多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)


名探偵コナン
紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)

5/7鑑賞

 これはひどい。ポスターとかがウソ予告になってしまうのは、半年くらい前からCMのために
貼る必要があるから仕方がないにしても。
 パンフレットの表紙もウソだらけってのはひどい。
 まずコナンは時計型麻酔銃を一度も使いませんし、蘭と園子に至っては劇中で使って
いた武器が反対。ひどすぎ。なんじゃこりゃあ。やる気あるのかスタッフ。
 内容もひどかったっスよ。
 内容についてはおいおい述べるとして。
 気になることがもう一つ。
 毎年高額になる劇場版プレミアムグッズ。毎回毎回時計なのも飽き飽きですが、シリアル
ナンバー入りで希少価値高めて数万で販売ですからね…。子供向けのアニメだってことを
忘れていませんか?
 作品で商売することにしては文句言わないけど、あくどい商売すんな。
 小学館も作者も許可出すなよ…。
 前回の10周年は記念でよかったかもしれないけど今回出す理由がわかんない。
 子供向けウォッチ500円で出してやんなよ…。
 こういうのがあるから劇場用コナンって、なんだかなーって思っちゃうんですよね。
 ま、劇中でミサが使っていたアクセサリーのレプリカとか、チェスのレプリカとかを
数万で売り出すデスノートもこの点に関してはどうかと思いますが。
 来年はもうちょっと遊び心のあるグッズを期待します。
 
 さて今回の内容についてなのですが…。ま、テレビスペシャルでやってもいい内容だった
感じは否めないっス(笑)。

 CMがしんちゃんの時に比べて、プレステージといじめをなくそうCM追加。これはコナン効果を
狙っていてなかなかやるな、と思いましたね。

 舞台は都内から始まります。高木刑事と佐藤刑事が強盗犯追ってるんですが…。
「犯人はルパンと不二子です」って言って「…ふざけてるのか」と冷静に言われてる高木刑事
笑える。これが佐藤さんが言ったなら絶対信用してもらえただろうな。
 別にふざけてるわけでもなんでもなく、犯人がそのマスクをかぶっていたんですが。
 犯人に言いたいことがある!
 ルパンの相棒といったら次元だろうが!不二子はこういう場合、ルパンをおとりにして
逃げる方でしょ!まだまだ修業が足りんよキミィ。
 にしても堂々とルパン使えるのは日テレの特権ですな。この作画わざわざ頼んだのかな?
それともコナンとルパンのスタッフかぶってるんでしょうか?
 まあこの映画の中で唯一私的に盛り上がったエピソードでした。…この後ほんっと
盛り上がれる箇所なかったもんなぁ…(苦笑)。

 で、コンビニで立ち読みしていてこの追走劇に遭遇する少年二人。
 おいこら日が暮れたら子供は帰りなさいっての。
 あとビックリして店飛びだしたのはいいけど、後ろの一人、読んでた雑誌手に持ったままだぞ!

 …つかさ…ここのカーチェイスが作品中一番ハラハラするってどうよ…。
 いやー佐藤刑事の華麗なるテクニック、素晴らしかったです。
 これだけ都内走っても応援パトが待ち伏せしてないところがすごいですな。
 で、犯人の車を横転させて追い詰めたのはいいけどこの犯人、気になる言葉を言いました。
神海島、ジョリーロジャーと。
 つかさー。棺に海賊旗のルビふるのどうかと思いますよ。
(ジョリーロジャーは海賊旗をさします。劇中で詳しい説明が出てきますのでここでは省きますが)

 さてさて旅行にやってきている毛利小五郎と愉快な仲間達。
 得意げにホテルのチェックインで自分の自慢をしていますが、予約が取れてないってよー。
ニョホホホホ。
 うーん私はここで犯人がわざと予約を取り消したか何かしたかと思っていたのですが、流石に
これは深読みしすぎたようです。
 しかしこれが偶然だったとすると、なんか後の犯人の行動と矛盾してくるのですが…。どうも
この映画今回は最初からポカ多いような気がします。
 さてそこへ駆けつけてきたのは観光課の人。ホテルの手配がないということで助けてくれる
みたいです。
 さらに深読みのしすぎかも知れないのですが。私はこの時点で今回の犯人、当てました(笑)。
つか明らかに分かり安すぎるだろ!不自然な行動とか!
 ちなみに、こういうホテルの予約が取れてなくてどうにもならない時は、観光であれば本当に
市役所とか県庁の観光課に問い合わせてみると良い情報が得られることがあります。
(窓口があいてる時間でないとダメですが)

 なんでも最近この島には観光客が増えているとのこと。
 宝の話で意外に盛り上がっちゃったー、みたいな。
 町おこしか?

 で、通りかかった男3人をトレジャーハンターだと当てるコナン。手首から先の日焼けが薄い
って言ってたけど、作画見るとどう見ても手首から先がより日焼けしてんですけども。
 ここでいつものOP始まるのはいいんだけどさ、毎回これでもかというくらい音量上がるのは
何故なんだ。
 あと黒の組織はいいとして、ベルモットが前列から外れるのはいつなんでしょうか。
(そんな、アイドルユニットじゃないんだから)
 いや他にも新メンバー登場してるからさ…。(新メンバーとか言うな)

 これだけ人が増えたのは単なる町おこしだけでもないようで、2週間前に銀の食器が見つかった
ことから俄然信憑性が増えたようなんですね。
 あれか、竹やぶで1億拾いましたって報道されたら皆探しにきちゃったあれか。
 海底宮殿もあるんだけど、これは本物か人工かわからないんだって。
 …人工に見えますが…。まあともかく。
 ここで、メタンハイドレート層というものが出てきます。
 コナンがとてもわかりやすく説明してました。
 トランプで組み立てた城の空間にメタンが入っている不安定な状態と。
 それでこれが地震などで揺られることによりメタンが抜け、構造が壊れるため、この層の
上にあった頼親島は海底に半分くらい沈んだらしいと。
 ほー。
 ちなみにメタンハイドレートは、新しいエネルギーとして注目されているようです。なんとも
タイムリーな話ですね。天然ガスハイドレートとも言うそうです。
 ああ、そういや「燃える氷」って言ってたっけ。なかなか期待できそうですな。
 
 で。
 連れてこられたのは民宿。一泊二食つきで5000円。うーん、高いんだか安いんだか
よくわからんな。民宿とかって当たり外れマジでかいですからね。
 子供達は宝探しに(ちなみにコナンと灰原さんは強制参加)、蘭ちゃんと園子はダイビング、
毛利探偵は…おいおい昼間から飲むのかよ。昼間の酒は夜より酔いやすいんだぞ。
(昼間は体温も高く、血液循環がいいからです。夜は就寝に向けて体のリズムがだんだん
下がっていくので酔いにくくといったら変ですが、そうなります)

 で、蘭ちゃんと園子。
 ダイビングスーツを「種類が少なくてごめんねー」と見せてもらってちゃんと「素敵なスーツ
じゃないですかー」ってえらいね。言えない子多いからね。
 つか魚しか見ないから別にいいよね。(かなり失礼)
 海に向かう車中、インストラクターのきみこさんが話をしてくれます。
 1730年頃の女海賊で、アンとメアリというのがいて、背中合わせで戦ったって。
 園子が「私の背中を任せられるのは蘭だけ」って言ってるけど。
 …あなたが一度として敵と戦うような事態に陥ったことがありましたか。

 子供達は宝探し中。そこへまた転びながらやってきた岩永さんが、自転車貸してあげたり
しておりますよ。この館内だけかと思ったら島全体にわたる宝探しみたいです。結構本格的
ですね。
 子供だましと言いながら一番ワクワクしているのはコナン。

 で、蘭ちゃん達。
 ダイビングはいいけど…いきなりサメに遭遇。あわてて逃げようとした二人に対して、
きみこさんはステイの合図を。こういうのは岩肌にへばりついてやり過ごすのが一番
利口ですもんね。
 と思ったら深いところでトレジャーハンターが襲われてた。ああ、この血の臭いにひかれて
集まってきたんですか。
 で、このサメの種類は何よ?いくら血で集まってきたといっても、人を襲う種類のサメが
サクッと駆けつけられるような地域じゃないんですが、日本は…。
 まあいいや。
 何十とサメがいる中を奇跡的に潜り抜けて蘭ちゃん達生還。
 トレハンどもも脱出。
 
 で、子供達。
 一つ目のヒントの場所にたどり着いたけども、そのあたりをウロウロ。
 ま、ここはコナンがいるわけですから難なく解いてスタンプゲット。
 ところがそんな彼を灰原さんが呼ぶんですね。
 ダイバーが運ばれていったみたいと。
 慌ててコナンは駆けつけていくのです。
 …残りの3人じゃお宝クイズはぜってーとけないな…(笑)。

 蘭たちが無事としり安心するわけですが、襲われたトレハンのスーツを見ていた
コナンは細工されていることに気づくんですな。
 なるほど、確かに、いきなりサメに襲われるのはおかしいと思ったらそういう理由か。
 ここで阿吽の呼吸で毛利探偵に気づかせる二人が面白いっス。
 ダイビングショップの裏手にある靴跡とかその他を、灰原さんに携帯で写メっとくよう
言うコナン。自分は調べることが他にあるからだそうですが、お前ほんと人使い粗いな。
 灰原さんに「相棒」とか言ってるし。
 相棒は杉下右京と亀山薫だろうがぁぁぁぁ!(またコアなネタを…)

 ショップが鍵をかけないということから、誰にでも細工は出来たということで、まず
容疑者は絞り込めないようですね。まあ私は逆にここで犯人を確信しましたが。
 ともあれ、すっかり状況を忘れていたコナンは3人に呼び出されます。灰原さんは
戦線離脱。
 3人は宝探しでつり橋に来ていました。…なにこの、ちょっとでも踏み外したら下に
落ちますよみたいなつり橋。隙間ありすぎやろ!
 橋の向こうに何かあると渡った歩美ちゃんと円谷君。元太も行こうとしますが…。
体重40キロ以上のものは通行禁止だって。ギャハハハハ。
 少し考えれば分かるでしょう。ウソ看板だって。
 ま、ともあれ岩永さんに案内されてたどり着いたコナンのおかげで無事スタンプゲット。
 子供達は岩永さんに案内されるまでもなくたどり着いていたみたいですね。
 ここの伏線はちょっとあからさまだけど、今回の事件は難易度低いからこれでいいのかな。
 でもここで最後に、安心して引き返してる元太君のところへ岩永さんがやってきて
「この橋壊れてるから!早く皆渡って!」とか言ったら面白いなとちょっと思いました。
 実は本当に破損してたとかねー。ま、それはないでしょうけど。
 
 さてトレハンが襲われ死亡した事件で殺人事件ということになり、本庁から4人が
やってきました。目暮警部と部下3人。例の3人です、ハイ。
 目暮警部は少々気になるところがあってきたというんですね。何でしょ。
 と思ったら。
 なるほど、冒頭に出てきた強盗が、このトレハンに仲間にしてもらうために強盗を
したと供述していたのか。
 白鳥警部が指紋を取ろうとしますが失敗。ところが高木刑事の機転で、マッチを借りて
指紋とるのに成功。すげーや!
 でも高木刑事が「接着剤ありますか!」と言ったシーンで静まり返るのはひどいと思う。
(シーン切り替えのため音声を入れなかっただけだと思うのですが、結構長かった
ですよ無音のシーンが/笑)

 コナン達は夕食のお時間ー。ってすげぇ豪勢なごはんだなおい。うらやましいよ。
ホテルよりいいんじゃないですか。ここの民宿してるおっちゃん、美馬さんは漁師だって
言うから魚介類の新鮮さは保証済みだし。
 損して得をとりましたね。
 ここで博士のダジャレクーイズ!
 タイが魚の王様になったけど先代の王は誰だったか、というもの。
 元太がやけに不審な動きをしていると思ったら…コナンがこっそり教えていて笑えました。
これぞイカサマ!って。
 おーい山田君、元太君とコナンの座布団全部とっちゃって!

 宝探しのヒントである「海賊はなかない」というものについて、海賊はなく、というのなら
知っていると、美馬さんが案内してくれることになりました。
 ああ、つまり鳴き砂ですか。
 島根県にも琴ヶ浜という、有名な鳴き砂スポットがあります。ところが近年残念なことに、
浜へゴミを捨てていく心無い人や、海岸浸食のため、段々と鳴く範囲が少なくなってきて
しまっています。
 また、靴についたゴミなどでもそういった不純物が混ざるとなきにくくなります。
 鳴き砂を体験される際にはそこでの注意事項を守ってお楽しみ下さい。
 ちなみに円谷君が「なきずな」と発音していますが、正しくは「なきすな」です。

 さて高木刑事。見事指紋検出に成功。この辺りの知識はさすが「名探偵コナン」と
いったところでしょう。
 瞬間接着剤の成分は「シアノアクリレート」というものです。これが最初はモノマーという
分子がバラバラな状態で入っているわけですが、材料の水分に反応して急激に固まり
ポリマーだっけ…しっかりと固定された状態になります。瞬間的にくっつくのはそのためです。
 さてこれを利用して、指紋に残っているわずかな水分に、シアノアクリレートの蒸気を
当てることによって指紋を浮き上がらせよう、というのが今回高木刑事が行った手法。
 当然これらは狭い密閉された空間内で行われる必要があります。
 小さな箱を用意して指紋をつけたものを入れ、すぐ近くに、高木刑事がやっていたように
瞬間接着剤をたらして入れ、蓋をしてしばらく待った後あけると、指紋が浮き上がってきて
いるはずです。(参考 化学ミュージアム | くらしの中の化学製品)
 ちなみに白鳥警部が「鑑識に行きたければ、私でよければ推薦状を書く」と言ってますが、
確かに高木刑事ほどの頭の回転率があれば鑑識もほしがるかと。あそこは職人の部署
っスからねぇ…ホント。
 あんまり頭が良すぎて、KIDの変装かコイツ…とか思いましたよ(笑)。最後コナンらを
助けて「俺が欲しかった宝があったんでね」と颯爽と去って行くのかと。

 さて無事に次の手がかりを見つけた子供たち。そんな中コナンは、ダイビングショップの
オーナー馬渕と、トレハンの一人が接触しているのを確認。何か妙だと思い駆けつけて
いきます。
 つーかあっさり見つかってんなよお前は。

 と、そこへ鳴り響くのは観光舘の非常ベル。
 何者かが侵入したようです。
 つーか目暮警部以下4人全員行くなぁぁぁぁぁ!
 指紋の照合結果はさすが、パッと戻ってきました。
 ICPOからの書類で、国際指名手配を示すものが。
 大変だなこりゃ。

 コナンはあのトレハン二人が宝を盗み出すのを目撃、止めようとするんですが、この
二人を影から狙撃するやからが。
 …その至近距離でかすっただけかよおい…。犯人の狙撃の腕も大概だな。いやまあ
素人だから仕方がないんですが。
 「探偵達の鎮魂歌」のあの女を見習えよ!(迷惑です)

 ちなみに酒飲んでて騒ぎを聞きつけ、岩永さんのチャリに乗って駆けつけた毛利
探偵は、飲食代踏み倒し、自転車窃盗、飲酒運転で逮捕されました。
 皆さんも自転車の飲酒運転はご注意下さい。
 …毛利さん、あんた本当何しにきたんだ…。

 コナンはここの時点で狙撃したのは誰かわかったみたいですね。これだけヒントが
あれば分かるか。というよりもかなり杜撰だもんなぁ…。
 それから私、トレハンが、警視庁からの刑事がきているにも関わらず観光館を襲った
理由、犯人に何かそそのかされたのかと思っておりました。例えば、これがあれば宝の
ありかがわかるとか。それで出てきたところを殺すつもりなのかと。
 ずぇんずぇん違った…。自主的な強盗でした。(あんまり他主的に強盗する人おらんから…)

 それからコナンはある確信を持って自転車を調べ、GPSを発見します。
 コナンのチャリについていました。だからあの人はあそこでコナンに会ったわけですね。
 まさかコナン一人単独行動していると思わなかったから不自然な形になったわけだ。

 さて捜査会議はいいのですが。
 トレハンが行方くらませているというのに呑気なものだな。
 相手は殺人者なわけですから、島中に呼びかけて、家から出ないこと、夜出歩かない
ことくらいは言わないと。
 この辺りがなんかおかしいんスよねぇー。相手は逆上して人を殺すかも知れないのに。
 ちなみに馬渕さんが会っていたのは、お金をもらって逃走用の船を手配していたと
いうことが判明します。
 金のためとは言っても逃走手助けで共犯じゃボケ。

 宝探しのキーワードを全部集めた子供たちは、スタンプの数字に悩んでおります。
これは分かりにくいねぇ。うん。
 一方蘭と園子。いやあんたらまだもぐろうってのかい。呑気じゃなーホントに。
殺人犯が逃走中という危機感ないのか。
 コナンは情報を求めて美馬さんに声をかけます。いやー、ここのシーンがいやに
シリアスだったから私の推理が間違ったかと思って焦ったよ。
 単にコナンは美馬さんが昔トレハンだった、と気がついただけでした。

 やっぱり思ったとおり、蘭と園子はあのトレハンに襲われましたとさ。
 はぁー…。

 で、コナンはこの宝探しの数字が単なる子供遊びではない、アンによって隠された
本物の宝であることに気がつくわけです。
 数字をアルファベットに置き換え、出てきた言葉は「JOLLY ROGER」。で、美馬さんが
持っていた宝の地図を見ると…。
 ってかさ。宝探しはいいけどこの地図ないと解けないよね。それ卑怯じゃないですか。
誰も正解できないっつかさせようという気がないだろ、製作者。

 さてここで海賊旗の詳しい説明がされます。
 JOLLY ROGERというのは直訳は「ゆかいなロジャー」、名の由来はフランス語の赤旗
「JOLIE  ROUGE」もしくは悪魔「OLD ROGER」という風にいくつか説があるとのこと。
 また、骸骨に大腿骨がクロスしているあの図柄はskull-and-crossbonesといい、
死の象徴だそうです。
 つまり、どちらの名称もともに、海上で出会うことをもっとも恐れられる存在であることには
変わりがないということ。
 ロジャーといえばこんな名セリフがありましたね。

 時は、大海賊時代。
 この世の全てを手に入れた男、海賊王ゴールド・ロジャー。彼が死に際に放った一言は
全世界の人々を海へと駆り立てた。
「俺の財宝? ほしけりゃくれてやる。探して見ろ。この世の全てをそこに置いてきた」
(ワンピース)
 多分このロジャーは海賊旗の元となったジョリーロジャーをもじってつけられた名前
ではないでしょうか。海賊ものだから当然とはいえ、分かってみると面白いものです。

 えーそれで、海賊旗に意味があると気がついたコナンは、地図にある海賊旗を
見ます。この歯がアルファベットになっていて「DOS DIOSAS」、スペイン語で二人の
女神だと。
 で、宝の入り口は分かるのですが、そこは地震で陥没してしまい入れないと。
 それならばあのトレハンどもは別の入り口を見つけ、そのために危険を冒して
あの宝を盗んだ可能性が高いと分かるのですね。
 犯人にそそのかされたんじゃなくて残念だ…。
 そこまで分かったところで、きみこさんがやってきました。
 トレハンに蘭と園子がさらわれたと。
 さすがコナンです。どうしてあの二人がさらわれたかを瞬時に理解して、美馬さんに
船を出してもらうよう頼むんですね。
 ここの描写はもちっと欲しかったな。後でもちろんコナンが理解した理由は説明
されるのですが、あえてここで欲しかった。
 それとこのシーンで何も問わず「船を用意する」という美馬さんと、簡易酸素ボンベを
渡してくれる博士がカッコイイです。
 あとコナンとすれ違いに博士を呼びにいくところで「気をつけなさいよ」という灰原さんも。
彼女もすぐに理由分かったんでしょうね。だから何かを言うより博士を呼びにいった。
この辺りの流れは秀逸。

 船上。
 園子にケガを負わせることで、銃創がある二人は、寄って来るサメの盾にしようと
いうわけですね。
 えっと…お前らにいいたいことがある。
 その、ケガを負わせた人質を連れている以上、お前らも襲われるのですよ。
 アホか。
 脳みそ引きずり出して藁クズでも突っ込んどけドアホ。

 まあサメにケガ負わせれば後は勝手に共食い始めてくれるんですけどね…。
 
 さてと。
 まーあとはいつも通りピンチになったところでコナンとーじょー。
 CMでやたらとピックアップされている、背中合わせに戦う蘭と園子のシーンが
一瞬で終わったとか、洞窟内の火が一斉にともる仕掛けは酸素を急激に消費して
酸素不足で死に至る可能性がありますよ、とか、コナンの後を追いかけてきた
犯人がそもそも美馬さんにまったく目撃されてないのはおかしいとか、コナンにボンベ
すわせて自分は吸ってないで平気な蘭が怖いですとか、突っ込みたいところは
山ほどあるのですが。

 洞窟から脱出した際に折れたはずの船のマストとかが、水面浮上した際に
直っていたのが一番のミステリーだと思います。(メインマストではなかったと思いますが)

 つか宝がないとトレハン怒り狂っていたけど、この船自体歴史的価値がある
ものだから売れば結構な値段つくと思いますよ。…もうバラバラになってしまいましたが。
 しっかし…この船、作ってどうやって出すつもりだったんでしょうね…。
 ボトルシップじゃないんだから…。
 ま、ともあれ、一瞬でも背中合わせに戦う蘭と園子の後ろに二人の女海賊が
浮かび上がるのはかっこよかったですよ。もうちょっと戦ってくれたらよかったけど。
だからつくづく、パンフレット表紙のあの武器のチョイスミスは痛い…。
 それから園子さんへ。
「園子!逃げて!」→園子逃げる→つかまる→「園子!逃げて!」→園子逃げる→つかまる
→「園子!逃げて!」→園子逃げる→つかまる…。
 お願いですからたまには犯人のいない方向に逃げてください。


 あと今回の犯人。
 結局何をしにきたんですかあんたは。
 大体あの暗号にしても、島に来た人にといてもらうのが目的なら、地図も一緒に
ないと意味がないだろうに。そりゃ謎の数字だけ出されても、それのヒントがないわけ
だから誰もとけねーっての。毛利さんにも期待して声をかけたそうですが、それなら
あの「宿が取れてないと声をかけられなかった」というそもそもの発端からしておかしい
んですよねぇ。だから私、宿が取れていないというトラブルは、犯人が毛利さんと接触
しやすくするために、意図的に仕組んだのだとばかり思っていたのですが。

 今回ほどアホな犯人は、金田一の殺人レストラン以来ですよ。(そのネタはもういい)
 コナンは犯人に「いや、小学生じゃないさ」というからドキッとしたら、小五郎のおじさん
だよって言ってました。いやー焦った。コノヤロー。

 蘭がコナンのウソを見抜いたエピソードはやっぱりEDの後に語られるのですが、
なかなか可愛くて良かったです。
 にしても本当に蘭って新一のこと良く見てるよなー。映画で語られたエピソードだけで
どんだけになるんでしょうか(笑)。むしろこちらの方が名探偵のような気がします。
 それと、EDで砂浜に立てた剣と銃。銃が途中で傾くのですが、それはNGテイクにして
きちんと撮り直して下さいよ…(笑)。

 というわけで。
 前作10周年で、今回は息切れしちゃったかなー…。
 話の筋自体は悪くはなかったのですが、事件の謎解きをメインにすえてないためか
犯人は丸分かりだし、そもそも犯人自体えらいやる気が感じられないしで…。
 それからアクションとアドベンチャーはもうダメダメ。アクションシーンなんて殆どないし
アドベンチャーってどれよ。宝探しのことですかい?
 何より残念だったのが、園子と蘭がたいしたピンチじゃなかったってことですよ。
 しかも頻繁に場面転換するから気持ち入りにくいし。
 もうちょっとこう、考えて欲しかったっすねー。
 今までの映画でアクションとかあっても一応推理をメインの売りにしてきていて、今回は
わざわざアドベンチャーと言い切ったから、推理を犠牲にしてでもそういう場面を見せに
くるのかと思ったらとんだ見当違い。
 そろそろ「最大の危機がコナン達に迫る!」とかのフレーズがむなしく響く時期ですかねぇ…。



多分花鳥風月金田一、コナン的読み物ページ映画の感想レビュー→名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)