国に武器があるから攻め込めーとかいうことに関しては無理やり証拠でっちあげたクセに
こんなことも出来んのか。(氷河さんそのネタはやばいです)

 納得できないダグはなんと。
 体ごと過去に行くことにしたらしいんですね。
 いやいやいや。
 質量を軽くするために服脱ぐて。
 お前その下着姿どう見ても不審者だろ。

 で、ダグはうまいこと病院に転送されるんですが、手術中のオペ室に、停電の後いきなり
患者が一人増えてたら笑うよな。医者とか看護師の混乱ぶりがちょっと笑えました。
「この患者はどこから現れた!?」みたいなの。
 そんでダグはやっぱ頭いい。胸に「蘇生措置を施してくれ」と書いておいたんですね。
 そんであっさり蘇生。
 見舞い客のフリして病院脱出。ついでに救急車も奪って、恐らく拉致されているであろう
クレアの元へ。
 ここら辺りからパズルのピースがはまっていくので、見ててニヤリと出来ると思います。

 死体の、クレアの指が何故切断されていたのかもここで分かります。

 ギリギリ間に合ったダグはクレアを助け出しまして、まず彼女の家へ向かい、治療を
施してからフェリーへ向かうことに。
 ここら辺りで大体のピースがはまりまして、大いに満足。
 つかドラえもんのタイムマシンの話によくあるようなオチでちょっと笑えた。
 結局やったのお前じゃねーかよ!みたいな(笑)。

 そして。
 ここで最大の謎。死んだはずのクレアからATFに連絡が入った理由がわかります。
思い切り疑われてんじゃねーよダグ。
 ところがダグはものすごいことに気づくんですね。
 今の時点では4日後の現在とまったく状況が同じで何一つ変わってない。つまり、
彼女が殺される未来が変わってないと。

 で、あわてて彼女を連れてフェリーへ。
 そこで冒頭のシーンと相成るわけです。いやーこの辺の演出はにくいね。
 もう一度見たくなっちゃうね。

 ところが立ち去るはずの犯人、二人がきてることに気づいて戻ってきてしまうん
ですね。橋の上に犯人が現れないことに気づいたクレアは慌ててフェリーに飛び乗る
わけです。つか言われたとおりさっさと警察に通報しとけばいいのに…。
 なんかクレアって余計なことしかしてないイメージがあるのですが(笑)。
 そんで大方の予想通りまた犯人につかまって人質ですよ。お前はアホかと。
 スクリーン越えてキャラを殴りたいと思ったのは初めてだ。

 それで無事に半犯人やっつけて、クレアも助け出して大団円かと思いきや…。
なんとダグ一人、爆発に巻き込まれて死にましたよ。
 かつてこの手の映画で主役がこんなに苦労報われず死んだケースがあった
だろうか、というくらいあっさり死にましたよ。思わずあっけにとられました。
 つーかクレアがさっさと一人で脱出したのが気になります。お前は何してんだ。
 
 ともあれ、あああああ!?とかなってる観客と、ショックを受けてるクレアの前に、
話を聞きたいと男がやってきます。
 その名はダグ。
 そう、この時間に生きているダグ。
 こういう形でつじつまを合わせられるとは…。
 釈然とはしなかったんですが、でも確かにこうしないとダグが二人存在してしまうん
ですよねぇ…。
 こういったタイムスリップものによくありがちな、つじつまを合わせるために歴史が
どちらかを抹殺してしまう、というのはありますが、まさかこういう展開だとは。

 ものすごーく複雑な気持ちでした。

 最後、「困難に打ち勝ったニューオリンズ市民にささげる」と出たのがなんかちょっと
感動しました。
 カトリーナのつめ跡はまだすごいらしいですが、また活気が戻ってきて欲しいですね。
 …そう思うならもっと別のラストシーンにしてくれ…(笑)。
 
 ちなみにデジャヴというのは誰もが一度くらいは体験しており、これは科学的に
証明がつくことなんだそうです。いわゆる、過去に体験したことと同じことが起きていて
それを忘れているから、初めて体験したのに過去にも同じことがあったように錯覚すると。
 ただ私は思うのですが。
 それで説明のつかないことはどうしたらいいんでしょうか?
 私自身あります。
 10年位前ある時代小説を読んでいた時のことなのですが、何故かラストシーン数ページを
全部読んだことがあったんですね。目で追うより早くすらすらと頭の中で展開が「次は
こうなって、これはこうなる」というのが、まさに目で追っている展開になってる。しかも
それを読んだ記憶というのがもっともっと昔、小学生の頃に夢で見たというもの。
 その本は書き下ろしでその当時発刊されたばかりなので、小学生の時に読めていたはずが
ないんです。別の小説とオチが似ていたのでは、という考え方もあるかも知れませんが、私は
その時が時代小説を読んだ初めてでした。
 その小説では皮肉にもこの映画と同じ、主人公が死ぬという最後でした。
 これは正確にはデジャヴとは違うかも知れませんが、なんだか不思議なつながりを感じます。



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