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警視庁メールマガジン第5号 |
==警視庁メールマガジン第5号==
発行日:01/08/31
目次 [〜ごあいさつ〜総務部広報課より] ●夏休みも終わりですね ●指名手配犯高遠遙一について [捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●名前間違い事件 [大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●アリバイ! [防犯ミニ知識] ●秋の凍死事件 [ほんの一口〜読者の声] ●ヘロインをなめて確かめる? [トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●化粧品の使用期限 |
[〜ごあいさつ〜総務部広報課より] ●夏休みも終わりですね 始まった頃はまだこんなにあると思っていた夏休みもあっという間に終わり、学生の皆さんには気が重い新学期が始まりますね。もしかして今頃あわてて宿題を片付けている方も多いのではないでしょうか。夏休み、しっかり遊ぶためには計画的な課題の消化も必要ですよ。 社会人である私達にはこの夏、「内部機構の見直し」という重大な任務が課せられました。犯罪の防止、そして早期解決に向けて何をすべきか、改めて考え直す必要がありそうです。 ●指名手配犯高遠遙一について ニュースで大きく報道されたと思いますが、9月2日イタリアにおいて指名手配犯高遠遙一がマジックショーを開催する可能性がある、ということについて警視庁では広く情報提供を呼びかけています。目撃情報や、場所を特定するもの、ショーの内容など些細なことでも構いませんので是非情報をお寄せください。また、民間人には危険が予想されますので、イタリアへ見学に赴かれたりすることのないようにお願いします。 |
[捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●名前間違い事件 今日は、明智です。今回は部下の失敗談をしようと思います。 ある殺人事件の捜査中に司法解剖を依頼している監察院から連絡があり、それを受けた部下が慌てて私の元に飛んできました。聞けば部下が捜査中に死亡したとのことで、私も大変驚き、手がけていた仕事を中断して監察院へ向かいました。 警察官の殉職といえば大変なことです。捜査一課の最高責任者である捜査一課長が、その時会議の為留守にしていましたので、とりあえず事実を確認してから私がじかに連絡を入れようと、向かう車中いろいろ考えていました。 監察院について事情を告げるとすぐに奥へ案内されました。医師は書類を取り出してきて内容を話し始めようとします。が、普通司法解剖には刑事が立ち会います。その立ち会っていたはずの刑事がいないのです。もしかしてその刑事が殉職したのでは…と思い尋ねると、何と情けないことに解剖が始まるや否や失神してしまい、奥の休憩室で休んでいるとのことでした。 ただ、理由が分かればそんなことに関わってはいられませんから、事情説明の続きをお願いしました。医師はうなずいて話し始めました。 しかし、私と部下は妙な違和感を感じて顔を見合わせました。医師が話しているその内容は、どうみても司法解剖を依頼したその結果としか思えないのです。 「お話中恐縮ですが、我々は部下である○○が死亡したという知らせを聞いて、こちらへ駆けつけてきたのですが」 「ですから、今解剖した方の結果ですよね?」 話がかみ合いません。死亡したからと言って、即解剖するということはシステム上ありえないからです。 不審に思い、その書類を見せてもらってやっと事情がわかりました。解剖されたのは確かに、その殺人事件の被害者だったのですが、そこに今失神している部下の名前が書き込まれていたのです。 解剖に立ち会うはずだった刑事は捜査一課に配属されたばかりの新人でした。そして、何故か今まで所轄署では解剖に立ち会ったことは無かったのだそうです。 殺人現場で検死を行った医師は、その被害者の身元が割れているかどうかなど知りませんから、書類を記入しながら「(被害者の)名前は?」と聞き、聞かれた刑事はそのまま自分の名前を答えてしまったのでした。それも普通なら気がつくのですが、解剖の際気絶してしまったため間違えているとは露知らず、また、監察院の方もそんな事情は知りませんから、名前を取り違えたまま捜査一課の方へ連絡を入れて来たのでした。 幸いなことに被害者の方の身元もそれからすぐに判明しましたが、ようやく目の覚めた部下が、失神していたこともあわせて課長に叱り飛ばされたことは言うまでもありません。 ちょっと所轄署には口が裂けても言えない大失敗でした。 |
[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●アリバイ! よっ、西の名探偵、服部やで。今回はアリバイの話や。 例えばあんたのとこにいきなり刑事が訪ねてきて、「昨日の午後8時ごろ、どこで何しとった。それを証明する人間は?」と聞かれたら、すぐに思い出せるやろか。 残業しとったとかなら別やけど、多分殆どの人が「うーん何しとったかなぁ…」と考えて、少しして「家族とメシ食っとった」とか「テレビ見とった」とか答えるンちゃうかな。それでちょい意地の悪い刑事なら「家族の証言はあてにならん」ゆーて突っ込むやろけど。 でもな、いくら意地の悪いツッコミを刑事がしたゆーても、別に疑っとるワケやない。あんたがどういう風に答えるかを観てるわけや。 犯人の心理からすれば、犯行時間自分が別の場所に居たという確実な証明は喉から手が出るほど欲しい。だから、時刻がはっきりするような証拠、証言を作り上げようとする。 せやから、上の例にならうと「8時から8時45分まで電話してた」とか、「酒が入って暴れて乱闘騒ぎを起こした」というような「いかにも」な証言ほど刑事はうたごーてかかる、ちゅーことや。いつもは酔ってもおとなしいだけなのに、その時に限って暴れたということになると刑事の中では「クロ(容疑者)」も同然。その日から24時間ベッタリ刑事の尾行が始まるで。 よく、鉄壁のアリバイっちゅー言葉が出てくるけど、調べる側から言わせれば鉄壁のアリバイを故意に作っている人間が一番怪しい。人間、何時に何をして次は何、という風にいちいち時刻とつき合わせて自分の行動を覚えとるヤツなんてそうそうおらん。 アリバイが完璧なヤツほど疑え、っちゆーのは俺らの間では常識や。せやから犯罪なんてワリに合わんこと、するんやないで。苦労して作り上げたアリバイが一瞬で崩れるさかいな。 |
[防犯ミニ知識] ●秋の凍死事件 猛暑の夏が終わり、過ごしやすい季節がやってきました。収穫の季節とも言われる秋はその通り、様々な食べ物が皆さんの家庭の食卓を飾ると思います。 屋台でもおでんが出始め、会社帰りに一杯…と楽しみにされている方も多いでしょう。 しかしこの季節は、路上での凍死が増え始める時期でもあります。 凍死というと皆さんは冬の寒い時期、登山途中での遭難事件を思い浮かべるかもしれません。しかし、山よりも街中での凍死が圧倒的に多いのです。 この時期は冬ほど厚いコートや防寒具も必要でなく、まだ日中は日差しもきついためか半そでなどの軽装が目立ちます。上着を肩に引っ掛けて屋台を覗くサラリーマンらしき方も見かけます。 そこでアルコールが入ると体表面の体温が上昇し、暑く感じるようになります。そのまま帰宅途中で雨が降ってきたのをこれ幸いと濡れたままにしておいたり、ひどい時には川に入っていく人もいます。神経が麻痺していますから寒さを感じないかもしれませんが、この時が一番危険な状態です。酔いのあまり路上に座り込んで眠ってしまったり、終電を逃してしまったからと公園のベンチに横になったり…。 この状態で眠り込んだ方の8割が、翌日凍死体で発見されます。濡れたままの体からは体温がどんどん奪われていき、しかし本人が目覚めないためそのまま凍死してしまうのです。 日が落ちてからもしばらくは気温が下がらないためなかなか気付きませんが、時として朝の冷え込みは初冬に匹敵するほど気温が下降します。 しこたま酔ってどこかで眠り込んだ経験のある人や、酔うと記憶がないという人はくれぐれも気をつけて下さい。凍死は山だけで起こる話ではありません。 |
[ほんの一口〜読者の声] ●ヘロインをなめて確かめる? 私は「太陽にほえろ」という刑事ドラマの大ファンです。ここ最近特別番組で麻薬取締りなどが取り上げられていて気付いたのですが、麻薬を確認する方法が違いますね。ドラマではペロリとなめて「シャブだ」と言っているのに、番組では検査薬を使用しています。実際はどちらが正しいのでしょうか? ご質問ありがとうございます。今回は3択にしてみましたので、皆さん正しいと思うものをクリックしてみてください。 1.ドラマのようにペロリとなめて検査する 2.番組のように検査薬を使用する 3.急がない時は検査薬を使い、その場で確認する必要がある場合は ベテラン刑事がなめて確認する 答えは、正しい選択肢の中に書いてありますよ! |
[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●化粧品の使用期限 交通課の由美ですvv今回は、化粧品の使用期限についてです。 最近季節ごとにそれぞれのメイクグッズが出てて、私とかも新商品が出たらチェックしてる方なんだけど、何時の間にか使わないのがたまっちゃって「これ使っても大丈夫?」って思うことない? 実はこの化粧品、使用期限は未開封のもので3年って薬事法で決まってるんだって。だから買ったきり忘れてたとかいうものは、3年以内なら使って大丈夫。だけど、夏用のファンデーションを買ってちょっと使って、次の夏がきてしまったという時は捨てた方がいいみたい。使い始めたら3ヶ月で使い切るのがベストで、使用期限も正しい保管方法を守って1年くらいみたいだから。 ただし、最近流行の無添加・自然派化粧品は防腐剤が入っていないから、保存よりは使い切ることを考えて。傷みかけている化粧品で肌を傷つけちゃったら大変だものね。 そろそろ秋の新商品が並ぶ今日この頃。明日は買い物に行っちゃおうかなっ♪ |
[あとがき] いつもメールマガジンの記事は、1週間かけて作成、推敲を行い隔週金曜日の配信・発行にこぎつけるのですが、今回指名手配犯の高遠遙一による、警視庁を利用した大胆不敵な予告事件が発生するなどして編集は一時混乱をきたしました。 ICPOや警察庁、入国管理局と連絡を取り合い、鋭意捜査中です。どうか皆さんのご協力をお願い致します。 今日で夏休みも終わり、ホッとしておられるお家の方も多いのではないでしょうか。私の部署では、子供が夏休みだからとお昼ご飯を食堂で済ませていた女性警察官達から、「明日からまたお弁当を作り始めなきゃ」という会話が聞こえてきます。家にずっといられるのも、学校が始まるのも、どちらもなかなか大変ですね。 それではまた。 [警視庁メールマガジン] 総編集長: 警視庁 警視総監 白馬 編集長: 警視庁 総務部 牛黒 発行: 警視庁 転載を希望する場合はご連絡下さい。 |
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