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警視庁メールマガジン第7号 |
==警視庁メールマガジン第7号==
発行日:01/09/28
目次 [〜ごあいさつ〜総務部広報課より] ●自転車のライトを点けましょう ●おかしいな?と思ったらまず確認 [捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●不起訴処分と起訴猶予処分 [大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●ライバルはアイツ! [防犯ミニ知識] ●この時期の山にはご用心 ●携帯電話は注意力散漫の元 [ほんの一口〜読者の声] ●警察24時とかってやらせじゃないの? [トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●上手な布団の干し方 |
[〜ごあいさつ〜警視総監、総務部広報課より] ●自転車のライトを点けましょう 一気に日の落ちるのが早くなりましたね。定時で勤務を終了して、家にたどり着く頃にはすっかり真っ暗になってしまいます。 そんな時怖いのが、暗闇に溶け込んだ自転車。今頃は反射板、反射シールも貼っていないどころか、無灯のまま平気で自転車を運転している人が多いのに驚きます。 夕暮れ時は「黄昏時」ともいい、この言葉の起源は暗くなって人が判別しにくくなるという意味の「誰(たれ)そ彼は」に由来します。つまり、車も人も状態を理解しづらくなっているのです。 学生服は暗めの色合いが多いため自転車を無灯で走行すると、景色に溶け込んで自動車からはまったく見えなくなることがあります。自転車に乗っている本人には周囲が見えていても、周囲は気付かないということもありえます。このため自動車の左折時に自転車を巻き込んだり、不意に横断した自転車の発見が遅れて衝突したりと、この時期自転車との事故が増えます。 面倒でも夕暮れ時には必ずライトを点けるようにしましょう。ちなみに、ライトやブレーキなど不備があるままで自転車を運転していると整備不良となり、警察官に呼び止められてお説教されますよ。 ●おかしいな?と思ったらまず確認 夕方から夜にかけて、家人が帰宅すると思われる時間にチャイムを鳴らして、ドアが開いたところを侵入する強盗が増えています。 被害に遭った家庭の殆どが「家人だと思って開けた」と証言しています。 また、宅配便や役所関係者、警察を装うタイプもあります。 チャイムがなった時はすぐにドアをあけたりせず、ドアスコープやインターフォンでまずは対応してください。宅配に関しては伝票を、役所関係者については名札などを見せてもらい「何」の調査なのかを確認しましょう。 警察官は警察手帳を開いて中の身分証明証を見せる義務があります。名前を名乗らない、手帳を見せないなどあった場合は、直ちに最寄の交番に確認をとるようにしてください。 ドアチェーンをかけていない家庭も多いですが、せめて家人が1人帰宅するまではかけて応対するようにしましょう。ドアチェーンをかけていたために、強盗に入られなくて済んだ例もあります。ただし、チェーンのタイプ、建築年数によっては耐久性が低くなっているものもあります。点検を怠らないようにしましょう。 |
[捜査一課業務報告 明智管理官の見た事件] ●不起訴処分と起訴猶予処分 先日報道された、某アイドルグループメンバーの事件に関して「起訴猶予処分とは不起訴処分とまた違うのでしょうか」という質問を戴きました。今回はこの質問に答えようと思います。 まず逮捕以降の流れを大まかに説明しておきます。犯罪を犯して逮捕されると、警察で取調べが行われます。容疑者の供述に伴い供述調書が取られ、その裏付け捜査ののち、容疑者は検察に送検され起訴に至ります(これに関しては「ヒーロー」というドラマが参考になるとのことです)。 この、起訴の前に検察官が「嫌疑不十分」と判断した場合は「不起訴処分」、「犯罪を確かに犯しているが罪が軽い、起訴するほどのものではない」と判断した場合は「起訴猶予処分」となります。前者と後者の明らかな違いは、前者が無罪となることに対し、後者は逮捕の履歴がつくことです。 不起訴処分については、「公判を維持できない」という理由からそうなることも、ごくまれですがあります。証拠が少なすぎる、供述調書や警察の提出した書類に不審な点がある、と検察が判断した時です。つまり「犯罪を犯した」という、第3者にも明確な証拠がない場合、無罪判決が出る可能性があるとして起訴されない場合があるのです(殺人事件であっても死体が出てこない場合は、犯人が自首してきたとしても「殺人事件」そのものが成立しないということになります)。 例えば状況証拠しかなく、犯人の供述が犯行現場を見れば誰にも分かることばかりで、何一つ犯人のみが知りうる内容が含まれていない場合。かなり厳しい公判になります。ま、こんなことにならないよう刑事達は必死に裏付け調査を行うのですけどね。 ただ、新聞報道で逮捕された容疑者が起訴処分になったことはいちいち取り上げられなくても、不起訴や起訴猶予処分になった時は取り上げられる傾向が多いですね。これは、「逮捕」が犯罪を立件できるものとして行われるため、起訴にならないことが非常に珍しいからです(軽犯罪除く)。 犯罪を犯して逮捕されたらほぼ起訴処分。起訴されたら100%有罪判決が出ます。 その一歩を踏み込まないようにしましょう。 |
[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や] ●ライバルはアイツ! 最近とんと忘れ去られとる探偵がおるんとちゃうか?せや、東の探偵「工藤新一」や。俺の活躍の前にかすんできとるやろ?まーあいつ、俺も最近会っとらんしどこで何しとるんかは知らんけどな。少年探偵団っちゅー、ボウズ軍団のリーダーにはよく会うけど。 俺が探偵を始めて何が一番気に食わんかったゆーて、工藤の存在以外にないわ。最初は親父から俺の事を聞いたヤツが依頼してくる程度だったんが、そっから口コミで広まりだしていろんなところから事件解決を頼まれるようになってん。基本的に頼まれたらどこにでも出かけるさかい、遠くても気にせーへんねンけど、テレビや新聞で工藤の活躍を見とるヤツやといちいち工藤と比べよんねん。それがずっと気に入らんかった。捜査方法や理論の組み立て、展開は個人個人で違うもんやし、カラーっちゅーもんがある。何で俺が工藤みたいにせなあかんのや。 けど解決した時にホンマ嬉しそうに礼を言われたりとか、しぱらくして手紙が届くっちゅーことがあると、やっぱし探偵やってて良かったなとは思う。工藤っちゅー名前が出てきてもまあええか、思う。俺がせなならんのは事件の解決であって、工藤と張り合うことやないしな。 初めて工藤と会うた時はビックリしたで。突然現れて俺の推理の矛盾を指摘しよってん。どこで聞いとったとかいつの間に調べたとか、そんなん全部すっ飛ばしや。けど、あいつの推理には矛盾がなく、極めて明快な展開やった。 そん時俺はやっと、「東の工藤、西の服部」と皆が言うとるのが分かったような気がしたんや。誰も別に比べよう、思て言うとるんやない。どっちも甲乙つけがたい名探偵として並び称しとるだけや、てな。 それから工藤には会うとらんけどあいつ、どないしとるんやろ。今日もどっかで「真実はいつも一つ」ちゅーてクサいセリフ吐いとるんとちゃうか? そのうち少年探偵団のボウズらに東の名探偵の呼称、持ってかれてまうで。 |
[防犯ミニ知識]〜北海道警、警視庁交通部より〜 ●この時期の山にはご用心 食べ物のおいしい季節になりました。食欲の秋ですね。 我々の住む北海道は短い夏も過ぎて、冷たい風が身にしみる季節となりました。秋到来というよりも初冬到来、といった感じです。 さて、ここ最近クマに襲われる事件が相次いでいますが、山はもっともっといろいろな危険を含んでいます。中でもこの時期グンと報告が増えるのは「きのこ中毒」です。 山菜取りに山の中へ出かける人も多いですが、毒キノコを食用と間違えて採取しその日の夕食として並べたところ、家族全員がきのこ中毒になってしまったという報告も珍しくありません。 きのこは時折、名人でも間違うことがあるほど食用と毒キノコが似ているものがあります。新鮮なきのこを食べたい気持ちはよく分かりますが、素人が判断するのは危険です。市販のものを購入するようにしてください。 特に「ツキヨタケ」というきのこはシイタケやヒラタケに外見が似ており、きのこ採りの名人でも間違うほどです。また、そういった理由からきのこ中毒のナンバーワンでもあります。 きのこに関する迷信として、 ・縦に裂けるきのこは食べられる ・色彩の鮮やかなものは有毒だが、地味で香りのいいものは食べられる ・ナスと一緒に食べれば中毒しない ・虫が食べているきのこは安全 というものがあります。これはすべて根拠のないことですので(ツキヨタケは縦に裂けます)、安全性が不明なきのこは食べないようにしてください。 ●携帯電話は注意力散漫の元 日本では1人一台というほど携帯電話やPHS(以降携帯電話)が普及していますが、相変わらず携帯電話使用中のトラブルはなくなりません。 一番多いのはやはり、電話(メール通信含む)中の交通事故です。自分はきちんと対応しているつもりでも、ブレーキを踏むのが一秒遅れただけで停止場所には数メートルから数十メートルの差が生じます。フリーハンドで会話できる器具も出ていますが、担当課が実験してみたところ、普通に携帯電話で話をしながら運転をしていてブレーキを踏み込んだ時と変わらない結果が出ました。つまり両手が空いていても、危険を察知、ブレーキを踏み込むまでの時間に殆ど差が生じないということです。 これはどういうことでしょうか。 運転中は様々なことに注意する必要が生じます。対抗車線、信号、わき道からの飛び出し、車道を走る車、横断しようとしている歩行者、駐車車両など、視界に入るものすべてが要注意ポイントです。そのため強度の緊張が求められます。 しかし携帯電話などで会話やメールをしていると、視覚や聴覚などの注意がすべてそちらにいってしまい、運転に必要な情報を脳が処理するのに時間がかかるようになります。当然危険と判断してブレーキを踏み込むまでの処理も遅れます。 つまり、軽い気持ちで携帯電話を手にした時から、あなたの車は走る凶器になったといっても差し支えはありません。(もともと車は走る凶器といわれていますが) 国内の自動車数は年々増加の傾向にあり、交通事故も右上がりの状態です。そしてここ数年携帯電話が原因で事故を起こすパターンが急増しています。 自分だけは大丈夫、ちょっとなら大丈夫が取り返しのつかない事態を引き起こします。運転中はマナーモードに、通話は安全な場所に停止してから、と心がけましょう。 ちなみにこれは自動車に限りません。自転車でも同様です。 |
[ほんの一口〜読者の声] ●警察24時とかってやらせじゃないの? 「9月とか3月とかって、特番で警察の番組が増えますよね。あれを見てると都合よく逮捕されたり指名手配犯が見つかったりしてるけど、テレビ局のやらせじゃないの?」 こんな質問が届きました。私達警察にとっては名誉の問題です(笑)。 なるほど、実際に見てみると「簡単に」犯人が見つかったり、「あっけなく」指名手配犯が発見されたりしているように見えますよね。 確かに実際はそれほど短期間で解決することはありません。そういう意味では「時間的に」やらせがあると言ってもいいでしょう。 ですが本当に逮捕までにかかった時間まで放送していたらテレビ局は仕事になりません。何ヶ月も同じ番組を放送しなければならないでしょう。つまり、簡単に解決しているように見えるのは、捜査した期間を要約説明にとどめ、テレビ局にとっては「ウリ」である「逮捕の瞬間」に時間を割いて放映しているからです。 テレビ局側も事件発生から解決までの半年〜1年、警察に密着取材していることも少なくありません。半年に1度の放映の瞬間まで、裏では大変な時間が費やされているのです。 さて今回は警視庁に届いた面白い質問を幾つか紹介してみます。掲載を快諾いただきました方々にこの場を借りてお礼申し上げます。 ・指名手配されてる、高遠さんという人のファンになりました!特集記事を組んでくださいvv →週刊誌を買ってみて下さい。 ・明智警視カッコイイ!うちに遊びに来てください! →ありがとうございます。捜査で聞き込みに行った時には是非、ご協力をお願いしますね。(明智警視・談) ・明智さんや服部君って何歳なんですか? →明智警視は28歳、服部君は17歳の現役高校生です。ちなみに明智警視は独身です(笑)。 ・俺の活躍も取り上げてよー!オッサン助けてるのは俺だぜ? →誰かのお手伝いでもしてるのかな?ぜひ警察官になって活躍してね。 ・首相メルマガってライバルですか? →ある意味ライバルですね(笑)。 ・メル友になってください! →警察関係の質問・ご意見でしたらお返事しますよ。ただし相手はカワイイ女性警察官ではなくて、体格のいい男性警察官かもしれません。 |
[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ] ●上手な布団の干し方 交通課の由美ですvv照りつけるようだった日差しが暖かくなってきましたね。もうすぐ衣替えです。 今回は布団の干し方の裏ワザ。段々夜が寒くなってくると、干しておいたフカフカの布団が気持ちいいよね! でも日曜日にマンションを見上げながら散歩してると、間違った干し方をしてる人を沢山見かけます。もー思い切り布団を叩いてる人とか、日が落ちても干しっぱなしにしてる人とか。 干すのに最適な時間は、午前10時から午後2時までの間の2時間。それ以上は干さなくていいんです。それと、表を日光に当てたら裏も…なんてひっくり返す必要もなし。どちらかの面を2時間、じっくりと日光に当てましょう。 そして取り込むときも布団叩きは軽く数回程度。そんなこと言ったってほこりがどんどん出てるしー、とか思ってる人。それはほこりはほこりでも綿埃。大事な布団の中身が出ちゃってるだけなの。叩けば叩くほど布団は傷んじゃうんだよ。 布団を2、3回叩いて取り込んだら、干してない面を上にして、掃除機をかけます。まんべんなくゆっくりとかけてね。これは、干されたことによって日光から逃げるために逃げ込んだダニを吸い込むんです。 そしたら布団干し終了。ふかふかの布団で寝ましょう。 布団は叩かない。これ、基本です。ちなみに羽毛布団はあまり干す必要はないみたい。 |
[あとがき] 帰宅するために片付けをしていてふと窓の外を見上げれば、ついこの間までは出ていた太陽がすっかりビルの間に隠れてしまっていました。本当に日が短くなったんだなぁと実感します。そして、買い物に出かければ秋の食べ物がズラリと並んでいて、夕食は何にしようかと本当に悩みます。うちには食べ盛りの子供が2人いるのでおいしいものを食べさせてあげたいなぁと思います。そうそう、9月の始めにあった学校祭ではクラスの出し物が賞をもらったと言って大喜びで帰ってきました。ささやかな幸せですが、今の犯罪事情を考えると心がなごみます。素直に育ってもらいたいものです。 それではまた。 [警視庁メールマガジン] 総編集長: 警視庁 警視総監 白馬 編集長: 警視庁 総務部 牛黒 発行: 警視庁 転載を希望する場合はご連絡下さい。 |
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