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※これら掲載の記事はすべて実際の事件・団体等に関係の無い架空の物です。
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警視庁メールマガジン第8号

==警視庁メールマガジン第8号==
                                   発行日:01/10/12



目次
[〜ごあいさつ〜総務部広報課より]
●NBCテロ捜査隊訓練公開について
●110番通報について

[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]
●呼び出し

[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]
●初動捜査は気合が要る!

[防犯ミニ知識]
●交通事故多発時間にご用心!〜兵庫県警交通課より〜

[ほんの一口〜読者の声]
●子供を誘拐などから守るにはどうしたらいいのでしょうか。
●自分の県の警察を見学したい!

[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]
●自転車の盗難に遭ったら




[〜ごあいさつ〜警視総監、総務部広報課より]


●NBCテロ捜査隊訓練公開について

 アメリカのテロを受けて、国内での核物質や細菌、毒ガスなどの生物、化学物質を使ったテロの初動捜査にあたるNBCテロ捜査隊の訓練が10日、江東区の警備訓練所で公開されました。NBCテロ捜査隊は警視庁公安部所属で、NBCとはそれぞれ、Nuclear(核)、Biological(生物)、Chemical(化学)の頭文字をとっており、95年に発生した地下鉄サリン事件のような無差別テロに対し初動捜査及び被害者拡大防止の目的で2000年4月19日発足しました。
 現在は人員を増員し、20数名が配属されています。海外の軍隊の装備などを参考にしており、薬品や細菌の侵入を防ぐ化学防護車や化学防護服のほか、化学物資を数分で検知する質量分析計など、国内に一つしかない装備もあります。
 また、アメリカで問題になっている炭疽菌ですが、国内でもワクチンを急ぎ製造し、対応にあたっています。炭疽菌とは、本来は牛や馬などの草食動物に感染し、炭疽と呼ばれる激烈な急性敗血症死を引き起こすものです。人間には動物を介して感染します。日本での最近の発生報告はありません。
                                    (協力/新出病院)

●110番通報について
 
 家の近くで交通事故が起こった、不審な物音がした、という時に110番通報をする人が減ってきています。
 調べてみると、「誰かが通報しているだろうと思った」「確信のないことで通報すると叱られると思った」などという理由から、多くの人が事件が発生しても警察へ通報していないことが分かりました。
 消防庁の方でも呼びかけていますが、「不審な車が止まっている」「人が道路に寝ている」「隣家から変な物音がする」といった程度でも通報は可能です。我々の職務は犯罪を未然に防ぐことであり、こういった通報から事件の被害拡大を防止することが出来るのです。
 昨年では、ひき逃げにあった被害者をその周囲の住人が「誰かが通報するだろう」と通報せず、その結果事件発生から3時間放置され、死亡した例もあります。たった1本電話をかけなかったために、かけがえのない命が奪われてしまいました。
 110番通報しづらいというのであれば、もよりの交番へご連絡いただいても構いません。あなたの通報が事件を解決に導いたり、尊い人命を救うことになります。
 尚通報の際には、「何が」「どこで」「どんな状態であるのか」ということを伝えて下さい。貴方のお名前もお聞きするかと思います。住宅街でサイレンを鳴らして欲しくない場合は、そのようにお伝えいただければ付近に到着した時点でサイレンを消します。
 携帯電話からの場合は場所が特定できず(電話番号は分かります)、県境の場合は隣県の警察につながっていることもありますので「場所」「目印になるもの」なども必要になります。また、通報後はその場を移動しないで下さい。
 皆さんのご理解、ご協力をお願いします。




[捜査一課業務報告  明智管理官の見た事件]


●呼び出し

 携帯電話が1人一台と言われるまでに普及してきましたね。我々も、捜査に出かけた先からの連絡が便利になった反面、逆に自由を奪われた感もあります。
 警察のみならず、官公庁では一定の肩書き以上になると携帯電話が支給されます。これは例えば、緊急の判断を必要とする時、上の許可がいる時などの為で、携帯電話の使用禁止区域を除いて殆どオフにすることはありません。もちろん、自分の携帯電話を連絡用として使うことも可能ですが、公私混同を嫌がる人は支給のものと自分用、2つ持ち歩いています。
 さて、この誰もが持っている携帯電話。当然刑事は上司に自分の電話番号を伝えておくのですが、これがなかなか曲者でして、鳴らない時は殆ど鳴りませんが、一旦鳴り出すと何日も連続して呼び出されたりします。ある程度慣れてくれば、突然鳴ったとしても動じなくなります(ただし、夜中にたたき起こされるのに慣れた人には未だ出会ったことがありません)。が、新しく捜査一課、刑事課に所属された刑事などは、いつでも構わず鳴り出すこの呼び出し音が相当なトラウマになってしまうらしく、慣れる前にたまりかねて配置の転属を申し出た人もいました。
 それほど事件は多く、刑事達は多忙な日々を過ごしているのです。
 仕事が終わり帰宅して、さて夕食というところで呼び出しを受けることもしばしばです。もちろんゆっくり夕食を食べている暇はありません。仕事優先です。ですので刑事になると「麺類」を殆ど口にしなくなった、という人も多いかと思います。
 実際に私も、捜査本部をいくつもかけもちしていることが多いため(この記事を書いている時点では4つ持っています)、事件に急展開があった場合などはそれらから同時に呼び出されることもあります。そういう時は、内容から優先順位を決め順に顔を出します。もちろん間に合わない時などは、ある捜査本部で指示をしながら電話で別の捜査本部に指示、という時もあります。捜査本部の指揮をとる管理官は、滅多なことでは交代しません(他の管理官も同程度の事件を受け持っているため)。
 深夜に突然鳴り出す電話は非常に嫌な気分になります。緊急の電話は主に、(事件発生で)捜査本部が立つ時、事件に何か急展開があった時、夜中に逮捕状請求をすることになった時、などです。
 たたき起こされることもさることながら、良い知らせで鳴ることはほとんどなく、そのあたりが刑事にとって「呼び出しの電話が怖い」と言わしめる原因かもしれません。
 刑事の持つ携帯電話が一日中鳴らない日。そんな日が毎日続いて欲しいものです。




[大阪からコンニチワ〜西の探偵服部平次や]


●初動捜査は気合が要る!

 秋になってホンマ、いろんな食べ物が店に並びだしたなぁ。俺好き嫌いないから、この時期は秋の味覚を十分堪能しとるで。紅葉もいい感じになってきとるよな。今度おかんが紅葉狩りにいこ、ゆーてるけど、オヤジがあの通り忙しいからどないなるかわからんわ。
 さて、今回は初動捜査の話をするで。初動捜査っちゅーのは知っとる人も多いやろけど、捜査の初歩の初歩、現場を調べること。まあ俺や少年探偵団のボウズが殺人事件に出くわした時やっとることやな。
 これが殺人事件とかやったりすると、ホンマはものすごい危険なことだっていうのは聞いたことあるやろか?
 俺の活躍を新聞とかで知った人の中には、「かっこいい。自分も殺人事件に出くわしたらそうやって調べてみたい」っちゅー人もおるけどな。それやったら危険な目に遭う覚悟くらいしといた方がええで。
 例えば殺人事件は、誰かが発見して通報、最寄の交番から警官が出動、所轄と機捜がやってきて機捜は初動捜査開始、っちゅーのが初期の流れなんやけど、実は犯人がまだ、現場に隠れとることがある。
 その犯人に遭遇する確率が一番高いのが機捜や俺ら、っちゅーことやねん。犯人は人を殺して興奮しとるからまさに一触即発、危ない状態や。実際現場に踏み込んだ機捜隊員が刃物を持った犯人に刺されて亡くなった事件もある。「現場で犯人逮捕」、っちゅーのは決して間抜けな犯人やない。こういう危険なやりとりが裏に隠されとるんや。
 せやから俺かて何の考えも無く現場に駆けつけとるわけやないで。どこかに犯人は潜んどらんか、隠れられるスキマはないか、っちゅーのを瞬時に判断して、それから現場の状況把握にとりかかる。
 もし突然殺人事件に出くわしたら、腰抜かす人が殆どやと思うけど、間違っても探偵の真似して調べたろとか、新聞社に売り込むために写真撮ったろなんて思わんことや。そんなモンで自分の命捨ててもしゃーないで?
 捜査する警官だけでなく、俺も探偵を自負して現場に乗り込むからにはそれなりの気合入れとるわけや。野次馬根性だけやないんやで。




[防犯ミニ知識]


●交通事故多発時間にご用心!〜兵庫県警交通課より〜

 今回ここを担当することになりました兵庫県警です。
 当県は日本国内でも比較的交通事故の多い県で、あまり有難くないランキング入りを果たしています。また、警官にも荒々しい人が多いという嬉しくない噂もあるようで、日々市民との信頼を深めるべく鋭意努力しております。
 さて、この時期になりますと秋晴れの空にゆとりも生まれるのか、交通事故が少しだけ減ります。しかしその反面雨が降り出しますと交通事故がとたんに急増し、そこかしこでサイレンが鳴り響くことになります。当県は坂が多いため、当初はスリップ事故による交通事故多発かと思われておりましたが、統計をとりましたところ雨の降り始めに事故発生が集中するという結果が出ました。
 確かにスリップにも一因はあるのですが、雨が降り出したことにより歩行者が帰路を急ぎ、車への注意を怠ったり無理な横断をしたり、またマイカーやタクシーの利用が急増するためにこのような事故多発が起きているようです。
 気象的にも、雨の降り始めには気圧が下がり、しめった南よりの温かい風が吹き始めます。この風が吹くと昼間でも視界が悪くなり事故が増えることが証明されています。
 また、真夜中にも事故は急増します。深夜は車が少なく、法定速度を大幅に越えたスピードで走る車が多いことも原因の一つですが、本来なら眠っている時間帯である為、反射神経や判断力が鈍っていることも原因します。
 夜は景色が見えず、スピードを感じ取れないところに、運転に必要な感覚が鈍っているため、スピードの出しすぎにブレーキの踏み遅れが重なり、大事故につながることも珍しくありません。
 できれば午前0時から3時までは運転しない方が望ましいのです。
 
 また、当県は高速道路での事故も多発しておりますが、高速道路で「この先事故発生」や「○キロ事故 渋滞中」という文字を見かけた時は、その時点からスピードを心持ち緩めるようにし、パーキングエリアに車を入れて様子を見るか、一番近い料金所から降りるようにしてください。
 事故発生の表示を見るとそれ以上の情報がなかなか入ってこないため、「大渋滞になっても困るから、今のうちに行けるだけ行っておこう」と考えるドライバーが殆どです。そう思ってスピードを上げたらすぐ先のカーブでもう渋滞が始まっており、これに突っ込んで新たな事故を起こすことも珍しくありません。
 このように、ちょっとしたことで交通事故は発生します。つねに心のゆとりを持ってハンドルを握りたいものです。
 



[ほんの一口〜読者の声]


●子供を誘拐などから守るにはどうしたらいいのでしょうか。

「昨今、子供を狙った犯罪が多発していますが、先日うちの子供が公園で子供達同志で遊んでいる時に不審な男が声をかけてきたらしいのです。幸い近所の方が通りかかって大事にならずに済みましたが、誘拐などを未然に防ぐためにはどういうことに気をつけたらいいのでしょうか」
 こんな深刻な相談が寄せられました。捜査一課の特殊犯捜査第一係にお話を聞きました。
「まず、子供で遊ばせる時には必ず保護者が1人、ついているようにしてください。子供だけの場合誘拐などといった犯罪のみならず、思わぬ事故に巻き込まれることも多々あります。子供は決して大人の思ったとおりに動きません。多分大丈夫だろうという過信はしないことです。
 次に公園ですが、公園の外から内部が覗きにくい、つまり背の高い樹木が植えてあったりブロック塀に囲まれているようなところは危険ですね。中で何が起きているのか外部から分かりにくいということは、事件事故の発見を遅らせます。また、住宅街の奥まったところなども人通りがないため避けた方がいいでしょう。
 次に、車の往来が激しい、幹線道路などに公園の出入り口が面したところも、誘拐の場合すぐ車に連れ込むことが可能ですので危険といえます。単線道路やわき道などに出入り口が面しているのであれば危険度は低いでしょう。飛び出しなども起こりえますからね。
 逆に安全といえるのは、団地などの真ん中にある公園ですね。周囲を団地に囲まれているため常に監視の目があるようなものです。不審者が侵入してくればすぐに気付くでしょう。最近はマンモス団地の増加に伴い、入り口に管理人や警備員の常駐所を置いているところもありますね。
 これらの点を踏まえて適切な公園を探しましょう。お母さん、お父さんが目を離さないでいることが一番の防衛策であることは言うまでもありません」


●自分の県の警察を見学したい!

「警視庁メールマガジンを読んでいたら、どうしても警察のことをもっと知りたいと思うようになりました。警察の中を見学することは可能でしょうか?」

 こんな嬉しいお便りが寄せられました。警視庁の広報担当に照会した所、以下の回答がありました。
「都道府県警によって規定が異なりますが、大抵の県警なら事前に申し出をして許可を得れば可能です。ただし、刑事部や公安部など一般公開禁止の場所もある為、大抵通信指令室か交通管制センターなどの見学になります。警視庁でしたら、このどちらかを選択可能です。大阪府警では夏休みに親子でのみ見学を許可していますので一般の方の見学は出来ません。その代わりに梅田の曽根崎警察署地下の広報センターはいつでも立ち入り出来ます。もしよかったらご利用ください」




[トクトク裏ワザ〜肩の力を抜こうヨ]


●自転車の盗難に遭ったら

 交通課の由美ですvvもー、この前私の友達が見合いすることになっただの何だので、大騒ぎでした☆だってちゃんと気になる人がいるのに見合いも何もないよね?ま、2人とも不器用だから結婚は大分先だと思うけど。
 えっと今日はちゃんと警察っぽく、自転車の盗難に遭ってしまった時のワザです。結構知らない人もいるんじゃないかなと思って裏ワザにしました。
 盗まれないための最重要事項はもちろん鍵をかける、ちょっとだからと放置しないということだけど、盗まれた時に全額保証してもらえる任意保険があるんです。
 特定のメーカー名を出すことは出来ないんですけど、ある有名メーカーでは「ロビンフッド盗難補償」「サイクルメイト」という2つの制度を設定しています。
 「ロビンフッド盗難補償」は自転車を購入した時無料で加入することができ、購入後一年間有効。盗難にあった時は、購入したものと同じ自転車を定価の60パーセントで買うことができます。
 「サイクルメイト」は購入者の任意保険で、1900円の保険料で1年有効。盗難に遭って同種類の自転車を買うときは全額保険会社が負担してくれます。(ただし手数料の1000円〜2000円は自己負担です)
 どちらの保険も盗難に遭ったら警察に被害届を出し、メーカーへはハガキで告知するだけで済みます。
 また、この保険が適用されないメーカーのものを購入する時は、直接保険会社に申し込むという方法もあります。自転車を購入する店で聞いてみてね。
 せっかくお金を出して買ったものだから大切に乗りたいものです☆




[あとがき]

 いよいよ世界情勢が切迫してきて、メールマガジン編集会議の場でも何度か話題にのぼりました。日本もこれまで数々のテロの脅威に晒されてきましたが、今こそ国単位でのテロに対する防衛姿勢の整備が求められる時だと思います。機動隊も緊急出動に備えて日々警戒中です。

 さて、早いもので今年も気がつけば2ヶ月と半月。あと少しすれば年賀ハガキの販売が始まるんですね。来年こそ何かいいものがあたるといいなーと期待しつつ、郵便局に購入に行きたいと思っています。
 それではまた。

[警視庁メールマガジン]
総編集長: 警視庁 警視総監  白馬
編集長:   警視庁 総務部    牛黒
発行: 警視庁
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